ゆっくりいじめ系1996 育児放棄?そんなもんじゃないんだぜ!! 前編

序盤は虐待少ないです
ゲスまりさ注意
そんなまりさを制裁もの
子ゆっくりは……少し虐待
お兄さんの活躍が少し足りない
ストレスマッハ注意
ストレスを解消しきれない可能性あり

それでも構わないという方はどうぞ下へ





育児放棄? そんなもんじゃないんだぜ!!







雪も解けた春先。
ゆっくりゆうかとリリーホワイトが遊ぶ庭先で、一人のお兄さんがくつろいでいた。

「ああ、春だ…。春はいい。ゆっくりがまた顔を出す季節だ」

ゆっくりゆうかが種を植えた場所を教え、リリーが花を咲かせる。
そんなほのぼのした光景を眺めながら、お兄さんはお茶菓子にしていたゆっくりれいむの頭を齧る。
ゆっ、と小さな悲鳴をあげて絶命するれいむ。それを見て悲鳴を上げる他のお茶受けれいむたち。

「それにしても、実にゆっくりした光景だ……。いいね、春」

ゆっくりできなぃいいいい! と横に置いてあったお茶受けどもが何か叫ぶが、煩いので全てに爪楊枝を突き刺して黙らせる。

「さて、それじゃそろそろ趣味の時間に移りますか……」

右手には虐待お兄さんの必須アイテム透明な箱。
お兄さんは余った餡子を全てゆうかに食べていいと言い残し、自分の畑へと足を向けた。
それは、確固たる目的のため。彼自身が冬の間待ち望んだ考えるだけで楽しい計画のためである。




そして畑。


「ゆっくりだせええええ!! 早くまりさをここから出すんだぜええええええ!!!」
「ゆえーん、おきゃーしゃんおなきゃしゅいたー」
「にゃんで、おやしゃいしゃんちゃべりゃりぇにゃいにょおおおお?」
「ゆえーんゆえーん!」

そこは青年が趣味の為に所有している畑。
春キャベツなど雪解け早々に収穫のできる野菜を中心に育てている。
全ては山から畑荒らしを目的にするゆっくりを誘い出すためだ。
何のためか? 決まっている。ヒャア、虐待だ!!
そして案の定、畑にしかけた罠の籠には十匹ほどのゆっくりまりさ一家が捕まっていた。

「よう、まりさ。随分大勢で来たじゃないか?」

待ちに待ったこの瞬間、お兄さんは口を三日月に開いて話しかけた。
はてさて、今回の獲物はゲスか善良なゆっくりか。

「ゆっ! じじいがまりさたちをここにとじこめたんだぜ!? はやくだすんだぜええ!!」

望み通り獲物はゲス。お兄さんは心の中でガッツポーズをとった。
今回はゲスだからこそできる虐待である。
とはいえ、そもそも畑を荒らす時点でゲス決定なのだが……。

「にんげんしゃんはゆっきゅりできにゃいよ!」
「ゆっきゅりにげりゅよ!」
「ゆっきゅりできにゃいにんげんしゃんはちね!」
「これも、にんげんしゃんのわにゃにゃんだにぇ?」(これも人間さんの罠なんだね?)
「ちね! ちね!」

そして、口の悪い赤ゆども。
家族総出で籠に体当たりしてお兄さんを罵るが、生憎箱は加工場の特別性なのでビクともしない。
この箱。仕掛けは半透明で、入り口だけがすっきりと見えるようになっている。
餡子脳でも最初は警戒するが、中にある餌を見つければ警戒心を解いてすぐ様飛び込んでくるのだ。
餌に食いつくと入り口が閉まるという仕組みである。
また返しが付いているので、外からでないと開けられないようになっている。
残念だったね。そういいだしたのを抑えてお兄さんは笑みを深めた。

「ふふ、まあそう焦るなよ。ゆっくりしていって……ね!」

ね! の部分で思いっきり箱を蹴り飛ばす。
足の裏で押し出すような蹴りなので、自身に籠を蹴った衝撃は来ない。

「「「「「ゆぎゃあああああああああああ!?」」」」」

一家全員が悲鳴をあげて籠ごと転がっていく。
数メートル先で止まると、突然の衝撃に赤ゆたちが騒ぎだす。

「ゆえーん! きょわいよ! ゆっきゅりできにゃいよ!」
「ゆぐっぷ……、えれえれえれえれ……」
「おきゃーしゃんにゃんちょかしちぇね!!」(お母さん何とかしてね)
「はやきゅゆっきゅりしゃしぇちぇええええ!!」(早くゆっくりさせてええ!)

これでいい。餡子を吐いたり恐怖に泣きわめく赤ゆの反応を見てお兄さんはひとり頷く。
赤ゆはこの時点で自分たちでは敵わないと知ったはずだ。
そうすると、子供たちの視線は自然と親に向かうだろう。
あとは親がこちらの望む行動をとってくれるかということだけだ。
そして予想通り、赤ゆは母に今の状況を何とかしてくれと必死に声を上げ始めた。
対して親のまりさは、自らの子供を一瞥しただけ。
すぐさまお兄さんの方へ向き直ると、精一杯の媚た笑みを浮かべて言った。

「ゆっ! まりさがわるかったんだぜ! あかちゃんをぜんぶあげるからゆるしてほしいんだぜ!」
「「「「「「「ゆ゛っ!!!???」」」」」」
「あかちゃんたちが、おやさいさんをたべたいってかってにきちゃったんだぜ!」

計画通り。
ここまで予想した通りだと少しつまらないが、それでも無駄に時間を使うよりはいい。
お兄さんは黙ってまりさを見つめる。

「まりさのあかちゃんはゆっくりできるんだぜ! たべてもおいしいし、どれいにしてもいいんだぜ!」

ちょ、おい、ここまで言うか?
さすがのお兄さんも呆れるが、それよりも驚いたのは赤ゆたちだ。

「おきゃーしゃんにゃにをゆっちぇりゅにょ!?」(お母さん何を言ってるの!?)
「まりしゃはきょんにゃにきゃわいいんだじぇ!?」(まりさはこんなに可愛いんだぜ!?)
「みゃみゃー、みゃみゃああああ!!」
「うるさいよ!!!!」

生まれた時、とてもゆっくりした笑顔で喜んでくれた母。
自分たちに優しく、とてもゆっくりさせてくれると信じていた。
ここに来るまで、疲れた自分たちを口に入れて運んでくれた。
人間を倒して美味しい野菜を食べさせてくれると思っていた。
その母が、今何て? 生まれて初めて怒鳴られたショックで赤ゆたちは目を見開く。

「まりさはゆっくりにげるよ! あかちゃんたちは、まりさのかわりだよ!」
「いいのか、せっかくの赤ちゃんだろ?」
「あかちゃんなんていくらでもかわりができるよ! でもまりさはひとりなんだよ!」

お兄さんが困った表情で親まりさに質問する。もちろん演技である。
赤ゆたちも、今のは何かの間違いだろう。すぐに訂正してくれるはずだ。そう信じて母を見上げる。
しかし答えは同じ。さらに代わりはいくらでも利くとまで言われ、赤まりさたちは茫然自失で固まった。

「それなら貰おうか。どうせ要らない子なんだろ?」
「じゃあきまりだね! おにいさんはやくだしてね!」

その様子を見ていたお兄さんは、自分の太ももを思い切り抓って笑うのをこらえている。
それに気付けないまりさは、いまだ放心状態で動かない赤ん坊たちを隅に押しのけると、入口に這って移動し始めた。

「みゃ、みゃみゃああああああ!!!」
「みゃっちぇ、しゅちぇにぇいでえええええ!!」(待って、捨てないでえええ!!)
「いいきょににゃりゅかりゃああああ!!」(いい子になるからああ!!)

何匹かの赤まりさたちはすぐに母親の下へ跳ねて捨てないでと懇願するが、振り返ったまりさはすでに母の顔を捨てていた。

「まりさは、もうおまえたちのままじゃないんだよ! そんなこともわからないの? ばかなの? しぬの?」
「「「「「ゆああああああああああん!!」」」」」

どうやらこのまりさ。子供は自分の中で一番低いとこに位置するらしい。
おそらく、今までもこんな風に取引材料にしてきたのだろう。

「仕方無い、約束だ。畑に入ったことは許してやるよ」

お兄さんは開くための突起を押して箱を少しだけ開ける。

「ゆっくりにげるよ! じゃあ、じじいとあかちゃんはゆっくりしんでね!」
「おきゃーしゃんまっちぇえええええええ!!!」

まだ箱から出していないというのに、早々と悪態をつくゲスまりさ。
もう親はやめたというし、ゲスでいいだろうとお兄さんは考える。
それでも母親を信じたいのか、一匹の赤まりさが追いかけてくる。
ぶつかるようにまりさに触れると、涙を流して顔を擦りつけ始めた。

「しゅーりしゅーりしちぇね! まりしゃたちをしゅちぇにゃいでね!?」

意外にもこの赤まりさ、自分だけでなく他の姉妹の事も考えている。
だが、どうやら鳶が鷹を生んだだけのようだ。
何度も泣き喚く子供に限界が来たのか、まりさは目を剥いて自分に近づいてきた赤まりさに振り返る。
そのままの勢いで赤まりさの頭を咥えると、何度も箱の壁に叩きつけた。

「ゆぎゃ! ゆびぇ!? やびぇ!? ぎゅぁぶ!?」
「いいかげんにうるさいんだよ! だまって、しね! しね!」
「おきゃーしゃん、おにぇーちゃんをはにゃしちぇええええ!!」
「ゆっきゅりじぇきにゃいみゃみゃはしにぇええええ!!」(ゆっくりできないママは死ねええ!)

今度は叩きつけられる姉の姿に悲鳴を上げる赤まりさたち。
見せしめなのか、ぐったりした赤まりさをぺっと姉妹の目の前に吐き出すと、ゲスまりさはゲラゲラと笑い始める。

「おきゃーさんってだれ? みゃみゃってだれ?」
「「「「ゆああああああああ!!」」」」

お兄さんはまだ何もしていないのだが、すでに親子関係というものは崩壊しきっていた。
もしかすると、まりさとしては丁度いい子捨ての言い訳だったのかもしれない。
それにしてもこのまりさ、いいゲスっぷりである。
本当はまりさが子供を捨てた時点で口八丁を使い親子関係を壊す予定だったのだが、その手間すら省いてくれた。
とはいえこれ以上入れておくと、赤ゆたちが全部潰されてしまうかもしれない。
ひとまずお兄さんはゲスまりさを取り出すために頭を掴む。

「クズなゆっくりはずっとそこでゆっくりすればいいんだぜ!!」

そうしてゲラゲラと笑い続けるまりさを、お兄さんは土の上に置いてある透明な箱にぶち込んだ。

「ゆっ!?」

もう逃げられる。すっかりその気になっていたまりさは、自分がされた事が理解できなかった。

「まりさ、お前この箱の中にあった野菜はどうした?」

お兄さんが指をさしたのは、先ほどまでまりさが閉じ込められていた箱。
たしか、箱の中にはにんじんや大根を入れていたはずである。

「ゆ、おやさいさんおいしかったんだぜ! おにいさんもっとくれるならたべてあげるんだぜ!!」
「ああ、食べちゃったんだ? まりさが?」

お兄さんは確認するようにまりさを見下ろす。

「いちいちうるさいんだぜ! はやくまりささまをここからだすんだぜ!!」
「ああ、ダメ。無理」
「ゆがっ!?」

あっさりと却下され、まりさは言葉を失った。
何故だ。自分の子をあげたのだから、許してくれるんじゃないのか!?
自分の命令を断られたことに、すぐさま激昂して箱の中で暴れ始める。

「ゆがあああ!! だせっ!! はやくここからだせええええええ!!」
「あーあ、こんなにぐしゃぐしゃになっちゃって……。治してあげようか?」

対するお兄さんはまりさを無視して、先ほどまで散々痛めつけられた赤まりさの方を診ている。

「おにーしゃん、なおしぇるひちょ?」
「はやくおねーちゃんをたしゅけちぇね!」
「ゆっきゅりしにゃいでなおしちぇね!!」
「いいけど、お兄さんの言うこと聞いてくれるならだよ?」

たしかに口は悪い赤ゆっくりだが、根はまともなのかもしれない。
お兄さんは赤ゆたちが姉を虐待していたゲスまりさに立ち向かった時のことを思い出しながら、そう切り出した。
最初はこちらの狙いがわからずに不安な表情をしていた赤まりさたちだったが、そのうちの一匹が前に出てきて声を上げた。

「おにーしゃん、じょうけんっちぇにゃに?」
「なに、簡単さ。うちのゆうかからお野菜さんの勉強をしてもらう」
「どういうきょちょ?」
「お野菜さんがどうして生えるのか。それを知ってもらうんだよ」
「ゆぅ……」

お野菜さんは勝手に生えるもの。そう信じていた赤まりさたちには、お兄さんの言葉の意味を理解しきれなかった。
もしかしたら、ゆっくりできないかもしれない。そう考える赤まりさもいた。
しかし、苦しげに唸る姉の姿を見て決心したらしく、赤まりさたちは顔を見合わせると大きくうなずいた。

「ゆっきゅりりきゃいしちゃよ! だきゃらなおしちぇね!!」
「よし、わかった。じゃあ全員うちにおいで」

一家を捕まえるだけあって大きな箱だが、それを畑の隅に置いてあった手押し車に乗せて固定する。
そして、箱が落ちないように確認すると、お兄さんはずっと箱の中で騒ぎ立てていたまりさの方へ近づいていく。

「だせ! はやくだせじじいいいいいい!!」
「まりさ。お前少し黙れ」

近づくや否や、じじいと叫ぶまりさの箱をお兄さんは全力で蹴り飛ばす。

「ゆがあああああ!?」

箱の中に入れているので直接体にダメージが行くことはないが、それでも衝撃は直に届いたらしい。
一家用のものと違い、こちらは直径50cm程の箱だ。蹴れば先ほど以上に揺れるのは当然である。

「なんで……、なんであがちゃんあげたのにぃぃぃ……」

代価は支払った。だから自分は許されたはずだ。そうまりさの眼は語っていた。

「ああ、畑に入ったのは許してあげる。でも、まりさは野菜食べたんでしょ? あの箱の中の」
「ゆ……?」

ガスッ ガッ ゴッ ドカッ ガッ ゲシッ ミキッ

「ゆぎっ!? ゆあっ!? ひぎっ!? ゆぇっ!? ゆぎゃっ!? いいゅ!?」
「ねえ、あの、箱の、中の、野菜、食べちゃったよ、ね?」

一区切りごとに、箱を砕く勢いで何度も踏みつける。
無論、加工場特製の箱だ。そう簡単には壊れない。
相変わらずいい仕事をしてくれる職員さんたちである。
だがそんなことを知らないまりさは、いつ箱を破って潰されるかもしれないという恐怖に襲われている。

「やべで! やべでぐだざい!! あやばりばずがらづぶざないでぐだざいいい!!」
「お兄さん言ったよね? 畑に入ったことは許してあげるってさ」

箱を蹴りつけることをやめると、まりさが落ち着いたのを見計らってお兄さんはゆっくりと話し出した。

「でもね、まりさ野菜食べたよね。あの箱の中の野菜。僕が育てた野菜を!!」
「………? ………!?」
「野菜を食べた事は許せないなあ」

狭い箱の中でお兄さんの言葉を反芻する。
ようやくその意味を理解すると、まりさは悲鳴を上げて箱を揺らしだした。

「あればあがぢゃんがだべだのおおお!! ばりざばなんにもじらないよおおおおおお!!」
「でもまりさ食べたって言ったよね?」
「いっでない! ぞんなごどいっでないいいいいい!!」

どうやらシラを切りとおすつもりのようだが、そうはさせない。

「正直に話したら、にんじんさんと大根さんをあげるよ。あ、それとリンゴさんもあげよう」
「ゆっ!? ほんど!?」
「ああ、嘘じゃないよ」

お兄さんはにっこりと笑顔でこたえる。
それに安心したのか、まりさはぺらぺらと口を開いて喋り出す。

「にんじんざんもだいごんざんもおいじがっだよ! あがぢゃんのぜいでずぐながっだよ!! もっどだべだいよ!!」
「やっぱ食ったんじゃねえか、このクソ饅頭」
「ゆびゃああああああああああああああああああああああああああああ!?」

サッカボールと同じ扱いで思い切り蹴り飛ばす。
悲鳴の尾を引いて吹っ飛んでいくまりさ。
なに、箱の中だし死にはしないだろう。
お兄さんは赤まりさを治療するために、急ぎ足で車を押して我が家へと向かった。
その心中これから始まるゲスまりさの生活を想像して、何度もはしゃぎたくなったのは秘密である。
さあ、ゲスまりさ。お前の地獄はここからだ。








初書きです
楽しい、けれど難しい。
久方ぶりにSSに挑戦しましたが、文章を短くわかりやすく書くということは、やはり難しい。
他の方とネタは被ってしまうし、書きながら凹んでます。
とはいえ自己満足ですが、書き始めたものは最後まで完成させたいと思っています。

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最終更新:2022年01月31日 03:25
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