ゆっくりいじめ系312 乙女よ、森はまだ早い

※注意
  • 少女×ゆっくり性的虐待です
  • 名ありのオリキャラが出ます
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 乙女よ、森はまだ早い


 少女の前に不思議な生き物がいる。
「ゆっゆっ♪ ゆーぅ……ゆっくり!」
 赤いリボンのついた、人の頭に良く似た形の生き物だ。大きさは太った猫ぐらい。
たゆたゆとリズミカルに弾みながら、周囲を覗きまわっている。
 ここは少女の自宅、自室だ。特別な場所ではない、と少女自身は思っている。都
下の鉄道沿線、マンションの四階。学習机とベッドとチェスト。
 そこに、場違いな、生首がいる。
 そいつは日本語を話し、意志の疎通ができるようだった。少女と出会ったとき、
言ったのだ。
「ゆっくりしていってね!」
「おねえさんはゆっくりできる人?」
 驚き、うろたえた。
 が、衝動のままにそいつを抱き上げ、戻ってきた。
 森にいたような気がする。だが今は自室だ。肌が鳥肌立つような気味の悪いあの
森の気配は、どこにもない。
 ただ、その生き物だけは、歴然として目の前にいる。
 一通り部屋の中を見回した生き物が、振り返って、自信に満ちた口調で言った。
「新しいゆっくりプレイスにつれてきてくれたんだね! ありがとう!」
 意味がわからなかった。
 わからなかったが、反射的に不愉快になった。
 その生き物はぴょんと跳ねてベッドに登ると、丸い体を縦に二割ほど伸ばした。
「ん~~っ……」
 そしてなんらかの宣言のように言い放った。
「ゆっくり!!!」
 体が元のように丸くなった。そのまま生き物は少女を見つめている。
 勝ち誇り、やり遂げたような顔だった。
 少女は言った。
「おまえ、何?」
「ゆ? れいむだよ! ゆっくり!」
 意味もなく単語を語尾に付け加え、さらにそれだけでは物足りないのか、ベッド
のマットレスにぐりぐりとくぼみを作って、そこにすっぽりと収まって叫んだ。
「ゆっくり! ゆっくりしているよ!」
 見ればわかる。
 状況をまったく理解せずに言わずもがなのことを言うその生き物に対して、少女
の衝動が発作的に高まった。
 歩み寄る。
 手で挟んで持ち上げる。
「ゆっ?」正面からまじまじと見つめる。
 手触りは、食べ物のそれだった。すぐにわかった。饅頭だ。特大の。
 それは好都合だったが、饅頭であろうがなかろうが、同じことをするつもりだっ
た。
 合掌するように、両手に力を込めた。
 れいむと名乗ったそいつが、ぶよんと縦に潰れる。
「ぶゅっ! れいぶはちょっどぐるじいよ! ゆっぐりはなじでね!」
 それはやり方が間違っているよ、とでも言いたげな、親切ごかした台詞。
 衝動が倍増した。
 細腕に力を込めて、少女は圧迫した。れいむがさらに潰れて、縦長のあんぱん型
になる。
 そのゆがんだ顔に、遅すぎる焦りが浮かび始めた。
「ゆ゛っ、ゆ゛っ、でいぶつぶれぢゃうよ゛! だめだがらね!」
 ぐぎゅぅうう、とさらに力を込める。押している部分の皮が薄くなるのがわかる。
 内部の「実」が、にゅるにゅると周辺へ逃げていく。円盤型の周縁部がつやつや
と張り詰める。
 れいむはとうとう、危険を感じ始めたらしかった。
「や゛っ、やべてね! づぶれる、づぶれちゃう! あんごが、漏れ゛ぢゃうがら゛
ね!」
「……見たい」
「ぎゅっ!?」
「漏らしてよ。餡子」
 とうとう、れいむは後戻りのできない死地にいることに気づいたらしかった。
 めちゃくちゃに体をくねらせ、なんとか少女の手から逃げようとする。
「やべっ! だべっ! はなじっ離ぜっ! ゆっぐりずるのっゆっぐりざせでっ!」
 ぶにうううううぎゅっ、と少女は両手を押し切った。
 むちんっ! と皮が断ち切れ、拳と拳がコツリと当たった。
 れいむの左耳から右耳まで、ドーナツのような穴が貫通した。
 それが大きなダメージになったらしかった。れいむは舌を突き出して濁った叫び
を上げた。
「ぶほおおおおおぇ!?」
 ぞぞぞっ、と少女の中に嫌悪が湧き起こった。
 れいむを床に叩きつけ、正座するように両足の膝をどしんと乗せた。「ばぽっ!
!」聞き苦しい叫びとともにれいむは赤黒い泥のようなものを、フローリングにビ
シャッと吐いた。気味の悪いその物質が、さらなる嫌悪を誘った。座布団の綿を整
えるようなしぐさで、少女はぐいぐいとれいむを踏みつけた。
「や゛っ! あんごっ、出てる゛っ! らべっ! れいぶ死んじゃっ! う!」
 瀕死なのはわかる。わかるが、叫びそのものは瀕死とは思えなかった。
 こんなにわかりやすく死んでくれる生き物を、少女は見たことがなかった。
 胸がどきどきと高鳴って、股間が強くうずいた。
「死ぬ? 今?」
「死っ、死ぬじぬじぬ、あっあっ゛あ゛っもう゛っ、じっ、じぬぅぅぅ!」
 もがきながらビチャッ、ブチャッ、と餡子を吐き続ける様子に、少女はたまらな
くなって、両手の手のひらまで使い、そいつの全身に均等に圧力をかけた。
 ぶりりりりゅりゅりゅりゅぅっ
 噴水のように口から餡子を噴き出し、れいむは動かなくなった。
 少女は体を起こした。見下ろせば、フローリングの真ん中を、墜死体のような奇
妙な物体が汚していた。
 白い指先で、餡子をすくい、薄桃の唇にぺろりと含んだ。
 あまいあまい味がした。

 前後の脈絡は一切不明である。
 ただこのセイという少女は、ある日突然幻想郷への道を見つけた。
 自室のフローリングの組み木模様の中に一枚だけ、色違いの小さなパネルがある。
 そこを両足で踏むと、周りが森になった。
 パネルになんらかの因縁があるのかもしれなかったが、それは重要なことではな
かった。
 重要なのはその森にあの「ゆっくり」がたくさん住んでいるということだった。
 ゆっくりはセイをまったく警戒しなかった。二度ほど「お兄さん」かと尋ねられ
たことがあったが、否定すると手もなく信じた。
 一頭で、カップルで、あるいは家族で、やすやすとセイの手の中に飛び込んでき
た。
 赤子の手をひねるよりも簡単だった。
 捕まえたままパネルを踏むと、瞬時に自室へ戻れた。
 そこでは、セイを邪魔するものは誰もいない。
 思う存分、好きな行為に没頭できた。

 好きなのは虐待だった。
 少女はこの冬、受験を控えていた。

「ゆぎぎぎぎやめやめや゛め゛ぢぇ!」
「ちゅっちゅぶれりゅまりさつぶれちゃまばゃっ」
 顔を洗う時のように鉢形にくぼめた両の手のひら。
 そこに十匹ほどのちびを乗せて、力を込めた。
 プチトマトほどのゆっくりたちが、泣きわめきながら縮んでいく。
 押せば押すほど張りつめてツヤを増す。
 みんなこちらを見ている。小さな目に絶望を浮かべて見ている。
 いたいいたいたすけてたすけてと哀願している。
 それを目を皿のようにして見つめながら、一気に手を押し合わせる。
 ぷちぷちぷちぷちちちちっ! といくつもの球体が潰れる。
 ゆ゛ぃぃぃぃぃぃぃっ! という甲高い悲鳴が鼓膜に残る。
 小動物の鳴き声のようだが、動物とは違って、人間に近い意志が感じ取れる。
 理不尽に人生を断たれる生き物たちの絶望がこもっている。
 彼女たちの悲哀を想像する時、セイの胸は張り裂けんばかりに高鳴る。
 下腹部が締め付けられるように切なくうずく。
 べっとりと合わせた手を広げると、薄皮と餡の混ざったべとべとしたものが目に
入る。
 死体に興味はない。ゴミ袋にボトリと落とし、残りをウェットティッシュで拭く。

 大きな一匹を連れ帰った。バスケットボールよりも大きなやつだ。
 金髪の上に黒い帽子をかぶったやつ。なんのつもりか得意げな顔つきが憎らしい。
 床に置くと、もぞもぞと机や椅子の下を覗きながら、我が物顔で論評した。
「ゆっくりできそうだね! なにか、柔らかいものをおいてちょうだいね!」
 その後頭部を、浮かせたかかとで蹴った。
 ドブッ、と重い手応えがして、くるぶしまで足が埋まる。抜いても細長い凹みが
残る。
「ゆぐぁっ!? ま゛っ、ま゛りざをなぐっだのはだれ?」
 狼狽した表情でそいつが振り向くが、もうまともに相手をしてやる気はない。
 はぁはぁと息を荒げながらローソックスを脱ぎ、白桃色の滑らかな素足で、蹴り
つけた。
 だぶっ!
 地団太を踏む、という慣用句のように。
 真上から下に向かって、踏みおろす、踏み潰す、踏みこねる。
 どぶっ、どぼっ、どびっ、でびっ、ごぽっ、だぱっ、だぶっ。
 頬が上気し目が輝く。長髪の愛らしい少女だが、このときの容貌はまるで魔女だ。
 酔っている、感触に酔っている、反応に酔っている。
「やめっ、やべで! まり゛っ、まりざなんにもわるいごど、じでなっ!」
 顔を伏せて身を守ろうとしながら、ずりずりと壁際へ後退するが、それでもまっ
たく防ぎきれていない。そんなゆっくりの様子に、狂おしいほどそそられる。
「おねえざんっ、なんで! おねえ゛べえっ!」
 叫ぶ口にかかとを蹴りこみ、無防備な口内をぐりゅぐりゅと力ずくでかき回した。
柔らかな内皮がたやすく破れ、堅いかかとがぼりゅんと餡に埋まった。
「ばびゃいぼっ!?」
 足の裏に、ほの温かい餡がねろねろと粘りつく。いやらしい、たまらない。少女
はスカートの中に手を突っ込んでショーツをまさぐり始める。
 他の場合では、生き物だろうがただのモノにだろうが、そんな乱暴なしぐさはし
たこともない。ここでだけだ。こいつらにだけだった。それはつまり、この時間が
完全な解放であることを意味した。縛るものはない、縛られてはいけない、何をし
てもいい、悪いこと汚いこといやらしいことでも。
 目を細め指をくわえ性器をまさぐりながら、薄皮の容器と化したまりさの内部を
どちゅどちゅとストンピングして、少女は生まれてはじめての絶頂を覚えた。

「セイ、まだやってるの?」
 母親がノックしてドアを開ける。
「ん、もう少し」
 少女はデスクから髪を揺らしてわずかに振り返る。
「夜型になっちゃうわよ」
 さほど咎めるでもなしに言ってから、母はドアを閉める。
 少女は机に向き直る。袋に入れて破裂しないようにしたちびを、肉料理の下ごし
らえのように、拳でトントンと平たくしている。ビニール越しに無音の悲鳴を堪能
している。
 午前一時半。家族に知られるほど愚かではない。

 ゆっくり潰しとともに知った自慰に、少女は急速に溺れた。
 今夜は黒髪のゆっくり。「わかるわかるよー!」と叫んでいる。
 耳は貸さない。ゆっくりたちの言葉の大半が無意味であることはもう覚えた。
 膝立ちになり、ゆっくりをスカートに収めて股に挟んだ。「わかる゛ゅっ!?」
と悲鳴を上げる。血管の薄く透けた白い太腿で、じわじわと締め付けた。同時に股
間を鼻面に押し付けた。
「わ゛がっ、わ゛がっ、わがらない゛よおぉぉぉ!?」
 悲鳴がもごもごと篭って股間に響く。そうだろうと思う。
 女の子のオナニーに使われるだなんて、想像もしなかっただろうな、と思う。
 座り込み、圧迫していく。体重がかかってぱつんぱつんに張り詰めたゆっくりが、
必死の動きで、もぞもぞびくびくと跳ねる。
「んんんんんんぅぅぅ……!」
 舌を突き出し、鼻から息を抜きながら、一気にグンとのしかかった。
 びゅるるるるぅっ! とゆっくりの口から餡の奔流が走った。ショーツの中心を、
そのなまぬるい濁流が洗った。
「んぐぅ……!」
 人の顔の形をしたものを太腿で思い切り締め付ける。その淫猥さに酔いながら、
少女は背中をびくびくと上下させる。

 あるいは単にバケツ。脱衣場から持ってきた何の変哲もないポリバケツ。
 そこにメロンほどのれいむやまりさやアリスを放りこんで、少し見つめる。
「ゆうっ? せまいよ、もっと広いところがいいよ!」
「ゆっくり! ……ううん、ゆっくりー! ……ううん、ゆっくりできないぜ?」
「ここはとうてい、わたしみたいなとかいはの」
 まだまだ生命が続き愚痴を漏らすことができる、
 と思っているゆっくりたちに向けて手を突っ込む。
 どぶちゅっ、と簡単に破れる。抜き手でも拳でも関係ない、ゆっくりの柔らかさ
は底なしだ。それにどれを選ぶかも関係ない。どれも腰のない軟体動物だ。
「ありずうぅぅぅぅ!?」
「なんでえぇぇぇぇ!?」
 今回はカチューシャ頭を貫いていた。手がクリームに埋まった。アリスのぶるぶ
るとした痙攣が内部から感じ取れる。適当に指をわきわきと動かすと、指の間にカ
スタードが粘りついた。なんとなく誰かに舐められているように感じる。ぼう、と
胸が熱くなる。
 だが今回は後始末の面倒な自慰などしない。
 ただめちゃめちゃにしたいだけだ。
 セイは力任せに手首をぐるぐると回した。ほぼ死んでいるアリスの体と、れいむ・
まりさの体が、どぶどぶと水風船のように抵抗しあう。「なにずるのぉぉぉ!?」
「づぶれぢゃううぅぅ!」と悲鳴が上がる。
 無視する。
 力を込める。
 ただかき回す。米を蒸らすように。
 ぐいっぐいっぐいっぐいっ「やべれっ、ぢょっぶやっれいむどいでどいで、混ざ
るまざっぶっぐ」「やああ゛あ゛まりざこないでっ混ざらないでっぐっ」ぐぶちゅっ、
ぢゅぶりちゅぶりちゅぶり「混ざっでるうぅぅぅぅ」「れいむにまりざのからだが
ぁぁぁ」どにゅるどにゅるどにゅる「あっあ゛りずっ」「ありずだねっごれグリー
ムだがらあ゛りずだねっ!」
 いつまでもだらだらと叫び続けるゆっくりたちに、苛立ちが頂点に達する。手を
固める、速度を倍にする。
 どちゅどちゅどちゅどちゅどちゅ!
 生き物だったものがもがきながら形を失い、ふと気がつくとドロドロの粘体と化
していた。餡と皮とクリームの混ざった白っぽい小豆汁。
 醒める。
 洋菓子とも和菓子ともつかない、ほのかな甘い香りがしている。
 この生き物たちは、これだけグロテスクにできているくせに、完全に死ぬとこん
な心地よいものになってしまう。ただの食材。罪の波風を心に立てない。
 そこにほっとするが、物足りないとも思う。
 三時だが、キッチンで焼いた。
 大判焼きとホットケーキの中間のようなものができ、舌鼓を打った。

 風呂。
 それはさすがに、思いついてすぐには実行できなかった。
 模試で早帰りでき、親が遅くなる日まで、我慢して待った。
 そのために数日前からチェストと押入れに溜めた。登校中、ゆっくりたちの叫び
で親バレしないかと、ドキドキした。幸い乗り切った。
 その日は走って帰ってきて、玄関に念入りに鍵をかけた。それから自室とバスを
往復して、ゆっくりをピストン輸送した。「やっとおそとに出られたよ!」「おね
えさん、れいむたちおなかがすいたよ!」てんで勝手なことを叫ぶゆっくりを、バ
ケツ何杯も風呂に投げ込んだ。
 それから脱いだ。
 ものすごく心臓が波打って、肌がほてった。
 考えてみれば、裸を人目にさらすのは初めてだった。
 見られちゃう。そんなおかしな倒錯まで覚えた。
 そっと風呂場に入ると、空風呂いっぱいのゆっくりたちが、ざわざわもそもそと
動きながら叫んでいた。
 流しに出ていた数匹をぽいぽいと戻してから。見下ろした。柔らかなお菓子生物
たちが、無邪気に聞いてきた。
「おねーさん、ほそくなったね!」
「わかるよー、はだかだよ!」
「おいしいものはまだかな?」
 言ってるところに浴槽の縁をまたいで、仰向けに深々と乗った。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」「ばぶぶぶぶぶびゅびゅぶ!?」
 むちむちむちむちむちっ、と何十匹も背中の下で潰れた。脇の下からあふれたゆっ
くりたちが、ころころと腹に乗ってきた。
「れーむの「まりざの「アリズのがわいい「あかぢゃんがあぁぁぁ!!」
「お゛お゛お゛おねーざん゛何じでるのぉぉぉぉ!?」
 悲鳴を上げて悲嘆するばかりで、何の力もないゆっくりたちが、無性に愛しくて
ぞくぞくした。
 腕を広げて、抱えられるだけ抱えて、力いっぱい抱き潰した。
 ぶちちぶちぷちどぶちゅちゅぶちゅどぶりゅぅぅっ!
 乳房の上でやわらかな菓子玉たちが立て続けに潰れた。悲鳴を上げて逃げようと
するのを、片っぱしからつかまえて潰した。いくつも齧って食べた。あふれた餡や
クリームを体中にぬるぬると塗りこんだ。
 菓子風呂。クリーム浴。しかも泣く。
「い゛や゛ああぁぁぁあぁ!?」
「なにごのひどおぉおおぉぉ!?」
「わからないぃぃ、ぜんっぜんわからないよぉ゛ぉ゛おおぉ!?」
 午前中は極度に集中を保った。模試は全国五百番以内の自信があった。
 その埋め合わせに今はじけた。人間以下の動物になっていた。
 生きたのも死んだのも皮も中身もグチャグチャに混ぜ合わせて、食べながら体中
にすりこんだ。砂糖の甘い匂いでむせ返りそうになった。もちろんオナった。その
日までに見つけていた自分の敏感なところに、くまなく塗りこんでいじり抜いた。
 ぬらつくゆっくりたちは最高のローションだった。

 終わってから汲んで捨てるのに恐ろしく苦労した。

 ずっとゆっくりを使っているうちに、セイに奇妙な自信が芽生えていた。
 自分ほど凶悪な変態はいない、という。
 少女の姿に身をやつした、凶悪な変態であることは間違いなかったが、しかししょ
せん思春期の子供の発想だった。
 真の狂気を知らなかった。
 ある晩、いつものように森へ出た。ゆっくりを探していると人が現れた。
「あら……珍しい。人間の子?」
 青いワンピース姿の、フランス人形のように優雅な娘だった。
 形のいい鼻をくんくんと動かして、くすりと笑った。
「この匂い。なるほど、あなたもなのね」
「え……」
「見所があるわ。いらっしゃい、一緒に楽しみましょう」
 どこからともなく現れた空飛ぶ人形が、セイの両腕をそっとつかんだ。
「シャンハーイ」「ホーラーイ」
 セイは彼女の家に導かれた。

 ――。

 扉を押し開け、よろめきながら走り出してきて、地に手をつき、セイは吐いた。
 餡子とクリームがとめどなくあふれ出した。
 戸口まで出てきた金髪の娘が、うっすらと笑いを浮かべて言った。
「まだまだね」
 セイはとてつもない恐怖に駆られて、転がるように逃げた。
 あんな。
 あんな。
 あんなにも数多くのやり方、私にはとても思いつかなかった。
 針やハサミだけじゃなくて、土やタイルや油にあんな使い方があるなんて。

 あの人、すごい。

 セイは滅多にパネルを踏まなくなった。
 あの家で彼女がしていたことを思い浮かべるだけで、十分だった。



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最終更新:2008年09月14日 05:16
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