ゆっくりいじめ系2575 信じてたのに 前編

                     『信じてたのに 前半』




俺は1年前、ゆっくりを買った。
1人暮らしに慣れて来た頃、帰り道なんとなく寄ったゆっくりショップでアイツらにであった。


「「ゆっくちちていっちぇにぇ!!!」」

赤れいむと赤まりさ。
ガラス越しに、俺は一目惚れをしてしまった。



俺は5000円という、サラリーマンには大きすぎる金を捨て、家に天使を招きいれた。

「おにーしゃん いっちょにゆっくちちようね!!!」

「ちゅりちゅり ちゅるよ!!」

・・・・・可愛い、コイツらは躾済みでバッチテストに出せば銀は確実に取れると店員さんは言っていた。
粗相も滅多にしなく、したとしても叱ればすぐに覚えた。


「おにーしゃんずっとゆっくちちようね・・・!」


ああ、あの頃はゆっくり出来てたな。





それから1年後。

2匹は立派に成長し、成体となっていた。

「むーしゃ♪ むーしゃ♪ しあわせ~♪」

「おにいさんのごはんはゆっくりできるね!!!
 おにいさんいつもありがとう!!!」

2匹は赤ゆの頃から変わらず、良い子だった。
きちんと躾をすればゴールドバッチを取れる自信もあった。


優しい性格で、甘えん坊なれいむ。

元気が良く、好奇心活発だけれど聞き覚えのいいまりさ。


とっても俺に懐いていたよな。




それから、1ヵ月後れいむに「おはなしがあるからきいてほしいよ!!!」と言われた。

俺は疑問に思いながらもリビングへ向かった。


「ゆゆっ! おにいさん!! ありがとうなんだぜ!!!」

リビングには2つ座布団の上にれいむとまりさが座っていた。

「なんなんだ? 悪いことでもしたのか?」

ちゃぶ台越しに2匹は首を振る。

「ちがうよ! わるいことじゃないよ! れいむたちいいこだもん!!」

「そうか、悪い悪い。んで、話ってのは?」

2匹は戸惑いながら目を合わしている。
そしてついにまりさが口を開けた。



「ゆ・・・ ゆ・・・! じつは・・・! あかちゃんが・・・ほしいんだぜ・・・・・っ!」

「そうなんだよ、おにいさん! おちびちゃんがほしいんだよ!」

俺は突然の願いにビックリしたが、返事は決まっていた。


「いいよ。」


2匹は固まっている。

「ゆ?・・・・・ おにいさんいまなんて・・・?」

「だから いいよ。」


「ゆゆゆ・・・ うれしいいいいいいいいいいいいいい!!!」

「やったんだぜえええええええええええ!!!」

2匹は狂喜した。


俺の家は誰も住まなくなった、母のおばあちゃんの家を貸してもらっている。
もちろん、家賃は無い。しかも、広い。
1人暮らしには立派過ぎる暮らしだ。

お母さんありがとう。


家の広さ的には、10匹ぐらい増えても構わない。

ただ、俺は普通のサラリーマンだ。
月給も少なく、コイツら2匹を飼って少し自由な金が出来る程度だ。

だからコイツらには1つだけ条件を与えた。


「ちょっと、待った!」

「ゆゆ!! ゆ・・・・・! おにいさん・・・・・なんなんだぜ・・・・・・・?」

まりさは恐れながら聞く。

「なあに、簡単なことだ。」

「赤ちゃんは1匹だけにしてくれ。」


れいむとまりさは少しとまどっていたが、しばらくすると返事を返してきた。

「わかったんだぜ!おにいさん!!」

「うん、それならいいんだ。元気な赤ちゃん生めよ。」

「もちろんだよ!!!」







しかし      








これが間違いだった。







それかられいむとまりさはすっきりをし、お腹に赤ちゃんを宿した。

「どうだ~ 調子は…」

「おにいさんっ!!!」

俺はいきなり怒鳴られた。

「・・・へ? 俺、なんか悪い事としたか?」

まりさが頬を膨らまし威嚇している。

「したんだぜっ!!! れいむがにんっしんしてるんだからはいってくるんじゃないぜ!!!!」

俺は叱ろうか迷ったが、初めてのにんっしんで気が張っているんだろうなと思い。

「あー、悪かった。 すまんすまん。」

「へんじはいいからはやくでていくんだぜっ!!!」

俺はゆっくりドアを閉めて部屋を出た。




そして、夜。

「ごはんだぞ~、おまえら。」

「おそいよ!!! おにいさん!!!」

れいむはお腹を空かしているようだ。
俺はお皿をいつもどおり前に置く。

「「いただきます!!!」」

真っ先にゆっくりフードに食らいつく。
ゆっくりしてねぇじゃねぇか、といつも思う。

「「むーしゃ♪ むーしゃ♪ しあわせぇ~♪」」

俺はコイツらの喜ぶ顔が好きだ。
だからついつい甘やかしてしまうが。
でも、調子に乗らなず、「ごちそうさま」「ありがとう」
が言えるコイツらは立派だと思う。


そう思っていたときに。


「たりないんだぜぇ!!!! おにいさん!!!」

「は?」

俺は思わず言葉が出ていた。

「れいむはにんっしんしているんだよおおおっ!!!!
 えいようがひつようなんだよ!!!!
 そんなこともわからないの!? ばかなの!?」

・・・・・こみ上げてくる怒りを抑えた。


(にんっしんして気を張っているんだ。)

(たしかに俺も配慮できなかった。)


そう言い聞かせて俺は

「ああ、ごめんなれいむ。」

と言って部屋を後にした。


俺はキッチンでれいむの皿に餌を追加すると部屋に戻った。
ドアを開けると、2人はまだ怒っていた。

「ほい、れいむ。」

「おそいよ!! もう!! きくばりのできないおにいさんだね!!!」

そう言うとれいむはゆっくりフードに食らいついた。

これで一件落着か、と思っていたら。


「まりさのぶんはどこなんだぜ!?」


「は?」

俺はまた思わず言葉が出ていた。


「おなじえさをださないなんて ぎゃくたいなんだぜ!!!
 まりさをぎゃくたいしてるんだぜ!!!
 ふこうへいなんだぜ!!!」

俺はこれ以上関わると潰してしまいそうなので、まりさの皿を持ち上げ。

「・・・・・わかったよ、まりさの分もな。」

「ふん! やっとりかいしたのかぜ!きのきかないおにいさんなんだぜ!!!」


調子乗りすぎだろ・・・ と俺は思いながらもまりさの皿に俺は餌を追加した。





それから「あかちゃんがいる」という権力にすがり
コイツらの横暴は激しさを増していった。



「へやにはいるなあああああああっ!!!!」

「ごはんが「にんっしんゆっくり用 すぺしゃる」じゃないよ!?
 れいむのあかちゃんがかわいくないの?」

「おふとんさんはまいにちせんたくしてっいったでしょぉおおおおおお!!!」

「つかえないおにいさ… いや…つかえないじじいなんだぜ!!」

「れいむにふれるなぁあああああああああッ!!!!」

「やさしくがーぜでふいてね!!!」

「まりさもなんだぜ!!! さっしろじじい!!!」


俺はコイツらを何回潰そうか迷ったかは数え切れない。
だけれど、優しかったコイツらの笑顔を思い出し。
その衝動を抑えた。

赤ちゃんが生まれたら元の優しいれいむとまりさに戻ってくれるだろうと思っていた。






そして、いよいよ出産の日を迎えた。



「うまれりゅうううううううううううっ!!!!」

れいむはお気に入りの座布団の上で苦しんでいる。顔と穴がグロテスクだ。

「れいむ!!! ゆーゆーふーだぜ!!! ゆまーずほうなんだぜ!!!」

俺が教えた知識を偉そうに使うな、まりさよ。

「ゆうううううう!!ゆうううううう!!ふううううううう!!!」

「がんばるんだぜえええええええええええッ!!!!」

「ゆううううううううううううぅぅぅぅぅぅ…… ゆッ!!!」


ぽんっ!



「ゆっくちちていっちぇねぇ!!!」



生まれた。れいむ種だ。


「ゆ・・・ ゆ・・・・・・ ゆっくりしていってねえええええええ!!!!」

「ゆっくりしていくんだぜえええええええええ!!!」


俺は赤ちゃんが生まれたことより、コイツらが元の優しいゆっくりに戻ってくれるのが嬉しかった。






だが、甘かった。




「じじいいいいいいいいっ!!! 
 おちびちゃんにはこうきゅうひんをあたえろっていったでしょおおおおおおお!!!!

「えあこんさんはぜんかいにしてっていったんだぜえええええええええ!!!!
 おちびちゃんがかわいそうとかおもわないんかだぜ!?
 このどれいじじい!!!」

「おちびちゃん このじじいはどれいなんだぜ!!!
 おちびちゃんもどれいってよんでみるんだぜ!!!!」

「なんでどれいがおちびちゃんをだっこしてるのおおおおおおおおおお!!!!
 よごれるでしょぉおおおおおおおおお!!!
 みのほどをわきまえてね!!!! このかすッ!!!!」


ゆっくりも人間もそうだが、堕ちるのは簡単なんだな。
コイツらは完璧にゲスと化した。



しかも、1匹増えた。



「ちゅかえにゃい じじいだにぇ!!!」

「どりぇい!!! おやちゅは!?」

「しーしーするりょ!!!」

「いいにょ!? れいみゅをおこっちぇ? みゃみゃにいうりょ?」



蛙の子は蛙。 ゲスの子はゲス。
先人たちの言葉は凄いなと思った。


それに、この赤れいむを躾けようにしてもれいむたちに

「おちびぢゃんにふれるなあああああああああああ!!!  
 かす!!!!」

「なにしてるんだぜえええええええええええええええええええッ!!!!
 れいむ!! どれいがおぢびぢゃんをいじめているんだぜえええええええええ!!!!」

とか、ボロクソ言われるのがオチだ。

何回も挑戦を試みたが怒鳴られるだけだった。




そして中でも酷かったのは、「おやつ事件」だ。


「おまえら、おやつだぞ。」

いつもなら喜ぶはずだが、プルプルしながら3匹は固まっている。

「・・ゆ・・・ゆッ!・・・・・・なんでおせんべなのぉおおおおおおおおおおおお!!!!
 おちびぢゃんはかたくてたべれないでしょおおおおおおおおおおおお!!!!
 ばかなの!? のうみそからっぽなの!?」

「ほんとうにつかえないじじいなんだぜ・・・
 おこるきもしないぜ・・・・・・」

「れいみゅはこんにゃのちゃべれにぁいよ!! かんがえりょ どりぇい!!!」

俺は謝罪を要求された。

「あやまりぇ!! かわいいれいみゅにあやまりぇ!!!」

「あやまってね! どれい! だれがおまえをやとってやってるとおもってるの?」

俺は謝るしかなかった。

「ごめんな、れいむ。」

俺はぶっきらぼうに頭を下げた。

「ふゅん! れいみゅはきゃんだいだからゆるちてあげりゅよ!!!」 

「やさしいね!! おちびちゃん!!! ぺーろぺーろ♪ してあげるよ!!」

饅頭共は顔を舐めあっている。潰せない、あの優しい笑顔が頭をよぎるから。


「おい、どれい!!」

まりさ様々が奴隷を呼びつける。

「なんだい まりさ…。」

「ぷりんだぜ!」

「・・・へ?」

俺は言葉の意味が分らなかった。

「だーかーら!! おちびちゃんのためにぷりんをよういするんだぜ!!!
 ほんとうにぐすなどれいなんだぜ!!!
 ことばわかってるのかだぜ?」


俺は甘党ではない。ケーキも誕生日ぐらいしか食わないし。
好きな食べ物といったら「かきのたね」だ。

実際、このせんべも湿気た余り物である。

「ないよ。プリンなんか。」

「・・・・・・・・・・・・・ちっ! ばかにもほどがありすぎてなにもいえねえぜ!
 ないならかってくるんだぜ!!! ぐず! かす!! どれい!!!」

「・・・・・分ったよ。」

俺はドアを閉めるとコンビニに向かった。






ガチャ。
ドアを空けて家に入る。
3つ入りのぷっちんプリンを買って来た。

「ほら、れいむプリンだぞ。」

俺はプリンの蓋を剥がし赤れいむの前に置いた。

「・・・・・・・ばきゃなの?・・・・」

「なにがだよ・・・・・、正真正銘のプリン様だぞ。」

赤れいむはさきほどのようにプルプルして、怒りを抑えている。
また何か気に入らない事があったのだろうか。面倒くさい奴らだ。

「・・・・・ぷっちんしりょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!
 じじぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」

赤れいむはプリンの容器をひっくり返す。
フローリングにプリンはぶちまけられた。

「・・・・・れいみゅはきゃんだいだきゃらね!
 そのきちゃないゆかのぷりんはあげるりょ!
 ぶちゃさんはきれいになめちょっちぇね!!!」


俺はそこを立ち上がるとキッチンにもどり、皿にプリンをぷっちんした。



「むーちゃ♪ むーちゃ♪ しあわちぇー♪」


「よかったね! おちびちゃん! さあ おかあさんたちとゆっくりしょうね!!!」

「うん! ゆっくちちゅる!!!」







俺はフローリングを雑巾で拭く。




なぜ、俺はこんなことをしているのだろう。




なぜあんな饅頭の言う事を聞かなければいけないのだろう。




アイツらが可愛いから?




いや、アイツらは可愛くない。




じゃあ、なぜ俺はこんな事をしているのだろう・・・・・。




意味が無いよな?






1年間の思い出にひびが入ろうとしていた。 








そして、俺たちの1年間を完全に崩壊させた、あの事件が起きた・・・・・。













前編 完
















あとがき


かきのたね おいしいよね (^ω^) 










作者 きよ

中編

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最終更新:2009年05月02日 00:13
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