ゆっくりいじめ系2626 嗚呼幻想郷

 幻想郷と呼ばれる人妖問わず暮らす人里より隔離された場所があった。そこにいつの頃かゆっくりなるそこの住人と同じ顔と名を持ち、かつ理性を人間の五歳児以下にした様な饅頭が住み着き始めた。

 幻想郷の住人、特に強い力と並々ならぬ知恵を備えたる種族は当初此奴らの処遇については特に検討せず、いわば自由放任状態であった。

 博麗の巫女も暇潰しにゆっくりを適当にあしらい、白黒の魔法使いは新しい実験材料として活用していた。

 また永遠亭の月の頭脳は魔理沙と同じく、或いはそれ以上に格好の非験体とばかりに数多くの饅頭を潰してきた。

 だが、幻想郷の造物主にして賢者である八雲紫は危惧していた。ゆっくりが人里に下りては人家に多大なる損害を撒いていることに。

 幻想郷の住人でさえ、最近にいたってはこの害獣、もとい弩腐れ饅頭にはっきりと嫌悪を抱いている。理由はあまりにもメンタルレベルが幼稚で話にならないばかりか、一般に尊大で蟷螂の斧。おまけに一部の下種の行動が目に余る。

 さらに幽香の向日葵畑さえもがゆっくりの被害にあった。勿論最小限で留まり襲撃者は生きて帰らぬ身になったが。

 つい先日、紅魔館で起こった小さな事件が発端となり、本格に掃討が始まった。

 ゆっくりは人妖の常識が通じない。奴等に物権法が理解できる筈がない。

 奴等は無主物占守という観念は持ちえても、所有者の居る土地にはそれが当てはまらぬとは思いもせぬ。つまり所有権を主張しようが、あるいは対抗要件たる土地の登記簿を見せつけたところで、文字は碌に解さぬ、そもそも難しいことが考えられぬ、という有様で、大抵畑の中や家の中でこれをやられた人間は微塵の容赦もなく物権的妨害排除権を行使するのである。

 しかし他では知らず、紅魔館の中でテンプレ通りに「ここはまりさたちのゆっくりぷれいすだね。おねえさんたちはゆっくりしないででていってね」などとふざけたことをのたもうたために、館の主とその瀟洒なメイドの怒りを買い、惨殺され、床中を餡に染めたそうだ。命知らずも大概である。「己を知らず敵を知らざるは百戦すれど勝たず」というのが妖精並みに理解できぬのだから、人語を話す分、ムー○ンには悪いが妖精に近い存在であると考察できる。

レミリアの怒りがこれで収まる筈もなく、余りの剣幕に押され、渋々紫が重い腰を上げ―内心ほくそ笑んでいたが―上記の通りになったのである。

これには堪らず、ゆっくりどもは逃げるほかあらざった。人間だに人外並みに強い世界で生態系最弱の饅頭が敵うことは天地が靡くことほどあり得ざる話だ。

しかも適当の餌ともなり、ストレス発散用のサンドバッグ代わりにもうってつけであるから余計に始末が悪い。

妖怪の山、魔法の森、博麗神社、あらゆるスポットで捕獲され、虐殺され、虐待されるゆっくり。冥界送りにされたものは妖夢の試し切りに使われたり、幽々子に食われたりと二度死にの憂き目にあった。

 さて話は人里に移る。ここでもゆっくりに対する嫌悪乃至憎悪からある意味スペツナズとも呼ぶべき虐待専門家が暗躍していた。

 彼らは加工場で勤務したり、或いは在野で捕獲しては虐め倒すことを日課としていたりする。

 此処に一人の男が居りき。彼は野良仕事の傍ら、武術の稽古に励んだり、大小の火器を収集したりと色々と物騒なことをやっている。

 ミリタリーマニアと見るが、それにしてもこれは由々しきことである。

 ライセンスの取得はしているようだが、通常の狩りでこれ程強力の銃火器を使用しては違法である。個人の趣味にしては余り頂けない話だ。

 一体何の目的であろうか。この答えは追々判明していく。

 さて、人里にゆっくりが下りてきて被害をもたらすことには先程触れたが、ワーハクタク、上白沢慧音は幻想郷内での掃討作戦が原因で、より多くの群れが人里に下りてくることを懸念していた。

 慧音はスペツナズに依頼して、未収穫の作物と倉庫の備蓄の保護を最優先することにした。数匹が人家に侵入した程度であらば容易に叩き潰せるが、ドスを含む群れで襲撃してきた場合、真っ先に狙わるるのは何かが明らかなる以上、悠長はしておれぬ。

 当然、あの武道派の百姓もこの申し出を快諾した。微かに武者ぶるいをしていたのは見なかったことにしておこう。

 さて冬も近づく頃、愈々山や森の様子が騒がしくなってきた。群れが襲撃してくるのも時間の問題だ。

 村の防備はというと、有刺鉄条網が幾重にも張り巡らされ、簡易のトーチカが構築されていた。配備される機関銃、自動小銃はあの百姓のコレクション。まさかこの日のために備えるために集めていたとは驚き桃の木山椒の木。

 数で攻めるゆ海戦術にその手は桑名の焼き蛤といった重装備。勝って来るぞ勇ましく此処にスペツナズが集結。捕虜にしたゆっくりを虐待するために、手に手に思い思いの拷問器具を持参する。桑原桑原。

 さて、この様子に斥候に出たゆっくりまりさ。余りのものものしさに怯んだが、餡子脳ではこの状況でも勝算ありと踏み、本営のドスに伝えようとする。

 だが、そうは問屋が卸させず、哨戒中の番犬にあっさり見つかり御用となった。

 人に捕まったゆっくりなど赤子の手を捻るよりも容易くしばき倒せる。

 群れの居場所を吐けとばかりにビンタ、拳の打擲は序の口、皮を剥ぎ、底部へ根性焼きを入れ、畳針を刺し眼球を抉り、帽子を取り上げ、髪を引き抜き、ありとあらゆる手で、生かし殺さぬ鮮やかさで責め抜く。

 最初は減らず口を叩いて、人様を嘲笑い、ふてぶてしく振舞っていたまりさも、地の精神力が弱いために、このゆっくりの出来無さに発狂寸前で、簡単に白状した。

 余りにも簡単にペラペラと吐いたので、面白味に欠き、これで解放されるなどと甘い考えを持つのが癪に障るため、聴取が取れた後もまりさへの虐待が続いた。

 その頃、敵を欺く手筈として、あの間抜けの帽子を前に捕獲していた無傷のまりさに被せ、これが無事に果たせたらお前だけは助けてやると言い含めてから、群れの居る方へ放ってやった。勿論口約束に過ぎんが、元々下種で卑しい奴だから捨て駒には丁度良かった。

 放たれたまりさは、してやったりとばかりにほくそ笑んで、群れの方角へ急いだ。あのまりさには悪いが、まりさをたすけるためにゆっくりしねと下種特有の意地の悪さで心の内に片輪となったまりさを罵った。

 群れに着いた下種はドス達に人間たちに言い含められた通りに報告した。

 畑の防衛網は堅固で正面突破は難しい、しかし東の一角には隙があってそこが急所たりえること、人間の数はそれ程多くはないこと、など八割は真実の含まれた偽情報を実しやかに捲し立てた。

 さあ、髪飾りや帽子でしか個体の識別ができず、それ程賢いとはいえぬドスに率いられていることもあって、群れは簡単にこの策に引っかかった。

 「むきゅ!!それならおやさいさんがゆっくりたべられる!」
 「ゆっ!にんげんなんてまりさがやっつけてやるぜ!!」
 「ゆゆっ!ことしのふゆはおちびちゃんたちとゆっくりできるね!!!」

 などと早くも敵を飲む勢いの、もとい暢気な声が方々で上がった。

 ドスも大変満足した様子で、これで安泰だとすっかり油断していた。

 誰もが勝利を確信した。ただ、伝えられなかったことが一つだけあった。人間が銃火器を装備していることである。

 さてその日の朝、森に偵察に入った村の衆から群れが移動を開始したとのことである。

 もう日が昇って随分経つのに今頃になって襲ってくるとは間抜けが過ぎる。払暁が奇襲にもってこいの時間帯ということを知らぬゆっくりは戦術の常識を欠く。自分たちの起きられる時間でなくば動けぬとは。こちらは既に臨戦態勢に入り、いつでも迎撃可能だ。相手の準備を待たず攻撃すべきを。

 この戦、始めから勝負が見えている。戦術戦略の両面からゆっくりに未来はない。
 さあ、あの下種の言葉を純朴にも額面通りに受け取り、何ら疑いもなくのこのこと畑に入ろうとしたゆっくりどもは、まず有刺鉄線の餌食となった。

 「どぼじでごんなものがあるのおおおおおおお????!!!!!」

 人間から見たら荒唐無稽、抱腹絶倒である。わざわざにゆっくりの跳ねる高さに合わせ設計された防衛網である。しかも一か所のみならず縦横にずらっと並んでいるのだから始末が悪い。

 たちまち数匹が体を蜂の巣にしてこと切れた。血祭りならず餡祭りだ。畑の土が真っ黒に染まる。後で黴が生える前にさっさと灰にして肥料に使用してやろう。余談だが、餡というものは小豆でできているものの含んでいる糖が自然界のバクテリアでは分解しにくいので発酵することなくただ黴るのみである。そのため肥料としてそのまま使うと黴で作物を損ねることも少なからずある。だから燃やして灰にしてやらば良い。

 話がずれたが、さあ立ち往生を食らったドスの群れ。一歩進むごとに仲間の被害が続出するため、どうしようもない。しかしドスは思い起こした。東の一角には防備の薄いところがあると。

 「みんな、東に向かうよ!!そこなら安全にゆっくりすすめるよ!!!」
 「ゆっ!さすがどす!みんなひがしにいくよ!!!」
 「ゆっくりりかいしたよ!!」

 さあ東の一角、確かに鉄条網はなくゆっくりが安全に進めることは間違いない。
 ただ、あくまで進めるのみで突破できるわけではない。

 目の前に灰白色の箱モノが目に付いたが何のことあらんと前進し続けていた。しかしこれが地獄の一丁目であった。

 ゆっくりの姿が確認できた時、トーチカに潜む兵達はこのまま都合よく射線に入ってくれるようある一手を打っていた。

 「にゅっ!!おいちしょうなやしゃいしゃんがあるにょ!!」
 「ほんとだ!!おちびちゃんたちよくみつけたね!!」
 「おにぇちゃんさすがだにぇ!!」
 「ゆっくりたべようね!!」

 何とも危機感のない。戦場で飯に釣られるとはどこのイタリア軍だ。実に他愛ない。殺す価値も見出せぬ粕ばかりだ。

 「むーちゃ!むーちゃ!しあわちぇぶううう!!」
 「おきゃあしゃあん、おにぇえちゃあん、おいしぎゃああああああああ!!!!」
 「ゆゆゆゆゆうううう!!!!」

 目の前に実に愉快な光景が目に広がる。ほうれん草の葉の裏に少量の芥子を塗っておいたのが効果覿面。人間には大したことのないものでもゆっくりにとっては命にかかわる。あまりの辛さに既に戦闘どころの騒ぎではなくなっている。戦う前に戦意を挫くのは定石中の定石。見ろ、あいつ餡子吐いて気絶しているぞ。あいつなんかひいひい言って転げまわっているぞ。兵士も笑いを堪えてトリガーに指を構える。

 さあ恐慌状態の群れ。成体、幼体問わず芥子の被害が甚大でショック死する個体まである。ドスも幾らか食らって目から涙が溢るる始末。

 「撃ち方始め!!!」

 この時である。一斉にトーチカの銃眼から火を噴き、そこらで倒れている抵抗できない愚図をものの見事に吹き飛ばしていく。弾速が速すぎて脆い饅頭は破裂していく。

 こうなればワンサイドゲーム。シューティングゲームとしてはつまらなさすぎる。必死に逃げまどうが、毒に中ったために思うように体を動かせない。

 こうしているうちに全滅は必定。頼みのドスもドススパークが放てぬ以上、対抗手段は断たれている。撤退の他あるまい。

 「みんな、げほっ、はやく、ぐえ、逃げて、がはっ!!」

 ドスが苦しみながら、絞るように声を出す。

 這う這うの態で逃げ出すゆっくりの群れ。だがもはや逃れられぬ。

 「撃ち方やめ!!」

 射撃は撃ち止め。今の内に。だが甘い。

 いつの間にか包囲されていた群れ。手に手に刀槍、銃剣、ナイフを持った連中が一気に詰め寄る。

 第二ラウンドもあっけない。白兵戦に持ち込んでドスをいち早く捕獲。他の雑魚は音もなく始末される。辺り一面に飛び散るのは皮や餡のみ。赤ゆっくりであろうと無惨に殺される。しかし幾分刃物がスパスパ通るのだから、殺し甲斐がない。骨なしどもが。さて程無く戦闘終了。残った者も満身創痍。致命傷を負った者の断末魔が木霊する。

 「ぐえええええ、いだいいだいいだいだいだいだ....」
 「おぢびぢゃあああがああああああ...」
 「おぎゃあしゃああああああああん、ゆうううううううう」
 「がばっ!ゆっぐぢぢぇきないいいいいいい」
 「もっど...ゆっぐぢ..,じだ...がっだ...」
 「までぃざあああああああああああ」
 「でいぶううううううううううううう」

 気色悪い死に様。ほとほと呆れる。人間同士の戦場でもこれ程おぞましいものにはならん筈だ。

 さて残りはまだ息があるし、ドスも手に入ったことだから見せしめの時間だな。

 ドスを逆さ吊りにふん縛って、気絶している体にサンドバッグよろしく必殺パンチを加えるスペツナズの一員。

 「ぐぎゃあああああああ!!!」

 戦闘時の負傷も相まってかなりの激痛だろう。

 戻った意識も飛ぶショックにかろうじて耐え、暴言を吐くドス。

 だが、数秒後生き残った姿を見て、半狂乱で解放しろと騒ぎ出す。

 今度も静かにしろと鉄拳制裁を食らう。

 大分大人しくなったところに、これから残虐ショーを見せてやると宣言し、捕虜の連中約十数匹を細切れにする準備を始めた。

 ただでさえ皮が破れ餡が出かけているものがあるのに、この仕打ちはないと言わんばかりに暴れるが、押さえつけられ目を強制に見開かされる。

 まず数匹の赤ゆっくりが親兄弟の目の前で裂かれた。

 底部をこんがり焼かれ、髪の毛を一本残さず毟られた後、目をピンセットで抉られ盲になったところを上唇と下唇に糸を通した釣り針を通され上下に引っ張られた。成体ならば唇の欠損で済むが、極小の体の赤ゆっくりでは耐久力がなくそのまま口から裂けっていった。

 それを見た親の中に発狂するものが居たが、すぐに一緒になれるのだから放置していた。
次に一部の子ゆっくりである。少しは楽しめそうだ。底部を焼くのはデフォルト。追加としてレイパーありすの入ったケースを用意する。

 どうせ叩き潰す予定のレイパーも使い道はあるのだ。それはさておき。

 子ゆっくりを犯し殺させる前にやるだけのことはやっておく。

 歯を鑢を以て少しずつ削り取る。麻酔はなし。当然神経に直接触れて悲鳴の大合唱。

 耳障りだと舌を根元から引き抜く。大変結構。

 そしてその極限の痛みから快楽地獄に放り込むため、発情処置を施す。

 いい具合に出来上がったところで一匹ずつ出したありすに襲わせる。集団暴行でないところにミソがある。お預けでより昂ぶってくれるのだから。正に外道。

 「うほおおおおお!!!とかいはのありすにぴったりのれいむね!!」
 「まりざあああああ!!!ちっこくてかわいいよおおおおおおお!!!」
 「いっじょにずっぎりじまじょおおおおおおおおお!!!!」

 卑猥な言葉と姿態で襲いかかる。それを振りほどこうにも足が動かず、拒絶の声も舌がなくて出せず、思うがままに犯される。
 「ぎもぢいいいいいいい!!!ちっこいまむまむしまるうううう!!!」

 見るも不快だ。粘液塗れで上気した頬を摺り寄せ背後から上下運動。

 えづくのを得耐えきれぬ思いがした者も出たであろう。

 「ぞろぞろいぐねえええええ!!!ゆゆゆゆゆゆ....ずっぎぐべえ」

 強制終了。果てる前に潰す。孕まされては面白味がない。その情景を見た他のレイパーが怯える。だが、容赦はない。冷めたものも無理矢理発情させて再開。

 これが幾度となく繰り返され、粘液塗れの子ゆっくりと飛び散った薄汚いカスタードが後に残った。

 そしてお約束通り、子ゆっくりにも親の目の前で串刺しになってもらう。もはや親たちは狂ったものを除けば放心状態。痛みと悲しみで疲労困憊であった。馴染みのドスへの非難もできず、殺される番を待っている。

 さて、ここまで見てドスの目には涙が。妖怪に駆逐されかけ、辛うじて生き延び何とか群れを再建したのも束の間、無謀にも人間に楯ついて、その結果がこの有様だ。

 ドスには責任があった。どうあっても群れを救うという。だがそれももう叶わぬ。
親たちが殺された後は自分が嬲者になる。

 だが、人間たちは親たちには手もつけようとしない。何故だ。あれだけのことをしておきながらどういうことだ。

 「どぼじで?子どもにてをだしておきながらどうしてなにもしないの?ばかなの?しぬの?」

 こう罵る親が居た。するとあの武器マニアの男が言った。

 「ドス、お前にチャンスをやる。こいつらの命とお前の命、どっちを取る?」

 意外な話だ。人間がドスを助ける選択肢を与えた。これには放心の親どもも目を輝かす。

 「どす。おねがいだからまりさたちをたすけて、ゆっくりしね」
「どぼじでぞんなごどいうううのおおおおおおおおお?????!!!!!」
「どすがしねばれいむたちゆっくりできるね。むれをぜんめつさせたむのうのどすはゆっくりしないでしね」
 「ごどもだぢをがえぜえええええええ。ばかどすううううううう」

  口々に罵りだす馬鹿親ども。俗に言うモンスターペアレントの典型だな。己が身を守るためなら今までの恩義を全て忘れる。素晴らしい餡子脳だ。

 「どうした、ドス?お前の仲間はお前を見捨てた。これでもまだこいつらを生かしておくのか?」
 「ゆゆっ!おにいさん、どすにへんなことふきこまないでね。わたしたちゆっくりしたいんだから」
 「そうだそうだ。ばかなにんげんのじじいはゆっくりじげげげげげげ」

 余りにも口が悪い。下種まりさだな。そういえば密使役のあのまりさは今どこだろうな。
まあ踏み殺されようが、事前に逃げ出していても結果は同じだ。

 そんなことを考えながら口を抓る。

 「いででででで!ごべんなぎゃああああああああああ」

 おっといかん。力を入れすぎた。

 「ぐぞおおおお。ゆっぐぎえええええええええええ」

 手加減無用。舌を抜いても構わんが、次の計画にさし障る。

 「おにいさん...」

 蚊の鳴くような今にも消え入る声でドスが口を開く。

 「おねがいだからそのまりさやれいむはいかしてあげてね。どすはもうつかれたよ。むれもまもれずみんなをころしたどすはゆっくりしぬべきだよ。」

「どす、よくいったんだぜ。これでゆっくりできるんだぜ」
「どすはゆっくりしないではやくしね」
この期に及んで見苦しい。これでよく親などやっていられた。どこぞにもおりそうな連中だ。

「よし、わかった。ドスの言うとおりあのゆっくりだけは生かしてやろう。」
 「ゆゆっ!おにいさんありがとう。これでおもいのこすことは...」
 「おい、皆。その鬱陶しい奴等を加工場に運ぶぞ。」
 「「がごうばはいやああああああああああ」」
 「ゆゆっ!おにいさんやくそくがちがうよ。みんなをいかしてくれるって...」
「確かにそうは言ったけど何も山に帰すとは言ってないよ。あの2匹は加工場でゆっくりできないまま生かされそして死ぬのだ。」
「ゆゆっ!ひどいよ。どぼじでごんなごどおおおおおおお」
「うるせえ、お前も今から死ぬんだよ。余計な詮索すんじゃねええええ。」

トラックに縛られたまま載せられ加工場に着いた。

あの2匹とは別に大きな倉庫に放り込まれ、体中にドレーンが差し込まれる。中の餡を排出するだけの木偶となったドス。三日後には干からびて死んでいた。そもそも余り品質の良くないものであったので、早急に抜くだけ抜かれたのだった。

薄れる意識の中、最期の言葉が「ゆっくりできるよ」であったのはどういう意味が込められていたのか誰にもわからない。

追記:あのまりさであるが、役目を果たした後、夜陰に紛れ群れを抜けた。何しろ全滅するとわかっているものに態々ついていく必要はない。山奥に入り、誰も居ないことを確認すると、しめたしめたと小躍りし、自分の明るい前途ににんまりするのであった。しかしその何秒か後、妖怪たちに散々追われて満足に食事できず腹を空かせたれみりゃに捕食されてしまったのであった。

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最終更新:2009年05月15日 00:19
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