ゆっくり加工場系2 ゆっくり霊夢の生涯

 とある施設の一室でそのゆっくりは目を覚ました。
 周囲を見渡すと自分と同じ形のゆっくりと黒い三角帽子をかぶったゆっくりが複数いる。
 ほとんどのゆっくり達はまだ眠っているが数匹のゆっくりは目を覚ましていた。
 部屋の中心には黒ずんで朽ちたものがあったが何かはわからなかった。
「ゆっくりしていってね!」
 一匹のゆっくりが大きな声で叫んだ。それがまるで合図であるかのように寝ていたゆっくり達が目を覚ます。
「ゆっくり!」
「ゆっくりしていってね!」
「ゆ、ゆ・・・」
 次々とゆっくり達は目を覚ましていく。数分のうちに部屋にいるゆっくり達はすべて目を覚ました。
 ゆっくり達はここが何処だかわからずキョロキョロと周りを見回している。
 その時部屋の隅にある扉が開き一人の年配の男が入ってきた。
 ゆっくり達が男に話しかける。
「ゆっ!おじさんだれ?」
「ここはどこなの?」
 ゆっくりが達が尋ねると男が説明を始めた。
「こんにちは。ここはゆっくり繁殖場だよ」
「繁殖場?」
「最近天然のゆっくりが乱獲されて数が激減していてね、ここは数が減ったゆっくりを繁殖させて野生に返す施
設なんだよ。君たちのうち赤いリボンをしているのがゆっくり霊夢、黒い三角帽子をしているのがゆっくり魔理
沙と言うんだよ。そして君達はたった今生まれたばかりなんだ。だからここがどこだかわからなかったんだよ。
でも安心してゆっくりすればいいよ。」
 まだ何の知識も持っていないゆっくり達は素直に男の言うことを信じ飛び跳ねて喜んでいる。
「そうそう、生まれたばかりでお腹が空いているだろう?食べ物を持ってきたよ。」
 男は持ってきた和菓子や洋菓子をゆっくり達の前に置いた。
「おいしい!」
「うっめ!」
「メッチャうっめ!」
 ゆっくり達は満足そうに与えられた食べ物をたいらげた。
 男は部屋から出て行く際に、
「外は危険だからこの部屋から出てはいけないよ。外から危険なものが入ってこないようにこのドアには鍵をかけ
ておくよ。」
 ゆっくり達は男の言うことを素直に聞き入れゆっくりしている。そしてお腹がいっぱいになったせいか眠りにつ
 いた。


 次の日、また男が部屋に入ってきた。ゆっくり達は歓迎する、
「おじさん、ゆっくりしていってね!」
「ゆっくり遊んでいってね!」
 ゆっくり達は無邪気に飛び跳ねている。すると男は、
「今日はこの部屋にいる君達の半分を別の部屋へ移動させるよ。これだけの数がいると狭くて住み辛いだろうから
ね。」
 ゆっくり達は仲間が少なくなるのはいやではあったが、男の言うとおり部屋が狭いと言うことと、信用している
 おじさんが言うことなので素直に従った。
 5分後、部屋にいたゆっくり達の半分は男の入ってきた扉から出て行った。
 残ったゆっくり達は寂しそうだったが、部屋が広くなったのですぐに部屋を飛び回り喜んだ。
 その後ゆっくり達は毎日やさしいおじさんに食べ物をもらいゆっくりとすごした。


 -2週間後-

 ゆっくり種というのは成長が早いらしく2週間で生まれた時の3倍もの大きさになっていた。以前に比べると広
 かった部屋も全員が自由に飛びまわれなくなってしまっていた。
 いつものように男が入ってきた、
「おじさん、ゆっくりしていってね!」
 まだご飯の時間ではなかったのでゆっくり達は不思議そうにしている。すると男は、
「そろそろ外の世界に慣れさせる頃だね、明日から一匹ずつこの部屋から出てもらうからね。」
「ゆ!!!」
 ゆっくり達はびっくりした。2週間優しく世話され満足な生活をしていたため生まれた日に説明されたことをす
 っかり忘れていた。
「数が減っているゆっくり達の数を増やすために必要なことなんだ。わかってくれるね?」
 ゆっくり達は不安そうな顔をしている。
「大丈夫だよ、すぐには野生には返さないから。ゆっくり慣れてもらうつもりだから安心していいよ」
 おじさんの優しそうな笑顔を見てゆっくり達はいつもの陽気な顔に戻っていった。
「それじゃ明日から一匹ずつ出てもらうからね。緊張せずにゆっくりしてればいいよ」
 そう言って男は出て行った。

 そして次の日から一匹ずつゆっくりが外の世界へ旅立っていった。


 -数十日後-

 部屋にはゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙の2匹だけになっていた。部屋から出て行ったゆっくり達がこの部屋に
 戻ってくることはなかった。2匹は早くみんなのもとへ行きたかった。もうすぐおじさんがやってくる頃である。
 扉が開く、
「やぁ、2匹で寂しい思いをさせて御免ね。今日はゆっくり霊夢の番だよ。抱えて部屋からでるから静かにしてい
ておくれよ。」
「おじさん、ゆっくりしようね!」
 男はゆっくり霊夢を抱え部屋から出て行こうとする。ゆっくり魔理沙は、
「もっとゆっくりしていって!」
 と叫ぶが男はそれが聞こえなかったかのように部屋を出て行った。

 部屋から出てしばらく歩くと目の前にゆっくり魔理沙を抱えた金髪の女性が立っていた。
「今日もゆっくりしようね!!!」
 ゆっくり霊夢は無邪気そうにしている。
 その時!
「では始めます」
 おじさんがそう言った瞬間ゆっくり霊夢は宙を舞っていた。
「ゆっ、ゆっくり!?」
 ゆっくり霊夢は驚愕の表情で何が起こったかわからないままおじさんとの距離がどんどん遠ざかっていく。
 その時なにやらやわらかいものにぶつかりぽよんとはねてコロコロと転がる。
 ゆっくり霊夢は目の前で巨大なゆっくりがのっそりと動くのを見て、叫ぶように、
「ゆゆゆゆゆゆっくりしていってね!!!」
 といって投げられた方向に向かって一目散に飛び跳ねていく。はじめて見るものだが本能が危険だと言っている
ようだ。そして扉にたどり着くが開かない。
「早く扉を開けてね!!! 」
 ゆっくり霊夢の後ろでは巨大なゆっくりが飛び上がって向かってくる。
「早くして!お願い!おじさん!たずげでぇぇぇぇぇぇ!」
 ゆっくり霊夢は顔がくしゃくしゃになるほどに号泣し、おじさんに哀願している。
 そんなゆっくり霊夢を尻目に巨大なゆっくりはその巨体に見合うだけの分厚い下のびろーんとのばしゆっくり霊夢
 に巻きつける。
「ゆっくりした結果がこれだよ!!!」
 号泣するゆっくり霊夢は悲しげな絶叫を残して巨大なゆっくりの中へ飲み込まれていった。ゆっくり霊夢は見た、
 数日前まで自分と一緒の部屋で暮らしていたゆっくり達がそこにいた。ほとんど原型を残さないほどばらばらで
 意識がないもの、大部分がくずれているがまだ意識はあるもの、少し皮がなくなり中身の餡子が見えているもの。
 意識のあるものはみな号泣していた。そして巨大なゆっくりの口が開いたとき信頼していたおじさんが見えると、
 みんな視線をおじさんに向け、
「おじさんだずげでぇぇぇ」
「もっとゆっくりぢたいよー」
「ここからでだいー」
 と哀願する。
 しかし男はゆっくり達のしっているおじさんではなかった。まったくゆっくり達には興味がなさそうに金髪
 の女性と話をしている。
 そして無慈悲にも巨大なゆっくりの口が閉じられ中は暗闇で満たされる。
 ゆっくり達は、意識がなくなるまでの数日間この絶望的な状況でただひたすら号泣することしかできないのであっ
 た。

 End
                                              作成者:ロウ 



 後書き

 最後まで読んでくださった方々、まずはお礼を申し上げます。
 6月頭にある画像掲示板でゆっくりがいじめられている画像を見て。他にないものかと探し、この掲示板までたど
 り着きました。そして過去スレの“ゆっくり加工場”のtxtを読み衝撃を受けました。
 そして誠に勝手ながら加工場の設定をお借りし、素人ながら文章を書かせていただきました。

 加工場の文章を考えた方へ
 このたびあなた様の作成されたゆっくり加工場で巨大ゆっくりレティに食べられる霊夢の生涯を勝手に書かせてい
 ただきました。もしこのことにお怒りでしたら、この場をかりてお詫び申し上げます。

 みなさんが希望するのならば、ゆっくり達が生まれた次の日に部屋から連れて行かれたゆっくり達がどうなったか
 を書きたいと思います。

 あと、ゆっくり達が生まれたときは小さくて2週間で大きくなるというのは物語の都合上私が勝手に考えた設定で
 すのであしからず。

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最終更新:2009年02月06日 10:12
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