ゆっくりいじめ系1582 破壊

「ばかなこはさっさとしんでね」
母れいむに突き飛ばされ、子のゆっくりれいむはビタンと地面に叩きつけられる。
しかし、子れいむは嬉しそうに母れいむに纏わりついき、頬ずりしようとしたり、唄を歌おうとしたり、
母れいむはいよいよ煩わしくなって、もう一度突き飛ばす。今度は岩にぶつかり、子れいむは餡子を酷く吐き出す。
普通ならば、命の危険を感じ、子れいむは例え親であっても逃げ出すだろうが、この子れいむはそれをしない。
正確には『できない』とか『考え付かない』と言った方が正解なのだろう。この子れいむには知能に障害があった。

それにより母れいむの苦労は絶えない。狩りにもまともに出ることができない。
巣にいてと言っても理解せずに出てきてしまう。息を殺し虫を待っても、この子れいむがいつも騒ぎ立てて狩りにならない。
勝手に備蓄の食糧を食べてしまう。母れいむは少ない餌でどうにかやりくりしているというのに子れいむはそれを全く気にしていない。
しかも、悪気があるわけではないのだ。怒られれば謝るし、このように躾をすれば、泣いて許しを請う。
悪気があるわけではなく、その知能の低さから言いつけや約束、常識と言ったことが全く理解できない。
今日も巣の餌を全部食べてしまった。母れいむはついに怒りが頂点に達し、加える暴力は躾の域を超えようとしていた。
岩に叩きつけられた子れいむは力なく、ずるずると地面まで落ちてきて、また母れいむに頬ずりをしようとする。
自分はこうしてもらって嬉しかった。お母さんもこうしてあげれば嬉しいに違いない。
母れいむは何度も何度も子れいむを踏み潰す。ついに子れいむの皮が破れ、餡子が出てきてしまう。

「い、いちゃい・・・いちゃいよ。おかーしゃん」
その言葉に母れいむは一瞬躊躇するが、どのみちこの傷では助からない。
冷酷な事実は母れいむの決心をより一層強いものに変えた。
同時に早く子を痛みから解放してあげたいという優しさ、後ろめたさもあったのかもしれない。
結局この母れいむは子れいむが動かなくなるまで攻撃を加え、動かなくなると泣き続けた。
これで開放された。あのバカな子から。でも、自分は子を殺したダメな母親だ。
喜びなのか後悔なのか、どちらとも付かない涙が頬を伝う。


「では、あの母体は削除でよろしいでしょうか」
「そうね。また妊娠させても次は流産するかもしれないし、いいわ、削除なさい」
八意永琳の指示で兎たちは実験室のすぐ隣にある観察室を後にする。
永琳はというと向こうからコチラは見えないがコチラから向こうは見える魔法をかけた窓ガラスを見つめながら、
紅茶を一口含む。それを飲み込んだ頃には先ほどの兎たちによって母れいむは殺され、麻の袋に詰め込まれた、
その袋には焼却処分と書かれている。あとは焼却炉にそれが投げ込まれれば終わりだ。
永琳は資料の983番のゆっくりれいむの欄に『実験終了、焼却処分』と書き込む。


人為的に障害のあるゆっくりを生産する実験。
それは既にかなり高い確率で障害を生み出す域にまで来ていた。
ロボトミーなど、生まれたゆっくりの中身に細工するものではなく、
生まれた瞬間からそうさせるのだ。
さきほどの子れいむに現れた障害は中度の知的障害だったが、他にも目を構成する事のできなかったゆっくりぱちゅりー、
口が開かないゆっくりありす、頬の皮が硬化しひびが入ってしまったゆっくりまりさ、
それらはホルマリンの中でぷかぷかと浮いている。見ればどれも子どもの個体で、帽子の大きさに体が若干あっていない。
これはホルマリンによる架橋反応で、ゆっくり達の身体は生前の頃より少し収縮している。
一様に苦しそう、悲しそうな表情を浮かべ、ゆっくり達の時間は止まっている。

「どれだけやっても、発生する障害は選べないのね」
永琳は本当に残念そうにホルマリン漬けにされたゆっくり達を見つめる。
右目がぐるりと奥へ回り込んでしまっているゆっくりれいむの前で立ち止まる。
この個体はこの目の障知的障害の度合いはせいぜい軽度と呼ばれる程度で、
日常生活に何ら問題はなかった。あとで母親から隔離し、調べてみて初めて分かった程度だ。
母親は983番、さきほど死んだ母れいむだ。
「同じ母体、同じやり方。うーん」
永琳は少し首をかしげ、机に置かれた紅茶のカップまで戻る。
また紅茶を一口含み、喉を潤す。
母体が食しても餡子化、クリーム化しない物質をとらせ、胎生で生ませる事により、
その物質が子に入り、体内での成長に深刻なダメージを与えさせるやり方はは少し力技過ぎたかもしれない。
ゆっくりの目に関する資料を開きなおす。目だけを溶かす薬品を精製できないだろうか、
ゆっくりの口に関する資料を見つけ出す。口はどの段階で構成されるのだろうか、
ゆっくりの皮に関する資料を読みふける。皮を硬化させるには何度も負荷をかければ可能だろうか、

そして、ある粉末の使用が決められ、984番のゆっくりれいむが用意される。
餌のドライフードにはたっぷりとその粉末が混ぜられている。
永琳の思惑通り、知的障害を引き起こす事ができたが、

「上手くいかないものね」
急死した母体を解剖しながら永琳は言う。
解剖を手伝う兎たちはゆっくりれいむの中の餡子が粘り気が強いのに気が付く。
「高吸水性高分子を使って餡子から水分を奪い、流動性をなくし知能が回ることを阻害する事までは成功しなんだけど」
白いぶよぶよした気味の悪い物質を取り出し、永琳はため息をつく。
「少し多く与えすぎたわ。親の段階で異常が発生するなんて」
体内に残った小さなゆっくりの皮の塊を見つける。ゆっくりの胎児だ。
しかし、皮は水分を失い硬い。
おそらくこれから目と口になるのだろう、割れ目が三箇所存在しており、
頭頂部にはうっすらとだが、毛が生え始めている。
「調節が難しいわね」


985番、その番号を与えられたのはゆっくりありすだった。
カプセルに入った高吸水性高分子を食事に混ぜられ与えられた。
番として用意されたのはゆっくりまりさ、基本的にありすが好み、
かつ、中身が餡子と言うカスタードクリームと全く別の個体を選択する。
これにより、まりさが母体となればありすの体液を貰わざるをえない。
そうなればありす内部に存在するカプセルはまりさに移動する。
カプセルは餡子に反応し溶解するようになっているので、ありすに被害はない。
さらに中身が異なるゆっくりの出産の場合、自分に相手の中身が混ざらないように、
体内で出産用、つまり子の中身となる餡子で相手のクリームを包み、母体への同化を防いでいる。
この働きを使えば高吸水性高分子の影響を受けるのは生まれてくる子どものみ、

仕上げに永琳ははゆっくりありすに悪夢を見る薬を与える。
その晩、ありすは愛しいゆっくりまりさをゆっくりれいむに寝取られる夢にうなされる。
ありすは飛び起きる事で悪夢から開放される。隣にはゆっくりまりさが眠っている。
悪夢がありすの思考に影を落とす。今はまりさは自分の事を好きだと言っているが、
何か保障があるわけではない。まりさの方が餌を集められる量は多いし、巣も元々まりさがみつけたものだ。
愛想を尽かされれば自分は終わってしまう。何かまりさを自分に縛り付けるものが欲しい。
ぐるぐると回る思考の中でありすが行き着いたのは子どもだった。
子どもができれば、まりさだって簡単に自分を捨てる事ができない。
そうだ。まりさに孕ませよう。そうすればまりさが妊娠している間は自分が餌を取る事になる。
一生懸命、自分が餌を集めればまりさだって自分を捨てるなんて思わないだろうし、
何より巣の中にいれば他のゆっくりに会う頻度も格段に減る。
ありすが頭が良い個体であったのが裏目に出る。
これがあまり頭の良くない個体であれば、嫌な夢を見たで終わっていただろうに。

ありすは眠るまりさににじり寄る。
翌日、まりさは見事に妊娠した。しかし、まりさはありすを咎める事はしない。
何故なら大好きなありすとの子どもだからだ。まりさはむしろ奥手なありすが積極的になってくれた事が嬉しかった。
まりさはいつにも増してニコニコし、子ども達の寝床を作っている。
胎生型の妊娠と言えど、一匹しか生まれてこないなんて事はない。
まりさは自分の中に二つ、新しい命が育っている事が分かっていた。
だから用意する寝床は少しゆったりしたものだ。
ありすは朝早くからはりきって餌を探しに行った。
まだ備蓄の餌がいくらかあるから、それでいいとまりさと思ったが、
ありすもきっと嬉しいのだろう。まりさはゆっくりいってきてねと送り出した。

体内ではカプセルの溶解が始まり、高吸水性高分子は胎児の中に入り込んでいく。

「う、うまれるよ。ありすとまりさのあかちゃん、うまれる!!」
生まれた赤ちゃんはまりさ種とありす種が一匹ずつ、
二匹の親は絶句する。高吸水性高分子は赤ちゃん達に思考を殆ど奪っていた。
言葉を知らない赤ちゃんまりさと意味不明な言葉を言い続ける赤ちゃんありす。
一番、歓喜の声をあげたのは八意永琳だった。
そして、資料にペンを走らせる。985番、実験成功、継続して育児の様子を観察する。



by118

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最終更新:2008年11月24日 17:56
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