ゆっくりいじめ系2880 最近の加工所

※俺設定注意










ここは、人里。その里の外れに位置する場所に、大きな建物が聳えていた。
その建物の名は、ゆっくり加工所。
読んで字の如くゆっくりを加工する場所である。

加工所の朝は早い。
まだ日も昇らないかという時間に、加工所はゆっくりと運転を始める。
今日も今日とて何十台も走ってくる回収車。それを工場内に迎え入れることが最初の仕事だ。

回収車とは、ゆっくりを回収する車の事である。
ゴミ収集車やトラックを思い出してくれると良い。丁度そんな形をしている。
そしてそのコンテナの中には、生きたゆっくりがぎゅうぎゅう詰めに押し込まれていた。

「ゆぶぶ、ぐるじい!」
「だじで」
「ゆっぐり、じだい」

コンテナ内のゆっくりが苦しみの声を上げるが、勿論その声は誰にも届く事は無い。
彼女たちの願いは聞き届けられることなく、悠々と回収車は進んでいく。

かつて、ゆっくり達は希少だった。加工所はゆっくり達の捕獲に躍起になり、高額の料金を払ってまで引き取った。
しかし現在、ゆっくりは増えに増え、その価値は低迷の一途を辿っている。
扱いが嗜好品から、ほぼゴミのそれへと変わりつつあるのだ。

ゆっくりの養殖法が確立され、清潔かつ健康なゆっくりが加工できるようになった。
それからというもの加工所の引き取り料は徐々に落ちていき、今ではリサイクルの空き缶代と変わらない。
勿論、例外もある。例えば『ゆっくり園』のゆっくり達だ。

いつの時代もグルメは居る。ブロイラーで大量生産された品物では満足できない輩が。
そうして彼らは"養殖モノより天然モノのほうが上手い"と声を張り上げるのだ。(ゆっくりの)専門家にしてみれば噴飯ものである。
しかし、莫迦から金を毟れるというならばそれに乗らないわけがない。
そうして作り出されたのがゆっくりの放牧場、通称『ゆっくり園』である。
擬似的な野生で管理された野草を食むゆっくり達は、例外的に食用として高く取引される。

しかしコンテナ内のゆっくりは一匹たりとして『ゆっくり園』出身のものではない。つまりただの野良だ。
人間に迷惑を掛けたり主に存在がウザい等の理由により、ゆっくり用のゴミ袋に入れられてゴミ捨て場に捨てられるのだ。
ちなみにゆっくりを捨てる日は金曜日。その日以外には潰して生ゴミとして出すのが一般的とされている。

野良の中にも高く取引される個体はいるのだが・・・・・・その話は後にしよう。
とにかく、ゆっくり達はゴミとほぼ変わらぬ扱いを受けている。辿る末路もほぼ似たようなものだ。
少なくとも、食用になることだけは絶対にない。

加工所もその大型化が進むと同時に、多角経営の様相を呈し始めた。
即ち、食品加工以外のゆっくり加工品の販売である。
有名な所では飼いゆっくりの販売が挙げられるが、この話ではそれ以外の物を追って行くとしよう。

回収車がある程度の所までくると、コンテナの最後部が開いた。
喜びに沸くゆっくり達。これでおうちかえれる。
しかし、彼女たちを待ち受けていたのは何処までも暗い巨大な穴だった。
コンテナはリフトアップ。不自然に傾いてくる足場に、ゆっくり達はなす術もなく転がり落ちていく。

穴の中に繋がる通路を雪崩のように転がり落ちながら、ようやくゆっくり達が出た先は広い空間。
途端、足場が動く。此処は巨大なベルトコンベアーだった。
不安に狩られる者、当然の状況の変化についていけずにポカンとする者、能天気におうち宣言をするものと様々だ。
無論、機械はそんなことに頓着しない。例え何があろうと、粛々と己の仕事をこなすだけだ。
そう、上から伸びてきた幾つものロボットアームのように。

「ゆっくり!?」
「うわぁ、おそらをとんでるみたい!!」

ひょいひょいとゆっくり達を掴み上げ、そのまま運んでいく。行き着く先は巨大なミキサーを思わせる機械の上だ。
そこでゆっくり達は飾りを取られ、髪を刈り上げ裏返される。

「ゆっ!?おぼうしかえしてね!!」
「れいむのきれいなかみがぁ!!」
「やめてあげてね、いやがってるぼぇ!!」

ボタボタと落ちていく飾り、髪、そして歯や舌、目などの中身。機械が回転していき、それらを粉砕、掻き混ぜていく。
この不気味な餡ペーストは食用には使われない。野良の餡子など食べるに値しないのだ。
これらは一部のゆっくりの餌や、他の用途に使われることになる。

残った皮。実を言うと今回の話のメインは、この皮である。
食用ではないゆっくりの需要の大半は、この皮を使った加工品が占めている。
饅頭の癖に異常な弾力を持つゆっくりの皮。上手いこと加工すればかなりのものが作れるというわけだ。

さて、中身を全て取り除かれたゆっくりの皮は再びベルトコンベアーのに乗せられ、運ばれていく。
それを迎えるのは加工所の職員達。彼らはここで皮に何か異常がないか確かめるのだ。
こればかりは機械化出来ず、未だに人の目によるチェックが一番有効とされている。

一枚一枚皮を持ち、入念にかつ素早く品質をチェックしていく職員達。
何せ元は野良の皮である。多少の汚れは洗えば落ちるとして、皮が薄いなどの問題がある。
そういうものは此処でふるい落とされ、先程の餡ペースト機へと逆戻りなのだ。

チェックを抜けたものは先程とは別のベルトコンベアーに載せられ、運ばれる。
途中でロボットアームによる洗浄や乾燥があり、この過程で全ての皮は清潔、綺麗になっている。

次に運び込まれた所はまるで一面がプールのような場所。そこに次々と皮が沈まされていく。
そんな事をすれば皮はふやけ、グズグズになってしまうと思われるだろう。
だが大丈夫。ここに張られた液体は水ではない。この液体は、硬化薬だ。

硬化薬。読んで字の如く、ゆっくりの皮を硬化させる薬の事だ。
正確に言えばこれは硬化薬ではなく、ただゆっくりの皮を頑丈にする程度の薬である。
本当の意味での硬化薬もあるにはあるのだが、とりあえず今はこの液体の事を硬化薬と呼称しよう。

通常の動物にも言えることだが、皮というのはなめさなくてはならない。
その際にこうして薬品に漬け込むのだが、以前はゆっくりの場合その薬品のコストが異様に高かったのだ。
今現在、硬化薬が大量に使えるのは加工所職員達の開発、努力によるコスト削減の賜物である。

実はこの硬化薬の原料・・・ゆっくりの体液なのだ。
以前は他のものが使われていたのだが、新しく開発されたこの硬化薬はコスト、性能共に段違いのものであった。
この硬化薬の製造現場、それを見てみよう。

加工所、ゆっくり研究部。そこの一室で硬化薬は作られている。長い黒髪を無造作に纏めている若い女性が、ゆっくりれいむを抱えている。
実は彼女こそがこの新硬化薬を開発した人物なのだが、そこら辺は関係ないので省くことにしよう。
とにかく、このれいむの体液から硬化薬が作られるのだ。

「ゆぎっぃ゛っぐっあ゛ぇ゛っお゛っう゛ぁ゛っごぇ゛っぁ゛っ」

れいむは叫びとも呻き声ともつかないような奇妙な声を上げながら涙、唾液、そして謎の分泌液を垂れ流している。
それもそのはず。れいむを抱えているように見えたこの女性。彼女の親指がれいむの両こめかみに突き刺さっていた。
指をぐりぐりとねじるとそれに合わせるようにれいむの声が大きくなり、また垂れ流す液体の量も多くなる。

加工所ではゆっくりの研究を重ね、とある一つの研究結果を叩き出した。
即ち、ゆっくりのツボ及び点穴の解明、それらを刺激することによるゆっくりの操作術である。
極めれば指一本でゆっくりを絶命せしめるこの操作術は、就職したての新米の頃から厳しく叩き込まれていく。
よって、加工所職員のほぼ全員がこの操作術を会得しているといってよかった。

「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」

断末魔の痙攣を上げつつもその涙や唾液は止まることを知らない。
れいむは文字通り水分の一片に至るまで『搾り取られる』ためにここに居るのだ。
最後に残るのはミイラよろしくカラッカラに乾燥した干しゆっくりだけである。

ゆっくりの体液、交尾の時に出す粘液はゆっくりの身体を守る働きをする。
粘液による摩擦抵抗の軽減、快楽の促進・・・・・・そして、多少ながらもゆっくりの肌にハリとツヤを持たせるのだ。
その成分こそゆっくり硬化薬の主成分とされている。

一匹から大体一リットルほどの体液が搾り取れる。
そこからさらに成分を抽出し、凝縮、さらに2つ3つほどの過程を経ると硬化薬の完成となる。
この硬化薬がゆっくりの皮を強靭にし、加工に耐えられる強度へと変えていくのだ。

場面はプールに戻る。
先程沈められた皮とは別物、約一週間ほど薬液に使っていた代物が引き揚げられる。
その強度はまるでゴムか、ビニールのよう。饅頭の皮とは想像し難いものになっていた。
これらは再度品質チェックされ、その用途に応じて別々の場所に運ばれていく。

ここはそのうちの一つ。機械の手により、皮はどんどん加工されていく。
ナイロンの髪を植毛され、アクリルの目をはめ込み、ビーズが流し込まれる。まるで生きたゆっくりへと逆戻りしていくようだ。
そう。ここはゆっくり人形、通称『ひとりですっきりできるもん!』の製造現場である。

所謂ゆっくり専用のダッチワイフ。ご家庭の単独で飼育している飼いゆっくり、その性欲処理が目的の人形である。
強靭な皮は長持ちし、そして何より勝手に増えない。人形だからこそ勤まる役目だ。
しかし本来の目的から外れ、そのままゆっくりの友達役として買っていく者も多い。
結果として、ゆっくり人形はゆっくりを飼う家庭からそこそこのニーズを獲得し、ある程度の生産が続けられていた。

勿論、そんなゆっくりの為ばかりに皮は使われない。
ここではゆっくりの皮が切り開かれ、丁寧に縫い合わされていた。出来上がるのは、大きく畳まれた布、みたいな皮である。
これらはバッグや手袋、そして何よりクッションに加工されていく。

ゆっくりの弾力、手触りは素晴らしいものがある。それは薬液に漬かった後も同じだ。
それらを利用して、ここでは大きなゆっくり皮のクッションが作られる。
以前ならドスサイズでないと作れなかった大きなゆっくり家具は、このようにして流通に乗るようになった。
クッションの心地良さに購買者も満足の一品である。

ちなみに、硬化薬の濃度を濃くするとゆっくりの皮はまるで陶器のような固さになる。
それを利用して作られるのが、ゆっくり鉢植えやゆっくり花瓶である。

「ゆっくりしていってね」
「ゆっくりしていってね!!!」

笑顔で挨拶を返すゆっくりを、先述の操作術で金縛りにし、高濃度の薬液に漬ける。
引き攣った笑顔を浮かべるゆっくりは、徐々にそこで固まっていくのだ。
あとは完全に固まる前に頭部を切り離して中身の餡子を取り除けば、完成である。

ゆっくりが基になったこの鉢植えは、野生のゆっくりに襲われることが少ない。
例え頭から植物が生えていても、「とってもゆっくりしたあかちゃんだね!!!」で済まされてしまうのである。
これにより、ゆっくりの庭荒らしの被害はある程度収まった。

更に、ゆっくりの加工価値は皮だけには収まらない。
全身余すことなく、食用以外にも使える個体もいるのだ。
それは、『あすとろん』を使えるゆっくり。即ち、金属加工業である。

野良の中でも特別に高価で引き取られる個体というのは、つまり彼女たちの事だ。
基本アストロンゆっくりは種ゆっくりとして使われ、文字通り精も根も尽き果てるまで搾り取られることとなる。
そうして生まれてくる赤ゆっくり達の大半が、その日のうちに消費されるのだ。

『アストロンと言いなさい、かわいいおちびちゃん』
「ゆっ!わきゃった!あしゅとろん!」

機械の声に健気に反応して鋼鉄へと姿を変える赤ゆっくり達。無論変化できないものはここで潰される。
そして無作為に選ばれた赤ゆっくりの半数は、すぐさま溶鉱炉送りとなる。
赤ゆっくりが変化した金属、通称『ゆ鉄』は質が良い。

残りの半数は成長するとともに無作為に選ばれ、また溶鉱炉送りへとなる。
そうした残った五分ほどの成体ゆっくり達は、種ゆっくりとなるのである。
たまに捕まえられたアストロンゆっくりが種ゆっくりになるのは、新しい餡を入れるため。

ゆ鉄は加工の仕方によって性質も大きく異なるので、人間たちは大変に重宝した。
鋼鉄の固さ、金の伝導率、アルミの軽さ、色々な特性をゆ鉄は見せた。
現在の電化製品、その1割はゆ鉄によって賄われている。

このようにして、最近の加工所は色々な側面を持つようになってきた。
普段手に取る甘味から、何気なく使う電化製品。それらはゆっくりが原材料となっているかもしれない。
ゆっくりとは、人々にとってどこまでも都合のいい道具なのだ。

今日も加工所には、ゆっくりの悲鳴が響き渡っている。










    おわり










―――――
書き溜めです。加工所ネタ難しい。
最早食べる気が起きない野良ゆっくり達の処分方法を考えるうちに、このようなものが出来上がりました。
元々別のSSを書きがてらのもので、途中でやる気が削がれて明らかに尻切れトンボになってます。
いかん。やる気を継続させるのは難しい。


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最終更新:2011年07月30日 01:14
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