ゆっくりいじめ系1566 騎馬民族の都




彼らは「ゆっくり」を「ゆっくりさせない」ために生まれた。

彼らの祖先、めーりん種が受けてきた迫害の歴史、

その中で育まれた恨みと、復讐の共通無意識が、

彼らを生んだ。

それは進化なのだろうかか?

彼らは、地を素早く駆ける「足」を手に入れ、

「ゆっくりする」ことを捨てた。



「ユラクス=メーリン」率いる部隊は、先ほどの戦闘で手に入った戦利品を
携えて、森の中を行進する。

目指すは、彼らの数少ない拠点にして、ユッティラ大王の居城のある
王都「ホン」だ。

「ゆぅぅぅぅぅぅっ・・・・」
「ゆぇっ・・・ゆぇっ・・・」

部隊の構成員の帽子の中からは、小さく短い嗚咽の様な物が漏れてくる。
奴隷として、「ホン」で働かせたり、ドゲスの群れ、人間の集落や、
ゆうかの農園に売り飛ばすために連れてきた子ゆっくり達だ。

赤ゆっくりでは脆弱すぎて使い物にならず、
大人ゆっくりは大人ゆっくりでその精神構造が
腐りきっているためにほとんどの場合使い物にならない。

精神がまだ固まっていない子ゆっくりを「ホン」で
「加工」し、「教育」することで初めて、
奴隷ゆっくりとして出荷できるのだ。

「ホン」に向かう道中、頭上を黒い影が閃いたかと思うと、
一匹のきめぇ丸が「ユラクス」の前に降り立った。

「ユラクス殿、お帰りになられましたか」
王都「ホン」の周辺を警戒する、斥候のきめぇ丸だ。

きめぇ丸は騎馬めーりんの盟友であり、
戦争時の略奪品の何%かを報酬として、
通訳、あるいは斥候とかなりの数が雇われている。

「(辺境の虫以下のクズどもの集落を3、4個潰し、また2つの村に貢納を約束させたぞ)※翻訳」
「それは、重畳。子息殿の活躍に大王もお喜びになるでしょう」
「(世辞はよせ、俺など所詮父上の第7子、王族の末も末。しかもまだ四十騎の将でしかない青二才だ)」
「いえいえ、ユラクス殿の才覚は決して御兄弟の方々には決して劣ってはおられませんよ・・・・」

偵察方のきめぇ丸がいるという事は王都ももうすぐだろう。
そんな事を思いながらきめぇ丸とのたわいのない話に花を咲かす。

「王子、配下の方々も疲れております・・・・そろそろ・・・」
通訳役のきめぇ丸が、二匹に近づいて来て、言う。
確かに、配下の者たちは長い軍旅で疲れている。
こんな所で時間を費やすのも

「(うむ、すまぬ・・・・ではなきめぇ丸。今度うまい赤ゆっくりでも奢ろう)」
「いえいえ、ユラクス殿もお気をつけて」

きめぇ丸と別れると、「ユラクス」隊は、一路王都を目指した。


森の中、何の前触れもなく、その平原は突然出現する。
まるで、森の中にコンパスで円でも描いたような
綺麗な円形の平野がそこには存在していた。

ユッティラ=メーリン=カーンの王国の都、「ホン」。
彼らの崇拝する戦の女神「紅美鈴」にちなんでつけられた名前だ。

騎馬めーりん、きめぇ丸、奴隷ゆっくりなど、おおよそ100匹近くの
ゆっくりがここに常駐している。

それ以外の騎馬めーりんは、王族も含めてほとんどが戦場だ。

水に強いまりさ種の帽子などで作られた簡素なテントと、
盛り土や石を組んで作られた「かまくら」のような
簡単な構造の住居が、いくつか並んでいた。

「さあ、このれいむ、健康で頑丈な皮の持ち主で、奴隷にはぴったり!さあ、買った買った」
「ゆっ!草で3日分!」
「虫で4日分だぜ!」
「虫で5日分!」
「「「「ゆっ!!!!」」」
「虫5日分!他の方はおられませんか?」
逃亡帽子の為に飾りを奪われ、頬に刺青を入れられ、
奴隷用に「教育」されたれいむの周りを、
きめぇ丸と数匹のまりさが囲んでいる。

奴隷ゆっくりの「せり」だ。
司会を務めるのはきめぇ丸だ。
買い手は、主に奴隷商人として生計を立てる
西のゲストリート出身のゲスまりさ達だ。

騎馬めーりんは他のゆっくりを憎悪しているが、
話の通じる商売相手なら別だ。

彼らが憎むのは頭も悪く、感性も腐りきった普通のゆっくりであり、
ごく一部の頭の良いゆっくりは他種でも尊重した。

「むきゅっ!その子たちは東の第2番倉庫に移動よ」
「(解りました・・・・おい、糞饅頭ども、ゆっくりしないでこっちに来い!
引き殺されたいかぁっ!!)」
「「「どぼじでぎょんなぎょとずるにょぉおおおおお」」」

この記録係のぱちゅりーなどいい例だろう。

基本的には知能指数の非常に高い騎馬めーりんだが、
暗記力と、その持続力は優秀なぱちゅりー種には及ばない。

故に、知能が高すぎて愚鈍な普通のゆっくり達の群れから
迫害されたり追い出されたりしているぱちゅりー種を保護し、
秘書や、奴隷ゆっくりの管理、「ホン」の出納係などとして
使っているのだ。

彼女たちは「官僚ぱちゅりー」あるいは「秘書ぱちゅりー」などと呼ばれ、
騎馬めーりんの社会ではほとんど騎馬めーりんと同格の地位を与えられて
おり、特に優秀な官僚ぱちゅりーは死んだ騎馬めーりんの帽子を与えられ、
王城に出入りする権利すら与えられるのだ。

騎馬めーりんは社会は、優秀な個体を異端として迫害するゆっくりと違い、
徹底した実力主義の社会なのだ。

それは王族すら例外でなく、無能な騎馬めーりんは、たとえ王の長子でも
王族の証である「メーリン」姓をはく奪され、
一兵卒の身分にに落とされることすらあった。

王族とて、その身分に安住し、「ゆっくり」することなど許されない。
それが、騎馬めーりんの社会なのだ。




「ユラクス」は、配下の兵たちと兵舎で別れると、
一人王城に向かった。

石組みで作られた大型の無骨な小屋。
これが王城である。

内部に入ると、官僚ぱちゅりーが忙しく働いている。
彼女たちには帽子が無い。
彼女たちは、騎馬めーりんの群れに加わる通過儀礼として、
帽子をその時の王に捧げるのだ。
それは、二度と普通のゆっくりの群れには戻らないという意思表示だ。

「(大王はおられるか?)」
「むきゅっ?ユラクス様、御帰還なさったのね」

官僚ぱちゅりーは、騎馬めーりんの言語を習得しており、
きめぇ丸の通訳を必要としない。

「残念ながら、陛下はここにおられないわ」
「(何処の戦場に?ここの所、ドスの群れとの大きなトラブルは無かったはずだが?)」
「『東のドス』との国境紛争よ。しばらくはお帰りになられないと思うわ」

『東のドス』

「ホン」の遥か東に存在するゆっくり達の国の主。
ゆっくりを見下す騎馬めーりんですら、その偉大さには
敬意を払わざるを得ない、一世一代の豪傑ドス。
それが『東のドス』だ。

その実態は謎に包まれており、その姿を見た者すらいない。
以前ユッティラが使者を出した時も、応対したのは
副王ににして参謀のぱちゅりーであり、
最後まで謁見することすら叶わなかったのだ。

「むきゅん。ある偵察部隊が襲った辺境の村が、
たまたま『東のドス』の支配下になってらしくて」
「(その村の支配権をめぐっての戦争か・・・・
相手が相手だけに長引くな・・・・・・・・・・)」

支配権、という言葉が出たが、滅ぼさずに村を支配下に加える場合もあるのだ。
騎馬めーりんは、無作為にゆっくりの集落を襲っているわけではない。
貢納を受け入れた村は、襲わずに税を絞りとり、
じわじわと苦しめるやり方をする。

際限なく、ゆっくりを殺し続ければ、自分の首を絞めるはめになる。
餌を際限なく食べて、餓えるゆっくりどもと彼らは違うのだ。

「むきゅん。「ホン」の治世は、「ユゴデイ」様が執っておられるわ。
御報告なら、「王の間」へどうぞ」
「(ありがとう。では)」

「ユラクス」はぱちゅりーと別れて王の間へと向かった。


王の間は、これが強大な騎馬めーりんの王国の
国王の部屋かと疑問に思われるほどの簡素だった。

騎馬めーりんは質実剛健を好む。
それは王族とて例外ではない。

王座にはユッティラの姿はなく、
その前に仮設された簡素な椅子に、
王族の長子、「ユゴデイ=メーリン」が
座っていた。

「ユゴデイ」には左目が無く、
顔には醜い傷が幾筋も走っている。

帽子は、まりさ種の物にれいむ種のリボンを付けた物で、
髪の毛は殺したゆっくりの飾りで埋まっていた。

王国黎明期からユッティラ王のすぐ傍らで戦場に立ち、
ドスの群れを含むいくつもの群れとの闘争を生き残ってきた
歴戦の勇者。それが「ユゴデイ」だ。

ユッティラ王には子供が多いが、後継者となるのは
まず彼に間違いないと、群れの間では言われていた。

所詮第七子で、体格も小さめの「ユラクス」には
雲の上のめーりんだと言っていい。

「(兄上、辺境視察の任務、完了して帰還致しました)」
「(おお、ユラクスか!ようかえった。まあ、こいつを食え)」
「(ありがたき幸せ)」

「ユゴデイ」は、傍らに転がっていたボロボロの
赤まりさを「ユラクス」に差し出した。

「ゆべ・・・もと・・・ゆく・・・・・」
うめき声を上げるまりさを気にすることなく、
「ユラクス」はまりさを貪る。

痛めつけた赤ゆっくりは、
騎馬めーりんにとっては最高の御馳走だ。

「(4つの村を滅ぼし、2つの村を隷属させました)」
「(うむ、若いながらお前はよくやってくれる。
兄としてたいそう、鼻が高いぞ)」
「(お褒めに預かり、光栄です)」
「(時にユラクス・・・・・・)」

「ユグデイ」は言葉を切ると、
ゆっくりとその話を切り出した。

「(今度、父上が帰り次第、『あの国』を再び攻めるぞ)」
「(!!!!!!)」

『あの国』

「ホン」の騎馬めーりん達の間で
その言葉が意味する事は一つだ。

『のうかりん共和国』

数匹ののうかりんと、何十匹ものゆうか、
そして、群れを追い出された真面目で頭のいいゆっくり達が、
豊穣の神にして、太陽の化身「カザミ」を氏神として
団結する共和制の農業国家。

幾度となく騎馬めーりん達が支配下に置こうとして、
果たすことができなかった好敵手。

その征服はユッティラの先代の王からの、
王国の課題ともいえる物だった。

「(その時は、お主に先鋒を任せよう。準備しておけ)」
「(!!!!!!有難うございます!!)」

「ユラクス」は興奮で胸がはじけ飛びそうだった。
王家に宿願ともいえる戦いの先鋒に自分が?

これからは寝られない夜がつづきそうだと、
「ユラクス」は思い、ニヤリと笑った。

続く


騎馬めーりんの設定を、他の書き手様に使っていただいて、
嬉しさでいっぱいです。

騎馬めーりんの設定は、好き勝手使ってください。
人の数だけゆっくりの設定があるのが、このスレなのです。

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最終更新:2008年11月24日 17:13
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