ゆっくりいじめ系2483 ゆっくりしたおかーさんにごはんをあげよう!

※俺設定注意











麗らかな春の日差し。
長い冬が終わり、全てのものに祝福を与えてくれるかのような生命の季節がやってきた。

ここは山の麓。
二匹のゆっくりが寄り添いながら、日の光を浴びている。
見れば一匹のゆっくりは妙に体が大きい。れいむはにんっしんっしている。
隣でれいむを見守るのは、ゆっくりまりさ。れいむとまりさはつがいだった。

二匹は去年の春に生まれた。
今と変わらぬ暖かさに包まれ、れいむは10匹姉妹の7女、まりさは7匹姉妹の5女としてこの世に生を受けた。
おうちがお隣同士だったこともあり、れいむ姉妹とまりさ姉妹はすぐに仲良くなった。
れいむとまりさはその頃から一番の仲良しだった。何をするのも一緒だった。
梅雨の時期に、れいむ姉妹の末女が死んでしまったことがあった。
悲しみにくれるれいむの傍で、まりさは一日中れいむを慰めてくれた。

季節は過ぎ、子ゆっくり達は巣立ちを迎える。
一人で心細くて泣いていたれいむに、まりさは「いっしょにゆっくりしようね!」と言ってくれた。
今度は嬉しくて、れいむはまた泣き出してしまった。

経験の無い冬篭りにも二匹で立ち向かった。

「れいむ・・・はるさんになったら、ゆっくりこどもをつくろうね!」

まりさのこの言葉のおかげで、辛い冬篭りにも耐えることが出来た。
はるさんになっておかーさんになるまで、れいむはしねないよ!
そう思って、れいむ達は冬を越してきた。

そしてまた春がやってきた。
暖かな春。今ならきっと、ゆっくりした赤ちゃんが出来るに違いない。
きっとだいじょうぶ。ふたりならあかちゃんをゆっくりそだてられる。
そんな希望を込めて、二匹は愛し合った。
れいむとまりさの未来は、希望で満ち溢れていた。

「おっ、いたいた。おーい、ゆっくりしていってね」
「「ゆっくりしていってね!!!」」

一人の男が現れた。
挨拶を返す二匹。

「やぁれいむ。それにまりさ。今日はゆっくりした日だね」
「ゆっ!そうだねおにいさん!とってもゆっくりしてるよ!」
「まりさもれいむもとってもゆっくりしてるよ!」

二匹は人間のことをよく知らない。本能の部分でにんげんさんを理解している程度。
この山は人間の里から遠い。めぼしい山菜も、茸も、動物もいない。
つまりこの山に人間が立ち入るのは珍しい。ゆっくり達が人間を知らないのも当然だ。

「あれ、れいむにんっしんっしてるのか。おめでとう、れいむ」
「ゆゆ~ん!ありがとう!おにいさん!」
「ゆっ!れいむのなかにはまりさとれいむのかわいいあかちゃんがいるんだよ!」

二匹はこの男をとってもゆっくりできるひとだと思った。
まさか日向ぼっこをしにきた日に、人間さんに出会い、そして祝福されるとは思ってもみなかった。
きっとこのあかちゃんがとってもゆっくりしてるからだね。
おにいさんにほめられるなんて、まりさのじまんのこだよ!
二匹は嬉しくなった。

「いやー、丁度良かった。適当に子供作らせても良かったんだけど、こっちの方が愛着わいてるだろうしな」
「ゆ?おにいさん、なんのこと?」
「れいむたちにもわかるようにおはなししてね!」
「いや、なんでもない。それよりれいむ、赤ちゃんのことは好きか?」
「ゆゆっ!!れいむはね、あかちゃんのことがとってもだいすきだよ!!!」
「まりさもれいむとあかちゃんがとってもだいすきだよ!!!」

二匹は男の考えていることを知らない。当たり前だ。彼は何も話していないのだから。
男には二匹を祝福しようなどという気はまるでない。
ただ今朝閃いた自分のアイディアを実行しようとしているだけだ。

れいむとまりさの未来は、希望で満ち溢れていた。
そのはずだった。

「あっそう。良し。じゃあまりさは用済みだな」
「ゆっ?なんのこ―――――」

まりさの顔面に、男の爪先が突き刺さった。







ゆっくりしたおかーさんにごはんをあげよう!







「ゆ゛っ・・・・・・ゆ゛っ・・・・・・ゆ゛っ・・・・・・ゅ゛っ・・・・・・ゅ゛・・・・・・」
「までぃじゃああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあ!!!!!!!!!」

目の前には瀕死のまりさが倒れ伏している。
片目は潰れ、皮は裂け目が生じ、歯も折れている。
れいむは男に抱きかかえられていた。

「やべでおにいざあああん!!!!までぃざがじんじゃうううううううううう!!!!!!!」

だが男はれいむの叫びに耳を貸さない。
まりさの上に足を乗せる。
れいむにも解った。おにいさんは、まりさを殺そうとしている。

「おでがいじまず!!!ばでぃざをっ、ばでぃざをごろざないでええええええええぇぇぇ!!!!!!!」

れいむは懇願する。
お願いだ。お願いだ。助けてくれ。まりさを殺さないで。お願いします。お願いします。お願いします。
男は聞かない。
ぼろぼろになった饅頭を潰すだけだ。
まりさの上に乗せた足に力を込める。

「ぴゅぶえ゛ぇっ」
「あ゛ああああ゛ぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!ばでぃざあああああぁぁぁああああ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!」

ぶちゅりと音を立ててまりさは潰れた。
れいむは絶叫する。
なんで。どうして。酷い。なんでこんなことに。どうしてこんなことに。
男はれいむの嘆きを無視する。
くるりと踵を返し、来た道を戻る。必要なものは手に入った。
だんだんと遠ざかるまりさの姿。
れいむは腕の中で暴れるも、男の腕はがっちりと霊夢を掴んで離さない。

「まりざっ、までぃざっ!!!ばでぃざあああぁああぁぁぁぁぁ!!!!!!」

まりさの周りにはすでに蟻が集り始めていた。
まりさに未来は無い。希望も無い。あるのは死だけ。
れいむの未来はどうなるのだろうか。





れいむは鉄の箱の中に閉じ込められた。
鉄の箱は狭い。せいぜいれいむが二匹入る程度だ。
れいむは逃げようとしたが天井の入り口は閉ざされてしまった。光が遮断され、真っ暗になる。
最愛の伴侶を殺された悲しみ。自分がどうなるのかわからない不安。
れいむは泣き出した。

れいむの涙が枯れかけてきた頃。
天井のドアが開く。

「やぁ、れいむ。ゆっくりできてる?」

まりさを殺した憎くて恐ろしい者の声がする。

「おにいさん!!!れいむをここからだしてね!!れいむはもうおうちかえるよ!!!」
「今日からここが君のおうちだよ、れいむ。そんでもってこれが―――――」

天井からドサドサと、何かが落ちてくる。

「君のご飯だ」

生ゴミだ。
ソレから発せられる悪臭。腐っている。れいむは直感した。
野生のゆっくりといえど腐ったものは食べない。

「おにいさん!!これくさってるよ!!れいむはこんなのたべられないよ!!」
「別に食べなくてもいいよ。これしか食べ物は無いけどね。じゃあね、れいむ」

天井のドアが閉まる。
また真っ暗になる箱の中。
れいむはひとりぼっちになる。

「ゆっ・・・くらいよ・・・こわいよ・・・まりざ・・・まりざぁっ・・・」

暗い。怖いよ。ゆっくりできないよ。助けて、まりさ。
真っ暗闇な箱の中。
ゆっくり出来ない悪臭に包まれて、れいむはまた涙を流す。
もうまりさは居ない。

「まりざぁっ・・・まりざぁっ・・・まりざぁ・・・」

暗闇の中にれいむの声だけが響いていた。





翌日。
れいむは泣きながら眠っていた。
生ゴミには手を出していない。
真っ暗闇の中、時間の感覚も無くしてただ眠る。

天井のドアが開く。
差し込む光。

「れいむ、ゆっくりしていってね!!!・・・ってぜんぜん食べてないじゃないか」
「・・・ゆっ、ゆっくりしていってね!!!」

反射的に目覚め、挨拶を返す。
本当は挨拶なんてしたくなかった。このお兄さんは、まりさを殺したのだ。
逆光に向かって、れいむは睨みつける。

「まぁいいや。れいむの為に、おかわりを用意したよ」

また天井からドサドサと、生ゴミが落ちてきた。
昨日の分も合わせて、ゴミの山ができる。

「今度のヤツは昨日に比べると痛んでないから、ゆっくり食べていってね」
「れいむはこんなのたべられないよ!!」

れいむは怒りながら宣言する。
こんなもの、たべものじゃない。それにここはゆっくりできない。
はやくここから逃げ出して、まりさのお墓を作ってあげなきゃ。
れいむは仇を討とうとは考えていない。お兄さんの恐ろしさを目の前で見たから。
歯向かえば必ず殺される。今は耐え、逃げることだけを考えなくては。

「れいむは食べなくてもいいだろうけどさ、おなかの赤ちゃんはそうじゃないんじゃない?」
「ゆっ!?」

お兄さんに言われて思い出す。
れいむの体内には生命が宿っているのだ。
今となってはまりさの忘れ形見となってしまった赤ちゃん。
この子の為にも、絶対に死ねない。
れいむは決意を新たにする。

「昨日からずっと何も食べてないだろ?そんなんじゃあ、れいむより先に赤ちゃんが死んじゃうんじゃない?」
「ゆゆうううぅぅ!!!?」

そうだ。
このまま食べることを我慢してもれいむより先に赤ちゃんが死んでしまう。
赤ちゃんが死んでしまっては逃げ出す意味が無い。
この生ゴミを食べなくてはならない。

「ゆっ・・・ゆぅっ・・・」

悪臭に顔をしかめながら生ゴミの傍まで這い寄る。
もそもそと生ごみに口をつける。形容しがたい不快感が舌から伝わる。
だが餡を吐くことは無い。そんなことをしてしまえば、赤ちゃんに何が起こるかわからない。
素晴らしきは、母親の愛。
ゆっくり出来ない匂いと吐き気に耐え、生ゴミを詰め込む。
男はそれを満足そうに眺める。

「じゃ、残りのごはんもゆっくりがんばってねー」

そう言うと男はドアを閉める。
光が阻まれ、闇が戻る。

「ゆぐっ・・・ゆぇっ・・・あがちゃん、ゆっくりしてね・・・」

れいむは闇の中で、全ての生ゴミを処理していった。





それから数日。

れいむの体は以前よりも大きくなっている。もうすぐ赤ちゃんが生まれるのだろう。
生ゴミの処理も楽になった。
腐った生ゴミは全て処分し終えたらしく、ここ数日は新鮮な食べ残しを食べている。
もっとも、ゆっくりしていたらすぐに腐ってしまう。
れいむは出された生ゴミをすぐに食べるようにしていた。

れいむは暇な時間を赤ちゃんに話しかけるようにしている。

「れいむのあかちゃん~♪ゆっくりしてうまれてきてね~♪」

反応するように赤ちゃんが動くのを感じ取る。それだけで嬉しい。
れいむとまりさの間にできたこの世でたった一つの宝物。
まりさのいなくなってしまった今、この子を育て上げられるのはれいむだけ。
幸いここには食料がある。外敵もいない。子を産むためだけなら良い環境といえた。
身重の体ではここから逃げ出せない。赤ちゃんに負担はかけられない。
れいむが今できることは赤ちゃんに歌ってあげることだけ。





天井のドアが開く。
もう慣れた光景だ。

「むーしゃ、むーしゃ・・・むーしゃ、むーしゃ・・・」

しあわせー!などと言うつもりはない。
ひとりで食べるごはんはしあわせにはなれない。
これを食べるのは赤ちゃんのため。
だから機械的に、ただ咀嚼し、飲み込む。それの繰り返し。

「れいむ。もうすぐ赤ちゃんが生まれるんじゃないのか?」
「ゆっ!そうだよ!もうすぐあかちゃんがうまれるよ!」

いつもはただ見ているだけの男がそんなことを言ってきた。
お兄さんも赤ちゃんが生まれるのが嬉しいのだろうか。でも赤ちゃんは見せてあげないよ。
れいむはそう思う。
まりさを殺されたことを忘れてはいない。

「ああ、おめでとう。れいむ。これは俺からのプレゼントだよ」
「ゆ?」

コン、と軽い音を立てて何かが落ちてくる。
一体なんだろうか、とれいむは思いながられいむは近寄っていく。
ちいさくてしかくい、しろいものだ。
天井から差す光を受けてきらきらと光り輝くように見える。

「美味しそうだろ?角砂糖って言うんだ。食べてごらん」
「ゆっ・・・」

おそるおそる舌で掴み、口の中に入れる。
瞬間。
生まれて初めての衝撃がれいむに駆け巡った。

「しっ・・・しっ・・・しあっ・・・じあわっ・・・」

甘い。
今まで食べたどんなおはなさんよりも、くだものさんよりも甘い。
これに比べればむしさんやくささんなど食べられなくなってしまうほどの美味しさ。
れいむの本能はしあわせー!と声高らかに叫ぼうとしている。
だが。

「じあっ・・・じっ・・・じあゎっ・・・じいいいいいっぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

れいむの意思がそれを許さない。
れいむからまりさを奪ったくせに。
れいむをこんなところに押し込めたくせに。
れいむにゆっくりできないものを食べさせているくせに。
こんなものがプレゼントだと。
この程度のあまあまで、しあわせになってやるものか。
本当のしあわせは、まりさといっしょにむーしゃむーしゃするごはんなんだ。広いもりさんの中を跳ね回ることなんだ。
そうだ。こんな狭くて暗い箱の中ではしあわせになれない。
プレゼントがしたいなら、もっと相応しいものがあるはずだ。
そんなちっぽけなプライドが、れいむにしあわせになることを許さない。

「あれ?嬉しくないのか?」
「・・・れ゛っれいむ゛はあまあまよりもおそとにでたいよ!!おうぢにがえりだいよ!!!」

れいむは意志を貫く。
この箱の中より、お外に行きたい。
まりさにお墓を作ってあげたい。
赤ちゃんに外の世界を教えてあげたい。
プレゼントならば、自分をここから出してくれ。
叫ぶように、れいむは訴えた。

「そうか。解った。じゃあ出してやるよ、れいむ」
「ゆぅっ!?ほんどおおぉぉぉ!!!?」

ゆっくりの一念岩をも通す。
お兄さんはれいむを出してくれるんだ。
すぐに帰ろう。今すぐおうちへ戻ろう。まりさの遺体は無事だろうか。
まっててね、まりさ。いますぐれいむがいって、りっぱなおはかをつくってあげるからね。

「ただし今すぐじゃない。れいむが赤ちゃん産んだら出してやるよ」
「ゆ゛っ!!?なんでぇぇ!!!?」
「お前にんっしんっしてるだろ。そんなの放り出したら次の日には死んでる」
「ゆっ・・・で、でも・・・」
「赤ちゃんすぐに産まれるんだろ?それならいいじゃないか」
「ゆっ・・・・・・う、うん・・・・・・。」

確かにそうだ。
にんっしんっしたまま森の中を動き回るなんて危険極まりない。
れいむは納得する。
赤ゆっくりを連れて森の中を移動するのも同じくらい危険だということには気付かない。

「な?だからまずは赤ちゃん産んで、それから出て行けばいいじゃないか」
「ゆ・・・うん・・・。・・・・・・ゆぅ・・・・・・?」

なんだろう。
急に眠くなってきた。
出られることがわかって安心したのだろうか。
でもおかしいな。きょうもちゃんとぐっすりねむったはずなのに・・・。
れいむの視界はぼやけていく。

「まぁ、ちゃんと赤ちゃんを産めればの話、だけどな。おやすみ、れいむ」

この言葉を最後に、れいむの意識は闇に沈んだ。










「ゆ~ゆゆ~♪れいむのあかちゃんゆっくりしていってね~♪」

れいむはお腹の中の赤ちゃんに歌いかける。
れいむの宝物。
この子の為ならば何でも出来る。この暗く狭い箱の中にいても、耐えられる。
それに、もうすぐこの子が生まれてくる。
れいむに似てるかな?それとも、まりさ?いなくなったまりさの分もこの子を目一杯愛そう。
そう思いながられいむは歌う。

「ゆぅ~?あかちゃんちょっとゆっくりしすぎだね~?」

なんだか最近赤ちゃんが動かない。お歌を歌ってあげても、今までのように反応してくれない。
きっと、あかちゃんはおねむなんだね。
それに、生まれるのがとってもゆっくりしている。
まぁいいや。お腹の中でゆっくりすれば、それだけゆっくりした子が生まれるに違いない。
だからこの苦労もあと少しの我慢。
真っ暗闇の中で生ゴミを食べながら、れいむは思う。

「あかちゃ~ん、もうちょっとだけはやくゆっくりしてね~♪」

れいむが角砂糖をもらった日から、1ヶ月が経過していた。










ゆっくりコンポストというものをご存知だろうか?
ゆっくりによる生ゴミ処理機。箱の中にゆっくりを閉じ込め、生ゴミを食べさせる。
食べたものをそのまま餡子にしてしまうゆっくりの不思議特性を生かした、ゆっくり家庭用品の一つである。
ここで問題になってくるのが、「どんなゆっくりがコンポストに一番適しているか?」ということだ。
普通の生体ゆっくり?処理する量は問題ないが暴れだすことがある。
赤~子ゆっくり?暴れはしないが頭数をそろえなければ生ゴミを処理しきれない。
ゆっくりゆゆこ?ゆゆこ種は希少種だ。コンポストとしてよりペットとしての人気が高い。
結局のところ、現状は足焼きをした成体ゆっくりがコンポストゆっくりとして使われていることが多い。

話は変わるが、ゆっくりの妊娠について説明したい。
ゆっくりの妊娠は植物型と胎生型に分類できる。分裂型、卵生型というのもあるらしいが事例が少ないのでここでは触れない。
植物型はゆっくりに茎のようなものが生え、そこから実のようにゆっくりが成る。
胎生型は哺乳類のように体内で子を形成し、出産する。
植物型と胎生型には当然とも言うべき2つの共通点がある。
1つは母体の動きが緩慢になること。
これは子ゆっくりを潰さぬため、子を庇うような動きになることに起因する。
もう1つは母体の食欲が増すこと。
子の栄養になるように、普通のゆっくりの1,5倍ほどの食料を消費するのだ。
これが原因で冬篭りに失敗するような個体もいるのだがそれはまた別のお話。

れいむは妊娠ゆっくりコンポストのサンプルだ。
妊娠ゆっくりはコンポストに向いている。そんな仮説を実証してくれている。
妊娠しているから暴れることは無い。赤ちゃんが大事だから。
妊娠しているから妊娠前よりたくさん食べる。赤ちゃんの成長のために。

妊娠しているならばいつか出産してしまうのではないか?
そんな問題も解決済みだ。
れいむの胎内には赤ちゃんなんて居ない。
れいむの胎内には赤ゆっくりと同じ大きさのゴムボールが接着剤で固定されている。
角砂糖に仕込んだ睡眠薬でれいむが眠った隙に、入れ替えておいたのだ。
これは胎生型である必要があった。
植物型では赤ちゃんが居なくなっていることに気付かれてしまうのだ。

れいむは腹の中のゴムボールを赤ちゃんだと信じて疑わない。
れいむは”赤ちゃん”の栄養のために、たくさんの食料を必要とする。
こうしてれいむはお腹の中のゴムボールのために大量の生ゴミを処理してゆく。
妊娠ゆっくりこそ次世代のコンポストゆっくりなのだ!










「―――ってな具合で妊娠ゆっくりコンポストを普及させるべきだと思うんだよ、ゆうか」
「・・・・・・・・・あのねぇ、お兄さん」

同居しているゆうかに妊娠ゆっくりコンポストの有効性について実例を加えながら話していた。
どうやらゆうかは乗り気ではないらしい。すんごい呆れた顔してる。

「いや、だってさ。うちの生ゴミすごいじゃないか。今うちで所有してるコンポストゆっくりの数知ってるか?
 30匹だよ30匹!そんだけいりゃあ近所の生ゴミ全部うちで処理できるっつーの。
 ところがだよ、妊娠ゆっくりならたったの20匹!10匹の差は大きいよ、ゆうか。
 30匹分ったら大体1畳くらいのスペース削減になるんだよ。1畳だぞ!人間が一人寝転がれるくらいのサイズだぞ!
 なぁ、ゆうか。お前なら1畳の大切さがわかって・・・」
「それはうちがなまゴミをぜんぶこんぽすとゆっくりにしょりさせてるからでしょ?肥料にもしないで。
 ゴミの日がおぼえられないからって。ゆっくりゴミの日はおぼえてるくせに」

ゆっくりゴミは毎週金曜日。そんなところだけ覚えている頭が今は恨めしい。
ゆうかは腕組みをしながらジト目で俺を睨みつけている。

「お兄さんはいっつもそうなのよ。じぶんのきょうみがあることしかおぼえないじゃない。
 だいたいこんぽすとなんてゴミをだせばかいけつするもんだいでしょう。たしかにうちのなまゴミはおおいけど、
 10ぴきぶんぐらいならごみとしてだしてももんだいないでしょうし―――」

十匹分でも一般の家庭から見れば十二分に多いですよゆうかさん。
心の中でそんなことを呟く。
家事も一通りこなせる優秀な奴だが、我が家のゴミ事情に慣れすぎているのだろうか。
とりあえず説教モードに入ったゆうかは止められない。
通りがかるほかの同居ゆっくり達も見て見ぬ振りをしている。薄情な奴らめ。
俺は1時間ほど正座してゆうかの説教を受ける羽目になった。










「ゆ~ゆ~ゆゆゆ~♪あかちゃんゆっくりうまれてきてね~♪」

れいむには希望がある。
赤ちゃんを産んで、一緒にお外へ行くという希望が。

「ゆ~ゆゆ~♪ゆっくり~♪」

その希望は叶うことは無い。
何故なら、れいむのお腹の中にはゴムボールしかないから。

「あかちゃ~ん♪もうちょっとゆっくりはやくうまれてきてね~♪」

だがれいむは希望を捨てることはない。
赤ちゃんが生まれると信じて疑わない。
そういう意味では、れいむの未来は希望に満ち溢れている。
れいむの未来はどこまでも暗かった。











おわり










―――――
にんっしんっしたゆっくりってバカスカ食うよね。そう思って書いた駄文です。
けど文中でゆうかが言っている通りに普通のご家庭は普通のゆっくりで事足りると思う。

自分で書いといてなんだけど生ゴミ30匹分はねーよ。


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最終更新:2009年04月16日 01:41
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