永遠のゆっくり21(前編)

※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。
※どくそ長いです。あと五話以内で完結の予定。ここまで長くなるとは……
※うんうん、まむまむ描写あり。
※標的は全員ゲスです。
※虐待レベルはベリーハードを目指します。


※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。


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『永遠のゆっくり』21


その夜、十三匹のゆっくり達は円になって向き合っていた。

いずれも惨憺たる有様だった。
髪のほとんどを失って禿げあがり、あんよを焼いて動けなくなったれいむ四匹。
歯と舌を失い、噛むことも喋ることもかなわず、ゆーゆーと呻くことしかできないまりさ四匹。
目とぺにぺにを失い、生き甲斐のすっきりを捨てて暗闇の中で蠢くありす五匹。

どれもひどい状態だったが、
今、十三匹は助けあうことでなんとか暮らしていた。

動けないれいむ達を、まりさ達が押して移動させてくれる。
目の見えないありす達に、れいむ達が視界を指示してくれる。
まりさ達は言葉を喋れなかったが、
ありす達は「ゆーゆー」のうめき声に込められたニュアンスを鋭敏に読み取ってくれた。

苦労しながら、手を貸し合うことで、十三匹はこうして綺麗な円を描いて座っている。
昔、お兄さんに飼われていた頃、五体満足だった頃の自分たちにはできなかった芸当だ。
かつてはいがみ合っていた十三匹が、
共通の罪を背負い、片輪になった今、その結束が強固なものになっている。
親れいむは一同を見回し、ささやかな満足を覚えていた。

すでに話し合いは済んでいた。
あとは決められたことを実行するだけだ。

かすかに震えながら、十三匹はずっと動かなかった。
誰かが最初に差し出せば、全員がそれにならって差し出すだろう。
しかし、一番手を名乗り出る勇気がなかなか出ずにいた。

それしかない、ということはわかっていた。
髪も、目も、歯も、舌も、あんよも、ぺにぺにも、
お兄さんの赤ちゃんには釣り合わず、贖罪にはならなかった。
となれば、残されたものはそれだけだ。

誰からともなく、傍らのゆっくりにすーりすーりを始めていた。
互いの姿を確かめるように、じっと見つめ合い、頬を擦り合わせる。
かつて暴君だった親まりさでさえ、我が子の頬を愛しみ、子との抱擁を味わっていた。
まるでそれが今生の別れででもあるかのように。

「ゆー………ゆううー……………」

名残りを惜しむ時が長い間流れた後、
ついに、一匹の子ありすが舌を伸ばすと、
自分の頭からそれを外し、円陣の中心に置いた。

それを皮切りに、一同から次々とそれが差し出されていった。
最後に親れいむが自分のものを差し出し、
一同の中心に、それは山と積み重なった。


償いたかった。
あれほど愛しい人間の、あれほど愛らしい赤ちゃんを嬲り殺した罪。
それを償い、詫びたい。
詫びて、あの赤ちゃんに許してほしい。
そして人間に褒めてほしい、自分たちはゆっくりできると。
それだけがゆっくり達を突き動かしていた。


もはや、見慣れた家族の姿はどこにもなかった。
外見上は、どこの誰とも知れず、得体も知れず、ゆっくりできないゆっくり。
禿げ上がるよりも、目をえぐられるよりも、足を焦がすよりも、舌を失うよりも、
ゆっくりにとってゆっくりできないおぞましい姿が、
宵闇の中で円になって並び、黒いシルエットを浮かびあがらせている。
しかし、その場にいるゆっくり達は、
それらが自分の家族であり、そして自分自身であることを知っていた。

いずれともなくすすり泣きはじめ、
隣のゆっくりがその頬をぺーろぺーろしながら、自分も涙を流している。


これを以てしても詫びることができなかったその時はどうするか。
それもすでに話し合い、決めてあった。
これを差し出した今、自分たちが差し出せるものはもう一つしか残っていないのだから。
そして、これを差し出す以上、最後に残ったそれに対する未練ももうないのだ。
せめて、それを人間がゆっくりする役に立てることだけが皆の望みだった。

皆が身を寄せ合い、一言も発することなく静かに泣いていた。


二十七日目

恐ろしく、冷たく、しかし何よりも愛しいお兄さんが、
椅子に座り、自分たちを見下ろしている。

動けないれいむ達をまりさ達が押し、
押されながら、れいむ達がありす達に方向を指示する。
息の合った連係で、十三匹はお兄さんの前に並んだ。

今日のお兄さんは、部屋に入ったときから、
新聞も読まずに自分たちに注目している。
一言も口を挟まずに、自分たちの動向を見守ってくれていた。

「おにいさん。
これが……れいむたちのおわびです」

親れいむがそう言うと、盲目のありす達が、
それぞれ口にくわえていたものを床に置き、お兄さんのほうに押しやった。

四揃いのリボン、四つの帽子、五つのカチューシャ。
ゆっくりにとっては命と同等の価値がある髪飾りが、
ひとつも欠けることなく、十三匹分揃って並べられていた。

「れいむたちの………いちばんたいせつな、おりぼんさんです」
「ゆうううぅ……ゆー……ゆーゆゆううーゆー………」
「ありすたちのかちゅーしゃです………」

お兄さんは黙ったまま、それらを見つめていた。
その様子を窺ってから、親れいむが続けた。

「れいむたちは、それがないと、にどとゆっくりできません。
あまあまをむーしゃむーしゃしても、すっきりしても、おひるねしても、
それがないと、れいむたちはゆっくりできません。
れいむたちは……もうにどとゆっくりをしません」
「………本当にいいのか?」

弾かれたように、全員が顔をあげた。
お兄さんが、眉を寄せてこちらに身を屈めていた。

いつものように「捨てろ」と切り捨てられるのではないかと気が気ではなかった。
しかし今、お兄さんが身を乗り出していた。
その喜びに、親れいむが声をはりあげる。

「いいんです!!
ゆっくりできなくなってもいいんです!!
それが、それが、れいむたちの、おわびなんです!!」
「……一生ゆっくりできなくなるんだぞ。
仮に人間に飼われても、それがないとゆっくりできないぞ」
「ありっ、ありすたちが!!」

親ありすが声を絞り出す。

「あでぃずだぢが、ゆっぐ、ごろじだあがぢゃんも!!
にどどゆっぐりでぎばぜん!!
だがら、だがら、あでぃずだぢも!!もうにどどゆっぐりじばぜん!!」
「ゆぐううううーーーー!!ゆうううぐうううううううーーゆーーーー!!!」

まりさ達もしきりにうなずきながら叫んでいた。

「うげどっでぐだざい!!
どうが、どうが、おりぼんざんをうげどっでぐだざい!!
でいぶのおわびを!!うげどっでぐだざあいいいいい!!!」

お兄さんが屈みこみ、それらを手に取っていた。
ゆっくり達の表情がぱあっと華やいだ。
こんなゴミクズの汚らしい飾りを、お兄さんが手ずから触れてくれた。
それだけで報われる思いがした。

「………お前たちの気持はわかった」
「ゆううぅぅぅぅうううう!!!」

嬉しさのあまり、ゆっくり達は泣き、呻いた。

「お前たちはそこまでして………俺の子供のために詫びてくれるんだな」
「ばい!!ばいいいぃぃ!!
ぼんどうに、ぼんどうに!!ぼうじわげありばぜんでじだあああぁぁ!!」
「ゆるじで!!ゆるじでぐだざいいいいぃぃ!!」

「許す」と、ただ一言言ってほしかった。
深刻な障害を抱え、髪飾りを失った今、
許されたところで、もはやゆっくりできるゆん生はないだろう。
それでも、ただ一言、一言だけ「許す」を言ってくれれば、
自分達は報われるのだ。

「………………」

返答は返ってこない。
ゆっくり達がちらりと表情を窺うと、
髪飾りの山を前にして、お兄さんは口に手を当てて悩む風だった。
小声でぶつぶつ言っている。

「これだけのものを………これでもう……どうだろう………
まさかここまで………こいつら……………
俺の娘は………これでやっと………………いや、しかし…………」

悩んでくれている。
それまで歯牙にもかけられなかったゴミクズの自分たちのために、
お兄さんが気にかけ、許すかどうか悩んでくれている。
それだけでたまらなく嬉しかった。

お兄さんの逡巡は長く続いた。
ついに親れいむが待ち兼ねて、多幸感を表情に浮かべて叫んだ。

「れいむをころしてください!!!」
「なんだと!?」

お兄さんが叫び、驚愕の表情でこちらを見つめる。
他のゆっくり達も、一瞬親れいむを見やり、続いて口々に叫んだ。

「れいむもころしてください!!」
「ありすもころしてください!!」
「ありすもおねがいします!!」
「れいむも!!」
「ゆー!!ゆううーゆーー!!」

殺してくれ、の合唱。
お兄さんに許してほしい、その一心でゆっくり達は叫び続けた。

「………死ぬっていうのか。俺の、子供のために」
「ぞうですううぅ!!
ごろじでっ!!ごろじでぐだざい!!
でいぶだぢはっ!!じんで!!おぞらの、あがぢゃんにっ!!あいにいぎばず!!
おぞらで!!あがぢゃんに!!ごべんなざいっでいっでぎばずううぅぅ!!」

お兄さんが呻いた。

「……どんな死に方がいいんだ?」
「いぢっ!いぢ、いぢばん!!ぐるじいぼうぼうで!!
いぢばん、いだぐで、ぐるじぐで、ゆっぐりでぎないぼうぼうでごろじでぐだざい!!
あでぃずだぢは!!おわびじだいんですうううううぅぅぅ!!!」
「そんな……本当に、それでいいのか?」
「いいでず!!」
「いいんでず!!」
「ゆううううぅ!!ゆううううぅーーーーーーっ!!」
「ぼんどうにずびばぜんでじだ!!」
「おにいざんのぎがずむばで!!あでぃずだぢをぐるじめでぐだざいいぃ!!!」

お兄さんが椅子から立ち上がり、懇願するゆっくり達を見下ろした。
しばらく考えていたが、やがて言い渡した。

「よし。殺してやる。一番ゆっくりできない方法で……それでいいんだな」
「ばいいぃ!!あじがどうございばずぅ!!」
「ぼんどうに、ぼんどうに、あじがどうございばじだ!!
ぼうじわげありばぜんでじだあああぁ!!」
「ああ………そして」

お兄さんがゆっくり達の前に屈みこみ、
親れいむの頭に手を置いて、優しく笑った。

「それで許してあげよう」
「ゆっ………!?」
「お前たちは、俺の子供のために死ぬとまで言ってくれた。
お前たちは本当に反省したんだな。
認めるよ。お前たちは、本当に、ゆっくりできるゆっくりだ」

ゆっくり達の表情が、ゆっくりと、泣き顔から笑顔に変わっていく。
涙に濡れた頬に、開放の笑いが大輪の花を咲かせた。

「お!!おにいざん!!おにいいざあああああんん!!」
「あじがっ!あじがどうございばず!!
ごんなごみぐずをゆるじでぐれであじがどうございばずううううぅぅ!!」
「いいや。お前たちはもうゴミクズなんかじゃない。
人間のためになる立派なゆっくりだよ」
「ゆうううぁあああああああ!!!あじがどう!!あじがどううううぅぅぅ!!!」
「子供を殺したお前たちを、俺は心底憎んでいた。
でも、もう、憎み続けるのにも疲れたよ。
何かを憎み続けるというのは辛いもんだな……自分までみじめになってくるんだ。
お前たちのことも、ずっと許さずにいじめ抜いてやろうと思っていた」
「ゆぐっ………!!うぐぅ………!!」
「でも、もういいよ。
お前たちは本物だった。最高のゆっくり……いや、人間以上だ。
罪を償うために自分をそこまで傷つけ、命まで差し出すなんて、
人間にだってなかなかできることじゃない。
尊敬するよ………目が覚めた気分だ。ゆっくりって、すごいんだな」

泣きじゃくりながら、ゆっくり達はお兄さんの言葉を聞いていた。
その一言一言が、傷ついた身体に、心に、温かく沁みとおった。

「お前たちは罪を償わなければならない。
お前たちの死が、すべての人間、すべてのゆっくりのためになるんだ。
苦しんで死ぬことになるが、死んだあとは、お空でゆっくりしていってくれ。
お空から、俺達人間を見守っていてくれ」
「ばいいぃ!!ばいいいいいぃぃぃぃ!!!」
「ゆうぐううううう!!ゆううううぅぅぅーーーーーーーっ!!!」

ゆっくり達は、嬉し泣きに大粒の涙を流した。
感極まった親れいむが、泣きむせびながらお兄さんにすがりついて叫んだ。

「お、おにいざん!!おにいざんっ!!
びどづだげ!!ざいごに、びどづだげ!でいぶのおでがいをぎいでぐればずが!?」
「なんだい」
「ず、ず、ずーりずーり!!ずーりずーりじでぐだざい!!
ずっどっ!!おにいざんどっ!!ずーりずーりじだぐでっ!!でい、でいぶはっ」
「いいよ。ほら」

お兄さんの手が、親れいむの頬をやさしく撫でた。

「あぐっ、ゆぐっ………ゆっ…………ゆっっっっぐいいいぃぃぃぃ~~~~~~~~……!!」

夢にまで見たすーりすーり。
罪を許され、開放され、ついに親れいむは人間さんにすーりすーりをすることができた。
あまりの嬉しさと多幸感に、涙と涎とうれちーちーが止まらなかった。

「お、おにいざん!!でいぶも!!でいぶもおねがいじばず!!」
「あでぃ、あでぃずもずーりずーりじでぐればずが!?」
「ゆぐううううーーーーっ!!ゆうううううゆうううううーーーーーー!!!」
「慌てなくてもいい。みんなすーりすーりしてやろう。
みんな、とてもゆっくりできる、いいゆっくりだもんな」
「ゆんやあああああああああああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっ!!!!」

嬉しさのあまりに悲鳴をあげ、十三匹のゆっくりはお兄さんの膝元に殺到した。
動けないれいむも、目の見えないありすも、
お兄さんはわけ隔てなく取り上げ、膝の上ですーりすーりをしてくれた。

髪飾りを捨ててなお訪れた、生涯最高のゆっくり。
後に待つのは苦痛に満ちた死だったが、それは全く苦にならなかった。
ただただ、このお兄さんを喜ばせたいと願い、
十三匹は、最後の苦行を心待ちにさえしていた。



長い階段だったが、ゆっくり達は文句も言わずに飛び跳ねていた。

親れいむが花束を手に持ち、親まりさが手桶と柄杓を持っている。
他のゆっくりも、それぞれに線香や蝋燭などこまごました荷物を持っている。

「ゆっ!ゆっ!ゆっくりのぼるよ!!」
「がんばってのぼろうね!!おにいさんといっしょだからゆっくりできるね!!」
「おにいさん!おにもつもちますわ!!」
「いやいや、大丈夫だよ」

お兄さんは笑いながら、声をかけてきた足もとの子ありすの頭を撫でた。

「ゆふぅっ………!!」

ひと撫でで子ありすの表情が幸福にゆるむ。

霊園は広く、道のりはそれなりに辛かったが、
十三匹のゆっくり達はこのうえなく幸福だった。

れいむ達は元気に飛び跳ねているし、
まりさ達はころころした声で喋り、ありす達はきょろきょろと瞳を動かしている。

人間の技術は、ゆっくり如きには思いも及ばない素晴らしいものだった。
あれほど傷ついたれいむ達の体を、
眠っている間に、お兄さんはいともたやすく完璧に治療してくれた。
髪飾りも返してもらい、十三匹は元通りの完全な健康体である。

長い階段を上りきったところに、赤ちゃんの墓はあった。

長浜家の墓は、綺麗に手入れされていた。
黒い長方形の墓の側面には、先祖代々の法名が彫られている。
お兄さんが指し示してくれた名前が、
自分たちが殺した赤ちゃんのものだった。

ゆっくり達は涙を流し、赤ちゃんのために頭を下げて詫び、祈った。

「ごめんなさい……ごめんなさい……ほんとにごめんなさい……」
「おそらでゆっくりしてください………」
「すぐにおわびにいきます……」

墓に水をかけ、周りを掃除し、墓前に花を添える。
泣きじゃくっているゆっくり達の頭を、お兄さんは撫でてくれた。

「きっと許してくれるよ。お空に会いにいったときに」
「ばい………ばいいぃ………!」

墓前に添えられた菊がかすかに揺れた。



白い清潔な廊下を跳ねていく。
ゆっくり達の口には、それぞれ一本ずつのカーネーションが咥えられている。
お兄さんの後について人気のない廊下を進み、何度も角を曲がった。

ある一室の扉が開かれた。
その部屋は白い壁に囲まれた簡素なつくりだったが、
部屋の中心にベッドが置かれ、
その周囲に配置された器具から何本もの管がベッドの中心に伸びている。

お兄さんがゆっくり達を持ち上げ、ベッド脇のテーブルに並べてくれた。

そこには忘れもしない、
かつて自分たちを世話してくれたあのお姉さんが横たわっていた。
やつれて青白い顔には太い管に繋がった透明なマスクが被せられており、
蒲団から突き出た腕にはコードが何本も繋がっている。

親まりさは顔に近付き、その瞼を見た。
その目は閉じられ、開く気配は全く感じられなかった。
まるで死人のように、お姉さんは動かなかった。

「おねえさん……えいえんにゆっくりしてるの?」
「いや。生きている。
生きてるが、目を覚まさないだけだ」
「どうしたら…おねえさんはめをさましてくれますか?」
「わからない。どうしようもない。
いつかは目覚めるかもしれないが、
俺たちはただ待つしかできないんだ」

親まりさが泣いていた。

「まりさが……まりさが、おねえさんに……あたっくをしたから……」
「もういい。まりさ」
「なんでぼじばず!!」

親まりさが叫び、お兄さんに懇願した。

「ばりざ、なんでもじばず!!
なんでぼじばずがら!!おねえざんを、おねえざんをなおじでぐだざい!!
ばりざのがらだをづがっでいいでず!!」
「無理だ!」

お兄さんが叫んだ。

「どうしようもないことも世の中にはあるんだ。
お前たちにだって、俺達人間にだってどうしようもない。
あとは運を天に任すしかないんだ。
お前たちは……ただ、見守っていてくれ」
「ばい………」

親まりさはしゃくりあげ、頷くと、
お姉さんに向きなおって言った。

「おねえさん……。
まりさたちは、おそらにいきます……。
おそらでずっと、おねえさんがおきるのをまってます」
「れいむたちも………まってます」
「きっと…………きっと…………」

ゆっくり達は目を閉じて祈り、
口に咥えたカーネーションを、お姉さんの手元にそっと置いた。
お姉さんのベッドが、赤い花で彩られた。

「ありがとう」

お兄さんが言い、親まりさの頬を撫でた。

「お姉さんは喜んでくれてるはずだ。
お姉さんがお空に行ったときは、温かく迎えてやってくれよ」
「はい………」


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最終更新:2011年10月18日 15:32
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