注:弱肉強食の世界です。か弱い生き物(笑)が食われるシーンを見たくない方は注意されたし…
人里からそこそこ近い森の中、1匹のれみりゃ(胴付き)が自慢のおうち『こーまかん』から出てきた。
時間は夕方6時半。基本夜行性のれみりゃはこれからが活動の時間だ。
「うぁ~!うっう~♪おぜうさまがおめざめだっどぉ~!!」
れみりゃは精いっぱい背伸びし、さっそく体を解すダンスを始めた。
森のど真ん中で好き勝手やっても平気なのは捕食種である者の特権だ。
だがいつもなら30分にもわたって続けるダンスを今日はわずか5分で止めた。
何故だか知らないが頭が重かったからだ。れみりゃは不思議がった。
「う~?なんだかあたまがおもいどぉ~…。」
れみりゃが自分の頭を触って確認してみると、妙に下顎が膨らんでいることに気が付いた。
そう、れみりゃは子を宿していたのだ。れみりゃはそのことに気付くとバンザイして喜んだ。
「う~☆うう~う~!れみりゃはえれがんとなおぜうさまだどぉ~♪」
れみりゃは通常のゆっくりとは違い2匹で子をつくらない。
十分な栄養を摂取し生活に余裕ができたと体が判断すると自動的に子を宿す。
植物型と動物型があるのは同じだが、このれみりゃは動物型のようだ。
胴付きのくせに胴無しと同じ場所から出産するというから不思議である。
「う~!あかちゃんのためにいっぱいたべるどぉ~♪うっうっうぁうぁ☆」
胴付きの強みは妊娠中でも行動できる点である。
胴無しの場合産まれるまで動かず待つしかないが、
胴付きにその心配は無い。顎が膨れるだけなので支障は無いのだ。
「ぷっでぃんをさがすどぉ~♪う~う~うぁうぁ~♪」
れみりゃは早速そのたぷたぷの体を引きずり森を徘徊した。
こんな馬鹿そうな奴でも立派な捕食種、本能が獲物の居場所を知らせてくれた。
「ここがあやしいどぉ~!ぽ~い♪」
蓋らしき物体を華麗に放り投げて中を覗くと、いた。ゆっくりの家族が…。
成体れいむと成体まりさ、そして子れいむが4匹に子まりさが7匹もいた。
「れれれれ…れみりゃだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「どぼじでここにいるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!?」
「うー!おぜうさまはじょーひんにのこさずたべるんだどぉ♪」
後はれみりゃの食事タイムだ。被害者にとっては単なる虐殺ショーだが…。
「ゆ!ちびちゃん!れいむのおくちにはいってね!!!」
「きょわいよ~!!」
「ゆ~んゆ~ん!!」
「ぷく~!!まりさがかぞくをまもるよ!!」
逃げるのは不可能と察した家族は徹底抗戦の構えを見せた。
だが妊娠中とは言えれみりゃはれみりゃ、力の差は歴然だった。
「うるさいどぉ♪ぽ~い!」
「ゆぁぁぁぁぁ!!まりさのぼうしがぁぁぁぁぁ!!」
素早くまりさの帽子を外に放り投げ、まりさを帽子の方に注目させた。
その隙に隙だらけのまりさの後頭部にエルボーをかました。
「ごはんはだまってるんだどぉ!!」
「ゆべぎゃっ!!?」
「ま…まりさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「つぎはそっちのばんだどぉ~♪れ☆み☆りゃ☆うー!!!」
「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!?」
れみりゃの右ストレートを顔面に食らったれいむは吹き飛び、子ゆを口から出してしまった。
人間から見ればトロトロのへなちょこパンチだが、れいむたちにとっては重い一撃だった。
「やっぱりちいさいのからじっくりたべるどぉ~♪」
「いやぢゃぁぁぁぁぁぁ!!!おがぁぢゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
「うるさいあまあまだどぉ♪せいぜいくるしんでもらうどぉ~♪」
れみりゃは苦しめれば味が美味しくなることを知っていたのでわざと苦しめて遊んだ。
逃げ惑う子ゆを握り潰して餡子を啜り、親の前でぐちゃぐちゃに噛み千切った。
そして絶望して狂った親ゆを引き裂き、顔を突っ込んで中身を食い荒らした…。
「が…ぴぃ…たしゅけ…!!」
「ん~?まだいっぴきのこってたどぉ!しょくごのでざーとだどぉ~☆」
「やぢゃっやぢゃぁぁぁ!じにだぐないっじにだぐないぃぃぃぃ!!!
だじゅげでっだじゅげでよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「あんしんするどぉ♪ひとくちでたべてやるどぉ♪おぜうさまはやさしいんだどぉ~♪」
「やぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぴぎゃ…!!!」
20分後…食事を終え餡子に塗れたれみりゃが笑顔で出てきた。
「う~♪おなかいっぱいだどぉ♪あかちゃんもまんぞくしたどぉ?」
顎を擦るとわずかだが反応しピクリと動いた。
れみりゃは嬉しくなって食後のダンスを踊り、地面に体を擦り付けて餡子を落とし巣に戻った。
残酷に思えるかも知れないが、れみりゃはただ食事をしただけである。
弱肉強食の世界は厳しいのだ。
そんなこんなで数日後、いよいよ誕生の時を迎えた。
れみりゃは巣の中で前のめりになり、顎をクッションの葉っぱに近づけ唸っていた。
「うぁ~!うぁぁぁぁ~!!うばれるどぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
メリメリと産道が開き、少しずつ赤れみりゃの姿が見えてきた。
そして・・・
ぽっすん!
間の抜けた音と共に、産道から勢いよく赤れみりゃが発射された。
葉っぱに上手く着地し、赤れみりゃは元気な産声を上げた。
「んぁぁぁぁ~!」
その直後再び産道から2匹目の赤れみりゃが発射された。
ぽっすん!
「んん~…。んあんあ♪」
「う~…。う~…。と…とってもかわいいあかちゃんだどぉ~…♪」
2匹の赤れみりゃは親れみりゃを見ると首を傾げた。
「うぅ~?みゃんみゃ~?」
「そうだどぉ~!れみりゃがあかちゃんのママだっどぉ~♪」
「うぅぅ~!みゃんみゃ~!うぅーうぅー♪」
2匹は小さい両手をパタパタ動かし生まれた喜びを全身で表現した。
生まれたての赤れみりゃは胴付きであってもまだほとんど歩けない。
初めのうちは歩かずに、背中の小さい羽で浮遊していることが多いのだ。
成長するに従い足腰がしっかりしていき、代わりに羽は退化して飛べなくなるという仕組みだ。
「う~!ママは『CHA☆RI☆S☆MA』なおぜうさまだどぉ♪
だからもうごはんをよういしてあるどぉ~♪」
れみりゃが用意していた食事はそこらから毟り取った花であった。
れみりゃだって毎日ゆっくりを食べている訳では無い。
ライオンが毎日獲物を捕まえられないのと同じ道理である。
花には蜜が含まれていたので、れみりゃはそれを口に入れ蜜だけ吸い出し、
赤れみりゃに口移しで与えた。
「う~♪あまあまだどぉ~☆おいしいどぉ~♪」
「ちゅうちゅう…とっちぇもおいちいどぉ♪」
「みゃんみゃ~♪だいしゅきだどぉ~♪」
2匹は早速親れみりゃに甘え出した。すりすりし家族の絆を確かめ合ったのだ。
赤れみりゃの大きさはまさに手の平サイズだ。
れみりゃはこの赤ちゃんたちを立派なおぜうさまに育てようと誓ったのだった…。
それからと言うものの、れみりゃは普段のだらけ切った生活から抜け出し我が子を教育した。
れみりゃが教えることの代表はやはり狩りの仕方だが、まだ2匹は赤ちゃんだ。
最初に教えるのはおぜうさまとしての嗜みであるダンスの仕方だ。
「う~!うあう~♪うっう~うぁっうぁっ♪」
「みゃんみゃ~じょーじゅだどぉ~♪」
「うぁっうぁっう!?こりょんじゃったどぉ~!!いぢゃいどぉ~!!」
「う~!?けがしたらだめだどぉ!ママがぺ~ろぺ~ろするどぉ♪」
「う~♪くしゅぐっちゃいどぉ~!」
初めは上手く出来なかったダンスも少しずつ上達していった。
れみりゃは我が子の天才っぷりに感激し、いつもより余計に踊った。
誕生から1週間が経ち、赤れみりゃは少し大きくなっていた。
そろそろ狩りを教える頃だ。れみりゃは自分の赤ちゃん時代を思い出してそう直感した。
夜の8時、赤れみりゃが眠そうに目を擦りながら起きた。
「う~!きょうはりっぱなおぜうさまになるためのくんれんをするどぉ!」
「んぁ~…?おにゃかしゅいたどぉ…。」
「きょうはみんなでごはんをかれいにてにいれるんだどぉ~♪」
「うぁ~♪おもしりょしょうだどぉ~♪」
れみりゃたちは元気良く『こーまかん』から飛び出し、
ストレッチ代わりのダンスを踊り森を散策した。
れみりゃは赤れみりゃを飽きさせないようにしっかり準備をしていた。
今回の狩りで赤ちゃんに自信を付けてもらうのだ。
れみりゃは予め見つけておいた獲物の巣に真っ直ぐ進み、
あるトンネルに辿り着いた。
「う~!いいどぉ?たべものをみつけたら『ぎゃお~!たべちゃうぞ~!』って言うんだどぉ☆」
「わきゃっちゃどぉ~!」
「わきゅわきゅしゅるどぉ♪」
捕食種の血…じゃなくて肉まんが騒ぐのか、赤れみりゃはやる気満々だ。
れみりゃはトンネルにずかずかと入り込み、周りを見渡した。
このトンネルは親を亡くし孤児になった赤ゆを育てているぱちゅりーがいる。
人間で言えば孤児院のようなものである。れみりゃはそこに目を付けた。
いくられみりゃが普通のゆっくりより強いとは言え、
赤ちゃんにいきなり成体をぶつける訳にはいかない。
だからここを選んだ。赤れみりゃだけでも狩りが行えるように…。
「うぁ~!たべちゃうぞ~~~~~~~!!!!」
「ちゃべちゃうじょぉ~!!」
「ちゃべちゃうじょぉ~!!」
大声で叫び、自分たちの存在をあえてアピールするれみりゃたち。
狩りをする上で必要無いように思えるが、実は意味がある。
相手を怯えさせて味を良くするためである。
「れれれ…れみりゃぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「むきゅ~~!!?どぼじでみつかっちゃのぉぉぉぉぉ!!!?」
「ばっかだどぉ♪みつけてくれっていってるようなもんだどぉ~!!」
中にはいるわいるわ、赤ゆのバーゲンセールである。
れみりゃは子供たちを守ろうと盾になったぱちゅりーにタックルをかまし、
叩き潰して中身を啜った。わずか10秒の早業である。
ここからが本番だ。
頼りのぱちゅりーを失い固まった赤ゆたちを尻目に、
れみりゃは入口に戻りどっかりと座った。
無論獲物が逃げないようにするためである。
「う~!あかちゃんたち~、そいつらはみ~んなあまあまだどぉ♪
おなかいっぱいたべるんだどぉ~☆」
その一声がスーパー捕食タイムの幕開けの合図だった。
赤れいむや赤まりさ、赤ありすに赤ぱちゅりー…。
全員たちまちパニックになり逃げ惑った。
だが逃げ場など存在しない。
赤れみりゃはよちよちと歩き、疲れて動けなくなった赤ゆを捕まえていった…。
「ゆぴゃぁぁぁぁ!こにゃいでぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「いやぢゃいやぢゃぁぁぁ!!!じにだぐにゃいぃぃぃぃぃ!!!」
「みゃみゃぁぁぁぁ!!ちょかいはなありしゅをたしゅけてぇぇぇぇぇ!!!」
「わぎゃりゃにゃいよぉぉぉぉぉぉ!!」
「どうじでまりしゃがこんにゃめにあわにゃきゃいけにゃいのぉぉぉ!!!」
「おうぢがえるぅぅぅぅぅ…どぼじででらりぇにゃいのぉぉぉぉぉ!!!?」
「う~!いりぐちはふさいだどぉ♪ぜんいんのこらずごはんだどぉ♪」
「みゃんみゃぁ~♪ちゅかみゃえたどぉ~!!」
「はにゃじでぇぇぇぇぇぇ!!いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「さすがママのあかちゃんだどぉ♪えらいどぉ~!」
「がぶがぶちゅーちゅー!おいちいどぉ♪」
「も…ちょ…ゆっきゅち…。」
「もうやぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「だれがだじゅげでぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「うりゅしゃいあみゃあみゃだどぉ!しゅこしだまりゅどぉ!!」
ただ食べるのに飽きた2匹の赤れみりゃは赤ゆで遊び始めた。
壁に擦りつけて柔らかい皮を擦り下ろしたり…。
「しゅ~りしゅ~り♪しあわしぇだどぉ~?」
「いぢゃぢゃぢゃぁぁぁぁぁ!!!!やべっぴぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
何度も両手で殴打して泣き叫ぶ赤ゆを見てにっこり笑ったり…。
「う~!う~!!う~~~~!!!」
「やべっゆぎゃっぴぎぃっ!!!!」
「ぼきょぼきょでおもしりょいどぉ♪」
「おがぁぢゃん…!おがぁぢゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!だじゅげでよぉぉぉぉぉ!!!」
「うりゅしゃいどぉ!あみゃあみゃのぶんじゃいで…れ☆み☆りゃ☆うぅー!!」
グシャァッ!!
グチャグチャ…ジュージュー…ガブッジュルリ…!
そこらに落ちていた木の棒を突き刺したり…。
「う~♪おもしりょいどぉ!どんどんしゃしゃりゅどぉ!!」
「いぢゃいっゆぎゃっぴっ!!ぼうやべっちょかいはじゃにゃ…ぐべ…!」
「う~?うごきゃにゃくなったどぉ?」
「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛…。」
「ちゅまりゃにゃいどぉ!ぽ~い♪」
赤ちぇんの尻尾を掴んでブンブン振り回したり…。
「う~!う~!ぐりゅぐりゅ~♪」
「わぎゃりゃにゃいよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ブチッ!!
「わぎゃりゃにゃぁぁぁぁぁ…ぐぱぺっ!!!?」
「きれちゃったどぉ…。もぐもぐ…。おいちいどぉ~♪」
赤ぱちゅりーの口に指を突っ込んだり…。
「ぎゅ~りぎゅ~り♪」
「むぎゅぅぅぅぅぅっうげげげげげげぇぇぇぇ…!!!」
「きゃおいりょがわりゅいどぉ♪たのちいどぉ♪」
ズボッ!!!
「お゙ぼお゙お゙ぶゔっ…エレエレエレエレ…!!」
「う~♪げりょげりょきちゃにゃいどぉ!ぽ~い♪」
「むぎゅぅぅぅぅぅぅっびゅげっ!!」
手に付いたクリームを舐めて赤れみりゃはニコニコだ。
「だじでっきょきょきゃらだじでぇぇぇぇぇぇ!!!」
「だめだどぉ♪あまあまはださないどぉ~☆」
「まじゃじにだぐにゃいよぉぉぉぉぉ!!!
れーみゅは…れーみゅはおいちいもにょをむ~ちゃむ~ちゃじぢゃいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
きりぇいなはなしゃんももっちょみちゃいよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
どぼじでこんにゃひぢょいことしゅるのぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!???」
すると泣き叫ぶれいむをれみりゃは優しく抱え上げた。
「う~…。あかちゃんはあまあまでもかわいいどぉ…。かわいそうだどぉ…。」
「ゆぅぅっ!!?じゃぁ…じゃぁれーみゅをたしゅけ…!!」
次の瞬間両手で思いっきり強く握り締めた…!!
圧迫された赤れいむの色が押し出された茶色に染まっていく…。
「たべちゃいたいほどかわいいどぉ♪れみりゃもおなかすいたからたべてあげるどぉ~♪」
「やべでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
ガブッ
「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛…!!!」
ちゅーちゅーちゅー…
「…………。」
「やっぱりくるしめてからたべるとかくべつだどぉ♪にぱぁ~☆」
その後1時間にも渡りれみりゃたちは無抵抗の赤ゆたちを狩った。
赤れみりゃも獲物を追ううちに少しずつちゃんと歩けるようになっていた。
よちよちと実にノロい歩みだが、ゆっくりの中ではかなり速い部類だ。
そもそも被食種など一頭身の饅頭に過ぎないのだから、
手足があるれみりゃにスピードで敵う訳が無い。
成体のちぇん種なら逃げ切れるかもしれないが、ここには赤ゆしかいないのだ。
赤れみりゃたちの狩りを見ながら、れみりゃは満足そうに近づいてきたあまあまを食べた。
「う~!おにゃかいっぴゃいだどぉ~♪」
「もーちゃべりゃれにゃいどぉ♪」
「う~!ママもだどぉ~!たくさんいたからたすかったどぉ~!」
しかし洞窟にはまだかすかに生き残っている赤ゆがいた。
赤れいむと赤まりさが1匹ずつだ。
れみりゃたちが満腹そうに腹をさすっている姿を見て、
自分たちは助かったんだと淡い期待と希望を見出した。
だが…。
「う~♪のこりはおもちかえりだどぉ~!」
「ゆひぃ!やべでねっ!はにゃじでぇぇぇぇぇぇ!!!」
「みゃんみゃぁ~?どうしゅるんだどぉ?」
「あかちゃんたちのかりのれんしゅうあいてだどぉ♪
こいつらはさいこうにめいよあるあまあまだどぉ~!!」
「いやぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
2匹はれみりゃの両手に取り押さえられお持ち帰りされた。
この2匹を使って可愛い赤ちゃんの狩りの練習をするのだ。
「う~♪あかちゃん~♪このあまあまをつかまえるんだどぉ~♪」
巣の中で入口を塞ぎ、れみりゃはそっと手に持っていた2匹を放した。
このれみりゃたちが住んでいる『こーまかん』は腐った木の下の空洞に存在し、
広さは中々のものだった。ここなら十分練習ができるだろう。
「うーうー!まちぇまちぇだどぉ~♪」
「ゆぁぁぁぁぁぁ!!!こにゃいでっやぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「どうじででぎゅちないのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「まちゅんだどぉ~!うぁ~うっう~!!」
たった2分で赤れいむと赤まりさは捕まった。
赤れみりゃにしては上々のタイムだ。
れみりゃは我が子の成長っぷりに顔がさらに緩んだ。
…この森にはれみりゃにとっての天敵は存在しない。
野犬や狼などはれみりゃにとってふらんに次ぐ天敵だが、
ここにはそれがいない。
この森ではれみりゃが頂点であった。
だから夜通しダンスと称して馬鹿騒ぎしても襲われることは無い。
初めての狩りから2週間ほど経ち、赤れみりゃは立派な子れみりゃになっていた。
れみりゃは他のれみりゃに我が子の自慢話をしては、おぜうさまらしさをアピールした。
子れみりゃも自分でちゃんと獲物を狩れるようになった。
わずかに漏れる寝息を探り、寝ているところを襲撃し恐怖を植え付けてから食べる…。
ゆっくりは繁殖能力がすごいのでいくら食ってもマイナスにはならないのだ。
れみりゃは我が子のおぜうさまっぷりを見てまた喜びのダンスを踊った。
「う~♪まんま~、とうとうしっぽのあまあまをつかまえたどぉ~!」
「わぎゃりゃにゃいぃぃぃぃぃぃ!!!」
「すごいどぉ!そのあまあまはすばしっこいからなかなかてにはいらないんだどぉ!」
「まんま~!れみりゃもとったどぉ~♪」
「ちびちゃんたちすごいどぉ~♪やっぱりママのこだどぉ~☆」
子れみりゃは夕方まだ活動しているゆっくりも捕まえられるようになった。
もう狩りに至っては一人前だ。外敵に怯える必要が無い分早く成長したのだ。
れみりゃは幸せだった。もうすぐ巣立ちの時が来る。
それは寂しかったがれみりゃの自慢の子供たちだ。
きっと自分を超えるおぜうさまになってくれるだろう…そう思った。
…だがれみりゃは重要なことを教え忘れていた…。
「うぁ~?みかけないごはんだどぉ?あまあまだどぉ?」
「まんま~にぷれぜんとするどぉ~♪
ある日2匹の子れみりゃは大好きな母のため、大きな獲物を捕まえようと計画していた。
あと1か月前後で巣立ちの時期だ。子れみりゃはお別れパーティーがしたかったのだ。
れみりゃにとってここには敵がいない。故に全てが自分たちの食べ物だと思っていた。
子れみりゃたちはいつものように手を広げて獲物に近づき騒ぎ立てた。
だが相手は…。
「何だよ五月蝿いなぁ…。あっち行け!!しっし!!」
そう、人間であった。
この森には極稀に人間がやって来る。
普段は昼頃やって来るためれみりゃたちはその存在に気付かない。
だがこの人間は夕方にやって来ていたのだ。
夕飯に使う山菜が足りなくなり、仕方なく夕方に森に来たのだ。
「うぅ~!あまあまだどぉ?わからないけどたべられるんだどぉ♪」
「五月蝿いって言ってるだろ!?オレはお前らに興味は無いんだよ!」
「うう~!ぶれいなやつだどぉ!なまいきだどぉ~!!」
運が悪かったのは、ここに親がいなかったこと。
親のれみりゃが一緒にいたなら、
『こんなぶれいなやつほっとくどぉ~』などと言い、
少なくともれみりゃに関心の無いこの人間からは離れられた。
だが子れみりゃの近くに今親はいない。
驚かしたいがためにこっそりここまで来たからである。
子れみりゃは自分たちが最強だと信じて疑わなかった。
何故なら敵に遭ったことが無いからだ。
この人間も自分たちのために存在するご飯だと本気で思っていた…。
「れみりゃはかんだいだどぉ~♪まずそうだけどたべてやるどぉ~♪」
「しつこい奴だな…。今山菜探してるんだから目の前から消えてくれ、邪魔だ!」
「う~!なまいきすぎるどぉ!もうゆるさないどぉ~!!!」
ガブリッ!!!
「いっ!!!!?こ…このヤロ…!!!」
「う~!?かたくてまずいどぉ~!」
「ほんとだどぉ!まずまずだどぉ~!!ぺっぺだどぉ!!」
このお兄さんは虐待派では無い普通のお兄さんだが、
いい加減怒りが顔に出てきていた…。
噛まれた所はかすかに青くなっていた。
捕食種であるれみりゃの噛む力は意外と強いのである。
「…もうオレが不味いって分かっただろう…!?さっさと消え…。」
「うー!くそなまいきなやつだどぉ!」
「れみりゃたちがやっつけるどぉ~!!」
子れみりゃは事もあろうにお兄さんにタックルをし始めた。
生意気な変な奴を倒してお母さんに褒めてもらおうと思ったのだ。
子れみりゃは狩りの練習を思い出し、ばんばん攻撃してきた。
だがお兄さんはかなり心の器が大きい人だった。
この期に及んでも手を出そうとはせず、子れみりゃに話しかけた。
「全く効かないんだけど…!これ以上やったらさすがに怒るぞ…?
いいか?オレたちの姿を見ている人はいないんだ…。
オレがこの場でお前らをどうしようと誰も気にしないんだ…。
分かるだろう?分かったらさっさといなくなって…。」
「う~!!つべこべうるさいどぉ~!!」
「おぜうさまにむかってくちのききかたがなってないどぉ~!!!」
2匹は協力して同時にタックルを仕掛けてきた。
もう帰ってくれると思ったお兄さんは油断してのけ反り、
その場にドサッと倒れてしまった。
オマケに背中に背負っていた籠から集めた山菜がぼろぼろこぼれてしまった。
「う~?ぱくっ…まずいどぉ!ぽ~い♪」
「こんなまずいくさはぽ~い♪」
子れみりゃは散らばった山菜をあちこちにまき散らしてしまった。
「……!!!」
「う~?そのかおはなんだどぉ~?とことんなまいきなやつどぉ~♪」
「うぁ~♪まずいしよわいし、すくいようのないやつだどぉ~♪」
「あきたからべつのごはんをさがすどぉ♪こいつはまずまずでぽ~いなんだどぉ♪」
プッチン!!
決してプリンの音では無い。お兄さんがキレてしまった音だ…。
「…お前らは本当に馬鹿な奴らだ…。オレは最後のチャンスを与えてやったんだぞ…!!」
「う~?まずまずがなんかいってるどぉ~♪まけいぬだどぉ♪」
「まんま~にみせたらきっとおなじことをいうどぉ♪でかぶつはきえろだどぉ~♪」
子れみりゃたちは悪意があって言ってる訳では無い。
ただ率直に述べているだけだ。お兄さんがキレたことも知らずに…。
「弱肉強食!!!!」
ドゴォッ!!!!
「ゆびゃげばっ!!!!?」
「う…?」
一瞬の出来事だった。
1匹の子れみりゃの腹部にお兄さんのメガトンパンチが炸裂したのだ。
もう1匹は何が起こったか分からず目をパチクリさせている…。
食らった方はその場にドサッと倒れ、初めての激痛に顔を歪ませ号泣した。
よく見ると子れみりゃの腹部から肉まんが少し漏れていた。
れみりゃの体は意外と脆いのだ。
「う…うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
「ぎゅぼぐへぇぇ…う…うぅぅぅぅぅぅ…。いだい…どぉ…。」
「まだオレの怒りは収まらないぜ!この肉まん野郎覚悟しやがれぇぇぇぇ!!!」
「うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ごっぢぐるなどぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「口は災いのもとぉぉぉぉ!!!!」
ガキィィィンッ!!!!
「うごばげぁっ!!!!」
もう1匹の子れみりゃにお兄さんの鋭い蹴りが炸裂した。
蹴られた子れみりゃはそのまま吹っ飛び木に激突した。
「うぁっうぁっうぁっうぁっうぁっうぁ…っ!!!」
「うぅぅぅぅぅっ!?おぜうさまがぁ…どぉじでぇぇぇ!!?」
子れみりゃは信じられなかった。
れみりゃはこの世界で最強のはずだ。
どうしてこんな不味い変な奴にやられなければならないのか?
この世の全ては自分たちれみりゃのために存在するはずなのに…。
無論それらは子れみりゃの妄想だ。
今まで強い天敵などに遭ったことが無いのだからそう思うのも無理は無い。
親が教えるべきは人間の存在であった。
最もあのれみりゃが人間のことを知っていたかすら分からないが…。
「けっ!よっぽど甘やかされたんだろうな…!上には上がいるんだよ!!」
「うぁっうぁっうぁっうぁっうぁ…っ!!!!」
「だじゅげでまんまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ざぐやぁぁぁぁぁ!!!!」
「…弱肉強食、お前らだって今まで沢山ゆっくりを食ってきただろ?
今度はお前らが食われる側になった…それだけの話だ。」
お兄さんは蹴りを受け痙攣してる子れみりゃを持ち上げた。
上半身と下半身がかろうじて繋がっている状態だ。
いくら再生能力が高くても子れみりゃじゃもう長くないだろう。
「悪いのはお前たちだ。そこで己の非力さを噛み締めるんだな…。」
お兄さんは下半身を引き千切り口に運んだ。
ホカホカでとても美味しい。
「うぁっうぁっうぁっうぁっうぁ…。」
「いもうとのえれがんとなからだがぁぁぁぁぁ!!?」
「じゃあな。オレは山菜を集めて帰るよ…。」
「だずげ…で…!」
「…ああぁっ!!?」
「だずげで…くだしゃい…っ!!いもうとが…しんじゃうぅぅぅっ!!!」
お兄さんは怒りを込めてこう言い放った!
「お前らはそうやって命乞いしたゆっくりをどれだけ殺してきたんだっ!!!
よってオレはお前らを助けない!!山菜捨てられたしなっ!!!」
お兄さんは子れみりゃの声を遮りさっさと行ってしまった。
「ちきしょう…。何でオレの方が悪い奴みたいになってんだよ…!!」
「うぁっうぁっ…うぁっうぁっ…うぁぁ…う…………。」
「うぁぁぁぁぁぁぁ!!!!まんまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
上半身だけになった子れみりゃは失肉汁多量で冷たくなってしまった…。
パンチを受けた方の子れみりゃも痛みから満足に動けずその場で悶えていた…。
この時子れみりゃは初めて恐怖を覚えたという…。
しばらくして痛みが減ってきた子れみりゃはお母さんに助けを求めるため出発した。
「まんまぁ…。いたいどぉ…。くるしいどぉ…。たすけてほしいどぉ…。」
だがその時…
「ゆっくりしね…!ゆっくりしね…!!」
「う…うぁ~…?だれだどぉ…?」
この森に天敵はいない…はずだった。
だが生態系とは常に変化しているものだ。
ふらん種がここに来たのは、ただ単に獲物が沢山いるからである。
前の森で食べ物が減ってきたので移住してきたのだ。
天敵の存在など記憶から抹消していたれみりゃはあっという間に弱者に転落した。
だがこの子れみりゃは自分たちは決して無敵では無いということをさっき知った。
だが知るのが遅すぎた。
「ゆっくりしね…!!」
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁまんまぁぁぁぁぁぁぁっごべらっ!!!」
その頃…ふらんたちは腹を満たすためれみりゃを襲いまくっていた…。
2匹の親だったあのれみりゃも呑気に寝てる間に腹を食い破られゆん生を閉じた。
他のれみりゃもふらんにケンカを売り、ことごとく狩られていった…。
それからわずか1週間後、森かられみりゃたちの姿はほとんど消えた…。
今度はふらんがれみりゃを狩る番だ。
抵抗する術を知らないれみりゃはふらんの前では食料同然だった…。
「最近森のれみりゃ見なくなったなぁ。」
「ふらんが増えたんだってさ。他のゆっくりは壊滅寸前だって。」
「これ以上ふらんが増えたら森の恵みが危ないかもな…。」
「そろそろゆ狩りを実行した方がいいんじゃないか?」
ふらんの天下も間も無く終わるだろう…。
この世は弱肉強食…
そしてゆっくりはどう足掻いても人間の上には立てないのであった…。
2517 ちぇんマー投げ
2526 ゆンペルダウン
2550 痙攣鬼異惨の日曜日
2560 分からないだらけのゆん生
2570 馬鹿とゆっくりは使いよう
2585 ゆっくり飼育書
2600 食ゆ鬼意山の罠
2619 少年と秘密の箱庭
2627 生死の要因
2634 軍人鬼異惨の試練
最終更新:2022年01月31日 02:16