ゆっくりフラン系いじめ1 ここほれ うっうー!

ここほれ うっうー!





むかしむかし、あるところに、おじいさんとゆっくりが暮らしていました。
おじいさんの名前は『愛出』といい、ゆっくりの名前は『ふらん』といいました。

おじいさんは、毎日、畑を耕して生活していました。
しかし、『れいむ』や『まりさ』というゆっくりが来ては、畑の野菜を食べてしまうのです。
野菜を食べるゆっくりに、ふらんはいつも怒ります。
しかしおじいさんは、「ええよ、ええよ。生きとるんじゃけぇ、腹も減るわい」と言って笑って許します。
ふらんは、おじいさんが、どうして畑の野菜を食べるゆっくりを許すのか分かりません。
しかし、ふらんはおじいさんのことが大好きでした。

ふらんは、良くおじいさんの手伝いをします。
おじいさんと一緒に畑に行って、野菜を収穫するのを手伝ったり、道具を渡したりするのです。
ほら、今日もおじいさんとふらんが畑にやってきました。
「おっと、しもうた。納屋ん中に鎌を忘れてきてしもうたわい。歳をとると、忘れっぽうなっていかんのぅ。」
「うー♪うー♪」
ここでふらんの出番です。ふらんは人間の言葉を少ししか話すことができません。
でも、人間が言っていることの意味は、よく分かるのです。
宝石の着いた羽をパタパタさせて、納屋のほうに飛んでいきます。
ふらんの羽は、お日様の光に当たると、キラキラと光って、とても綺麗です。
「うー!うー!」
しばらくすると、ふらんが戻ってきました。口には鎌をくわえています。
「おぉ、おぉ、ふらん。ありがとうな。これで今日も野菜が作れるわい。」
「うー!うっうー♪」
歳をとって体が弱ってきたおじいさんにとって、畑と納屋を何度も行ったり来たりするのは、とても辛いことです。
ですから、小さくて軽いものなら、ふらんが運んできてくれるのです。
おじいさんの役に立って、ふらんもとっても嬉しそう。
二人は今日もニコニコしながら、ゆっくり畑仕事をするのでした。

「うー!うーっうー!うー!」
おやおや、ふらんがおじいさんを呼んでいます。なにかあったのでしょうか。
「おやおや、どうしたんじゃ?」
ふらんは、「うーうー」といいながら、同じところをグルグルと何度も何度も回っています。
「うっうー!うー!」
「う~む、困ったのう。うーうーでは分からんわい。」
ふらんは人間の言葉が分かります。しかし、おじいさんはふらんの言葉が分かりません。
ふらんの表情と動きで、何が言いたいのか考えてなくてはなりません。
おじいさんは白くて長いひげを撫でながら、ふらんの言いたいことを考えます。
すこし考えてから、おじいさんは手に鍬を取って立ち上がります。
「ほう!そうか。ここに何か埋まっとるんじゃな。どれどれ、掘ってみるかいの。」
おじいさんは、鍬を使ってザックザックと土を掘り返していきます。
ふらんも「うーうー」とおじいさんを応援します。
しばらく掘ると、ガチンという音がして、なにやら硬いものに当たりました。
おじいさんが手にとってみると、それはなんと!金に光り輝く小判でした。
「ひゃあ!こりゃ驚いたわい。ふらんよ、大手柄じゃ。ようやったのぅ。」
おじいさんは、ふらんを胸に抱えて、何度も何度も頭を撫でてやります。
ふらんも「うーうー」と喜びを声と顔で表現します。

そんな様子を、木の陰から見ているものが一人。
となりに住んでいるおじいさんです。名前は『虐待』といい、欲張りで残酷なおじいさんです。
「ほっほぅ。ゆっくりが小判を嗅ぎ付けたとな。おぉ、奇跡奇跡。」
虐待じいさんは、いそいで家に帰ると庭につないであったゆっくりを蹴り飛ばします。
「おいゆっくり!今からワシの畑に行って、小判を探すぞ。ついてこい!」
「ゆゅ?こばん?なにそれ?おいしいの?」
ゆっくりは自然の中で生きるもの。小判を知らないのも無理はありません。
しかし虐待じいさんは、そのことが気に入らないようです。
「なんじゃと!ふん!この役立たずのバカ饅頭めが!」
虐待じいさんは、そう言うやいなや、ゆっくりを踏み潰して殺してしまいました。

その日から、愛出おじいさんの暮らしは、いくぶんか楽になりました。
畑を食い荒らされても、街に行けば小判を使って野菜や魚を買うことができます。
小判があれば、ボロボロの着物ではなく、きちんとした着物を着ることができます。
ふらんにも、新しい帽子や、栄養のあるご飯を与えてやることができます。
決して贅沢な暮らしではありませんでしたが、二人とも、非常にゆっくりした生活をおくるようになりました。

しかし、幸せな生活は長く続かないものです。
おじいさんは、風邪をこじらせて、しばらく街の病院に入院することになりました。
おじいさんは、ふらんも連れていきたかったのですが、そうもいきません。
病院に犬や猫が入れないのと同じで、いくら躾の行き届いたゆっくりでも、一緒に入院するわけにはいかなかったのです。
おじいさんは、虐待じいさんの所へ行って小判を渡し、自分が戻るまでふらんの面倒を見てくれるように頼みました。
虐待じいさんは嫌な顔ひとつせずに、笑顔でふらんを引き受けました。
ふらんはとても嫌がりましたが、おじいさんは、虐待じいさんの態度を信用して、ふらんを残して街へ行ってしまいました。

さて、おじいさんが街へ行ったとなると、虐待じいさんは、さっそく小判探しに取り掛かります。
「こりゃお前!ふらんと申したか。ちょっと畑に行って、小判を探してこい。」
「うー?」
ふらんは、「小判なんて知らないよ。」といった態度で首を傾けます。
「なんじゃ?知らんと申すか。まぁええ、ちょっと来い。」
知らないふりをしても、虐待じいさんは、ふらんが小判を見つけたのを目撃しています。
ふらんの髪を掴むと、畑のほうに引っ張っていきました。
ふらんは、髪を左に束ねて結んでいます。
この髪型は、おじいさんが「髪が長いと、畑に出たとき邪魔になるけぇなぁ」と言って結んでくれた髪形です。
ですから、ふらんは髪をさわられると、とても嫌がるのです。
あまりにひどく暴れるものですから、帽子が落ちてしまいました。
「うー!うーうー!うっうーうー!」
この帽子もまた、おじいさんとの思い出が詰まった大切なものです。
ふらんは拾いに行こうとしますが、髪を掴まれたままなので、拾いに行くことができません。
ふらんは涙を流しながら、畑のほうに連れていかれるのでした。

「ほうれ!何をしとるか、はよう小判を見つけぃや。」
「うっ!?」
こんな虐待じいさんの言うことなんか聞いてやる必要はありません。
ふらんは知らないふりを続けます。
しかし相手は虐待じいさん。いつまでも優しく待ってくれるような人ではないのです。
「ほうかいの。そいじゃあ体に聞いてみようかのぉ?ほれ!」
ブチッ!っという音を立てて、ふらんの羽に付いている宝石をもぎ取ります。
「うっ!うう!うーーーー!」
あまりの痛みに、ふらんは思わず声をあげてしまいます。
「どうじゃ?まだか?」
「うぅ!うーーー!!うーーーー!」
「ほれ!もう一個じゃ!!」
「うーーー!!ううっう!!」
「まだ取るか?」
「うーーーー!!ううー!うー!」
ふらんはおじいさんに拾われてから、本当の娘のように可愛がられて育ちました。
畑ですり傷を作っただけでも、おじいさんはすぐに酒と小麦粉を持ってきて、傷薬を作って塗ってくれました。
ですから、ふらんは痛みに耐えるということを知りません。
また、自分は羽をちぎられたくらいでは死なないということも知りません。
このままでは、虐待じいさんに殺されると思い、しぶしぶ小判を探す作業に移るのでした。

「まだか?早よぅせんか!この薄のろめ。ゆっくりするな、はよう見つけろ。」
「うー!うっうー!」
ふらんは、おじいさんの畑で小判を見つけた時と同じように、クルクルと回ります。
「おぉ、よしよし。ここじゃな。今掘るぞ。下がっておれ。苦しゅうない、フォッフォッ!」
「うっーうー!」
虐待じいさんは、鍬を使って掘り返しますが、小判は全く出てきません。
それどころか出てくるのは、虫の死骸、魚の骨、腐った野菜などの生ゴミです。
「なんじゃこれは?ゴミではないか!」
「うっう~♪う~♪うう~♪」
ざまあみろと言わんばかりに、キャッキャッとはしゃぐふらん。
もともと、虐待じいさんの畑に、小判が埋まっているわけがありません。
ふらんは、わざとゴミを掘らせたのでした。
それに気づいた虐待じいさんは、腹を立てて、手に持っていた鍬でふらんを真っ二つにしてしまいました。

それから10日して、元気になったおじいさんが街から帰ってしました。
「お~い!虐待じいさんや~ぃ。ふらんを引き取りにきたぞ~!」
「おぉ、愛出さんかい。あんたにゃ、残念なことを知らせにゃならんのだ。まぁ、これを見とくれ。」
虐待じいさんが差し出したのは、羽の飾りは全てちぎり取られ、真っ二つになってカピカピに干からびている変わり果てたふらんの姿でした。
髪は強く引っ張ったように痛んでおり、大切にしていたはずの帽子もありません。
「なんてこった。あんた、ふらんに何てことを・・・」
「いやいや、ワシじゃないぞ。10日ほど前、ワシとふらんで畑に出とったんじゃ。そしたら、いきなり若いもんが3人ほど来てなぁ。
 ほんで、ふらんの羽飾りを取っていきおったんじゃ。ワシも抵抗したんじゃが、もう歳じゃけぇ若いもんには勝てん。
 ふらんはワシを守ろうとして、真っ二つにされてしもうたんじゃ。ふらんの羽飾りは本当に綺麗じゃ。売れば高くつくとも聞いておる。
 愛出よ・・・すまんかったのぅ・・・」
自分が虐待して殺したとは一言も言わず、虐待じいさんは適当な作り話でごまかします。
人を疑わないおじいさんは、あっさりとその作り話を信じてしまうのでした。
「そうか・・・ふらんは立派に逝ったか。あんたにケガがなくて良かったわい。それじゃあな・・・」
虐待じいさんを責めても、ふらんが生き返るわけじゃない。
おじいさんはあきらめて、ふらんの死体を抱えて家へと帰りました。

その夜
「ふらんよ・・・一緒に居てやれんで、すまんかったのぅ・・・これがワシのできるせめてもの供養じゃ。これからは、ずっと一緒じゃぞ・・・」
ひとつちぎっては食べ、ひとつちぎっては食べ、おじいさんは泣きながら、ふらんとひとつになるのでした。




あとがき

読んでくれた皆様、ありがとうございます。
あっれー?なんか後半からカオス!感動のクライマックスのはずが、ジジイ病んでるし。
ふらんちゃんが好きなみんな!ふらんイジメてごめんなさい。
いきなり思いついたネタですが、勢いで書いてみました。




by 1日1フラン


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最終更新:2008年11月06日 23:42
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