ゆっくりいじめ系1634 クイズ・ゆっくり答えていってね!

  • 作者名:*作者当てシリーズ



「皆さんこんばんは、クイズ・ゆっくり答えていってね!の時間です」

永遠亭の一室に設けられたセットの中央で一匹の兎が挨拶すると、
観客からささやかな拍手が返される。

宣言を行った兎、司会役の因幡てゐの後ろには、回答席代わりに
木組みの箱が並び、その先には閉まった襖があるだけの簡易な会場がある。
観客席に居るのも十数人の兎達で、座布団の上で正座したり、
体育すわりしたりと思い思いにくつろいでいた。

「それでは、回答者の皆さんを紹介しまーす」

てゐがセットの横にはけ、木箱で出来た回答席の方を向くと
それぞれの箱の奥からゆっくりが顔を覗かせている。
皆一様に不安げな顔をしており、あまりゆっくりした様子ではない。

「まず1匹目はれいむさん、今の心境はいかがですか?」
「ゆゆっ、ここはゆっくりできないよ! ゆっくりかえしてね!」

てゐは一番手前、左端にいるゆっくりれいむにマイク代わりの人参を向ける。
回答席手前の箱はてゐのひざくらいの高さしかなく、その奥には高さを調節する為の
板が重ねてあり、その上に乗ったれいむはてゐを見上げながらじたばたと喚くが
箱の前から逃げることが出来ない。

他のゆっくり達も同様に、台となる板の上から逃げずに怯えているが、
どの個体も足を焼かれたり、傷を負ったりしているわけではなかった。
ゆっくり達の背面側の、板の角2箇所からひもが伸びており、その先についた2つの
洗濯ばさみが後ろ髪の生え際をしっかりとはさんでいる為、痛みに弱いゆっくりは
方向転換すら出来ないのである。

「それでは2匹目のまりささん、意気込みを聞かせて下さい」
「ゆゆーっ!? むししないでね!? れいむをかえしてね!?」

続けて、れいむの隣の席に座るまりさの横に移動し、
必死のお願いをスルーされて涙目で叫ぶれいむを無視しながらまりさに人参を向けると、
まりさは口を真一文字に閉じ、膨れ上がりながらてゐを睨み付けていた。

「なるほど、気合十分ですね! がんばってクイズに答えて下さい」
「ぷひゅるる、ちがうんだぜ! いたいめにあいたくなかったら
 はやくまりさをはな…ゆゆっ、やめてね! たたかないでね!?」

意図を汲んで貰えなかったまりさは、溜め込んだ息を吐き出しながら脅しにかかるが、
てゐが無言で人参を持った手を振り上げるといやいやと首を振る。
貧弱な知能が挑発するような強気な言葉を選んでしまうが、
竹林の巣から連れて来られてこの回答席に座らされるまでの間、
逃げようとする度に振るわれた暴力で抵抗が通用しないことを体が覚えているのだ。

「やめ、やめてねっやめてねやめぎゃっ!!」

脳天に振り下ろされた拳骨が饅頭の頭を凹ませると、まりさは顔の中央を真っ赤にしながら
ぽろぽろと涙を流して震えだし、観客達からどっ、と笑いが起こる。
無視されたことでぶちぶちと不満を漏らしていたれいむも、目の前で繰り広げられた
暴力に青い顔で口をつぐんだ。

「はい、3匹目はみょんさんです」
「ちーんぽ!」
「4人目はぱちゅりーさんです、自信はいかがですか?」
「むきゅ、いつでもじゅんびおっけーだわ」

みょんはまともな会話が成り立たないので、人参を向けることもせず素通りし、
れいむとは反対側の端に居るぱちゅりーに問いかける。
知識に自身のあり、抵抗が無駄なことも知っているぱちゅりーは
落ち着てクイズに対処するつもりのようだ。

「以上、4匹の回答者に拍手!」

再び客席から拍手が送られる中、てゐが司会の定位置となるれいむの横まで戻って
振り返ると、ぱちゅりーの横にある襖が開いて1匹の兎が姿を現す。
アシスタント役となるその兎が抱えた透明な箱には、
回答者と同じ4種類の赤ちゃんが1匹ずつ入っていた。

「ゆゆっ! れいむのあかちゃん!」
「ぺにす! まらちんぽ!」
「まっ、まりさのあかちゃんをそこからだすんだぜ!」

「みゅっ、おしょらをとんでりゅみたい!」
「ゆゆっ、おかーしゃんがいりゅよ!」
「おちんぽ!」

箱の中に自分の赤ちゃんの姿を見た回答者達は騒ぎ出すが、
当の赤ちゃん達は状況がわかっておらず、高い所からの視点に目を輝かせている。
親ぱちゅりーだけは、地面からの遠さに怯える赤ちゃんぱちゅりーを
心配そうにじっと見つめるだけであった。

ゆっくり達の様子を満足そうに眺めると、てゐは回答者に向かってルール説明を始める。

「クイズの優勝者には、自分の赤ちゃんとゆっくりする権利が与えられます」
「「ゆ、ゆゆっ?」」
「ゆ、ゆうしょうしないとどうなるの?」

「優勝したゆっくり以外は、もう二度と赤ちゃんとゆっくり出来ません」
「「ゆゆーっ!?」」
「ぺ、ぺに…!」

まりさも含め、みな母親役として子を産んだ回答者達は、
赤ちゃんとゆっくり出来なくなるという宣告に騒然となった。
子供が連れてこられた時点でこんな展開になると予測していたぱちゅりーさえも、
不安に耐えられずクリームを吐きそうになる。

「む、むきゅ…ぱちぇのあかちゃんはほかにもいたはずよ、
 そのこたちはどうしてるの?」
「ゆゆっ、れいむもあかちゃんいっぱいいるよ?」
「まりさもだぜ! あかちゃんはどうしたのぜ!?」
「ちんぽ! まらぺにすっ?」

「はい、親と種類が違うとわかりにくいので、
 今居る赤ちゃん1匹ずつを残して、他はみんな殺しました」

あっさりとしたてゐの返答に、一瞬思考が停止するゆっくり達。
赤ちゃん達も姉妹の行方は知らなかったらしく、呆然としている。

「む、むぎゅ、ぎゅ、ごぼっ」
と親ぱちゅりーがクリームを吐き出したのをきっかけに、
回答者達も涙を撒き散らしながら騒ぎ出した。

「「どぼじでぞんなごどずるのぉぉぉ!?」」
「どぴゅっ! ま゛らべにずぅぅぅ!!」

わんわんと泣き出した赤ゆっくりの入った箱を床に置き、
アシスタント兎がぱちゅりーの口にクリームを戻す姿を確認すると、
てゐは説明を続行する。

「クイズに正解で1ポイント、先に5ポイント溜めた回答者が優勝です、
 不正解でのポイント減少はありませんが、罰ゲームがあるので注意して下さい」
「ぞんなのじらないよ! れ゛ーむだちをかえじでねぇぇ!」

「先ほども言いましたが、優勝出来なかったらもう子供とは会えません
 親も子もここで死んでもらいます」
「ゆゆっ…ま、まりさはゆうしょうしてゆっくりするんだぜ!」
「まらまら、ちんぽぺにっ」
「れ、れいむも、あかちゃんをまもるよ…!」

自分だけでなく、子供の命まで掛かっていることを教えると
逃げ出すことしか考えていなかった親ゆっくり達も優勝を狙わざるを得なくなった。

「クイズは早押し形式で行われます、答えがわかったら
 回答席の上にあるプレートを持ち上げて、一番早かったゆっくりが
 問題に答えられます」
「むきゅ、このぼうね!」

クリームを戻されて意識の戻ったぱちゅりーが答える。
回答者の前にある箱の上には、菜ばしの先に丸い紙が貼り付けてあるだけの、
簡易なプレートが置いてあった。
ゆっくり達は洗濯ばさみで板から離れられないよう固定されているが、
菜ばしの先を咥えられる程度には余裕がある。

「ゆっくりりかいしたよ!」
「おかーしゃん、がんびゃってにぇ!」

「ゆっくちまりちゃをたしゅけちぇね!」
「もちろんだぜ! ゆうしょうはまりさがいただくんだぜ!」

「まら、ちーんぽ!」
「おちんぽっ!」

「ごほっ、ごほ、おかーしゃん…」
「むきゅ、かならずたすけるから、しんぱいしないでまっててね」

「それでは、早速1問目から始めて行きましょう」

4者4様に決心を固めたところで、てゐはクイズの開始を宣言した。
ごくり、と息を飲み、回答者達もすぐにプレートを咥えられるよう
身を低くして構える。

「第1問、頭部に茎が生えず、胎内で子ゆっくりサイズまで育ててから
 出産する繁殖方法をなんと言う?」
「ゆ……ゆゆっ!?」
「むきゅ…!?」

動物型、胎生型にんっしんっは人間が付けた呼び方で、ゆっくり達は
単に「あかちゃんができた」としか言わない。
野生で生きるゆっくり達には全くわからない問題に固まってしまう回答者達。
どのゆっくりも餡子の中の少ない記憶を必死に探すが
一向に答えが見つからず焦りが募る。

「そろそろタイムアップですよー、10、9、8…」
「ぺ、ぺに…ぺにっ!」

てゐが始めたカウントに急かされたのか、みょんが力強くプレートを掲げると、
他の回答者達は先を越されたと焦るような顔でみょんを見つめた。
これで正解したらみょんの優勝、ひいては自分と子供の死に一歩近づいてしまう。

透明な箱の中の赤ちゃんみょんは母の雄姿に目を輝かせ、
びっきゅまりゃぺにちゅ!と賞賛の声を送った。

当のみょんは答えを知らないままプレートを上げてしまったが、こうなった以上
回答しなくてはならないと、発言するために一旦プレートを席の上に戻し、
一度息を整えてから当てずっぽうに言葉を並べる。

「ち…ちんぽこ、ぺにちんぽ!」

「…ざんねーん、不正解!」
「ど、どぴゅうっ!?」

みょんの珍回答に観客から笑いが上がり、他のゆっくり達も
ライバルの不正解にほっと胸を撫で下ろす。

「それでは、不正解のみょんさん親子にはペナルティが与えられます、
 今回のペナルティは『げんこつ』でーす!」
「ぺ、ぺにっ…!?」

てゐからの罰ゲーム宣言を聞いたみょんは目を見開いて叫びを上げた。
ペナルティがあるとは知らされていたが、赤ちゃんまで受けるとは聞いていない。
先ほどまりさがうけたげんこつも、成体ゆっくりなら耐えられるが
赤ちゃんゆっくりが受ければ確実に潰れてしまう威力である。

アシスタントは箱の中で落胆している赤ちゃんみょんを掴み上げると
親みょんの頭の上に乗せる。

「ぺににっ?」
「ちんぽっ、もっこりちんぽこっ!!」
「ま、まりゃっ、まりゃまりゃ…」

親みょんは頭上にいる赤ちゃんみょんを見上げ逃げるように叫ぶが、
成体ゆっくりの頭の上は赤ちゃんゆっくりにとってそれなりの高さである。
赤ちゃんみょんが動けずおたついている間にアシスタントが壁に固定された
ロープを外すと、天井から『げんこつ』が振ってきた。

「どぴゅううっ!!?」

天井から落ちてきた物体、軍手の中に分銅を入れた『げんこつ』は
断末魔を上げる暇も与えず赤ちゃんみょんを潰し、そのまま親みょんの脳天を破って
底面の皮まで到達する。

「「ゆ…ゆわ゛あ゛あぁぁぁぁぁ!!!」」
「やぢゃぁぁぁ! おうぢがえりゅ! おうぢきゃえちでにぇええ!?」
「む、むぎゅう、ごぼっ」

目の前でみょん親子の死を見せ付けられたゆっくり一同は涙を撒き散らしながら叫び、
ぱちゅりーは再びクリームを吐き出してしまう。
ゆっくり達の壮絶な叫びに観客からはどっ、わはは、と笑いが起こり、
盛大に拍手が送られた。

「はい、みょんさんは罰ゲームで死んでしまったので、
 リタイアになりました!」
「もうやめでねぇぇ!? ゆっぐりざぜでぇぇ!」

「それでは次の問題」
「どうぢでぎいでぐれ゛な゛いのぉぉぉぉ!?」
「ゆゆっ、こたえないとゆっくりできないんだぜ…」

アシスタントがぱちゅりーのクリームを戻すが、てゐは回復を待たずに
2問目を読み上げ始める。
ぱちゅりーが動けず、れいむが泣き喚いている今が
何とか正解してポイントを稼ぐチャンスと、まりさは身構えていた。

「ゆっくり達がゆっくり出来る理想的な場所のことを…」
「ゆっ、わかるんだぜ!」

答えがわかる問題が来たことで、ここぞとばかりにプレートを掲げるまりさ。
泣き喚いて身構えていなかったれいむも慌ててプレートを上げようとするが、
咥え損ねて回答席の下に落としてしまう。

「ゆ、ゆゆぅっ! ぷれーとさんゆっくりしてねぇっ!」
「はい、ではまりささん」

「ゆっ、かんたんなんだぜ! こたえはゆっくりぷれいすだぜ!」
「…はい、不正解!」
「「ゆゆっ!!?」」

まりさだけでなく、れいむも答えの予想が外れたことに驚きの声を上げ、
正解が掛かっているまりさはじたばたと地団駄を踏みながら抗議する。

「ゆっ、そんなのうそなんだぜ! まりさはまちがってないんだぜ!!」
「問題には続きがあります、ゆっくり聞いてね!」
「ゆ…ゆうっ!?」
「ゆっくり達がゆっくり出来る理想的な場所のことを、ゆっくりぷれいすと言いますが
 …ゆっくり達が怖がる場所といえばなんでしょう? 答えは加工場でした!
 まりささんと赤ちゃんまりさは罰ゲームでーす!」

観客席から歓声と拍手が上がり、アシスタントは箱の中で逃げる赤ちゃんまりさを捕まえると
親まりさの元に連れてくる。

「みゅみゅーっ、どーちてまちがえちゃうの!? おきゃーしゃんのばきゃぁぁ!!」
「ゆ、ゆゆぅっ!! ずるいんだぜ! こんなもんだいむこうだぜ!」
「正当な引っ掛け問題だよ! 今回の罰ゲームは『風船』です」
「やっ、やめるんだぜ! あかちゃんはゆるすんだぜっ!!」
「やめちぇにぇ! おきゃーしゃんたしゅけてにぇぇぇ!?」

アシスタントが先に萎んだ風船の付いたものと付いていないもの、
2本のチューブを親子に近づけると、親まりさは赤ちゃんまりさをかばうように前に出ようとするが、
髪の生え際をはさんだ洗濯ばさみに皮を引っ張られ動きが止まってしまう。

「ゆぎぃっ!? あ、あかちゃんにげるんだぜ! にげてねぇぇ!!」
「みゅ、みゅうう! ゆっくちにげりゅよ! みゅびゅっ!?」
「あ、あかちゃ、ゆげえっ!?」

親まりさの髪の中から這い出て来た赤ちゃんまりさの口に萎んだ風船が押し込まれ、
その様子に悲鳴を上げた親まりさの頭にも残ったチューブが突き刺される。
2本のチューブの先にはそれぞれ足踏みタイプの空気入れが付いており、アシスタントは
両手で空気入れを操作しまりさ親子へ同時に空気を送り始めた。

「み゛ゅ、み゛ゅみ゛ゅみ゛ゅぅ~~っっ」
「ゆ゛ぎっ、ゆ゛っぐりやべべべ、ゆっぐ! ゆ゛っぎぎぎぎぎ!」

赤ちゃんまりさの口内で風船が膨らみ口を限界まで開かされ、
親まりさは体内に直接空気を送られて皮がぱんぱんに張るが、
それでも空気の注入は止まらない。

「み゛ゅみ゛ゅ……み゛っ!」
「ゆぎぎぎ…ゆ゛ぃばっ!!」
「まっ、まりじゃぁぁぁぁ!?」
「む、むきゅぅぅぅん!!」

限界に達した赤ちゃんまりさは口を境に真っ二つに裂け、
親まりさは顔全体が破裂し、共に即死してしまう。


「続いての問題でーす」
「も、もうやめでね!? れいむはどうなってもいいから、
 あかちゃんはかえしてあげでね!?」
「むきゅ、ぱちぇからもおねがいするわ!
 あかちゃんだけはたすけてあげて!」

クリームを戻して再び回復したぱちゅりーとれいむは、
自分を犠牲にしてでもと中止を懇願する。

「ここでやめたら、優勝者無しで全員死んでもらいますよー」
「ゆ、ゆゆぅっ!? おねがいだから゛ゆるじでぇぇぇ!!」

あっさりと断られ絶叫を上げるれいむと言葉を失うぱちゅりー、
その様子に客席からも笑いが上がり、クイズは続行された。

「ゆっくりが乗って移動する、長方形の板に4つの車輪が付いた物体の事をなんと言うでしょう」
「むきゅ、わかるわ!」
「ゆゆっ、れいむもわか…なんでぷれーとさんとれないのぉぉ!?」

2匹とも答えがわかる問題が出るが、れいむは先ほどの問題でプレートを掴み損ねて
回答席の下に落としてしまっている。洗濯ばさみで自分の乗った板に固定されたれいむは
プレートに向かって舌を伸ばすが全く届かず、その間にぱちゅりーがプレートを上げてしまった。

「はいぱちゅりーさん」
「むきゅ、答えはすぃー、よ!」
「はい正解!」
「ゆ、ゆゆぅぅ!」

観客席から拍手が上がり、アシスタントがぱちゅりーの回答席に正解数を示す
ボールを1個置いたのを見て、れいむは強い焦りを感じていた。
プレートを落としてさえ居なければ、動作の遅いぱちゅりーに早押しで負けるはずがないのに
そのプレートそのものが取れる位置にないのである。

「それでは次の問題、ずばり、今何問目でしょう?」
「むきゅ! いまは、さんもんめよ!」

自信満々にプレートを上げ、答えるぱちゅりーにれいむも悔しそうな顔を上げるが、
沢山の数を数えられないれいむは今が何問目か実際にはわかっていない。

「不正解、今は4問目です! ぱちゅりーさん親子は罰ゲームでーす!」
「む、むきゅ!? ぱ、ぱちぇはみっつしかもんだいをきいてないわ!」
「2問目の時点で、クリームを吐いて気絶してたからね」
「む、むきゅぅぅ!?」
「体が弱くなければ赤ちゃんも死ななかったのに、残念ですねー」

自分のせいで赤ちゃんが死んでしまう、がたがたと震えながら透明な箱の方を見ると
既に赤ちゃんぱちゅりーは居らず、おろおろしている赤ちゃんれいむだけが入っていた。

「む、むきゅ? ぱちぇのあかちゃんは…?」

ぱちゅりーが疑問の声を上げると、開いた襖の先に見える廊下から
湯気の立ち上る手鍋を持ったアシスタントが入ってくる。

「ぱちゅりー親子の罰ゲームは『かまゆで』です、赤ちゃんはもう鍋に入ってますよ」
「むきゅっ!? あかちゃん! あかちゃんはどうなってるの!?」
「それじゃ、自分の目で確かめて下さーい」

アシスタントがぱちゅりーを拘束する洗濯ばさみを外し、
後頭部を掴んで鍋の上まで持ち上げる。
先に入っていると言う赤ちゃんの姿を探そうとするぱちゅりーだったが、
顔面に熱い湯気が当たり目を開くことすら出来ない。

「あぢゅ! あぢゅいわ! あかぢゃんどごにいるの!? へんぢしで!」

湯気を避けようと必死に顔を振りながら、赤ちゃんの声を聞こうと呼びかけるが
全く返事が返ってこない。間をおかず、親ぱちゅりーも鍋の中に落とされ
全身に焼けるような熱さが伝わってきた。

「む゛ぎゃあっ!? あぢゅ! あぢゅ! あぢゅいぃぃ!!」

クリームを吐き出しながらも、鍋から逃げようともがくぱちゅりーだが
熱湯でゆでられた皮の表面では普段のように力を伝えることが出来ず、
程なくしてクリームを溶け出させながら鍋の中に沈んでいった。


「ゆ…ゆが…」
「残った回答者はれいむさん1匹だけですね」

ぱちゅりーの最後をぶるぶると震えながら見つめるれいむにてゐが呼びかけると、
自分1匹だけ、と言う言葉でれいむの中にある考えが浮かぶ。

「ゆっ、ほかのかいとうしゃがいないなら、れいむのゆうしょうだよね!?
 れいむとあかちゃんをゆっくりかえしてね!!」
「おかーしゃん、ゆーしょうちてくりぇてありがちょー!」

てゐに向き直って安心しきった笑顔を見せるれいむに、ぴょんぴょん飛び跳ねながら喜ぶ
赤ちゃんれいむ。だがてゐもアシスタントもれいむ達を解放しにくる様子がない。
一刻も早くこんな場所から離れたいと、親れいむは目を吊り上げて叫ぶ。

「ゆゆっ、どうしたの? はやくれいむたちをかえしてね!」
「だめです、優勝は先に5ポイント集めたゆっくりなので、
 他のゆっくりが全員死んでもまだ優勝じゃありません」
「ゆ!? どうぢでぇぇぇ!?」
「もうやでゃぁ! おうぢがえぢでぇぇぇ!!」

目と口を全開にして叫ぶ親れいむに、赤ちゃんれいむもじたばたと地団駄を踏むが、
てゐは構わず問題を読み上げ始めた。

「第5問、ゆっくり達が出会った時にする、挨拶の言葉は何?」
「ゆ、ゆゆっ! ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!」

帰るには5ポイント取らなくてはいけないと、れいむは涙を流しながらも挨拶の言葉を叫ぶが、
てゐからの返事はない。

「どうしたのっ!? ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!!」
「れいむさん、プレートを上げないと回答権は無いですよー?」
「ゆ、ゆゆぅっ!?」

回答席の下に落ちたプレートを指差しながらの、てゐの返事でプレートの存在を思い出したれいむは、
ずりずりと這ってプレートに近づこうとするが、髪の生え際を洗濯ばさみでつかまれている為
後頭部に感じる痛みで前進を止めてしまう。

「タイムアップになったら罰ゲームですよ、10、9…」
「ゆゆーっ、ゆっふりしへね! ゆっふりしへいっへへ!? ゆっふり!」
「…5、4、3…」
「おかーしゃん! ぎゃんびゃっちぇ! ぎゃんびゃっちぇにぇぇぇ!?」

プレートに向かって届かない舌を伸ばしながら回答を続けるが、カウントダウンは止まらない。
赤ちゃんれいむも必死に応援するが、タイムアップを待たずにアシスタントの手が
赤ちゃんれいむを掴み上げた。

「はいゼロー! ざんねんでしたっ!!」
「ゆゆぅぅぅ!! ゆっぐりぢていっでね! ゆっぐりぢでいっでべぇぇ!!」
「たぢゅげちぇ――!!」

諦めきれずに回答を続けようとする親れいむの頭に連れてきた赤ちゃんれいむを乗せると、
アシスタントは回答席の後ろにある襖を開く。開いた襖の奥から体無しのれみりゃが入り込んでくるが
振り返る事が出来ない親れいむはその姿を見る事ができず、赤ちゃんれいむはれみりゃの事を知らない。

「みゅみゅ? ゆっくりちていっちぇにぇ!」
「ゆゆ? どうしたの?」
「れいむさんの罰ゲームは『れみりゃ』です」
「ゆゆーっ!? れみりゃはやだぁぁぁ!!
 あかちゃんにげてね! あかちゃんにげてねぇぇ!!」

親れいむはじたばたともがきながら叫ぶが、赤ちゃんからの返事が返ってこない。

「ゆゆっ、どうしたの…?」

と頭を傾けて見上げると、ちぎれた赤ちゃんれいむの顔面を咥えて餡子を吸い出す
れみりゃと目が合った。後頭部しか残っていない赤ちゃんれいむは叫び声すら上げる事が出来ず、
上を見る為に傾いた親れいむの頭部からころんと落ちてしまう。

「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛―――っ!!!
 やべでね!! だべな゛いでね゛ぇぇぇぇ!!!」
「うー!」

赤ちゃんれいむでは物足りないれみりゃは、そのまま見上げて来る親れいむの額に噛み付き、
餡子を吸い上げはじめる。

「ゆ゛ゆ゛うぅぅぅっ!!? も、もっど、ゆっぐ…」

見る見るうちに萎んでいく親れいむは、もっとゆっくりしたかった、
と言い切ることも出来ず、餡子が体の外に流れ出していく感触を感じながら意識を失った。
口から親れいむの皮をぶら下げたままのれみりゃを掴んだアシスタントが
襖の奥に消えていくのと同時に、中央へ移動したてゐがクイズの終了を宣言する。

「残念ながら今回は優勝者無しと言う結果に終わりました。
 クイズ・ゆっくり答えていってね! それではまた、次回お会いしましょう!」

観客席に向けててゐがお辞儀をすると、観客達からは盛大な拍手が返された。


おわり。



  • ↓の企画向けです。
作者当てシリーズ作者予想スレ
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最終更新:2008年12月07日 14:52
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