ゆっくりいじめ系359 踏みにじられた花

※ゆっくりめーりんの設定はゆっくりいじめ系352 虐められるゆっくりの人の設定をお借りしています。
勝手にお借りして申し訳ありません。






 今日もゆっくり達は、仲良くゆっくりめーりんを虐めていた。

「ゆっくりしないで! はやくご飯をとってきてよ!」
「ごはんとってこれないめーりんは本当にやくただずだよ! もうあいてにしないよ!」
「あなたってほんとうにさいていのくずね! とかい派のありすがいなか臭いあなたにずっとつきあってあげてるんだから早くごはんをもってきて!」

 それぞれが好き放題に叫びながら飛び跳ね、めーりんを押し潰そうとしていた。

 皮が丈夫なめーりんは決して潰れたりはしないが、四方八方から攻められ、体は激しく痛みを訴えている。

 普通なら悲鳴を上げそうなところだが、ゆっくりでも珍しく喋れないめーりんはただみんなから一方的に攻められ続けた。

 暴行が行われている草むらの片隅では、ゆっくりぱちゅりーが器用にページをめくりながら本を読んでいる。一度も、目を逸らすことはない。

 普段通りの光景に、目を奪われる理由がなかった。

「はやく探してきてね!」
「みつかるまで戻ってこないでね!」

 2匹掛かりで突き押され、めーりんは大きく吹き飛ばされる。

 倒れためーりんに駆け寄るものはいない。そもそも暴行が終わればすぐに、ゆっくり達の中ではいないことになっている。

 しばらく倒れたままだったが、ゆっくりと体を起こすと、めーりんはそのまま餌を探しに森へ入っていった。

 目尻を下げ、終始、やせ我慢の笑みを浮かべていた。




 樹の根本に多くの芋虫を見つけ、泣きそうな顔で口に咥えてゆっくり達の元へ持って行っためーりん。

 もちろんめーりんに分けることなく、ゆっくり達は「むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」と持ってきた芋虫を食べ尽くした。

 ただ唯一、ありすだけは「とかい派にいもむしなんて、どうしてあなたはそんな最低なくずなの!」と罵りながら食べていた。

 ご飯も食べ終わり上機嫌なゆっくり達に、めーりんは近寄っていく。ご飯を必死に探して疲れているめーりんだが、みんなと遊びたい気持ちが疲れた体を自然と動かす。

 しかしゆっくり達にとって、めーりんは餌を手に入れたらもう用はなく、まるで汚いものを払うようにめーりんを追い遣った。

「きょうはどこでゆっくりする?」
「大きな木の下でみんなでゆっくりしよう!」
「むきゅー、本を読んでゆっくりする」
「わたしがみんなにとかい派のゆっくりの仕方をおしえてあげるわ!」

 めーりんを放っておいて、ゆっくり達はみんな揃ってどこかへ行ってしまった。

 空気が重くなる。

 項垂れるように下を向いていためーりんだが、やがて顔を上げると、ゆっくり達とは反対方向へ進んでいく。

 今日も、あそこへ行こう。

 そう思いながら、元気に飛び跳ねていった。




 大きな段差の目立つ道を、めーりんは飛び跳ね、たまに転がり落ちたりしながら進んでいく。

 普通のゆっくりなら進めそうにない荒れ地も、頑丈なめーりんならどうにかなる。

 そして最後の段差を飛び越えて森を抜けると、辺り一面に匂いを漂わせる花畑にたどり着いた。

 何度も見ている風景だが、花好きのめーりんはいつも森を抜けた瞬間、目を輝かせて喜んでしまう。

「……」

 森の方からやって来る赤い髪を見つけ、ゆっくりゆうかは思わずため息をついた。

 ゆうかは、ゆっくりの中でも生まれつき植物を育てられる珍しい種族だ。

 意図して歩けば土が耕せ、意図して念じれば口から種が出せる。

 わざわざ狩りに行かなくても自給自足でき、その余裕がゆとりを産んだのか、育てている植物には愛でる為の植物まである変わり種だった。

 そんなゆっくりゆうかだが、他のゆっくり達との仲は悪い、お互いに敵対している。

 ゆうかは、見つけたらすぐに食料だと花畑や畑を荒らすゆっくりに憎悪を持ち。

 ゆっくり達は、食料を独り占めしたがるゆうかに怒りを覚えていた。

 せっかく育てた植物たちを一瞬で台無しにされては敵わず、ゆうかは森の奥や山奥に住んでいるものの、住処は巧妙に隠し、自身も危険を感じればすぐさま身を隠し、見つからないように注意していた。

 そんなゆうかを、めーりんは数日前、餌を探している最中に偶然見つけていた。

 油断したと、ゆうかは激しく後悔している。

 ゆうかは近づいてくるめーりんを歓迎してやるつもりもなく、花畑の手入れを続けていく。

 めーりんも慣れたもので、そんなゆうかの態度に微笑みながら、近くの樹にもたれかかった。

 そこから見える4色のキャンバスが、めーりんの心をゆっくりさせてくれた。

 後ろから感じる熱烈な視線に、ゆうかはげんなりしていた。

 初めてここに来て以来、あの赤い髪のゆっくりはずっとここにやって来るが、そんなに暇なんだろうか?

 初めに「他のゆっくりには話すな」と釘を刺しておいたが、それ以後も他のゆっくりはここには来ていないので、約束は守っているらしい。

 1度も話した事がないため、ゆうかめーりんの真意が掴めないでいた。

 手入れを終え、ゆうかは渋々めーりんへ近づいていく。

 いつもは鬱陶しいので無視していたが、今日ぐらいは話をしてやろうか。そんな事を思いながら。

 すると、めーりんは樹にもたれかかったまま眠っていた。

「……」

 その幸せそうな顔に、ゆうかは怒る気も失せた。

 めーりんの隣でゆうかも樹にもたれ掛かる。

「……」

 そこから見える、花たちの喜んでいる姿。

 心地よい風景に、寝てしまうのをどこか納得しながら、ゆうかはゆっくり過ごしていった。




 ゆっくり達はゆっくりしながら話し合っていた。

 内容は、最近のめーりんは虐めてもすぐに笑って気持ち悪い、なに? 死ぬの? という内容だった。

「あんなににこにこしてるなんて、ゆっくりできないよ!」
「それにえさを見つけてくるのがさいきんおくれてるよ! ゆっくりするなっておしえこまないと!」
「あんなさいていのクズがにこにこしているなんて、とかい派からみてもいじょうだわ! なにかりゆうがあるのよ!」
「むきゅ、ゆっくり原因をかいめいしましょう」




 ゆっくり達のエサ探しも終わって、めーりんがいつも通りゆうかの花畑へ向かっていく。

 今日のめーりんは、エサを探している時から終始ご機嫌だった。

 一緒にいるゆっくり達に1度も虐められなかったのだ。

 小さい頃、道ばたに1匹で泣いていためーりんを拾ってくれて以来、初めての事に、めーりんは人生でもっとも上機嫌になりながら、花畑へと向かっていった。

 めーりんがまず目にしたのは、地面に横たわるゆうかの姿だった。

「むきゅー。ゆうかとつるんでいたなんてわからなかったわ」
「もうちょっとでゆっくりできなくなるところだったね!」
「あいつはほんとうにさいていのクズね! いなかものがいなかものと一緒にいるなんてさらにたちがわるいわ」

 倒れているゆうかに、3匹はさらに攻撃を加えていく。

 ゆちゅりーは後ろにいたうーパックに声をかけた。

「うー♪」
「むきゅ。運んでくれてありがとね。お礼にたくさん食べていっていいわよ」
「う~♪」

 許可をもらって、うーパックはたくさんエサの見える花畑へ飛んでいく。

 ゆうかの自慢の花畑は、今や何十匹というゆっくり達に荒らされていた。

「むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」
「うめぇ! メッチャうめぇ!」
「うまい! もういっぽん!」

 昨日まで元気に空へと伸びていた茎は、歯ごたえがいいとゆっくり達に噛み砕かれ、大きく開いていた花びらは甘いデザートと飲み込まれている。

 愛でるなんて感情のないゆっくり達は、自分が先だと必死に口へ放り込んでいった。

 めーりんがなぜにこにこしているのか原因を調べようとしたゆっくり達は、まずうーパックに、めーりんの後をつけるようにお願いした。

 すると、ゆうかとめーりんが密会している事実が発覚する。

 ゆうかがこの近くにいると知ったゆっくり達は、この近くにいた群れへその情報を売り、一緒になってゆうかの住処へと攻め込んだのだ。

 元々捕食種なゆうかも抵抗したが、多勢に無勢。今や瀕死となって這いつくばっている。

 ゆうかは後悔していた。

 めーりんと勘違いして隠れなかった自分の迂闊さに、激しく後悔していた。

 新たに感じた衝撃に、ゆうかの意識は途切れまぎれになる。

 このまま殺されるのか……。

 心が挫けかけたゆうかに、ふと森の出口で震えているめーりんの姿が映った。

 突然こっちを見たゆうかに固まるめーりん。どうしたらいいのかわからない。


 ゆうかはそんなめーりんを。
 憎悪を込めた目で睨みつけた。


 めーりんの心を罪悪感が蝕む。

 ふと、そのまま動かないめーりんを見て、ゆうかは正気に返った。

 話した事はないが、今まで何ども顔を合わせた仲だ。どういう性格かは、なんとなくわかっている。

 一瞬、ここの場所をばらしたのかと思って睨み付けてしまったが、そんなことをするゆっくりじゃなかったと思い直した。

 ゆうかは思う。

 もしまたゆっくりできたら謝らないと……。

 ……その時こそ、話せるかな。

「ゆっくりしね!」

 頭上から聞こえた声と共に、ゆうかの体を激しい衝撃が襲う。

 その一撃で、ゆうかの意識は遠のいていった。

「やったねまりさ! これでゆっくりできるね!」
「そうだねれいむ! いっしょにゆっくりしようね!」
「とかい派のありすもわすれちゃいやよ!」

 喜び合う3匹。1匹だけ離れたゆちゅりーも笑顔で応える。

 その様子が引き金となって、めーりんは飛び出していった。

「ゆ?」

 飛び出してきたのがあのめーりんだと気づくと、ゆっくり達の雰囲気が一変した。

「……なに、あなた」
「……ちょうしにのってるなら、ゆっくりさせないよ」

 睨まれても怖じ気づかず、めーりんはゆっくり達を見据える。

 全力で、目の前のゆっくりまりさへ突撃した。

「うおっ!」
「まりさっ!?」

 ゆっくり達の悲鳴が上がる。

「……っ!」

 めーりんは生まれて以来、初めて浮かべた険しい形相で、ゆっくり達に立ち向かっていった。




「うーんしょ、うーんしょ……」
「むきゅー、むきゅー」
「ぱちゅりー、むりしなくてもだいじょうぶよ。ゆっくりすすんだらいいわ。とかい派はゆうがにこうどうするものよ!」
「ゆっくりがんばろうね!」

 お互いに塞がった口でどうにか声を掛け合って進んでいく。

 加えているのはゆっくりの角。

 めーりんの厚い皮がどれぐらい伸びるかと思い、4匹は引き延ばし続けていた。

「……ッ!!」

 めーりんの体が痙攣する。今までにない激痛に白目を向き始める。

「むきゅ、これぐらいがげんかいかも。けいれんしているわ」
「そうね! いなかもののさいていなクズじゃこれぐらいがせいいっぱいよね!」
「それじゃゆっくりうまくやろうね!」

 体長が30センチほどだっためーりんが、凧型に2メートルほど伸びたところで、ゆっくり達は口を離し、戻らないように体で咥えていた先を踏んでおいた。

 しばらくすれば、めーりんは2メートルの凧で固定され、二度と歩き回る事はできなくなるだろう。

 めーりんを下敷きにして4匹がゆっくりしていると、うーパックがゆちゅりーのところへやって来た。

「うー♪」
「そう、こちらこそおつかれさま」

 律儀に、別れの挨拶をしに来たらしい。

 そのまま飛び去っていこうとしたうーパックに、ふと、ゆちゅりーは声をかけた。

「むきゅー、ごめんなさい。さいごのしごとをたのめるかしら」
「うー?」

 うーパックに仕事の内容を伝える。

「うー♪」

 了解したと返事をすると、うーパックはその場から飛び去り、しばらくしてまた戻ってきた。

「こっちこっち」
「うー♪」

 ゆちゅりーに指示され、飛ぶ位置を変えていく。

 指示通りの位置へたどり着いた事を確認すると、うーパックは中のものを落として飛び去っていった。

 突然、響いた衝撃に意識を失いかけていためーりんの目が動く。

 落ちてきたのは、ゆうかの死体だった。

「……っ!?」
「なかよしだったでしょ? あげるわ」

 ゆちゅりーの声もめーりんの耳には入っていない。

 歯を鳴らし、ただ置かれているゆうかの体に震えている。

 めーりんの広がった皮へ、俯せになるようにゆうかは置かれている。

 しかしその体が突然起き上がり、あの目で睨まれる姿がめーりんの脳裏に映っていた。


 怖かった。

 ゆうかの、憎悪の込められた目が怖かった。


 恐怖の限界を超えためーりんは、完全に白目を向いて気を失う。

 しかし、ゆうかのように死ぬことはない。

 4匹にめーりんを連れて帰るつもりなどなかった、このままここへ放置していくつもりだ。

 目が覚めれば動けないまま、めーりんの目の前にはゆうかの頭が待っているのだ。

 めーりんはここで餓死するまで、恐怖に震える事だろう。

 4匹の楽しげな声が辺りに響く。

 まるで、ゆっくり出来ないめーりんを祝福しているようだった。




 End










ワンパターンという名のお約束展開。捻りのなさに俺が泣いた。

たぶん虐めた奴への報復虐待ネタは誰かが書くと思うので、あえてめーりん虐めで。

あの皮の破れないめーりんを限界まで引き延ばし、その上に親愛なゆっくりの死体を置いてやりたかった。

めーりんは、涙目が、可愛いな。



ゆっくりゆうかの設定は、151氏の不安定性突然変異の設定を参考にさせてもらいました。
ありがとうございます。


なんだかあいつら生きててすっきり出来ないぞという人は、
別の人達が4匹に制裁する続きを書いてくれたのでそちらをどうぞ。





by 762




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最終更新:2008年09月14日 05:42
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