ゆっくりいじめ系1848 ゆっくり達の生涯 『冬篭り編』 (後編-2)

 〜ゆっくり達の生涯『冬篭り編』(後編-2)〜


 冬篭りを開始して1ヶ月程が過ぎたある日、今日もメンバーはいつもの様にお家の中の広場へ集まっている。
「ゆゆ? ありすはどうしたんだぜ?」
 いつも目にするありすの姿がなく、まりさは心配そうな表情をしている。
「むきゅぅ・・・ありすがおそいのはめずらしいわね。」
 皆が心配していると、ありすが自分の居住スペースからうつむいたまま顔を出す。
「ゆゆ! ありすおはようなんだぜ。」
「・・・りさ・・・。」
 ありすはうつむいたまま何かをつぶやいている。
「ゆゆ?どうしたのぜ?」
「・・・りさ・・・まりさ・・・。」
 ありすの雰囲気がいつもと違う事に気付いたまりさはそっと近くに擦り寄り顔を覗き込む。
「ありすだいじょうぶなのぜ?」
「・・・まり・・・にげ・・・まりさ・・・・・まりさまりさまりさあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! ! !
 だいすきよまりさあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! ありずのあいをうげどめでえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ! 」
「ゆっぎゃあああああああああああ! ! ! 」
 ありすの顔は紅潮し、唾液が口からだらしなく垂れている。・・・完全な発情である。
 ありすはあっという間にまりさを押さえ込むと体を小刻みに振動させ始める。
「や、やめるんだぜ! ありすやめるんだぜえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛! 」
 まりさは必死に抵抗するが、完全に発情しきったありすの力の前には完全な無力である。
「むきゅー! どうしちゃったのありす! やめるのよ! 」
「まりさがくるしがってるよ! ありすやめて! 」
「だめだよー! だめだよー! やめてあげてー! 」
 周囲のメンバーは必死にありすへ呼びかけるが、その声はもはやありすには届いていなかい。
 髪や頬を噛んで引っ張るがありすの力は予想以上に強くまりさから引き離す事ができない。
 ありすの顔は更に赤みを増し、既に知的なイメージからはかけ離れた表情になっている。
「まりさ! まりさあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! ! いいわよ、いいわあぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! 」
「いやだあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! ずっぎりじだぐないんだぜえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛! 」
 まりさは泣きじゃくりながら必死に抵抗するがもはや悪あがきにすらならない。
 ありすは更に振動を強くしラストスパートに入る。
「んほおぉぉおぉおぉおぉおお! ! ! 」
「いやあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! ! ! 」

 ブスッ!

 突如ありすの動きが静止する。
 体には太い木の枝が突き刺さり貫通していた。
「・・・ま・・・り・・・ざ・・・ご・・・・・・・・・・・。」
 ありすはそのまま動かなくなった。。
「・・・うぅ・・・すまないみょん・・・ゆるしてほしいみょん。」
 そう、木の枝をありすに突き刺したのはみょんであった。
 みょんの瞳からは大粒の涙がこぼれ落ちている。
「・・・ゆ・・・?たすかったのぜ?」
 まだ状況が理解できていないまりさは動かなくなったありすの下から抜け出るとありすの顔を覗き込む。
 ありすの顔は先程の発情して狂った表情ではなく、いつもの知的なかわいらしい顔に戻っていた。
 瞳は閉じられ、とても穏やかな表情であった。
「ありすどうしたんだぜ?もうだいじょ・・・・・ありす?」
 閉じられた瞳、体から突き出た木の枝、それを見たまりさの表情は凍りつく。
 いかに餡子脳と言えどこの状況を見ればありすは既に死んでいる事ぐらいは理解できる。
「あっ! あっ! あっ! ・・・・・ありずう ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ! めをあけるんだぜえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! 」
 まりさの悲痛な叫びがお家の中に木霊する。
 周囲のメンバーは無言でいるが、その瞳からは涙がこぼれ落ちている。
 まりさを助けるためとは言えありすを殺したみょんを誰1匹として責めるゆっくりはいなかった。

 ありすがあの世へ旅立って30分ほどが経った。
 お家の中は今だかつて無い深い沈黙に支配されていた。
「・・・むきゅぅ・・・ありすはなんでおかしくなっちゃったのかしら?」
「「「「ゆゆ! 」」」」
 沈黙を破ったのはぱちゅりーであった。
 ありすは俗に言うレイパーとは違い、とても知的なゆっくりであった。
 今まで発情してメンバーを襲った事など一度も無く、群れの中ではとても都会的な振る舞いをして人気者であった。
「ありすがあんあふうにはつじょうするなんておかしいわ! 」
「そ、そうなんだぜ! ぱちゅりーのいうとおりなんだぜ! 」
「れいむもそうおもうよ! 」
「わかるよー、なにかわけがあるんだよー! 」
「どういみょん。」
 原因を探るためメンバーはありすの居住スペースへ入っていく。

「うわぁ〜とってもゆっくりしてるよ。」
 ありすの部屋を見て最初に言葉を発したのはれいむであった。
 部屋の中は綺麗な小石で装飾されベッドも紅葉だけで丁寧に作られており、ありすがいかに都会的な気質であったか
 をうかがう事ができる。
「ゆゆ! 」
 皆が部屋の綺麗さに目を奪われている中、まりさがベッドの横に転がっているある物を見つける。
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 〜1時間前〜

「きょうもなかなかとかいてきなめざめね。」
 目覚めるとまず初めに髪のセットから始める。
 身なりを気にするあたりさすがは自称都会派である。
「いつみてもとかいてきなきのこだわ♪ 」
 部屋の最も目立つ場所にとてもゆっくりした色と形をしたキノコが置かれている。
 このキノコこそ、秋にありすがぱちゅりーの目を盗んで自分の部屋に持ち込んだキノコである。
「・・・いったいどんなあじなのかしら?」
 インテリアとして使っている事もありそのキノコをありすはまだ一口も食べてはいなかった。
 “一口食べてみたい”その願望は日に日に増しており、既に限界に達していた。
「すこしぐらいたべてもいいわよね?」
 ついにありすは欲望に負け、キノコ目掛けて軽くかぶりつく。

 カプッ!

「なんだかからだがあつく・・・。」
 ありすの意識は深い闇の中へ沈んでいった。
「・・・さ・・・りさ・・・まりさ・・・。」
 何かに捕らわれた様にありすは広場へ向かっていった。
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「ゆゆ! このきのこはきけんなんだぜ! 」
 ベッドの横にはかじりかけのキノコが転がっている。
「このきのこをたべるとすっきししたくなるんだぜ! 」
 そう、このキノコこそ霧雨魔法店特製「幻覚キノコ催眠薬(非売品)」の原料である。
「ぱ、ぱちぇのせいだわ。ぱちぇがちゃんとちぇっくしてたら・・・・・む、むきゅぅ。」
 ぱちゅりーの顔はいつにも増して青ざめ、ついには生クリームを吐き意識失ってしまった。
「ぱ、ぱちゅりー! し、しっかりするんだぜ! 」
「いそいでべっどにはこばないと。」
「いそぐよー! いそぐよー! 」
「みょんがせおうみょん! いそぐんだみょん! 」
 ぱちゅりーはみょんに背負われ、皆その後につきアリスの部屋を後にした。


(どうしてありすをころしたの?)
(し、しかたがなかったんだみょん! )
(どうしてありすをころしたの?)
(まりさをたすけるにはそれしかなかったみょん! )
(どうしてありすをころしたの?)
(みょ! みょみょみょみょお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ん! ゆるじでほじ・・・・・。)

「ゆるじでほじいみょお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ん! ・・・・・ゆめ?・・・かみょん・・・。」
 まだ他のメンバーが寝静まる深夜、みょんは悪夢にうなされて目を覚ました。
 みょん種は非常に責任感が強く、恩義に厚い性格が特徴である。
 とっさの事とは言え、苦楽を共にした仲間を自らの手で殺してしまった事の自責の念に囚われていた。
「・・・ねむるみょん。」


「みょお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ん! どうしてなんだぜ!? なんでなんだぜえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! 」
 翌朝、まりさの悲痛な叫びがお家に木霊する。
 みょんの体には木の枝が突き刺さり、横にはゆっくりにとって命と同等の価値を持つかざりが置かれていた。
 既にみょんに意識はなく傷からは中身のホワイトチョコレートが流れ出し、物言わぬ饅頭となっていた。
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 〜みょんが再び眠りに着いたその後〜

(どうしてありすをころしたの?)
(も、もうこないでほしいみょん。)
(どうしてありすをころしたの?)
(う、うぅ、ゆ、ゆるしてほしいみょん。)
(どうしてありすをころしたの?)
(ゆるじでほじいみょお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ん! もういや・・・・・。 )

「もういやだみょお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ん! ・・・・・また・・・・・ゆめ?・・・かみょん・・・」
 みょんの顔からはいつもの色艶が消え、病弱なぱちゅりーの様な青白い顔色をしている。
「・・・・・・・・・・。」
 みょんは無言のまま飾りを取り地面に置くと壁に立て掛けてある木の枝を口にくわえる。
「みんな、すまないみょん。みょんはもうたえられないみょん。どうぞくごろしのつみはつぐなうみょん! 」
 みょんは木の枝をくわえたまま軽く飛び空中で顔を地面に向ける。
(まりさ、れいむ、ぱちゅりー、ちぇん、さきにいくみょんをゆるしてほしいみょん。)
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「・・・むきゅぅ・・・みょん・・・。」 
「ぱちゅりー! なんでなんだぜ!? どうしてみょんがしんでるんだぜ!? 」
「うぅ、う ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ん! みょんがあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! 」
「わからないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! わからないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」
 まりさ、れいむ、ちぇんの3匹は何故みょんが死んでしまったのか理解できずに苦しんでいる。
「・・・むきゅう・・・みんな・・・みょんはね、きっとありすをころしたことにたえられなくなったのよ。」
「そんなのわかんないんだぜえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! 」
「れいむもわからないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」
「ちぇんもわからない、わからないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」
「む、むきゅう ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ! ぱちぇだってわかりたくないわよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! けほっけほっ! 」
 なまじ頭がいい故にみょんの苦しみを理解してしまったぱちゅりー、そしてその餡子脳故にぱちゅりーの説明すら理
 解できないまりさ、れいむ、ちぇんの悲痛な叫びがお家中に木霊するのであった。


 二度ある事は三度ある、ありすとみょんに襲い掛かった不幸の嵐はまだ過ぎ去ってはいなかった。


「みんなおはようなんだぜ! きょうもゆっくりすごすんだぜ! 」
 ありすとみょんがあの世へ旅立って1ヶ月程が経つある日、まりさを初め単純な餡子脳のメンバーはすっかり立ち直
 っていた。
「むきゅ〜♪ まりさおはよう。ふゆごもりもはんぶんいじょうすぎたわ、がんばるわよ! 」
(むきゅぅ・・・よかったわみんなもうかんぜんにたちなおってるわね・・・。)
 普通の餡子脳とは格が違うぱちゅりーは多少仲間の死を引きずっていたが、今生きているメンバーが元気になった事
 でぱちゅリー自身も励まされ、そして元気を取り戻していた。
「ぱちゅりー、れいむはとってもゆっくりしてるよ! はるさんはまだかな? 」
「わかるよー! ちぇんもはやくおそとであそびたいよー! 」
 死んだ仲間の悲しみから立ち直ったメンバーは皆、春に思いをはせながらゆっくりと過ごすのであった。

 しかし・・・・・。

 パラッ・・・

「むきゅ!?」

 パラパラパラッ!

「むきゅきゅぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ん!?」
「「「???」」」

 パラパラパラパラパラパラパラパラパラ・・・・・・・・・・ドシャーーーン! ! !

「ば、ばりざのおうぢがあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! ! ! 」
「でいぶのゆっくりずぺーずがあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! ! ! 」
「む゛ぎゅう゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛・・・・・けほっ! けほっ! ゆぇ ぇ ぇ ぇ ぇ 。」
「ぢぇんのおうぢがあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! わがらないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」
 ぱちゅりーと今は亡きみょんの居住スペースを残して広場から通じる他のメンバーの居住スペースが崩落してしまっ
 た。
 原因はゆっくりが冬篭り中死亡する大きな原因の一つ、雪の重みによるお家の崩落である。
 ぱちゅりーとみょんの居住スペース及び中央の広場は、ぱちゅりーの厳しい監視の下頑丈に作成された為崩落の危機
 を免れていた。
 しかし、今は亡きありすの発案で思い思いに居住スペースを拡張したまりさ、れいむ、ありす、ちぇんの居住スペー
 スは強度が足らず崩落してしまったのだ。


「・・・・・おなかがすいたんだぜ・・・・・。」
 お家の崩落から2週間、なんとかぱちゅりー、みょんの蓄えた食糧だけで4匹は食いつないでいたが、とうとう食料
 は底をついてしまった。
「むきゅぅ・・・ごめんなさい・・・ぱちぇが・・・ぱちぇがもっとしっかりしてたら・・・むきゅぅ。」
「それはいわないやくそくだよ。れいむはぱちゅりーをせめないよ。」
「わかるよー、わかるよー、ぱちゅりーはわるくないよ。」
 危機的状況に置かれるとゆっくりは仲間割れを良く起こすものである。
 しかし、この様な状況にに置かれてもこの場には誰かを責めるゆっくりは1匹もいなかった。
 メンバーが欠けてしまったとはいえ、この4匹は未だ強い絆で結ばれている事がわかる。

 1週間後、絶食が続いた4匹は痩せ細り、ぱちゅリーに至ってはもう動く事すらままならない状態に陥っていた。
 4匹の顔からは活気が消え、すぐ隣までやって来ている死の恐怖に怯え絶望の表情を浮かべている。
 4匹が押し黙っている中、れいむがその沈黙を破り話し始める。
「まりさ、れいむはまりさのおかげでとってもゆっくりできたよ。いろいろたすけてもらったね。」
「どうしたのぜれいむ?」
 突然のれいむの言葉にまりさは?マークを浮かべている。
「こんなおおきなおうちにすめてれいむはとってもゆっくりすることができたよ。ぱちゅりーのおかげだよ。」
「むきゅぅ・・・ありがとうれいむ。」
 既に危険な状態のぱちゅりーもれいむの言葉に反応し、至らない自分への感謝の言葉を涙を流し受け止める。
「ちぇん、はちのすはとってもゆっくりしたあじだったよ。とってもゆっくりできてれいむしあわせだよ。」
「わかるよー、ちぇんもはちのすはとってもきにいったよー。」
 苦労して得た蜂の巣の事を誉められ、ちぇんは嬉しそうな表情を浮かべている。
 しばしの間れいむは沈黙し、飛び切りの笑顔を作る。
 その時、まりさ、ぱちゅりー、ちぇんはれいむのやろうとしている事にようやく気づくのであった。
 しかし、時既に遅し・・・。 
「みんないままでありがとう! 」
「や、やめるんだぜで・・・。」
「むきゅ!?だだめよで・・・。」
「だめだよー! で・・・。」

「さぁ! おたべなさい! 」
「「「でいぶう ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ! ! ! 」

 パカッ!

 れいむは笑顔のまま真っ二つに割れる。
“さぁ! おたべなさい! ”ゆっくりにとって自らを犠牲にして大切な主人や仲間に食べてもらう時に使う言葉である。
 そして、その行為を施されたゆっくりはたとえ大切な仲間であっても必ず食さなければならない。
 これはゆっくりの餡子に深く刻み込まれている鉄の掟である。
「うぅ、れいむのばかたろうなんだぜえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! ・・・・・む〜しゃ♪ む〜しゃ♪ 」
「ばかよ、れいむはおおばかものよ、むきゅう ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ! ・・・・・む〜しゃ♪ む〜しゃ♪ 」
「そんなことされてもちぇんは・・・わからないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! ・・・・・む〜しゃ♪ む〜しゃ♪ 」
 3匹は涙を流しれいむを罵倒し続けるが、その行為とは対照的においしそうにれいむをどんどん食していく。
 あっという間にれいむの顔は無くなり、10分もしないうちにれいむの姿は跡形も無く消えてしまった。

「「「しあわせ〜♪ 」」」

 3匹は久しぶりに味わった甘味に舌鼓をし、ゆっくりした気持ちで眠りに付く事ができた。


 れいむの栄養満点の餡子を食べ、3匹はなんとか春を迎える事に成功した。
 しかし、冬篭り中にありす、みょん、れいむの尊い命が失われてしまった事は餡子脳の深くに刻み込まれていた。
「むきゅぅ、そろそろいりぐちをあけましょう。」
「わかったんだぜ! 」
「ちぇんもてつだうよー! 」
 3匹は協力し、入り口の素材を次々にどかしていく。
 そして、ついに最後の偽装素材を退かし入り口が完全にぽっかりと口を開ける。

 ピュ〜〜〜

 春の心地よい風がお家の中へ吹き込んでくる。そして・・・・・

「ゆゆ? ここはどこなのぜ?」
 さっきまでお家の中に居たはずなのに気が付くとそこは見た事のお花が一面に咲き誇っていた。
「むきゅう? ぱちぇにもわからないわ。」
 博識なぱちゅりーも何が起こったのかわからずに不安そうな表情を浮かべている。
「きれいなおはなだねー、とってもゆっくりしてるねー。」
 ちぇんはのんきに始めてみるお花に見とれている。
「お、もう春だっていうのに運が悪いな。」
 3匹の目の前には大きな鎌を持った少女がいつの間にか立っていた。
「おねえさんはだれなんだぜ?」
「むきゅぅ、ここはどこなの?」
「おしえてー、おしえてー! 」
 3匹は飛び跳ねて目の前の少女に説明をせがんでいる。
「はぁ、面倒だがしかたないか。」

 ガンッ! ドスッ! ボスッ!

「いっちょあがりっと。」
 あっという間に3匹は鎌で叩かれ気絶させられてしまった。
 少女は3匹をつかむと一瞬で川辺へ移動し舟へ乗り込むと対岸へ向かって舟をこぎ始める。
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 〜お家を開ける3分前〜

 ズンッ! ズンッ! ZUN!

「いやだあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! むごういっでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛! 」
 1匹のゆっくりまりさが何かから必死に逃げている。
 まりさの後ろから大きな丸い物体が飛び跳ねながら迫ってくる。
『ゆっくりくろまく〜! 』
 独特のふとましい声を上げるのはゆっくりれてぃ、冬篭りから目覚めさっそく見つけた獲物を追っている最中である。
 まりさ目掛けてれてぃは大きく跳躍し、地面へ着地したその時! ・・・。

 ドシャーーーン!

「ゆぎゃ! 」
「む゛ぎゅ! 」
「わがら! 」

 地面が陥没し、れてぃの下から何やら悲鳴のようなものが響き渡る。
『???』
 突然起こった事に驚いたれてぃは?マークを浮かべ動きを止める。
 追われていたまりさは運よく逃げ延びる事に成功した。 



 お家から外へ出る直前、まりさ、ぱちゅりー、ちぇんの3匹はれてぃの下敷きとなりあの世へ旅立っていたのだ。
 知らぬ間に他のゆっくりに殺されたり、自ら自爆してその生涯を閉じる事はゆっくりに良くある事である。
 厳しい自然界で生き延びる為にはたくましい生命力だけでなく運も必要不可欠である。
 それがひ弱で餡子脳のゆっくりともなれば運はその生涯を左右するほどの重要な因子である。
 この3匹は運が悪かった、ただそれだけである。
 3匹にその後どのような判決が下されたかは四季・映姫だけが知っている。

 こうして、れいむ、ありす、みょんの3匹は越冬中にその生涯を閉じ、まりさ、ぱちゅりー、ちぇんの3匹は最後の
 最後で不運に見舞われその生涯を閉じたのであった。

 〜ゆっくり達の生涯『冬篭り編』(後編)〜 END


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最終更新:2008年12月31日 19:00
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