ゆっくりいじめ系2833 れいむがんばる


 ※うんうん表現あり、ぺにまむ少々あり。
 ※俺設定分も含まれています。



 ここはとあるゆっくり専用ペットショプ。
 清潔に保たれた店内には大小様々な展示用ガラスケースが並び、中にいるのは色々なゆっくり達。
 れいむもその中の一匹だった。
 飾りであるおリボンには、きらびやかに輝く黄金のバッジ。

 「ゆっへん!」

 まだ子ゆっくりの域を出ないメロンパンサイズの体ではあったが、落ち着き払った雰囲気といい貫禄も充分だ。
 両親もゴールドバッジを所持し、特にこのれいむは幼少の段階でゴールドバッジを取得した優秀な固体だった。
 由緒正しき餡子を受け継ぐ、生まれながらにしてのエリート。
 れいむは信じて疑わなかった。

 「れいむがいればにんげんさんは、ぜったいにゆっくりできるよ!」

 へたに優秀なせいか、自分に付けられた値段がなかなか人間さんには手が出ない額であることも理解していた。

 「れいむ、まりさはこれからあたらしいおうちにゆっくりおひっこしなのぜ。
  れいむもきっと、ゆっくりしたかいぬしさんがみつかるのだぜ」

 次々と周りのゆっくりたちは売れてゆく中で。

 「れいむはゆっくりまつよ」





 そして、とうとうその日がやってきた。

 「この店で一番高価なれいむが欲しい。金ならある」

 おにいさんはそう言うと、ポケットから封筒に入った紙幣の束を取り出す。
 乱暴に折り畳んだせいでシワシワになったその中の十数枚で、れいむはお買い上げとなった。

 「良かったわねれいむ。新しいおうちで可愛がってもらうのよ」
 「ゆっくりりかいしたよおねえさん、これまでおせわになりました!」

 ペコリとおじぎをしてれいむが店員のお姉さんとの別れを済ませると、緩衝材を敷き詰めた箱に丁寧に収納される。
 そのまま箱がふわりと浮いて、れいむの新しいおうちへのお引越しが始まった。





 自宅に着いてお兄さんは愛車から降りると、助手席側のドアを開けて箱を取り出した。
 大事そうに両手で抱え、足取りも軽く自分の部屋に向かう。
 やっと、やっと手に入れた。
 頑張って貯金して、夢にまで見たゆっくりれいむを手に入れたのだ。




 何度目かの浮遊感のあとの着地、そして外側の包みを破いてゆく音でれいむはとうとうあたらしいおうちに着いたのだと確信した。
 きっともうすぐ最後の蓋が開けられ、飼い主さんと初めてのご対面だ。
 その時とっておきのご挨拶でゆっくりしてもらおう。
 おにいさんなのかな?おねえさんなのかな?
 ゆっくりぷれいすは一体どんなお部屋なのだろう?
 高価な自分を買える人間さんなのだ、きっとすごくゆっくりできる場所に違いない。
 れいむはもうワクワクしながらその時を待った。

 天井が、外された。
 薄暗い箱の中にまばゆい光が差し込んでくる。
 その光を見上げた中に…人間の男の顔があった。
 おにいさんだ。

 「ゆっくりしていってね!!」

 決まった!会心のゆっくりしていってね。
 自己採点で120点の出来だろう。
 お兄さんは感激して、顔をくしゃくしゃにして喜んでいる。

 「ああ!ああ!れいむ、ここがれいむのゆっくりぷれいすになるんだよ。ずっと一緒にゆっくりしような!」

 お兄さんはれいむを箱からそっと両手で取り出すと、極上のもちもちしっとりほっぺにすーりすーりをしてくれた。

 「ゆゆ~~ん♪」
 「はははは、すーりすーりだぞ~」

 どうやら本当に良い人間さんのようだ。
 このお兄さんとなら、きっとずっとゆっくりできそう。

 「じゃあ、俺は夕飯の用意するからおとなしく待っててろよ。ここがれいむのおうちだから」

 お兄さんは、あらかじめ部屋の隅に用意しておいたゆっくりハウスの前にれいむを降ろしてからそう言うと、奥にあるキッチンへ。
 れいむの新居は成体サイズのゆっくり2匹が入っても余裕があるほどで、素材はダンボールやプラスチックでもなく上質の木であしらえられており、
 その中央に敷かれたクッションにそっと乗った時の感触は、ふ~か、ふ~か、しあわせー!と言いたくなる程だった。

 一通り内部を楽しんだので改めておうちの出入り口からお部屋を見渡すと、そこはピンクをベースとした変わった世界だった。
 さっきはお兄さんの事ばかり見ていたので気付かなかったが、絨毯も、テーブルも、壁もカーテンもピンクで、よくよく見ると
 どれも大小様々なゆっくりれいむ模様で統一されており、そのどこにもグッズであることを証明するロゴが存在した。

 「た の し い ゆっ く り か ぞ く ?」

 れいむは頑張っておべんきょうをしたお陰で、ロゴに書かれたひらがなを読む事ができた。
 たのしいゆっくりかぞく………毎週日曜日朝7時放映の、活発で誰にでも優しいゆっくりれいむと、泣き虫で甘えん坊の妹ゆっくりまりさ、
 頼りになるおとうさんまりさ、おうたがとってもじょうずなおかあさんれいむの4人家族の森での生活を描いたアニメーション。
 子供向けとは思えない脚本のクオリティーと、主役のれいむの中の人のせいで、大きなお友達の心を掴んで放さない事でも有名である。

 「お待たせ、れいむ。今日の夕飯はなんと!特製プリンだぞ~」

 自分の食事とプリンをお盆に載せてお兄さんが部屋に戻ってくる。
 テーブルの上に次々とお皿を並べると、れいむをプリンの前まで運んでくれた。

 「それでは頂きます」
 「ゆっくりいただきます!」

 仲良く唱和して、お食事タイムが始まった。
 お兄さんは箸を手に取りはしたがそのまま食べようともせず、ただじっとれいむの様子を観察する。

 モクモクモクモク……コクン。

 れいむは実に上品に、プリンを一口かじると静かに咀嚼し飲み込むという動作を繰り返す。

 「な、なあれいむ。むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~、は?」

 れいむは名前を呼ばれ、お兄さんの方に向き直りどうしましたか?と小首をかしげる。

 「おいしいゴハンをむーしゃ、むーしゃした時は、しあわせーーー!って言うんじゃないのかっ!?」

 箸を持つお兄さんの手がわなわなと震えている。

 「ゆぅぅぅ~?おにいさん、ごはんのときにおしゃべりするのはおぎょうぎがよくないよ。それに」
 「うるさいっっ!!!!」

 バチンッ!!!

 なんだかおそらをとんでいるみたい。
 れいむは体の浮遊と、ぐるぐると回転する視界をただ第三者の感覚のように受け止めていたが。
 次の瞬間、絨毯の上に叩きつけられた衝撃で我に返る。

 「ゆ゛びい゛っ」

 絨毯の上で、更に回転しながら2度バウンドした後にようやく停止する。
 遅れてきた頬の鈍痛が、お兄さんにぶたれたという事実をれいむに報せる。
 痛み。
 文字通り温室でぬくぬくと育てられてきたれいむには、産まれて始めての経験。
 恐怖。
 何故自分は人間さんに痛いことをされたのか。何か怒らせる事をしてしまったのか?
 わからない、怖い。
 れいむがパニックを起こして泣き出してしまうのも仕方が無かった。

 「いだいよぉぉぉぉぉぉお!ゆ゛わ゛~~~~~~ん゛!!」

 一方お兄さんもれいむの泣き声ではっと我に帰り、慌ててれいむを抱き上げて宥める。

 「ご、ごめんなれいむ!ほらぺーろぺーろしてあげるから!痛いのなんてどこかに飛んでっちゃうぞ」

 そう言うとれいむのへこんで皮が薄くなり、中の餡子がうっすら見える左頬を舌で舐め始める。
 ベロリ…ベロリベロリ…ベロリン。
 唾液でぬらぬらと濡れて、光沢を放つれいむの左頬。

 「ゆひぃっ…」

 痛みが本当に飛んでいった訳ではない。
 お兄さんの常軌を逸した行動に、れいむは言い知れぬ嫌悪を感じて泣き止んだ。
 これ以上ゆっくりできない事をされる前に泣き止むしかなかった。

 「良かった、泣き止んでくれた。ぶったりしてごめんな。
 でもれいむがわけのわからない事を言うからいけないんだぞ。
 ほら、いつもみたいにむーしゃ、むーしゃしあわせ~をしてごらん」

 食べかけのプリンの皿の前に再び運ばれるれいむ。
 いつもみたいに?そんなお行儀の悪いことなんてしてないのに。
 しかしお兄さんの方をチラリと見た時に、その手がまたイライラとテーブルの表面を叩いているのが視界に入る。
 先ほどの痛みと恐怖がフラッシュバックし、れいむの背筋に冷たいものが伝う。
 仕方なくれいむはおずおずとプリンを口に運ぶ。

 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~…」

 食べながら喋るのだから、ポロポロとプリンの細かい欠片が口元から零れ落ちてテーブルの表面へ。
 ああ、テーブルさんを汚してしまった。
 なんてお行儀が悪いことをしてるんだろう。
 お兄さんは思い描いた通りの光景に満足そうにうなずくのだった。

 「やっぱりれいむたんはこうでなくっちゃ!」







 お兄さんはその後上機嫌で夕食をたいらげ、後片付けのために再び奥のキッチンへ。

 「れいむたんはいつもコレ位のはおいしく食べてるでしょ?」

 と言われ、れいむは体の半分位の大きさの特製プリンを残さず食べるしか無かったわけだが。
 そうなると次に訪れるもの…うんうん意。

 ゆっくりは食べたものを体内で餡子に変換する驚きの饅頭である。
 しかし餡子である限り賞味期限が発生する。
 新しい餡子が一度に大量に体内に発生すると、もちろん順番に古い餡子を排出しなければならなくなる。
 それが『うんうん』である。
 賞味期限が切れただけの餡子なのだが、ゆっくり達の扱いは人間の排泄物に対する反応と同じである。
 同様に余分になった水分の排出が『しーしー』なのだ。
 こういった餡子の変換排出サイクルが出来ずに、体内の餡子全てが賞味期限切れになる事が
 ゆっくりにとっての餓死、と言うわけだ。

 うんうん、しーしーは決められた場所以外でしてはいけない。
 うんうん、しーしーをする所を人間さんに見せてはいけない。
 人間さんはお部屋を汚されるのを嫌がるから。
 人間さんは汚いうんうんやしーしーを見るのを嫌がるから。
 ペットゆっくりにとってそれはまず基本中の基本。
 トイレの場所を思い出さなくては。あのゆっくりハウスの中にはそれらしきものは無かった。
 困ったな、どこにあるんだろう。そろそろ我慢の限界だ。
 その時、お兄さんがまた戻ってきた。
 丁度いい聞いてみよう。

 「おにいさん、れいむのおといれはどこ?
 れいむはうんうんがでそうだよ」

 「今、なんつった!?」

 「れいむはおといれにいきた」
 「れいむたんはトイレになんか行かねええええぇぇぇぇぇ!!」

 バンッッッ!!

 テーブルの上、れいむの目前に握られたコブシが叩きつけられる。
 大きな音と衝撃。

 痛いのはもう嫌だよ…こわいよこわいよ……。

 プリプリプリ…。

 再び蘇ったあの痛みと恐怖に、れいむは思わずうんうんを漏らしてしまった。
 れいむの顎の下からひり出された餡子の塊を、怒りに燃えるお兄さんの目が見つめる。

 「れいむたんはなあ!森の妖精なんだよ!!
 ウンコとかしねえし、妊娠なんかしねえんだよ!!
 よく覚えとけ!!」

 お兄さんはれいむの右の頬を、左手の親指と人差し指でグイとつまんで捻り上げる。
 びろーんと延びるほっぺた。
 傍目から見ればコミカルであるが、れいむにはまた不慣れな痛みが襲う。
 痛い…ゆっくりできない。
 両の目から零れ落ちる大粒の涙は、れいむ自身にも止められなかった。


 「ゆぐ…ゆっくりりかいしました…」

 「じゃあ、これは何なんだ?」

 「こ、これ…は…あんこでず。
 ただの゛あ゛ん゛ごの゛がだま゛り゛でず」

 「じゃあきれいに食って片付けておけよ!あんなに高かったから今度こそ本物だと思ったのに!
 今日は気分わりい!風呂入って寝るわ」

 おにいさんは『れいむたんのおへや』と書かれたボードが貼ってあるドアを乱暴に閉めると
 自分の部屋に行ってしまった。

 またおにいさんを怒らせてしまった。
 自分は飼いゆっくりのエリートのはずなのにどうして?
 とにかく言いつけどおりにしておかないと。
 もう痛いのはいやだ。
 もう怖いのはいやだ。


 「ぺーろぺーろ、ゆゅぅげぇぇぇぇ!」

 れいむは涙で顔をグショグショにしながらも、仕方なしに自分の出した古い餡子を舐めとり始めるのだった。





 「おはよう!れいむたん。
 夕べはごめんね。お兄さん、もう怒ってないから」

 朝方までかかってテーブルをきれいにし、その場でゆんゆん泣き疲れてウトウトしていたれいむは
 お兄さんの上機嫌な言葉で起こされる。

 「れいむたんはアニメの世界から出てきて、まだこっちの世界に慣れていないだけなんだよね
 それを理解せずに怒って本当にごめんね。
 だからこれからはれいむたんが覚醒するのをお手伝いするよ」

 泣きはらしたれいむの目に映る、お兄さんの手にはゆっくり応急処置用強力接着剤『ゆロンアルファ』。

 「れいむたんも自分にこんなモノがついてて戸惑ってたんだよね。
 今治療してあげるから動いちゃだめでちゅよ~」

 危険を感じて避けようと餡子で思うだけで、疲れ果てた体はついて来ず、れいむはお兄さんの手にあっさり捕まえられた。
 既にキャップを外された容器の先端からは、半透明の粘液がトロリと滲み出始めている。
 お兄さんはまずその先端をれいむのまむまむにプスリと挿すと、チューブ本体をぎゅっと握る。
 れいむはまむまむに冷たい何かが流れ込むのを感じる。
 流れ込んだ接着剤は即座に周辺の組織と溶け合い、数秒後には完全にカチコチに固まってしまう。
 れいむのまむまむは只の平面になってしまった。

 「ゆぁぁぁぁア゛嗚呼゛アアあああああ」

 お兄さんはれいむの絶叫に構わず、チューブをまむまむから抜いてあにゃるに突き立てる。

 「今は辛いけど頑張ってれいむたん!俺も一緒に頑張るからね」

 あにゃるにも流れ込む接着剤。
 もう汚いうんうんをすることも無いだろう。
 れいむは完全なる森の妖精になることができた。

 「よく頑張ったねれいむたん!さすが俺の嫁だよ!
 これからもずっと一緒にゆっくりしていってね!!」








 数日後。
 ここはれいむのお部屋。
 今はお兄さんとたのしいゆっくりかぞくのDVDを見ている。

 「どう?れいむたん、色々思い出したでしょ?」
 「ゆ゛、あ゛ぁ…ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ…」

 れいむはもう限界だった。
 無理矢理むーしゃむーしゃ、しあわせーさせられて。
 うんうんが出来なくなって。
 全身の皮がパンパンに張り詰め、その表面は乾いてカサカサになっていた。
 どうしてこんな目にあうの?
 れいむは悪いことをしてないのに何故おしおきされるの?
 どうしてか全然わからないよ。
 れいむはエリートゆっくりのつもりだったのに…。
 れいむはダメダメゆっくりだったんだね……。
 その両親から受け継いだ優秀な遺伝餡は。
 きらびやかに輝く金のバッジは。
 何の役にも立たなかった。
 れいむは間もなく腐った饅頭になった。

 「チッ!また偽者だったのかよ畜生!!
 なんでだよなんでれいむたんはモニターから出てきてくれないんだよ
 おれの嫁なのに嫁なのに嫁なのにいいいいいいいいいいい」

 ポイっ。

 ガサガサっ。

 腐った饅頭はそのままゴミ箱に。












 最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
 全然れいむがんばってませんね。しまったしまった。

 ○過去に書いたSS
 ゆっくりいじめ系 2467週末の過ごし方
          2519この世の終わり
          2584UFOキャッチャー
          2728おとうさんがんばる
          2794 赤ゆが好き過ぎて

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2011年07月29日 18:01
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。