ゆっくりいじめ系2199 ゆっくりの世界

内容がブラックです。
自分設定を垂れ流しています。
古本屋の虐待(?)SSです
一応交尾はありません、ぺにまむも無いです。


『人間がたくさん死にます』

『でもゆっくりもたくさんしにます』


それでもよければ、読んでいただけると嬉しいです。







【ゆっくりの世界】



野鳥、野良猫、野良ゆっくり
わけても都心部では昨今の野良ゆっくりによる衛生の悪化は社会問題になっている。
ゴミ捨て場荒らしに始まり、町中に散乱する死骸は衛生面だけでなく
交通機関にも多大な影響を与え、美観も損ね悪臭を撒き散らす。

想像してみて欲しい
生ゴミの詰まった袋が、数百数千と街中を跳ね回っているのだ。
条約で野良ゆっくりに餌を与える事が禁止され、飼いゆっくりを捨てる事が禁止されても
焼け石に水にすらならない、元から誰も餌など与えないし
捨てられる飼いゆっくりはますます増えたがそれに関係なくネズミ算ならぬゆっくり算式に増える野良たちに
市民の苦情を一手に受ける保健所も必死だった。

そしてついに、行政が重い腰をあげる。

汚臭を放つ生きた生ゴミは、法整備を皮切りに
汚臭とともに絶叫を、街中で上げることになり
ボランティアの公衆衛生に加えて自衛隊も狩り出され、生ゴミ被害は夏季を前に解決した。

市街からは汚臭を放つ生ゴミは姿を消し
野良ゆっくりが現れてから十数年間の間喪われていた
ゆっくりのいない衛生的な生活が取り戻され



忌まわしい事件が起こった。






  *   *   *


【わーむゆうっど】

三年前、ゆっくり駆除法に合わせて
専用の処理施設として国費を投じて造られた
世界最大のゆっくり処理施設
世界最大規模のリサイクル施設として
世界中にバイオ燃料や最上級の有機肥料を
安価で提供する施設として話題になり
国内外から多数の見学者が連日訪れる
ゆっくり再利用の一大施設が

爆音/悲鳴/怒号

燃え上がり、照らし出され
我先に雪崩出る人々

人類の長い歴史の中で、決して絶えない
思想による争い、その最悪の形の一つである

「Take it Easy!!!」

「F××k!!!」

蛮声を挙げながら重火器を乱射し
次々と爆薬を起爆させていく
数十人もの覆面をかぶった集団

見学に訪れていた人たちと施設で働いていた職員達が逃げ惑い
まさに阿鼻叫喚の地獄絵図となった【わーむゆうっど】

このテロによる死傷者の数は300人以上に昇り
世界的にも大きく報道された。


世界初の【ゆっくり愛護派】によるテロ事件として。


  *   *   *


「まりさ…こわいよ…」

「れいむ…なにがあってもずぅっといっしょだよ…」

二匹のゆっくりは、寄り添い震えている。

【わーむゆうっど】の生産プラントで生まれた900世代目以降の促成ゆっくり種
遺伝子組み換えにより、生後4日で成体に成長し
二日間で20回の植物型出産をさせた後
センサーによる判別で一定以上の質量を持つ物は分解して肥料又は飼料に
そうでないものはバイオ燃料に精製される
人工物に生態系ピラミッドがあるとすれば
その最底辺の存在として不動の地位を確立しているのが
このプラント産ゆっくり達である。

品種改良した雑草が自家製のゆっくり有機肥料でプラント中の草原を形成しているため
一体あたりの終身生育コストは僅かに20円

決められたスケジュールによって定められた繁殖には
繁殖用ありすすら使われない。
都合よく組みかえられた培養精子餡が、機械によって噴霧される。
計画的に世代を重ねるだけ
数百代に渡って子孫へと受け継がれる情報は
誕生⇒管理⇒繁殖⇒精製されるだけが自分達の全てだと伝えるだけ
死ぬために生きなければならない事を理解しながら、逆らう事など出来るはずも無い。

人工物と言える彼等が生態系のピラミッドに属するならば
バクテリアに分解される廃棄物と同等かそれ以下の位置に属する底辺。
それが【わーむゆうっど】で生まれるゆっくりのゆん生の全てだった。

遺伝子的に受け継がれるゆっくりの基本情報が
おぼろげに伝える【加工場】ですら
このプラントのゆっくり達にとっては羨望すら抱く境遇なのだ
此処には一片の【ゆっくり】すら存在しない
【ゆっくりできない場所】より【ゆっくりがない場所】の方がかれらには恐ろしいのだ。


そこで生まれて三日

ともに最終生産固体であるこの二匹は
一瞬たりとも親というモノに触れることは出来なかった。

植物型発生と同時に茎ごと濃縮培養液槽にうつされ(この時点でコンベアによって母体ゆっくりは各工程に処分される)
1時間後に生れ落ちた場所が、たまたまプラントの同じエリアだっただけの固体だ。

与えられた茎のペーストを言葉も無く咀嚼し

適温に維持された室内で

定刻どおり照明が落とされた時
偶然一番近くに居た固体に、寄り添って眠っただけだ。

それから三日間、離れる理由も無いので一緒に居ただけの二体だ

「…」

「…」

只それだけの二体は今、理解できない状況に怯えながら
言葉も無く身を寄せ合って、身体を揺らす爆音と人間の悲鳴に恐怖している。

何が起こっているのかは判らないが
とても恐ろしいモノが迫っているのだけは、わかる。


  *   *   *


憐憫・侮蔑・嘲笑、あるいはそれ以外の何か
連日のように訪れる見物客の視線は
【ゆっくりしたい】という本能を捨てきれないプラントゆっくりにとっては
耐え難い苦痛だったし

一人で居る事は、それだけでいらぬ視線を集める事になるのを識っている彼等は
或る程度の数群れて、見学時間中殆んど動く事をしない。

すこしでも、ほんの僅かでも【ゆっくりしている状態】に近くあろうとする。

何代にも渡って受け継がれた体内時計は、自分達を観るために人々がやってくる時間が来る事を知らせていた。

「いこうか」

「そうするぜ」

見学用の窓にからもっとも遠い壁際が、二体の定位置だった。
壁が落とす僅かな影に隠れ、二体で見学時間が終るまで草を食み続ける。

生まれてから3日間、おそらく何代も前から繰り返してきた
可能な限り消耗しない時間つぶし

新しい事など、試そうとも思わない
そういう事をするのは世代の浅いゆっくりか
時折生まれるドス化の兆候を見せる固体だけだ。

二体は最初期からのプラントゆっくりの系譜であり
そういう事をして消耗する事が、いかに無意味かを餡子で理解している。

二体が影に移動してから、僅か数分で見物客が姿を見せだした

「…」

「…」

ただただ身体を小さく、気配を消して耐え続ける。

校外学習の小学生達が喚き散らしながらバンバンと強化硝子を叩きながらはしゃいでいる。
遮断されているため、音は聞こえないが
硝子を叩く衝撃だけは本能的に身体をすくませる。

あの硝子がもし割れれば、あの人間たちは自分達を捕まえて踏み潰しにかかるのではないか
ありえない、だが本能的な恐怖に駆られて
自分達の安全を確かめたいと
二体が震えながら、ほんの僅かに視線を見物人に向けたその時。

「っ…!」

「ゅ…!?」

強化硝子に貼り付きゆるゆると滑り落ちていく
放射状に広がる子ゆっくりの死骸

おそらく子供達の誰かが持ち込んで、悪戯に投げつけたのだろう

二体にはその口が【たすけて】と動いたような気がした。

「ゆ、ゆあ、ああああああああああああああ゛!!!」

離れた所で一匹のまりさが猛然と駆け出し、見物客の並ぶ窓に体当たりを繰り返す。

余りの形相に、一瞬だけ見物客がたじろいで

その後は皆、思い思いに懐から四角いものを取り出して
パシャパシャと光を放つ何かを体当たりを続けるまりさに向ける。

薄笑いを浮かべて。

「…」

「…」

二匹は声も上げない、哀しいとさえ思わない
ただ【見なければよかった】という想いだけを共有して
ひたすらに草を食み続けた。

間も無く昼時になり、見物客が飲食コーナーに移動しだすと
円筒型の清掃ロボット(別エリアで行われるゆっくり発電で稼動する)が
体当たりを続けるまりさを排除するために、僅かな音を立てて現れ
精密な動きをするロボットアームで取り押さえられる

「や゛べろ゛を゛っ、は゛な゛ぜぇ!!までぃざを…」

プシュっと音を立てて、清掃ロボットの頭部が開き
その中にゆっくりと、アームがまりさを運んでいく。

「ふざけるなぁっ!ばでぃざはゆっぐりなんだぜっ!!!ゆっくじするたべに…やべっ、やべで!!」

エリア中のゆっくりたちが眼をそらし、耳を塞げない事に絶望する。
清掃ロボットは、そのまま精製ロボットでもある。
問題行動を起した固体や、繁殖に問題の有る固体を発見した場合
その場で内蔵センサーによる質量測定を行い、適切な形に精製する。

「い゛や゛た゛!!」

視界に無くとも、全方位の音を聞き続けるゆっくりにとって

「た゛す゛け゛て゛ぇ゛!!!」

その絶叫は雄弁であり

「【ゆ゛っ゛く゛り゛し゛た゛い゛】!!!!」

その断末魔は【わーむゆうっど】の全てのゆっくりの祈りだった。



現れた時と同じく、僅かな音を立てて姿を消す清掃ロボット
ぷらんとゆっくりの恐怖の代名詞である機体が回収口に姿を消した瞬間

悲鳴に鋭敏になった全てのゆっくりの聴覚に

殴りつけるような爆音が襲い掛かった。



  *   *   *



「まりさ…こわいよ…」

「れいむ…なにがあってもずっといっしょだよ…」

相互依存

理解不能の恐怖を感じている今、それだけが二体を支える最後の砦だった。
野生のゆっくりであるならば、その情動は番うに値するかもしれないが
プラントのゆっくりからはそんな先の見えた楽観はとうに喪われている。

立て続けに起こった正体不明の恐怖

時間はまだのはずなのに突然消える照明、環境系の停止による暖房の停止。

あまりにも唐突な状況の変化に、急性ノイローゼを起し
失神、気絶、痙攣、発狂…果ては(餡子)脳死するゆっくりまで現れる中で

二匹はただただ震えて、怯えていた。


やがて、覆面をした男たちが現れ
証明は点り、部屋が余所に暖かさを取り戻していった。


男たちは、生き残ったゆっくりを集め
一体一体丁寧に体中を調べつくした。

男達に解放されたゆっくりたちの中から
僅かに勇気の有る固体が『自分たちはこれからどうなるのか』を恐る恐る尋ねると

親指を立て覆面をしているから、顔の全体は見えないがそれでも理解できるほど快活に
プラントのゆっくりたちが忘れ去った【笑顔】で、宣言した。

「「「Take it Easy!!!」」」

それは、意味こそ理解できなかったが
【希望】そのもののような、自分達の未来そのものの様な言葉だった。



男たちが作業を終えて立ち去った後
静寂が戻ったプラントエリアで生き残ったゆっくりたちは
フワフワと浮き足立つような感覚を味わいながら

餡子の詰まった総身に、何か熱いものを感じていた。

「れ、れいむ…」

「まりさ…れいむね、れいむね…」

なかでも、数少ない最初期からの遺伝情報が伝える絶望を植えつけられてきた二体は
歯の根も合わず、打ち震えている

何かが、起ころうとしている

なにかを、取り戻せそうな気がする。

「れ、れ、れいむっ!」

「まりさぁっ!!」


「「ゆっくり、して……っ!!」」


  *   *   *


この日

過激派ゆっくり愛護団体によるテロ行為によって
死者129名
重軽傷者290名を数える大惨事となり

【わーむゆうっど】全施設が保有していた
六億匹のゆっくりも喪われた

同日インターネット上に犯行声明が発信され

『人類に歪められた、全ての哀れな【ゆっくり】を開放するまで我々の活動は終らない』

という宣言が世界中を愛護派排斥の動きに傾かせる結果になったのは、皮肉としか言いようが無い。



年をまたいで同日
過激派テロの起こったこの日が
【わーむゆうっどの日】と制定され
三年後の2×××年の【わーむゆうっどの日】を目処に
化石燃料を安価で安全なゆっくり由来のバイオ燃料に完全移行する事を目的に
世界中に大規模なゆっくり精製工場が建設される事が
×カ国協議で正式に発表された。

地球上の全ての人類が
ゆっくりに感謝し、依存して生活している
世界は今、ゆっくりで繋がろうとしているのだ。








by古本屋

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最終更新:2009年02月24日 19:48
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