『真冬のゆっくり対策』
「この時期に色々と対策を取ったほうがいいですよ」
ある村で会議が開かれていた。この村はゆっくりによる農作物の被害が多かった。
「確かに今が一番いいわね。今ならみんな冬篭り中だし手こずる事も無いでしょう」
ちなみに今は真冬。ゆっくりは冬篭り中で村には出没していない。そのうちにゆっくりの数を減らしてしまおうというのだ。
「春になったらまた子作りしますよ。そうしたら被害が増えるだけだ」
「ドスまりさも冬は動けませんよ。やるなら今です」
「しかしこの村の人数ではな…」
「でしたら周りの村や町にも応援を頼みましょう。虐待好きな方も動員しましょう」
「わざわざ来てくれるかね」
「どこも真冬はゆっくりが少なくて虐待が中々できないそうですよ。この辺りはゆっくりが多いようですから見つけやすいんじゃないですか?
喜んできてくれますよ。」
「いや…そっちの人のことを言ったんじゃないんだが…」
何はともあれゆっくり駆除の募集が行われた。
「ふ~ん…ゆっくり駆除ね」
新聞を読みつつ虐待お兄ちゃんは呟いた。
"ゆっくりを虐めたくてうずうずしてませんか?"
「してる。この時期は粋の良いゆっくりがいないんだよなあ」
彼の住んでいる村のそばだけでなく大抵の場合冬になるとゆっくりを見つけるのに少々手間取ってしまう。手間をかけてまでゆっくりを捕獲し
虐める人はそんなにいない。たまに自宅に忍び込もうとするゆっくりを捕まえて虐待するくらいだ。
「そういえばこの村は結構ゆっくり被害が多かったな」
"報酬はあまり出せませんが特産品をご馳走します"
「あ、この村確か良い酒があったんだ。結構高いやつ」
村の経済状況ではそれが精一杯だった。
"いつでもお越しください。ご協力お願いします"
「人助け&酒&虐待。良いこと尽くめじゃないか。早速出かけよう」
「うう…寒いわ」
虐待お兄ちゃんは村に着いた。彼が住んでいる村とは違い雪が積もっていた。
「そうか…雪がよく降るところだから米が良くて酒が美味いんだな」
彼の他にも多くの人達が着ていた。
「皆様、遠いところから良くおいで下さいました」
「この村はゆっくりによる被害が多くて困ってます。力を貸してください」
「無理はなさらないでください。夕方には戻ってきてください。夕食を用意いたします」
「ドスはここからかなり遠いところにいるので遭遇する心配はありません。ご安心ください」
「皆様お願いします」
彼らは準備を整え山へ向かった。
虐待お兄ちゃんは木の根っこの辺りを探していた。まずゆっくりが巣にしているのは木の根っこの下である。
「うーん…あ、ここ怪しい」
ゆっくりは冬篭りをする時入り口に草や石などを詰め寒さを防ぐという。不自然に石が固まって置いてある場所は巣の可能性がある。
「手ごろな大きさの石はないかな…」
彼はブロック程の大きさの石を見つけた後シャベルで木の根っこの辺りを掘り出した。
「ゆぅ…きょうはさむいね」
「おきゃあしゃん!しゅりしゅりすりゅちょ、ちょっちぇもあっちゃかいよ!」
「まりさともすりすりしてね」
「れいむも、れいむもすりすり~」
巣の中は典型的な幸せ家族であった。まりさとれいむに子れいむ、赤まりさ、赤れいむの5匹だ。巣の中は5匹と貯蔵している食糧でギリギリ
といったところであった。
「せまくてごめんね、らいねんはもっとひろいおうちにすもうね」
「そんなことないよ。まりさががんばってつくったおうちだもん。とってもゆっくりできるよ」
「しょうだよ!まりしゃちょっちぇもゆっきゅりしちぇるよ!!」
そんな幸せムードもここまでだった。
「……で……~。は……す…よ…」
「ゆ!なにかきこえるよ」
「ゆ!なんだかさむくなってきたよ!!」
「しゃみゅいよお」
「はるですよ~!!!!!」
「「「「「ゆゆゆ!!!!」」」」」
入り口が壊され虐待お兄ちゃんが巣の中をのぞいていた。
「はるですよ~。なんちゃって」
「きょきょはまりしゃたちのゆkk…ゆぴいいいいい!!!しゃみゅいいいい!!!!」
「おちびちゃんたちはおかあさんのおくちのなかにはいってね!!」
「おじさん!!ゆうう!!!ここはまりさたちのおうちだよ!!さっさとでていってね!!!さむうううう!!!!!」
「あれ、まさか冬篭り中だったかい?」
「そうだよ!!!!だからゆっくりしないででていってね!!!!ゆううう!!」
「すまないねえ。なあ、ゆっくりと遊びたいんだけどこの辺りにゆっくりはいないかい?」
「ゆっくりしないででていってね!!!いりぐちなおs…ゆぴいいいい!!!!」
「早く教えてよ。いないんだったら君達と遊ぼうか」
「となりのきにありすがいるよ!!!まりさもいるよ!だからはやくでていってね!!」
「そうか、それはどうも。お礼に入り口埋めてあげるよ」
「ゆっくりしないでね!」
「じゃあ奥に入ってくれ」
「わかったよ!れいむ、おちびちゃんおくにいってね」
ゆっくり達が奥に入ったのを確認すると彼は石を巣の中にぶち込んでいった。
「丁度すっぽり挟まったね。これなら大丈夫だね」
彼は隣の木に向かった。
「ゆううう!!!!おじさん!!!ふさがってないよ!!!」
「もう…まりさがふさぐ…ゆゆゆ!!いしさんがじゃまでまえにすすめないんだぜ!!!」
「さむいよおおおおお!!!」
「ゆっきゅりできなああいいい!!!!」
「ゆんしょ…ゆんしょ…ゆうううう!!!!!」
「さて、多分ここだな。ここがありすのおうちか。今度はベーシックにいこう」
彼はシャベルで掘り始めた。
「はるですよ~。はるですよ~。でてきてね~」
「むきゅ…きょうはひえるわね」
「ぱちぇ、まりさとくっつくんだぜ!まりさがあっためてあげるんだぜ!」
「むきゅ~ん…ほかほかするわ」
「ぱ…ぱちぇ…まりさは…まりさはぱちぇとすっきりしたいんだぜ!!!」
「だめよまりさ。ごはんがすくないわ。あかちゃんなんてうめないわ」
「はるまでまてないんだぜ!!」
「まりさ……むきゅ!いりぐちがこわれてるわ!!」
「ゆ!」
「おうおう、おアツイねえ。あれ、ありすじゃねえ」
彼は巣を覗きニヤニヤしていた。
「おじさん!まりさのあいのすになんのようだぜ!!!」
「さむいわ!!ゆっくりできないわ!!」
「いやはや、おアツイところを失礼したよ。でもアツすぎると赤ちゃん産んじゃって冬越せなくなっちゃうよ。頭冷やそうね」
彼は巣の入り口を滅茶苦茶に壊していった。
「やべでえええ!!!!!あいのずがごわれぢゃううううう!!!」
「ゆぴいいいいい!!!!さむくてゆっぐりできなあいいい!!!!」
入り口どころか巣は修復不可能なほどに壊されてしまった。
「これなら少しは冷静になるね。じゃあね」
「むきゅううううう!!!!!!!」
「おじざん!!!!!!ゆうううう!!!!!おうぢなおじでええええ!!!!さむくでゆっくりできないよおおお!!!!」
「どうじだらいいのおおおお!!!!!」
「おうぢなおずんだ…ゆぴいいいいい!!!…ゆうう!!!ごはんがかぜでとばされでるんだぜええ!!!」
「今度こそありすのおうちはここだな」
「みんなごはんにするよ!」
「ゆっくりできるよ」
「きょうはむししゃんがたべちゃいよ」
「きょうはとくにひえるからとかいはならんちにしましょう」
「やったね!ごちそうだね!」
「「「「「むーしゃむーしゃ…しあわせぇ♪」」」」」
こちらも幸せな家族団欒であった。ありすとれいむの若干珍しい組み合わせ。子ゆっくり2匹と赤ゆっくり1匹だ。
「こんやはもっとひえるからよくたべてねましょうね」
「さむいよおお」
「だいじょうぶだよおちびちゃん。れいむおかあさんとす~りす~りしましょうね~」
「「す~りす~り」」
「ありちゅもしゅ~りしゅ~りしちゃ~い」
「ありすもす~りす~り」
突然だった。
「ゆ!なんだかすうすうするよ!!」
「おきゃあしゃん!おしょちょがみえちぇりゅよ!」
「とかいはなおうちをこわすいなかものはだれ!!!!さむいっ!!!!」
「ビンゴ。ありすだ」
「ここはありすたちのとかいはなおうちよ!!!いなかものはでていってね!!」
「しょーだしょーだ!」
「おかあさん!!さむいいいい!!!!」
「ハハハ。悪い悪い。プレゼント持ってきたんだけど余計だったかな」
「ぷれぜんと!」
「あまあまさん?おにいさん!あまあまさんくれるの?」
「べ…べつにぷれぜんとなんかでつられないわよ!だけど…あげたいならもらってあげてもいいわよ!」
「じゃあみんな、巣の奥に入って目を瞑っててね」
「ゆっくりおめめつむるよ」
「さみゅいきゃらゆっきゅりしにゃいでね」
「あまあまさん…あまあまさん…」
ドサアア!!!!
「ちべだあああいいいいい!!!」
彼が巣の中に入れたのは雪だった。
「遠慮するな。どんどん入れてあげるから」
「ちゅめちゃいよ!!!」
「やべでええ!!!ありすのとがいはなおうちがああ!!!!」
「それそれ!それそれ!」
「やめ…むぐうううう!!!…っぺっぺ…やべでええええ!!!!!むぐううううう…」
「いやあああああ!!!!ゆきさんこっちごないでええ!!!!」
「ほれ。トントンっと」
巣の中が雪でいっぱいになるとパンパンっと雪を固めて入り口を塞いだ。
「一面銀世界だなんてなんて都会派なんだろうね!!」
彼は次のターゲットを探したが中々見つからなかった。実は木の根っこを冬篭り用の巣にするゆっくりは少数らしい。
というのも巣が広げにくく食糧が貯めにくい事と雪の重みで入り口が壊れてしまうケースがあるからだ。
「あ、ここも空っぽだ。仕方ない根っこは諦めるか」
春になったら戻ってくるゆっくりもいるらしい。彼は山の奥の方へ向かった。
「「ゆんしょ…ゆんしょ…」」
「おきゃあしゃんがんばっちぇね!」
「あかちゃんさむくない?す~りす~り…」
「しゅ~りしゅ~り…ゆうううう…しゃみゅいよおお」
石で入り口を中途半端に塞がれた家族である。
「ゆうううう!!!いしさん!!おうちからでていってね!」
「これじゃだめだよ…みんな!てつだってね。みんなでがんばればいしさんをどかせるよ!」
「まりしゃもぎゃんばりゅよ!」
「あかちゃん、がんばろうね」
「「「「「えいえいゆー!!」」」」」
「「「「「ゆんしょ!ゆんしょ!…」」」」」
微かに石が動いた。
「ゆ!うごいたよ!」
「みんながんばってね!」
「「ゆうう…みょうちゅかれちゃよ…」」
「れいむももうだめええ」
3匹が力尽きた時だった。
「「ゆべっ!!!!」」
「おかあさん!!」
「「ぎゃああ!!!!」」
親ゆっくり2匹が石に潰されてしまった。
「ばりざのあんよがああああ!!!!」
「でいぶのおがおがあああ!!!」
もうこの家族は冬を越せないだろう
「ゆびゅううううう…どうじよう…」
巣を壊されたまりぱちゅ。なんとか巣をそれらしい形にまでは戻したが寒気は容赦なく巣の中に入ってくる。食糧も大半が風で飛ばされてしまった。
「む…き…ゅ…」
「ぱちぇえええ!!!しっがりじでええ!!!!」
「もうだめだわ…ぱちぇは…もう…」
「ゆっくりしようよ!!!!!まりさといっしょにゆっくりいいいい!!!!」
ビュウッ!!!!!
強めの風が吹いた。
「ゆがああああ!!!!おうぢがあああ!!!!」
巣が壊れてしまった。さらに
「ゆああああ!!!!!まりさのぼうじがああ!!!!!ぼうじざんまっでえええ!!!!」
まりさの帽子が飛ばされてしまった。まりさは帽子を追って巣から出て行ってしまった。
「…ま…りさ…ぐ…ずっ…ひどいわ…」
まりさが帽子を取り戻し巣に戻ってきた頃にはぱちゅりーは死んでいた。まりさも直にぱちゅりーのもとへ逝くだろう。
「「「「「………………」」」」」
巣の中に雪を詰められた家族はみな固まってしまい動いていない。
「「「「「………………」」」」」
凍死ではなく仮死状態のようだ。解けた雪が体を溶かすより早く意識を戻すことができるのだろうか。
by 虐待おにいちゃん
最終更新:2009年05月31日 22:36