ゆっくりいじめ系1682 僕はこうして出会いました

注意
  • 過去作品『僕はこうして育ちました』と『ボブはこうして出会いました』の登場人物が登場
  • レイプネタ有り(ソフト)
  • ゆっくりとの恋愛有り
  • 虐待分薄



父:会社員。課長クラス
 きめぇ丸を妊娠させて出産させた張本人。犯すのは好きだが食べるのは好きではないらしい。会社の中では真人間で通っているから不思議

息子:学生。思春期まっさかり
 ゆっくりと人間のハーフ。体の半分はゆっくりと同じ素材で出来ているが見た目は完全な人間。父曰く「お前は火傷した部分から、クロアッサンの香りがする」
 彼女(ゆっくりふらん)との交際は現在も続いている。ゆっくりに対してはハイスペックな性能を誇る

ボブ:黒人。海外研修生
 スラム育ち。ゆっくりが大好物(二つの意味で)の変態。デカイ










「そういえばこの前、弁護士を名乗る男から『息子さんが女の子を孕ませたからすぐにその治療費を振り込んで欲しい』という電話があった」
「それ振り込め詐欺だね、とうとう家にもかかって来るようになったんだ」
「思わず信じちゃったよ、だから『どこのご家庭のゆっくりですか?』って尋ねたんだが。そこで電話が切れた」
「ふーーん」
(あれ・・・?)
最近、息子の反応が薄い
日曜の午後。親子は昼食をとっている最中だった
今現在。この二人の雰囲気は何故か気まずかった
その気まずさから脱却するために父は口を開く
「ところで最近ぱちぇさんを見ないんだがお前何処行った知らないか?」
「クラスにゆっくりの胴付きが飼いたいけど、お小遣いが足りなくてお店で買えないって子がいたからその子に。委員長やってる子なんだけど」
「ちょっ! おま・・・! なに親の愛人譲渡してるの!? おかしくない??」
(ゆっくりを愛人って呼ぶほうがおかしくない?)

今この親子は喧嘩中だった。喧嘩といっても別段仲が悪くなったわけではない
ただ息子が父を避ける傾向があった


さかのぼること先週の夜

「もう我慢ならん。今日という今日は言わせてもらう」
普段は温厚な父が静かに怒っていた
原因は息子の作る料理にあった
「どうしたら市販のルーで作ったカレーが星の王子様より甘くなるんだ?」
家事は昔からお互いに分担しており、夜帰りの遅い父は料理を息子に任せていた
始めこそインスタントや出前、出来合いのものだったが。最近彼は自炊に挑戦しはじめていた
最初は普通だった。しかし回を重ねるごとに段々と料理の甘さが増してきた
「辛いのは体に毒だよ?」
「甘すぎるのも父さんは体に毒だと思います。主に糖尿病になる」
辛いものを避けて甘いものを好むのはゆっくりの性なのだろうか
「まあ甘いのは一万歩譲って良しとしよう…」
父はカレーにスプーンを差し込んで『あるもの』を拾い上げた
「なんでカレーに『ゆっくりの目玉』が入ってるんだ?」
「肉がなかったから代わりに・・・」
「コレ見つけたときは、糖尿病より先に心臓発作で死ぬかと思ったぞ」
近頃の息子はかなりの頻度で料理にゆっくりを使用する。料理が甘くなる原因はそれだった
冷蔵庫を開けると各部位ごとに切り分けられたゆっくりの体が入っていたり
二階のベランダでゆっくりの干物(?)らしきものがまるで干し柿のように連なりぶら下がっている
使用されるのは主にれいむ種とまりさ種
「ゆっくりなんてその辺で捕まるから家計にも優しいでしょ?」
「『裏山で山菜採ってきたよ』みたいなノリで言うな。それに捕まえて来るにしたって限度があるだろ。一匹もいればお腹一杯だ」
「だって何匹も簡単に捕まるんだよ?」
「それはお前限定だ」
ゆっくりにとって息子はかなりの美男に見えるらしい
そんな魅力的な雄に声を掛けられれば近寄ってこないゆっくりはいないだろう
(そもそもお前も半分はゆっくりなんだから同族殺しになるんじゃ・・・・)
考えの途中で父は思い出した
(そういえば母さんも捕食種か…)
きめぇ丸にとってれいむ種やまりさ種の価値は食料でしかなかった
(考えたら。こいつも昔かられいむやまりさにだけは興味無かったよな)
息子は母の価値観をそのまま引き継いでいた
「まあとにかく。アメリカのキャンディーよりも甘くて、ドイツのチョコより薬品臭いカレーを父さんはカレーとは認めません」
「美味しいのに・・・・」
「それもお前限定だ」
父は二次性徴を迎えてから徐々にゆっくりの特徴を見せ始める息子を密かに心配していた
「お前にはゆっくりレイパーになって欲しいと心から願っているがな」
「願うな」
「このままじゃ本当にゆっくりになってしまうぞ?」
「いやならないから」
「でも実際、どうなるかわかんないだろ。お前違う生き物なんだか、ら…」

言って、しまったと思った
息子の表情が一瞬だけ翳(かげ)った

「すまん…別にそんなつもりじゃ」
「大丈夫、気にしてないから」

―――違う生き物
その言葉が彼の心を静かに削り、抉った

父から自分が人間とゆっくりのハーフと知らされて半年。時間が流れるにつれて彼にその事実を受け入れ始めていた
最初の時のような戸惑いはもう無い。しかしそれは同時に自分が半分人間ではないと認めるのと同義だった
『自分はそういった存在なんだ』と割り切ってはいたが、父のその言葉に大きな疎外感を感じた

「僕もう寝るね。お風呂は朝入るよ」
「あ、ああ…」

その日から親子の気まずい時間は始まった


そんなこんなで1週間が過ぎた
時刻は冒頭。日曜の午後に戻る

「なあいい加減機嫌を直せ」
「別に怒ってないって言ってるだろ」
彼自身、もう父のことを許していた。しかしそのことをなかなか言えないまま今日まで来てしまった
「父さんの余ってるキン消しやるから、な? ほらブロッケンJr とウルフマン」
「タッグトーナメント? そのネタわかりづらいよ。じゃなくて僕は…」
ピンポーン
そんなときインターホンが鳴った
父との話を打ち切り、箸を置いて口元を拭き玄関へ向かう
「はい、どなたで…うわっ!!」
「ハジメマシテ、ボブデス」
玄関の入り口よりも高い身長の黒人が立っていた
「おおボブ、わざわざ家まで来てくれたのか。あとで車で迎えに行こうと思ってたのに」
「ドウモデス。カチョーサン」
シェイクハンドする父と黒人
「どちら様?」
「紹介が遅れた。彼はボブ、会社の海外技術研修生だ」
「ヨロシク」
握手する手がボブの手にスッポリと包まれた
「これから出かけるがお前も来るか?」
「え? ああ…うん」
この日父はボブに市街を観光させる約束をしていた

車は父が運転して、その助手席にはボブ。後部座席に息子が座った

「え? ボブさんまだ二十歳なの!?」
「ははは、凄いだろう?」
「なんで父さんが威張るの?」
和気藹々としながら車は国道を走る
「ムスコクン、ワタシノ、コキョウノ、シャシン、ミル?」
ボブがデジタルカメラを取り出すとそのディスプレイを後の席の息子に見せた
「ボブの故郷?」
スライドショーには落書きだらけの町並みが写っていた
「スラム?」
「ソウデス。トテモ、キケンナ、マチ」
スラム街=貧しい人たちが寄り集まって住んでいる地区
「ボブはその年で結構苦労してるんだぞ」
「そうなんだ…」
陽気そうに見える彼がどんな苦労をしてきたのかを、世界を知らない少年は想像することすらできない
スライド写真の中で馴染みのあるものを見つけた
「ゆっくり?」
「イエァ! ワタシノ、マチノ、キュウセイシュ」
「スラム街はゆっくりが現れて変わったそうだ」
「コノ、シャシン、ミテ」
みすぼらしい格好の子供がれいむを齧っている場面
「ホームレス、タベモノ、フエタ」
繁殖能力が高く、調理しなくても食べられるゆっくりは物乞いの子供や大人にとって大変重宝された
「ゆっくりって美味しい食べ物だよね」
「Yes」
「そうか? 父さんはあんまり好きじゃないぞ」
ディスプレイの映像が切り替わる
「え?」
ゆっくりまりさが一匹だけ写っている
まりさの口はだらりと開き、目は虚ろ。帽子と髪には白濁液が掛かっていた
「コレ、レイプサレタ、マリサ」
「ゆっくりを犯すことで性犯罪も減ったらしいぞ」
「いや、たしかにその事実もすごいけど。これボブが撮ったんだよね?」
「イエア」
その写真は明らかに犯された直後だった
「まりさを犯したのってもしかして…」
「ボブだ」
(ボブも同類かよ…)
顔に手を当てる。落胆の色は以外に大きい
画面が切り替わる
数人の黒人がバスケットをしているところだった
「このボールってもしかして」
黒人が手にしているのはバスケットボールではなく、ゆっくりれいむだった
ボブ曰く。スラム街でゆっくりが死ぬ一番の原因は、食べられることでもレイプされることでもなく。スラムダンクによるショック死らしい
「コドモノコロ、NBAノ、センシュニ、ナリタカッタデス。ダカラ、マイニチ、レンシュウ、シテマシタ」
「父さんは幼い時『パーマン』になりたいって思ってたな。結局リーマンになってしまったが」
「いや、父さんは十分立派な(レイ)パーマンだと思うよ」
(そういえばコイツ幼い時『アンパンマン』になりたいって言ってたな。当時はギャグか本気か正直わからなかった)
地雷になると思ってあえて口に出さなかった


その後、街で有名なスポットを数箇所回る。回り終わった頃には夕方になっていた
店で食事を済まして次に向かったのが市民公園だった
「ここが最後のスポットだ。というかメインスポットだ」
季節は冬。寒さと暗さで、その広さに関わらず人は見当たらない
「こんなところで何するつもり?」
嫌な予感しかしない
「この公園にはゆっくりが沢山生息しています」
「どうせレイプするつもりでしょ?」
車に積んであった大きめのコートを羽織り、寒さで顎を震わせながら父を睨む
「話は最後まで聞きなさい」
咳払いをして話を続ける
「今そのゆっくりの群れは二つの勢力に分かれて激しい縄張り争いをしています」
「それで?」
どうして敬語口調なのかはあえて訊かない
「仲間同士争うことは大変悲しいことです。故に紛争の根絶を掲げる我々ユックリ・レイパーはその対立を止めるべく武力介入します」
「結局レイプするんじゃないか。しかも『我々っ』て僕も混ざってるの?」
「フンソウコンゼツ! フンソウコンゼツ!」
「ボブさん五月蝿い」
ハイテンションのボブをなんとかなだめる
「僕行かないから」
「え〜〜〜ノリ悪いなお前」
「誰がノリノリでゆっくりレイプするんだよ」
「ココニイマス」
「ボブは黙ってろ」
彼はボブに『さん』を付けるのをやめた
「この公園は凄いラインナップだぞ」
父は紙を広げて自分がサーチした情報を読み上げる
「れいむ種にまりさ種はもちろん。ぱちゅりーにちぇん、みょんにめーりん…胴つきも数匹確認されてるし、希少種もいるかもしれないって話だ」
「oh.Fantastic!!」
再びボブが興奮し始める
「それでも行く気が全く起きない」
そもそもゆっくりを犯す気など彼には毛頭無かった
「・・・しょうがない、行こうかボブ」
「ザンネンデス」
「後から来てもお前の分ないからな!」
「無くて良いよ。車で待ってるから」
小さくなっていく二人の背中を見送る



自動販売機でお汁粉を買う。缶で手を温めながら駐車場に戻る
ここである重要なことを思い出した
(しまった。この公園って)
この場所は現在付き合っているゆっくりふらんが根城にしている場所だった
(ふーちゃん(注;彼女の呼び名)が危ない)
あの二人に捕まったらどんな鬼畜なことをされるかわからない
缶をポケットにしまい二人が居るであろう方向へ走った






「ん?」
途中、少し離れた噴水の街灯の近くに誰かが座り込んでいるのが見えた
「誰だろう?」
気になって静かに近づいた
街灯の近くにいたのは自分と同年代の女の子だった。最近になってやっと人間と胴付きの見分けが彼は出来るようになった
女の子の手にはゆっくりめーりんとみょんがいた
二匹の動きがおかしかった。見たところ怪我をしているようだ
「どうかしたんですか?」
だから思わず声をかけてしまった
「私は。ゆ、ゆっくりなんて虐待してません!・・・・・・・て、あんた」
「あれ? 委員長?」
相手は知り合いだった
彼女はクラスの委員長を務めており、胴付きのぱちゅりぃを飼いたいと言っていた子だった
「どうしてあんたがこんな時間にここに居るのよ?」
「委員長こそどうして? それより…」
怪我をした二匹が心配だった。彼はれいむとまりさ以外のゆっくりには基本優しかった
「JAO!! JAO! OOOOOOO!!」
「チンポ!! マラマラマラマラマラマラマラマラマラマラマラマラマラマラマラマラマラマラマラマラマラマラマラマラ」
しきりに二匹が彼に訴える
「な、何言ってるのかしらコイツ等。さ、さっぱりわかんないわよね!?」
焦る彼女とは逆に、彼は神妙な面持ちで二匹に相槌を打った
話を聞き終わり、めーりんとみょんを持ち上げて体を裏返す
二匹の体の裏には釘や木の枝が剣山のように突き刺さっていた
かじかむ指を息で温めながら二匹のそれを取り除いてやる
仕上げに買って来たお汁粉を怪我をした部分にかける
「これでもう大丈夫」
「JAO!! 」
「みょんッ!!」
それぞれ礼を言い、二匹は這いずるような緩やかな動きで草むらの中に戻っていった
彼女はそれををただ呆然と見ていた
「あんたあいつらの言葉わかるの?」
「え? 普通わからない?」
彼女は怪訝な顔をする
「あんた馬鹿? めーりんとみょんの言葉がわかる人間なんているわけないじゃない」
(しまった・・・それ僕だけだ)
このままでは自分は変な奴だと思われてしまうため、上手い言い訳を考える
「見てたんでしょ? 私があいつら虐待してるところ」
「へ?」
「とぼけないで。あんた始めから見てたからあいつらが怪我した場所が分ったんでしょ!?」
(そうなんだ・・・)
二匹からは怪我をした箇所しか教えてもらっていないため、そこまでは知らなかった
「どうして委員長が?」
クラスでも成績はトップ、真面目で明るく、誰の相談にも乗る優しい彼女を知る彼にとってそれは信じられないことだった
「私だってイライラすることもあれば、八つ当たりしたいときもあるの」
大人、友人、同級生。周囲からの期待が重圧となり、無意識のうちに彼女はそれに押さえつけられていた
「ムカつくのよこいつら。揃いも揃って人を小ばかにしたような顔して」
ストレスの発散がゆっくりに向いたのは自然な流れだった
「ねえ。あんたこのコト・・・・」
彼の胸倉を掴む
「もし誰かに言ったら・・・」
ポケットから出した釘を首に突きつける
「言わない。誰にも言わないから」
「本当でしょうね?」

その時、頭上からギシリという音がして街灯の灯りが一瞬だけ揺らいだような気がした

「「!?」」
同時に二人は顔を上げる
けれどそこには何も無かった

しかし何かが居ることは疑いようがなかった

「いっ」
彼は急に腕を引かれて後ろに下がる
自分の腕に何かが組み付いていた
灯りに照らされてようやくその姿がわかる
(ふーちゃん・・・?)
ゆっくりふらんが彼の腕にしがみついていた
「う゛〜〜〜」
牙を剥き出して唸り彼氏を脅していた相手を威嚇する
「なにこいつ? あんたの知り合い?」
「え〜〜〜〜と・・・」
どう答えようかと考えていると、ゆっくりふらんが少女の前まで歩み寄った

直後、濡れたタオルを勢い良く振った時と同じ音がした

「え・・・・・・」
彼女は自分が叩かれたことに気付くのに数秒の時間を有した
「叩かれた…? 私が…? この下膨れの不細工に…?」
ふらんは叩き終わってもなお彼女を睨みつけていた
「何アンタ? さっきのゆっくりの仲間? 仕返しに来たってわけ?」
(あ、なんか都合の良い勘違いしてくれてる)
彼がそう思った後。また先程と同じ音がした
「っ・・」
「お返しよ。馬鹿饅頭モドキ」
今度は彼女がふらんの頬を叩いた
「あの、二人とも? ちょっと落ち着いて・・・」
「黙ってなさい!!」「だまってて」
「はい、すみません」
二つの剣幕で彼は萎縮する以外の選択肢を与えられなかった

向き合う委員長とゆっくりふらん
お互いに肩幅まで足を広げて足元を安定させる

一人と一匹。同時に腕を振り上げた
乾いた音が夜の公園に響いた





        • 何分続けているのだろうか
「あうっ」「あぐ」
まるでテニスのラリーのように、飽きることなくお互いの頬をたたきあう
「う゛ッ!」「がぁ!」
そこには審判もオフィシャルルールも存在しない
「う゛う゛」「くっ!!」
あるのはただ一つ『雌の掟』。それが唯一無二
「んんっ!!」「うぐッ!!」
男には生涯を通して決して理解も共感されない『女の世界』があった

人間対ゆっくりの戦い
手の大きさ、体格、重量、体を構成する物質
全てにおいてこの勝負はゆっくりにとって不利だった

しかしまだゆっくりふらんは立っていた
左頬の皮はずる剥けて、首までデロリとはがれていた
「あんた良いわ。痛みで泣くのグッと堪えてるその顔…凄くゾクゾクする」
恍惚とさせて叩く手を舐める。その姿はなぜか彼は艶やかさを感じていた
彼女の頬は赤く腫れる程度で大したダメージは無かった
「あんた大したもんよ。素直に敬意を払うわ。だからこれで楽にさせてあげる」
ゆっくりふらんは次にでも皮が完全に破けて中身が出るだろう
彼女は手を大きく振りかぶる
「待っ!!」
まずいと思い彼が声を上げた
しかし無情にもその手は振り下ろされた

大の字になって後に倒れこむふらん。しかし乾いた音はしなかった
彼女の手は空中で静止していた
「寸止めよ」
それだけ言って彼女は踵を返した。ふらんは気絶していた
自分の鞄を拾って肩に担ぐ
「委員長」
「ああ、そういえばあんたも居たわね。忘れてたわ。何?」
「いや、その。冷やさないと腫れるから」
彼はついさっき噴水の水で濡らしたハンカチを彼女に差し出した
「幻滅しないの? 私は自分よりも弱いものをいじめて悦に入る最低な人間なのよ?」
「誰にだって人に言えない秘密くらい持ってるよ。それに委員長がそうなった原因にきっと僕たちにもあるから」
「そう・・・・」
彼女はハンカチを受け取った
「あんたって変わってるわね」
「そうかな?・・・・・・・・いや、良く言われるよ」
「やっぱり変ね。あなた」
クスリと笑らわれた
「やっぱり。ぱちゅりぃさんも虐めてるの?」
「流石に人様から貰ったペットにはしないわよ。おちょくる程度に留めてあるわ。『頭悪い』って罵倒してるだけよ」
(不安だなぁ)
普段の営業スマイルに戻った彼女の足取りは軽い
「あの子の頬を最後叩かないでくれてありがとう」
「なんであなたが礼を言うの? それに勘違いしないで、私は自分の手があれの中身で汚れるのが嫌だっただけよ」
「本当に?」
「本当のこといっても男には一生わからないわよ・・・・・・それじゃあ、また明日。学校で。ハンカチは今度返すわ」
「うん。それじゃあ学校で」
彼女はそのまま信号のある方向へ歩いていった

「おい見ろよボブ。あんちきしょう、修羅場から一転。フラグ立てやがったぞ」
「スミニオケネーナ、タイショウ」
背後から二人が戻ってきた
「何時から見てたの?」
「ソンナコトヨリ、コノコ、ヤッチマオーゼ」
ボブはコートのかけられたふらんを指差す
「それは駄目!」
「ボブ。これはどうやら息子専用のようだ。それより今から戻って第二ラウンドと行こうじゃないか。そろそろ逃げ延びたのが戻ってくる時間だ」
「オオ、ジャストミート、フクザワ!」
「意味わかんねーよ」











「う・・・・・」
ゆっくりふらんは目を覚ました
「あ、気がついた」
自分はベンチの上で彼のコートに包まれていた
頬の傷は治りかけていた
「お汁粉飲む?」
新しく買いなおしたものを渡す
「つめたい」
「え。そうかな? 買ったばっかりなのに」
「ちがう。おまえのてが」
「え?」
起き上がり彼にコートを返す
「だめだよ。ふーちゃんその格好だと寒いでしょ?」
「もんだいない」
コートを羽織った彼の懐に潜り込んだ
大きめのコートは二人を包むのに十分な大きさだった
「こうしたらふたりともあたたかい」
「そうだね。ふーちゃんは賢いね」
「それほどでもない・・・・」
コートの中で体を反転させて彼と向き合い、背中に手を回した

「見つめ合〜うとすなぁ↑おにぃ↓♪」
「オシャーベリ♪」
「出来ぃなぁ↑あぁ↑い♪」
「ツナミノヨーナワビィシサニ〜♪」
「I Know..怯えているぅ♪」
「「HOO♪」」

「うるさいよ!! 今めちゃくちゃ大事な話してるから黙ってて!!! さっさと第三ラウウド行って来いよ!!!」

「仕方ない。行くかボブ」
「ガッテン」
「てえゆーか二人とも服着ろよ! 寒くねーのか!!」

二人の姿が消えたのを完全に確認する

話の本題に入る
「ふーちゃんに僕はどんな風に見えるの?」
父親の失言をこの一週間自分なりに考えていた
人間とゆっくりの中間にいる自分はこの先どんな人生を辿るのかを
父をはじめとして、人間には人間として自分は認識されている
ゆっくりからも自分は同族視されている
もしかしたら父が危惧する。ゆっくりとしても人生というのもあるのかもしれない
彼は今、複雑な境界線の上をたゆっていた
「“おまえ”は”おまえ”。いっているいみがわからない」
「そうか・・・・・そうだよね」
彼女の言ったそれが全てのような気がした
「なやむのよくない」
「うん」

―――あなたはまだ若い。存分にモラトリアムなさい。あなただけの道が見つかるはずです

いつか母がそう言ってくれたのを思い出した
自分のような若造がこんなことで悩むのはまだずっと早いのかもしれないと感じた

「自分のやりたいようにやってみるよ」
何かにぶつかるまで
「それがいい」

「あの地〜平〜線♪」
「カ〜ガヤクノワ〜〜〜〜♪」
「どこか〜に君を〜♪」
「カクシテーイルカーラー♪ Wow.Wow♪」

「だから歌うな!! しかもなんだよ『Wow.Wow♪』って!? なに勝手に歌詞変えてるんだよ!! ちょっとその辺ジョギングして来い!! すぐ済むから!!」
「すぐにスんじゃうの?」
「ソーロ? ユーアーソーロ? チチオヤハ、アンナ、テクニシャンナノニ?」
「そういう意味じゃないからっ!! ボブ! お前さっさと帰国しろ!!」

二人が公園の外周を走り出したのを確認する

「これから寒くなるけど、ふーちゃんはどこで寝てるの?」
「むこう」
ふらんが指した先にあるのは公衆トイレだった。その隅っこにダンボールと新聞紙の塊があった
「あの中」
「寒くない?」
「すこし・・・」
「危なくない?」
「わからない」
ああいったものは放火魔の対象になりやすと聞いたことがある
「あのさ・・・もし良かったら・・・」
「?」


「愛に〜気付いてくだ↑さーい↓♪」
「ボクガ ダキシメテア・ゲ・ルー♪」
「夢も 涙も忘れ〜て♪」
「キミヲ」
「求めていた〜♪」

「お前等消えろよ!! 通報してやるから!!」

携帯電話をチラつかせると二人はすごすごと歩いていった

話を戻す
「良かったらさ。家にこない? 寒くないしきっと安全だと思うんだ」
「ちちおやがいる」
以前、父親は彼女を押し倒した前科がある
「大丈夫。指一本触れさせないから。それにあれでも最低限の良識はあると思うから」
「めいわくかからない?」
「掛からないよ」
「じゃあ・・・・・いっしょにくらしたい」
そう言うと彼女はコートの中に顔をすっぽりと隠してしまった
そのため今はどんな表情をしているのかわからない
ただ、今の自分と同じ顔をしてくれていたらいいな。と彼は思った











帰り道の車
ボブはステイ先に降ろした
父が運転席。助手席は無人。後部席には息子。息子の隣にはゆっくりふらん
ふらんは彼にもたれて眠っていた
「そういえばこの前に登山の帰りに『ゆっくりの性感帯が点になって見える』って言ったじゃん」
「それが何?」
父が息子に尋ねる
「それ本当(マジ)か?」
「は? だって父さんが見えるようになるって…」
「感覚でなんとなくわかるようになるって言ったが。点が見えるなんて言った覚えはない」
「・・・」
「それはレイパー自称してる父さんでも正直引くわーー」

父はまたしまったと思った
再び彼に対して地雷を踏んでしまった
ルームミラーを見ると息子が一週間前の息子の表情と同じだった
「わーー! 嘘!嘘だから!! 冗談。イッツアジョーク! 父さん引いてないから。あんだーすたん?」
「ふーちゃんが乗ってなかったら今頃この車ガードレールにぶつかってたよ・・・」
「悪かった。あ、ボブからお前に伝言預かってたんだ」
「ボブが?」
「そもそも今日の街案内はボブがお前に会ってみたいってのが発端で始まったんだぞ」
「そうなんだ」
懐から便箋を取り出して渡す
「その子とお前が一緒に居るときに書いたみたいだ。父さんもまだ読んでない」
「そうなんだ」
紙を開く

『君見てると、なんかゆっくり見てるみたいで、なんか知らないけどムラムラしたよ』

「父さん。ボブって以外に達筆なんだね」
「何が書いてあったんだ? おい? どうして泣いてるんだ? 心配しなくてもボブが帰るのは半年も先だから何時でも会えるぞ」

この日から一週間。息子は父と口を聞かなかった



終わり


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最終更新:2008年12月09日 20:04
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