ゆっくりいじめ系2168 僕はこうして巻き込まれました

『僕はこうして生まれました』の登場人物が登場

注意
  • 下ネタ有り



【登場人物】

息子:ゆっくりと人間のハーフ。ゆっくりの性感帯がわかるという全く役に立たないスキルを持つ

父:ゆっくりに性的興奮を覚える変態その1。ボブと一緒にいるとロクなことが起きない

ボブ:ゆっくりに性的興奮を覚える変態その2。父と一緒にいるとロクなことが起きない。相乗効果










「飼いゆっくりの登録更新ですね、こちらの紙に住所と家主のお名前、飼いゆっくりの種類をご記入ください」
ゆっくり課と書かれた受付の前。父は用紙を受け取り必要事項を記入しはじめた

町の保健所
この場所に収容されるのは、野良の犬や猫だけではなくゆっくりもその範疇だった
ゆっくりを飼う場合は、町や市に申請する場合がある
申請は義務ではなく任意だが、申請し飼いゆっくりとして登録すると色々便利なため
ゆっくりを飼う家庭の殆どが登録を行なっている

「更新が完了しました。古い方のタグはこちらで回収します」
「わかりました」

飼いゆっくりに取り付ける新たなタグを受け取る
このタグが有ると無いでは、同居しているゆっくりふらんの安全は段違いとなる
野良と見なされ虐待を受けるリスク回避、迷子になったときの連絡先などタグを付けるメリットを挙げたらきりが無い

「それでは講習を行ないますのでこちらに」

カウンターを出た所員に案内される
飼い主は登録更新時に1時間ほどの講習を受けるのが義務となっていた

個室で40分ほどのビデオを見せられた後、地下に案内される
階段を降りる途中で尋ねた

「なんで地下なんですか?」
「それはですね…」

数年前、市の議会で野良ゆっくりの管理・処理は犬猫同様に保健所で行なうという案が可決した
可決したその年、ゆっくりを受け入れるために急きょこの保健所の増築が進められたが
面積の関係上、止むおえず地下にゆっくりを収容するスペースを作ったという背景があった
そんな内容のことを所員は手短に説明した

「これから処分の現場を見学して頂きます。飼い主の責任を自覚して頂く意味でもどうか最後までお付き合い下さい」

階段を降りて地下に到着する
一本道の長い廊下が姿を現した

「ここにいるゆっくりは全て、通報を受けた野良だったり飼い主が飼育を放棄したゆっくりです」

廊下の壁の片方は下半分がコンクリート。上半分がガラス張りとなっていて、一部屋が10畳ほどの広さ
そして部屋ごとに種類別で分けられていた
見た目は監獄というよりも動物園に近い

「このガラスは向こうからは見えない仕組みになっています」

その証拠に、彼がガラスに近づいても彼の存在に気付くゆっくりは一匹もいなかった

「胴つきはいないんですか?」

この場にいるのは全て胴なしのスタンダードなタイプだった

「別の場所に収容されています。と言っても野良の胴つき自体、滅多に見かけないのでまず使われませんけど」
おまけに胴なしのように大量発生して駆除されるということも無い
仮に捕獲されてもペットとして人気があるため、何日か様子を見て問題無いと判断した個体は処分されず飼いゆっくりになる場合が多い
ペットショップで高額な胴つきを買うよりも、多少手間はかかるが無料で手に入る保健所を利用する者は後を絶たない

「そうなんですか」
それを聞き彼は胸を撫で下ろした
胴つきを特に強く同類視してしまう彼にとって、その事実は救いだった

(でもちょっと、見ててキツいな・・・)

れいむ種やまりさ種はともかく、ちぇんやめーりん、みょんなどが買い手が見つからず処分を待つ身だというのを知り、複雑な気分になる

途中、一箇所だけカーテンが掛かった箇所があることに気付いた

「これは?」
「地域貢献の一環として、ご家庭のゆっくりを最長一週間お預かりするサービスをしております。それがこの場所です」

旅行や出張で家を空けなければならない場合などに、このサービスは住民に重宝されていた
中は毛布や玩具などゆっくりが快適に過ごせる環境になっているらしい
その隣の部屋を見る

「・・・・・・・」

彼は目頭を押さえた

「あの黒人もゆっくりですか? 処分対象ですよね?」

ガラスの向こうに良く見知った外国人がいた。何も入っていない部屋の中を見回していた

「あの方もこの講習を受講している方です、時間帯の都合で少し前からここで待ってて頂いておりました・・・・・ボブさん」

所員がガラスをノックするとその音に気付いてボブが廊下へ出てくる

ボブと目があった瞬間、彼は頬を膨らませた

「キスシテホシイノ?」
「ひはう、ひはふひへふんはよ(違う、威嚇してるんだよ)」
「逆効果だからやめておけ。見てるこっちが恥ずかしい」

父に嗜めらて口から空気を抜く

「なんでボブがここいるの?」
「ユックリヲ、カオウト、オモッテ」

ボブはゆっくりを飼う為にここを訪れていた

「あれ。ボブってホームステイしてるんじゃなかった? 家の人が飼うの?」

その質問にはボブではなく父が答える
「この度、ボブのその日本語能力が買われて、日本の会社に移ることが正式に決まった。オフィスに外国人がいると色々便利だからな」
「そうなの?」
現在ボブはステイ先を出て、ゆっくり飼育可のマンションで一人暮らしをしていた
「飼いたいゆっくりは見つかったかい?」
「コウシュウガ、オワッテカラ、エラブ」
「あの、そろそろよろしいでしょうか?」

ドアの前に立つ所員がおずおずと切り出した

「この部屋が処分場です。お辛いかもしれませんが、責任を放棄した飼い主を持つゆっくりの末路です。どうか処分されるゆっくりのためにも目を背けないであげてください」
「・・・・・はい」

彼の返事を待ってから、所員の男性はドアを開けた

さほど広くなく全面コンクリートで段差の無い部屋。壁には時計と内線の電話があるだけの殺風景な所だった
そこにマスクをつけ帽子を被った別の所員と一匹のゆっくりありすがいた
マスクをした所員の手に注射器が握られていた

「あの注射器の中の液体はゆっくりにとって有害なものです」

注射針がありすの後頭部に触れて、静かに沈んで行く

「ッ!! ッ!!」
全身を特殊な器具で固定されたありすは身動きが取れずにいた
注射器の中身が押し出され、容器の中の琥珀色をした液体の量が減っていく

「ゆぅ・・・」

ありすは眠るように目を閉じた
数秒の間を置いて、器具を外すとありすはころりと転がった
注射を打たれた後は喚くことも、苦痛を訴えることもなく。静かに逝った

この薬はゆっくりを安楽死させるもので、餌に混ぜても有効である。そして原価も安く簡単に量産できるため今はこれが主流だった
以前の殺処分方法は水の張った水槽にまとめて落とすというものだったが、片付けが手間な上にその光景が所員の精神衛生には余り良くないという理由でこちらの方法に切り替わった

処分を実行した所員は転がったありすを麻袋につめて担ぎ、彼等が入ってきたのとは逆方向にある壁のドアから出て行った

「以上で講習を終わります。お疲れ様でした。お気をつけてお帰り下さい」

所員が去っていき、三人が残される

「ダイジョウブ?」
「うん」
壁に力無くもたれる彼をボブは心配した
「・・・・先に行ってるぞ」
「わかった」
彼を残して二人は部屋を出て行った

「はぁ・・・・・・」

体に存在するゆっくりの性か人間の本能かはわからないが、ゆっくりありすが処分される光景に不快感を感じた
気分が沈んで、動こうという気にはなれなかった






「よし、行こう・・・」

5分ほど経ってようやく沈んだ気分が戻る

「あれ? 開かない」

ドアノブを回すが、押しても引いてもビクともしない

「嘘・・・」

プルルルルルルルルル

ドアの隣に取り付けてあった室内電話が鳴ったので取る
「もしもし」
『ワタシ、ボブチャン、イマ、アナタノ、ヘヤノマエニイルノ』
「下らない事言ってないで、父さんに代わってよ」
『ワカッタ。カチョウサーン』
受話器を取り次ぐ音がした
『一度でいいから見てみたい。女房がバイブでオナるとこ・・・・・歌丸です』
「歌丸じゃなくてレイパーだろ。とにかく状況を説明してよ。ドアが開かないんだけど」
ちなみにこの時、母(きめぇ丸)が自慰する姿を想像してげんなりしたのは内緒である

『地下の機械が誤作動して、勝手に施錠されてしまったようだ。現在、原因を究明中だそうで、わかるまで開かないと言われた』
『なんでそんな杜撰な構造なの?」
「行政で決定してすぐに改装したから突貫工事気味なんだと。必要最低限の耐震しかやっていないそうだ。来月に点検して本格的に作り直す予定だったらしい』
「えーと、つまり今の僕の状況は・・・・」
『お前ダッセー!! 閉じ込められてやがんのー!!』
『HAHAHAHAHA!』

父とボブの笑い声がドアの向こうから聞こえてきた

「じゃあ。そっちは今どこ?」
『父さん達も地下にいる。防災シャッターが下りてきて地上に上がれなくなった』
父とボブは壁一枚挟んだ向こう側にいた
「人のこと言えないじゃないか!!」
『HAHAHAHAHA!』
「後ろの黒人黙らせろ!!」

血が上った頭を一度クールダウンしさせて、気がかりだった事を訊く

「もしかして僕を待ってたせいで父さん達も?」
『なに。気にするな』
「ごめん、僕のせ…」
『レイプシタイユックリヲ、ブッショクシテタラ、トジコメラレタンダヨ』
『あ、コラッ!!』
「ふーん」

ドアを思いっきり蹴った

「前々から言おうと思ってたけどさ」
『なんだ? 言ってみろ』
「“レイパー”って正確には“レイピスト”って言わない?」
『・・・・・・・』『・・・・・・・』

受話器越しに微妙な間が生まれる

『この状況でそれ言っちゃう?』
「言っちゃう」
『お前、全然空気読めてないわ。昔、ドラえもん映画の【のび太の海底鬼岩城】のラストで
 しずかちゃんが大事に持ってるバギーのネジを見て「あれポセイドン(敵のボス)のネジじゃね?」って言うくらい空気読めてないわ』
「わかりづらいよその例え」

『ヘイ! カチョウサン! カーテンメクッタラ。グラマーナ、エーキッキガ、イル!』
『何!? 本当か!』
「ちょっと、何の…」

ガチャ、ツーツー

一方的に通話が切れた
「カーテンっていうとアレかな?」
所員が説明した、飼いゆっくりの部屋に掛かっていたカーテンを思い出す
「でも、グラマーってどういうことだ?」

再び電話が鳴る

『いつか巨乳のゆっくりえーきを見たのを覚えているか? 預けられてる飼いゆっくりの中にソレがいた』
「なんで!? 主任さんと一緒に居るんじゃないの?」
『向かい三軒先のアパートに国家公務員やってる兄ちゃんいるだろ? 背が少し低い』
「ゴミ捨ての時とかに会うと礼儀正しく挨拶してきてくれるあの人?」
『あれ主任さん。今どっかの視察で何日か家を空けてるみたいだ』
「レイパー密度高すぎるだろこの町」

突然、何かが壊れる音がした

『ああ~~なんてことだ~~~。機械の誤作動で、飼いゆっくりの部屋のドアの施錠が開いてしまった~~~』
「絶対嘘だ! ボブが壊したんだろ! そもそも手動じゃんあのドア! 南京錠!」

ガチャガチャと何かが擦れる甲高い音の後
『オラァ、デテコイヨッ!』
『でかしたボブ! 足を押さえろ!』
『だ、だずでげ、こまぢぃぃぃぃぃぃー!』
その控えめな声は間違いなくあのえーきのものだった
「おい!! 何やってるんだよ!!」
『犯(まわ)せ、犯(まわ)せ!』
『バターニシチマイナ!!』
「悪ノリしすぎだろ! そもそも飼いゆっくりに手を出したら犯罪だろ!!」
法的には器物破損にあたる
『・・・・・・・・ゴホンッ。まぁえーきっきをレイプするのは冗談だとして』
「全然冗談に聞こえなかったんだけど」
『なんだ自分だけおっぱい揉めないから嫉妬してるのか? 思春期で思考は常時おっぱいにロックオンか?』
『ネライウツゼ!』
「違うから。とりあえずレイプから離れた話題をしてほしいんだけど」
『サロンパスッテ、ミズニヌレルト、ブヨブヨノ、ヨクワカラナイ、ブッタイニ、ナルヨネ? アレノ、カンショクッテサ…』
彼は何の躊躇いもなく、受話器を置いた
壁から体を離すと部屋に完全な静寂が訪れる

向こう側の壁を見る
先ほどゆっくりありすを処分した職員が出て行ったドアが目に付いた
[関係者立ち入り禁止]の張り紙を無視して、駄目もとでノブを捻ると、あっさりとその扉は開いた



≪親父サイド≫

ボブがサロンパスの話しを始めて、息子が電話を切ってすぐ

「ドキッ! レイパーだらけのゲーム大会! ポロリもあるよ!! ・・・・・・・・ジャジャマルとピッコロはいないけどね!」
「イナイケドネッ!!」

ハイテンションの変態が二人

「まずは最初の企画『えーき様に白黒つけてもらおう』のコーナーです。では最初の質問」
「パンツノカラー、オシエテクダサイ。Black or White?」
レイプができないストレスを卑猥な質問責めで解消しようとする変態たち
「こ、こたえたくないぞー!」
「ウルセー! サッサト、シロクロツケロヤ!!」
ボブが床を蹴って脅しをかける
「自分で言うのが嫌なら、おじさんが捲ってあげてもいいんだよ。ん?」
紳士的な態度、しかし、いやらしい手つきでえーきににじり寄る父

プルルルルルルルルル

「くっ、良いところなのに・・・・・・もしもし、鳴かぬなら 犯してしまおう きめぇ丸。レイパーです」
『さっきから一体何が言いたいんだよ。まぁいいや、ここの間取りについて訊きたいんだけど?』

「・・・・く、くろ」
「クロ!? テメェ、キョニュウダカラッテ、マセテンジャネーヨ!!」
顔を真っ赤にして、蚊の泣くような声で答えたえーきに本気で怒鳴りつけるボブ
乱暴にえーきの胸を揉みしだく
「い、いだいぞぉ・・・」
「コレガイインダロ! インランガ!!」

『ボブが叫んでるみたいだけど、何の話?』
「コッチの事だ気にするな」

父は咳払いを一つして場の空気を戻す

「ソッチは胴つきゆっくりや大型種を収容する場所って聞いたことがあるな、滅多に使われないらしいが。一番奥に大型のリフトとエレベーターがあるらしい」
『・・・・うん、わかった』
息子のその返事が父は不安感を煽った
「お前まさか行く気か? 危ないからやめとけ。[立ち入り禁止]の張り紙があっただろ? セガールがいたらどうする?」
『居るわけないだろ』
「今からボブとえーきで淫語しりとりやるからお前も参加しなさい。人数多いほうが盛り上がる。なお〔結婚しよう〕→〔うん〕の流れでカップルが成立します』
『行ってきます』
彼の言葉に迷いは無かった
「淫語しりとりの何が不満だ?」
『全部だよ馬鹿野郎』
「・・・・わかった。ただし条件がある。30分以内に戻って来い。戻って来られなかったらペナルティだ」
『良いよ。どんなペナルティ?』
「お前の出産秘話(猥談込み)を話す・・・・・・お前自身にな!」
「最悪だ」

時間を守るという誓いを彼は心に立てた



≪息子サイド≫

父との電話を切り。携帯のアラームを20分後にセットする
時間を忘れないための予防線だった
アラームが鳴ったらその時点で引き返そうと考えた

ドアを開く

「ここって・・・」

この場所は胴つきゆっくりを収容するスペースだった
父達のいる場所はガラス張りだったが、こちらは鉄格子で出来ていた
胴つきの中には手足を器用に使いガラスを割るものがいるためである

廊下はシンとした静けさに包まれていた

今開けたドアから25mほど先にまた別のドアがある

「刑務所みたいな……あれ?」
そのドアに向かう途中に気付いた
全て空室と思われていた檻の中で、一箇所だけ中身があるのを見つけた

「ねぇ?」
檻の隅で小さくなって震えている者に呼びかける
「にゃーーーーん!!」
「にゃん?」
声を掛けられたそれは酷く怯えていた
「にーさん囚われの身のワシに乱暴する気やろ!? エロ同人みたいに!!」
「するわけないだろ」
鏡見た事無いの?と言おうと思ったが流石に気の毒なのでやめた
ウサ耳ブレザーの不細工フェイス。正体不明のゆっくり、きもんげが檻の中にいた

ゆっくり関連のビジネスでのし上り一躍有名となるが、ブームが過ぎ去ると同時に表舞台から姿を消したきもんげ
噂では事業は縮小したものの、細々と商売をしているとのことだが

「きもんげがこんな場所で何やってるんだよ?」
「良くぞ訊いてくれた。語るも涙、聞くも涙のワシの苦労ばな…」
「大方、儲かるからって理由で不正して捕まって、収容先が無いからここに落ちついたってトコでしょ?」
「にーさん鋭いなぁ、出所したら組まへんか?」
「出所できるの?」
「わからへん・・・刑期があるんか、処分されるんかすらわからへん。所員の足音が聞こえるたびに不安で怯える生活なんてもう沢山や・・・」
ヨヨヨときもんげは泣き崩れた
「結構長いこと居るんだ?」
泣き崩れたと思ったら一転、ガバリと顔を上げて両手を冷たいコンクリートにつけた
「後生や。どうか脱獄の手伝いをしてはくれまへんか!」
額を床に擦りつける
「それはちょっと」
「あんさんには同族を慈しむ心は無いんか!?」
今度は顔を上げて猛抗議してきた
「同族って言われても」
きもんげには、彼が同類に見えるらしい
「別に、難しいことやおまへん。あの部屋のボックスの中に掛かってるここの鍵を持ってきてくれるだけでええねん」
これから彼が向かおうとしている部屋を指差す
「よしんば脱獄した途中捕まっても、あんさんのことは一切ゲロしまへん」
「でも」
犯罪に加担するのは忍びなかった
「ワシがやっとった商売知っとります?」
「えーと、なんだっけ?」
「かぁー! これやから消費者っていうんわ!!」
オーバーアクションでわざとらしく呆れる
「きもんげ印の【餡子ぎっしり、ゆっくり温泉饅頭】やないか! 一時期売り上げ凄っかたねんぞ! 道楽で山を三つも買うたわ!!」

【餡子ぎっしり、ゆっくり温泉饅頭】
れいむやまりさから僅かしか取れない上質な餡を集め練り上げて、生後3日以内の赤ゆっくりの皮を贅沢に使い製造した温泉饅頭
何年か前に、テレビや広告で大々的に取り上げられた人気商品。ブームだった当時、彼はまだ小学生で口にしたことはなかった
現在も市場に出回ってはいるが、当時より値段が上がっているのと少量生産のせいで中々手に入らない代物だった

「素材偽装してない? 消費期限誤魔化してない?」
「ワシがやったんわ株の違法取引や。商品には絶対の自信を持っとる、社長の座こそ失脚したものの特許はワシ手の中や。にーさんが欲しい数だけくれたる」
「もぅ・・・・・・・・今回だけだよ?」
物に釣られて彼は脱獄の片棒を担ぐことを了承した

「あんさんになら抱かれても良え!!」
「良くない。とにかく、あの部屋にある鍵をとって来るだけでいいんだよね?」
「せや、あの部屋より向こうは問題を起こしたドス級のゆっくりを収容する場所や。危ないから行ったらあかんで。鍵取ったらさっさと戻って来てや」



ドアの前に立ちノブを捻り、ゆっくりと開ける
部屋の中は先ほどゆっくりありすの処分を見せられた所と似たような造りになっており
相違点があるとしたら、向こう側の壁に大きなシャッターが付いていることくらいである
大型のゆっくりを中に入れるための配慮だった

そのシャッターが壊れていた
外の側から強い力で押されて一部が大きくひしゃげている
どう見ても自然になったものではなかった
「誰がやったんだ?」
機械の誤作動の原因はこれにありそうだった

ひしゃげた隙間から外側を覗き込む

「ゆぅ?」
「・・・・・・・」

向こう側にいる何かと目が合った

「んほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

それが突然声を上げてシャッターに体当たりを始め、隙間がさらに大きくなる
シャッター自体は頑丈なつくりになっているようだが、それを支える根元の部分にガタがきていた

十分に開いた隙間からそれがのっそりと姿を現す

「クイーンありす・・・・?」

部屋に入ってきた3m強の大きさのクイーンありすが息を荒げていた

「あなた、ながながいげめんじゃない!! ありすのかれしにしてあげるうううううううううううううううううううううううう!!」
「なんだよ一体!!」

彼は知る由も無かったが、このありすはかつて山の群れの頂点に君臨していた
普段は堅実だが、一度体が火照ると理性が完全に利かなくなる
そのせいで群れが無計画に肥大化してしまい、食料に困り山の下の民家に危害を加えてしまったという過去があった

ここに収容されて一ヶ月の間禁欲状態で、ありすの我慢は限界となっていた
様々な幸運が重なって檻から抜け出たありすは逃げることを二の次にして、すっきりする相手を探している途中だった
そして、その際にぶつかったシャッターの振動で機械が誤作動を起こすことになる


身の危険を感じ、入ってきたドアに駆け出す。廊下に戻ればありすはこれ以上追ってこれない

「どごいぐのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

その図体に合わない機敏な動きで彼の前を塞ぐ
そのまま壁に押し付けられ、背中をコンクリートに強く打つ

「いっしょにすっきりしましょう!!」
今の彼はありすにとって、1週間断食したあとに出された極上の高級コース料理に匹敵する、涎モノの存在だった
「痛い! 痛いって!」
いきなり襲い掛かってくるありすに恐怖を感じる
ありすに彼を殺す意思は無いようだが、この重量で体を高速で擦り付けられたら洒落では済まない
「ありずどあいをかたらいまじょおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
両手で押し返そうとするが、ありすの体はビクともしない
ありすの皮は分厚く、まるでゴムのような感触だった

まるで前戯をするように緩やかな動きで彼に体を擦り付ける
彼はまさに今、クイーンありすにレイプされそうになっていた

「いい加減にしろっ!!」

ありすが行為を本格的に始めようとしたその時、彼が怒鳴った
性行為におよぶ場合。相手の触れる部分には必ず性感帯が存在する。故に彼の目の前にありすの性感帯があった
それを今の体勢で篭められるだけの力を篭めて殴りつけた

「いぎゅぅ!!」

ありすの体が硬直する
だが、その行動は逆効果だった
力が足りずありすに不快感を与えてしまうだけだった

「な゛に゛す゛る゛の゛よ゛! このいなかもの!! かす!! くず!! ごみ!! きけいゆっくり!! じね!!」

罵声の中でどうしても聞き流せないものがあった

「奇形ゆっくり?」

顔を真っ赤にしたありすが言葉を付け足す
「とかいはのありすにはわかるわ!! あなたはゆっくりだけど、ゆっくりじゃない!!」
伊達にこのありすもドス級のサイズになるまで歳を重ねてはいなかった
だから彼が他のゆっくりとは違う存在だと看破した
「なら、きけいゆっくりにきまってるじゃない!!」
そう断言して、再び彼に体をぶつけて運動を始める
「でもだいじょうぶよ!! ありすはこころがひろいもの!! きけいのあなたもちゃんとあいしてげるうううううううううううう!!」
「・・・・・・・・ぅ・・・・」
「 ? 」

潰されている状態の彼が何かを言ったような気がして、一瞬動きが遅くなる
彼はまた口を動かした

「・・・・う・・・・か・・・い・・・するなよ・・・」
「ゆぅ?」

さっきよりははっきり聞こえた

奇形ゆっくりといわれて、今までとは違う部類の怒りがこみ上げて来た
自分に携わった多くのものを否定されたような気がした

「後悔するなよ」

今度は全部ちゃんと聞き取れた

彼はありすの口に手を突っ込み、手に握っていた“もの”を放り込んだ
口に入ったそれを本能的に飲み込んでしまうありす

「ゆげっ・・・な、なにをのまぜだの?」
涼しい顔をする彼に尋ねる。体内に強い異物感を感じた
「注射器。針は抜いておいたけど」
「ゆ゛!!?」

真っ赤だった顔が見る見る青ざめていく
注射器と聞いて思い当たるのは一つ。ここのゆっくりを殺処分するための薬

「その大きさだと、どれくらいが致死量かわからないけど。注射器が割れて中身が出ないうちに吐いたほうが良いよ?」

あれほどがっちりと捕らえていた彼をありすはあっさり解放した
呑まされたものを吐こうと口を何度もすぼめる

そのありすを一瞥してから、きもんげの檻の鍵を探すためにボックスを開く
「あった。この番号の鍵だ」
檻の数が少なかったため鍵はすぐに見つかった
ポケットにしまい、ありすの横を通り一直線にドアを向かう

その行動が命取りだった
彼はありすが離れたらすぐ外に逃げ出すべきだった

「ゆげぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
カスタードに包まれた塊がまるで痰のように吐き出される
「嘘っ!? もう吐いた!」
奥の方に放り込んだため、二度と吐き出せないだろうと過信していた

ありすは吐き出したと同時に横を通ろうとしていた彼にぶつかった
「ありすがうえになってもいいかしら♪」
尻餅をついた彼の上に加減して、まるで自分が掛け布団にでもなるように彼の首から下、体全体にのしかかる
「っ!」
胸を庇う為に両手を前に持ってきため腕ごと下敷きになった彼は完全に自由を失った

「ありすをだますなんていいどきょうね♪ でもとくべつにゆるしてあげるわ♪ ありすはあなたとちがって、とかいはだもの♪」

吐き出したカスタードクリームの中から出てきたのは携帯電話だった。彼は注射器など始めから持っていなかった

「おしおきとして、ちょっとはーどにやらせてもらうわ♪」
「いだだだだだだだ!」
ありすが体をほんの僅か前に傾けただけで彼の体が軋んだ

「ゆふふふふふふ♪」

上機嫌のありす
それもそのはず。この時点で彼は完全に詰んでしまった。両手両足を押さえられてはどうすることも出来ない
彼をいつでも蹂躙できる。その気になれば殺せる

体の傾斜を元の角度に戻して彼を苦痛から解放する

痛みが和らぎ、彼は唯一動く首を回した
天井の他に、壁にかかった時計が目に付いた

「都会派なら時計の見方くらい当然知ってるよね?」
「そのてにはのらないわ、ありすがふりむいたしゅんかん、にげるきでしょ?」

ありすが振り向けば必然的に体の前面に隙間が出来る
彼はそれを狙っていた

父と電話を終えてからかれこれ20分が経とうとしていた

このまま何もしなければ自分は膾(なます)にされてしまう
一縷の望みを託して、彼は口を開いた

「こんな話知ってる?」
「ゆ?」
「あるところに若い男がいた。ルックスはそれなりに良いせいか、女性に何度か交際を申し込まれたことがあった」

彼は唐突に話を始めた

「けど全て断った。その男は、全くと言っていいほど異性に興味を持っていなかった、いや、持てなかったというのが正確かな」
「いったいなんのはなし?」

気にせず彼は話を進める

「しかし。その男を欲情させるものが唯一あった。それがゆっくりだ。ゆっくりだけが彼の性欲を満たした。気付けば彼は目に付いたゆっくりを犯すレイパーになっていた」
「にんげんがゆっくりをれいぷするですって?」
「・・・・・・」

壁にかかった時計の針を彼はちらりと見た

「自分の性癖を表には決して見せず、影でひっそりと愉しんでいた。そんな時、一匹のきめぇ丸に出会った。当然犯した。出会うたびに何度も、何度も、犯しつくした」
「かおみしりになるまでおかすなんて、へんなはなしね?」
ありすは彼の話す内容に僅かだが興味を抱いた
「きめぇ丸はその男に出会った当初に一目惚れしていたらしいよ」
「ゆ? そうだったの?」
「だから彼のどんな酷い要求も受け入れた。献身的なきめぇ丸の姿を見続けて、いつしか男の心境にある変化が訪れた」
「こいね、ありすにはわかるわ」
彼は小さく頷いた
「そう。男はきめぇ丸のことを好きになっていた」
「やっぱり」
「そして、彼はきめぇ丸にその想いを伝えようと決めた」
「なんてとかいはなこいなの!」
「その時の言葉が」

そこで彼は言葉を切った

「なに? かれはなんていったの?」
「・・・・・・」

彼は黙ったままありすを見ていた

「さっさといいなさいよ!! このいなかもの! きになるじゃない!」

苛立ちを隠しもせず彼をにらむ

「・・・やめた(というか僕も知らないし)」
「はぁ?」
「これ以上は話す必要がなくなった」

PIPIPIPIPIPIPIPIPIPIPIPIPIPIPIPIPIPIPIPIPIPIPIPI

「ゆッッ!?」
ありすは自分の背後から電子音がして、驚き振り返った
音を発していたのは先程注射器だと騙されて呑み込んでいた携帯電話だった

「いきなりうるさくなるなんて、とんだいなかものね!」
ありすが振り返ったことで、自身を拘束する力が緩んだ
(よしっ!)

だが

「ぐぅ…」
「ひっかかるとおもったの?」

一度緩めた重心を、彼に再びかけ始めた

彼はありすが吐き出した携帯電話のアラームがあと少しで鳴るのを覚えていた
そのために今の話をして時間を稼いだ
音に驚き体をねじり振り向くことで、彼は脱出を謀ろうとした

しかし。彼が抜け出そうともがいた瞬間、ありすはそれに気付きすぐにウェイトを戻したため脱出は叶わなかった

辛うじて抜け出せたのは右腕だけだった

「ゆっふっふっふっふっふっふ♪ とかいはのありすをだしぬこうだなんて、ひゃくねんはやいわ」

相変わらず勝利を確信した表情で彼を見下す
にも関わらず、彼の顔に焦りは無かった

「どうしたのよ? ぜつぼうしなさいよ?」

彼は唯一自由になっている右手を挙げた
この手さえ自由になれば良かった
握りこぶしではなく、指をピンと伸ばし鋭さのある貫き手を作る

「そのじょうたいでなにができるっていうのかしら?」

父からゆっくり対しての護身という名目で(非常に不本意ながら)習得し、アメリカへ行った際ファイトクラブの隊長に(誠に遺憾ながら)練磨された“技”
先ほどは不発だったが、今度は彼なりに試行錯誤した

「ッ!!」

ありすの性感帯に指を突き立てた
クイーンありすの皮は頑丈で、指は第一関節までしか入らなかった
しかしそれで十分だった
たった今出来た小さな傷口に爪を立てて思いっきり引っ掻く

「ゆがががああああああああああぁぁあああぁぁぁぁぁああぁぁぁああぁぁぁぁあっぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

体で最も敏感な部分がほんの少しでも抉れれば激痛が走る
ありすは痛みに悶え、体を丸めて蹲った、のたうち回る元気は無かった
下手に動けば傷口が広がることを体が理解していた

これまで掛かっていた重量が一気に減り、なんとか体が抜け出せた
匍匐(ほふく)前進でドアまで移動し、ノブを回してドアにもたれるような形で外に出た
無様に廊下に転がり、足で蹴ってドアを閉める

「突き指した・・・・」

右手の中指を左手で包み痛みを堪える
「でも、助かった」
ドアのすぐ横の壁にもたれて生還の余韻に浸る
「あ、携帯どうしよう。壊れてなかったし。前に機種変えたばかりだし」
回収したいがあの部屋に戻るのは流石に気が引けた

「オコマリノヨウダネ」

目の前に親指を立てる黒人が一人

「チェンジで」
「ソリャネーヨ!」
「本当にチェンジで」

シッシと左手で面倒くさそうに手を振る

「なんなんやあんた等!? 堪忍! 堪忍してや!!」
「ここの鍵は南京錠じゃないのか?」
父がきもんげの檻の鍵をいじっていた
「おーいボブ、この鍵壊して」
「ガッテン」

檻の前に立ち足を高く上げる

「YEAHHHH!!」

体重の乗った重い踵落としを放つ

「どっかの妄想パワーで戦う殺し屋も真っ青な蹴りだろ? あの靴、踵が合金製らしい」
何故か自分のことのように自慢気に語る父
「ドア蹴破ってここまで来るとか、どんなけフリーダムだよ・・・」
「アイノチカラダヨ」
「愛って言えば物理法則無視できると思うなよ?」

彼の言葉とは裏腹に、あれだけビクともしなかったドアが簡単に動いた
あまりの出来事に呆然とするきもんげ
「あんたら、もしかしてワシを助けてくれるんか?」
「可愛いウサ耳のお嬢さん」
恐る恐る檻から出てくるきもんげに、父は話しかけた
ちなみに、可愛いのはウサ耳であって。きもんげを可愛いと言ったわけではない

「君は飼いゆっくりかい?」
「いや。ちゃうけど…」
「答えちゃ駄目だ!!」
喚起したが遅かった

飼いゆっくり=レイプしたらNG
NOT飼いゆっくり=レイプしてもOK

「「ヒャッッホーーーーイ!!」」
「堪忍してえええええええええええええええええええええええええ!!」
「僕の苦労は何だったんだろう・・・・・」

ポケットから鍵がぽとりと落ちる
彼の頑張りは水泡に帰した

数分後

「もう・・・・お嫁に行けへん」
(行く気だったんだ)
乱れた衣服でさめざめと泣くきもんげに上着をかけてやる

「ところで何があった? 父さんたちも丁度今来たばかりなんだ」
「えーーと・・・」

話しがややこしくなると嫌だったのでクイーンありすのことは話さず、きもんげのことだけ話した

「ならボブが引き取ればいいんじゃないか? きもんげを」
「え、そんなんでいいの?」

父の出した答えはやけにあっさりしたものだった
「所員と話してみないとなんとも言えんが、それが一番手っ取り早いだろ。別に人に噛み付いて傷害を起こしたわけでもないし」




それから数日後

「お前どっかの懸賞に応募したか?」
リビングのソファでゆっくりふらんと密着して昼寝をする彼に父が尋ねた
「・・・・・」
「起きろ馬鹿ップルの雄の方」
「ん~~」
目を擦り父を見ると、大きなダンボールを抱えていた
「いや。そんなハガキ書いてないけど?」
何かに反応してふらんも目が覚める
「あまあまのにおいがする・・・」
ダンボールに目をやる
封を切る、中身は全て【餡子ぎっしり、ゆっくり温泉饅頭】だった
(ああ、そういえばそんな約束してたな。てっきり無効になったのかと思った)
きもんげの律儀さに驚く。これなら二度と不正をして保健所送りになることは無いだろう

ちなみにあのクイーンありすは処分されず、どこかの研究所に送られたらしい
携帯電話は落し物として次の日郵送してもらった

「あけていいか、これ?」
ゆっくりふらんがパッケージを凝視している
「うん。いいよ」
「一袋あけただけで、凄い餡子臭いんだが?」
むせ返るような甘味臭に父は鼻を摘む、しかしふたりにはそれはいい匂いに感じられた


包みを開ける際、突き指した箇所に痛みを感じた
クイーンありすとの出来事を思い出す。大型ゆっくりを退けた代償が中指の突き指だけだという事実を
(なんか、自分が人間としてどんどん取り返しのつかない方向に向かっているような気がしてきた・・・)
人間とゆっくりの中間生物である彼の悩みは尽きない


「そういえばあのきもんげ『ゆっくりの性産業で一山当てたる!』っと言ってボブの元を出て。同好会のレイプ研究所にいるそうだ」
「なんだよレイプ研究所って? きもんげの今後よりもそっちの方が気になるんだけど。あ、そうだ」
「なんだ?」
「今朝ゴミ捨て場で主任さんに会った時、色々話しておいたから」

この日、届いたお菓子のいくつか持って、父とボブは主任の家に謝りに行かされた

fin

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最終更新:2009年02月14日 03:49
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