ゆっくりいじめ系1275 真のドゲスまりさ

※CAUTION!!

  • ドスがでます
  • オリジナルドスもでます


   ~真のドゲスまりさ~

 山の奥の奥、鬱蒼と巨木が立ち並ぶこの森は霧が常に立ち込み人間はおろか妖怪すら足を踏み入れる事のない。
正に秘境の中の秘境と言うべき密林の中にゆっくりの集落があった。
しかし、ここに住むゆっくり達はただのゆっくりではない。
どのゆっくりも全長は3メートル以上の巨体を持っている。俗に言うドスゆっくり達が住んでいたのだ。
しかし、ドスゆっくりは本来通常のゆっくりの群れの長となりあらゆる外敵からゆっくりを守る存在の筈。
いや、このドスゆっくり達も昔はそう言う類であり、群れの長として皆とゆっくりしていたのだ。

だがそれも過去の話。
今となっては何度言っても耳を傾けず、すぐ忘れ、己を過信し、自分たちを威を借る存在としか見ていない阿呆なゆっくりに幻滅し、
もはやそんなゆっくりを守るどころか完全に見放した。
ある意味ゆっくりの悟りを開いた真のドスだけがここでひっそりと、ゆっくりと過ごしていた。


「決めた。またゆっくりの群れを作るか」

あるドスを一言が、賢者ゆっくりの集落に突如稲妻を走らせた。

「何言ってるのまりさ!?またあんなゆっくりの面倒を見るつもりなの!?」
「考え直しなさい!また苦労の芽が増えるだけよ!」
「君は一体・・・考えてることが分からないよ」

その衝撃の一言を言ったドスまりさの友人であるドスれいむ,ドスぱちゅりー,ドスちぇんを中心にほかのドス達も抗議の声を上げた。
彼らはゆっくりがどれ程愚かな存在で、まりさのやろうとしている事がどれほどの徒労でしかないことを知っているから。
だがまりさもやると言った以上引き下がろうとはせず、ドスれいむは訳を聞き出した。

「理由?ほんの気まぐれ。でも昔みたいに馬鹿やらかすつもりもない」

まりさの答えは非常に軽かった。
だがまりさ自身生半可でそんな事を言った訳でもなかった。



この爆弾発言をしたドスまりさは他のドスとは違い、元々は通常のまりさをそのままでっかくしたような『ドゲスまりさ』だったのだ。
なので昔は相当なワルで、ゲスゆっくり共を率いて傍若無人に暴れ回り、悪知恵を働かせ人間を騙し畑や民家を荒らし食料を奪った。
しかし、そんな時にこのドゲスまりさに転機が訪れた。ある日ドゲスの群れに一匹のれいむが迷い込んできた。
ドゲスはすぐにこのれいむに一目惚れしてしまったがゲスのゆっくり共は誰がこのれいむを死ぬまで慰み者にするかで言い争っていた。
しかしれいむを下心は一切無く、ただ純粋に愛したかったドゲスは鶴の一声とリーダー権限としてこのれいむを自分のつがいとした。
それからというもの、ドゲスまりさとれいむはただ純粋に愛し合い。いつも通りゲス共とワルもやって非常にゆっくりしていた。

だが、それも長くは続かなかったのだ。
朝目覚めるとドゲスは縛られ、目の前にはゲラゲラと下品に笑う群れのゲス共、そして蔓を生やした大きな餡子の塊とその周りに同じように蔓を生やした小さな餡子の塊が点々を落ちていた。
そう、全ては群れのゲス共の仕業。れいむを群れはドゲスのつがいではなくすっきりする相手と思いこみ。
やがてそれは独り占めによる嫉妬と判断し、ドゲスが寝ている隙にれいむを拉致し群れ全体で犯した後は生まれた子も同じようにに犯した。
そして今、独り占めした報復としてドゲスを縄で縛り上げれいむの見るも無惨な姿を晒させたのだ。

この時だろう、このドゲスまりさがゆっくりに見限りを付けたのは。
目の前で醜悪な顔を向け笑う饅頭が、今までワルをやってきた自分に見えて。
いや、たとえ自身がワルだとしても善悪の判断くらい付いていた。
人間を騙す事も、他のゆっくりを虐める事も、勝手に物を盗むのも悪いこと、それくらい自身には分かっていた。
だが目の前の饅頭共はどうだ。善悪の判断は一切無く、れいむを犯し殺した事も全然悪びれているつもりはない様子だ。
それどころかれいむを独り占めしたと勝手に思いこみそれを悪いと考えている。

もはやまりさの中の何かが切れた。


気付いた時には縄は自力で引きちぎり、目の前の饅頭を踏みつぶし噛みちぎり、命乞いをする饅頭は真っ先に殺した。
それからこのまりさは、自身がゆっくりである自己嫌悪に悩まされながらも、一匹深い森へと消えていった。



「じゃな。別にまりさがいなくても、ゆっくりぐらい出来るだろ」

結局ドゲスまりさは皆の制止を振り切りこの群れを出て行くことにした。

そう、自分なりのシステムでゆっくりの群れを作り上げること。
どうせゆっくりなんていくらでもいるから失敗しても何度でもやり直せる。



それから、ドゲスまりさが群れを離れて1年がたった。
まりさは人里に近い山の麓の浅い斜面の洞窟を住処にしている。

「ゆー!!みんなーどすがいたよー!!」

すると、林の間から複数のゆっくりの声が聞こえてくる。
理由は言わずがな、ドスの守護と恩恵を授かる為にゆっくりの群れがドスであるまりさを頼ってきたのだ。
推定50程の多類多彩なゆっくりがドゲスまりさの前でうれしそうにはね回っている。

『どすー!ゆっくりしていってね!!』

一斉にテンプレの言葉を発するゆっくり達。

「ああ、ゆっくりしてけ」

ハッキリ言って耳障りで仕方がない。そう思いながらもドゲスまりさは渋々とそれに受け答えた。

「さて、ゆっくり共。まりさの群れに入りたい以上まりさの言うことをその無い頭聴きかっぽじってちゃんと守れ」

『ゆっくりりかいしたよ!!』

このドゲスまりさは群れを作る為、そして継続させる為に群れの『掟』を幾つか考えゆっくり達に教えた。
ゆっくり達は皆それを聞き入れたがドゲスはこのゆっくり共は決して分かっていないと確信していた。

まずゆっくり達はドゲスの掟に従い集めた餌をドゲスまりさに渡し、ドゲスは食事の際群れ全員に餌を均等に分配した。
ドスは体が大きい、それ故に食べる量も半端無い筈だが、ドゲスまりさは自分の喰い分を他のゆっくりと同じ量しか食べなかった。
がドゲスまりさは決して死ぬことはなかった。これはドゲスが長年生きた世渡り術である。
ゆっくりは本来毒を盛らない限り内部の餡子が消失しなければ決して死ぬことはない。
なのでゆっくりが空腹で死ぬなど餡子が漏れてない以上決してあり得ない事なのだ。
しかし、ゆっくりは精神が弱く非常にストレスに敏感で、
ストレス過多が毒を除いて餡子が無くならなくても死んでしまう唯一方法である。
つまり、ゆっくりの餓死は他の動物のような栄養失調ではなく、空腹によるストレスが引き起こした結果なのだ。

ドゲスまりさはそれを知っており、空腹を煩わす為に大量に食べることなく。
更にゆっくりは行動の要である『跳ねる』事が一番体力を消耗する事も分かっている為、
移動の際は跳ねようとせず急がない限り這って動き燃費を節約し、一週間は飲まず食わずでも行動できるようになった。

ドゲスまりさの群れが出来てから三日が経った。
ドゲスまりさは決まって一日に3回ほど群れを巡回しに回っていた。
掟を破った馬鹿饅頭を見つける為に。

そして幸にも不幸にも、その第一匹目が見つかったのだ。

木の根っこに穴を掘った巣の中にはありすとまりさ、この二匹は夫婦である。
そして、ありすの頭には数本の蔓が伸びていた。

「みてみてどすー!まりさのかわいいあかちゃんだよ!」
「みんなとかいはにそだてるわ!」

頭の上の新しい命を目の前に涙を滲ませる二人。
しかし、ドゲスはソレをみて完全に呆れかえった眼をしていた。

それからドゲスまりさはありすのように植物型でにんっしんしたゆっくりや植物型で生まれた子や赤ゆっくりをドゲスまりさの洞窟の前に呼んだ。

「これで全員か?」

沈んだ声で言うドゲスまりさに対し、洞窟の入り口に集まったゆっくりたちはとても張り切っていた。
かわいい自分の赤ちゃんを見せてうんと褒めて貰おうと。

「れいむのかわいいあかちゃんたち!どすのまえだよ!うんとゆっくりしてね!!」
『ゆっきゅりちていってね!!』

ドスの目の前には親ゆっくりと野球ボールサイズの子ゆっくりに、舌っ足らずな言葉と水晶のようにクリクリとした眼がなんとも可愛らしい、
愛護者にとってはこれほどまでにない愛着心を、
虐待者にとっては異常なまでの加虐心をそそるピンポン球サイズの赤ゆっくりが総勢40匹以上、
蔓の上の赤ゆっくりを加えれば更に数は多い。

ドゲスは思った。おかしいと。
いくらすぐ忘れるゆっくりとは言えこんな一遍に、しかも同じタイミングでこんなに子供を増やそうだなんて考えるだろうか。
もし「ドスの群れになった記念にすっきりーしよう」って考えなら群れになったその日からにんっしんする筈だ。
なのに何故3日も空いたのだ。
ドゲスが思考を巡らせていた時、一匹のれいむがドゲスに口を開く。

「ねぇどす!あかちゃんがこんなにおおいからいまのえさのりょうじゃゆっくりできないよ!だからえさをもっとちょうだいね!!」
『ちょうだいね!!』
『ちょーらいね!!』

一匹の親ゆっくりの一言をかわぎりに他の親や子、赤ん坊までもが口並み揃えて餌の増量を要求してきた。
そう、かわいい我が子を見せるのも本音だが、餌の要求が親たちの本音の本音だ。
ドゲスまりさの群れになってから食料は配給制となり、一匹一匹均等に餌が分けられた。
しかしそこが餡子脳、分け与えられる量は24時間は活動可能な量なのだがゆっくりにとって満腹になるまでが一回の食事の量、
少し腹が膨れた程度では到底満足できなかった。
一度は皆抗議しようとしたもののドゲスの食事の量も自分たちと同じだとわかり言うに言えなかった。
無論、ゆっくりの低脳じゃ「実はこっそりもっと食べているんじゃないか」という疑問まで行き届きはしない。

だったら家族を増やせば良いじゃないか。それがゆっくり達の無い頭を振り絞って考えた提案だ。
子供を増やせば餌の取り分は増えるし、これなら抗議する必要もなくドスだって子供のかわいさに駄目とも言えない筈。
確かに良い提案もしれない。スーパーで一人一個限定の商品を多く買う為に母親が子供を連れてくるのと同じ事だ。

だが相手はゆっくりだ。こんな考えが思いつくはずもない。

「むきゅ!ドス、こんなカワイいコドモタチをシなせたくないでしょ?だからカノジョたちのエサをオオくして!」

すると、親ゆっくりの群れの中から紫色のゆっくり、ぱちゅりーが声をあげた。
そしてドゲスは確信した。

そう、コイツがこの子沢山の原因であり首謀者だ。

他のゆっくりよりも輪をかけて惰弱であるぱちゅりー種はそれを補うかのように多少高い知能を持っている。
なのでドスから餌をより多く貰う為にどうしたらいいかと群れのゆっくりはぱちゅりーに相談し、
子供を沢山産むと言う案を思いつき今に至ったという訳だ。
確かにぱちゅりーの考えは良いしドスならこれは承諾せざる得ないだろう。
更にはドス自身が子供達やその親を一カ所に集めるように言い出したのは好都合だ。
これだけ多いなら絶対にドスはYESと言わざる得ないだろう。
ぱちゅりーの提案は完璧だ。


ただし、“普通のドス”にはの場合だ。
此処にいるドスはふつうのドスよりもひと味もふた味も違う賢者ドゲスまりさ。
故に、ここからはドゲスの行動はぱちゅりーの予想を遥か斜め上を行く。


「きめぇ丸いるか?」
「ここにいますよ」

ドゲスが近くの木を見上げ、他のゆっくり達も釣られて見上げる。
木の枝に立っていたは某神主の嫁に似た体付きゆっくり『きめぇ丸』だ。
きめぇ丸はゆっくりでありながら速いことが好きで鈍足のゆっくりを嫌い人間並かそれ以上の高い知能を持つ。
そして何より、

『きめぇまるだぁぁぁぁぁぁ!!』

いろいろと速いきめぇ丸はゆっくりしていないと言う理由から他のゆっくりに嫌われており。
ある意味捕食種同列の恐怖対象でもある。
なのでゆっくり共は彼女を見た瞬間悲鳴を上げる。

「どぼじでぎめぇの"い"る"る"る"る"る"る"る"ぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

「このきめぇ丸はまりさの知り合いだよ。それよかきめぇ丸、準備はいいか?」
「はいはい、何時でもOKです」

パニックになるゆっくり達を無視し、きめぇ丸はどこからか大きな麻袋を取り出し地面に降り立つ。

そして、とろいゆっくりにとってはそれは一瞬に等しかった。


「でいぶのががじゃんどごぉぉぉぅぅぅぅぅぉぉぉ!!!」
「あ"じずのあ"がじゃんがぎげだぁぁぁぁうぁ!!!」
「わがががら゙ら゙ら゙ら゙ら゙ら゙ら゙ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

目の前の赤と子ゆっくりが消えたのだ。無論親は更にパニック状態となる。

「お子さんは此処ですよ」

きめぇ丸は静かに口を開き、親ゆっくり達は必死の形相で彼女を見る。正直目ぇ血走っててキモコワイ。

「おきゃぁぁしゃぁぁんだしてぇぇぇぇぇ!!」
「くらいよぉぉぉ!!こわいよぉぉぉぉ!!」
「くるしいせまいぁぃぃぃぃぃぃぃ!!」

いつの間にか彼女の持っていた袋はパンパンに膨れており、中から潜った声が聞こえモゾモゾと蠢いている。
そうである。きめぇ丸は自慢の足で子と赤ゆっくりを全て袋の中に入れ詰め込んだのだ。
無論、この状況じゃ幾ら低脳のゆっくりでも把握できる。

『あがじゃんがえぜやう゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

親ゆっくりは完全に瞳孔が見開き、歯茎を露出するくらい歯を剥き出しきめぇ丸に突進するが、
彼女は沢山の子が入った袋の重さを感じることなく跳び上がりドゲスの帽子の上に着地した。

「どずぅぅぅぅぁぅぅぅぅ!!ばがぐごぎづう゛ぉごぞぜう゛ぇっぇぇぇ!!」
「じね゙ぇぇぇぇ!!じんでじう゛ぁぁぁぁぁぁぇ!!」

親たちは子供が見たら泣き出すぐらいキモコワな形相でドゲスの周りを飛び跳ねる。
だがドゲスはきめぇ丸を攻撃するどころか、

「あーもう、饅頭共うっさい」

と金切り声を上げる親たちに悪態を付いきそして、


  ブチッブチッブチィッ


ドスの下は髪の毛の他のゆっくりの飾りを巻き付ける為に下が非常に器用である。
ドゲスもその器用な舌で、親ゆっくり全員の頭に伸びていた蔓を全て引きちぎり、
既にゆっくりの個体を形成していた実はビクビクと痙攣した後止まった。


「な゙に゙や゙っでんだどずぅぅぅぅうおぅぅぅぅぅ!!」
「ぞうろ゙ゔじんぼゔぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ながゔぁのどずう゛ぉじねう゛ぇう゛ぇう゛ぇええぇぇぇぇぇぇ!!」

一瞬の静粛の後に、完全の冷静な判断を出来なくなった親は遂にドゲスに体当たりをしかける。
無論饅頭の体当たりなどドスに対しては無意味中の無意味。
ドゲスが息を吸い体を膨らませることで親たちは吹っ飛んだ。


「おまえら、まりさの言った事もう忘れたのか?」

ドゲスの一言によりはね飛ばされ少しだけ冷静さを取り戻した親やその場で予想外の惨事に硬直していたぱちゅりーも思い出した。


~ドスの掟その一 ・植物型でにんっしんした場合、蔓は群れの食料に、赤ん坊と子供は人間に売り渡し食料と交換する~

ドゲスが何故こんな掟を言い出し思いついたのか。その最大の理由は食料維持である。
植物型の妊娠のより産まれる赤ゆっくりの個体数は平均5~6匹だがちょうどの理性を保てないのがゆっくり。
結局何回もすっきりした結果10匹以上も妊娠することが多い。
そして植物型で生まれた赤ゆっくりは数が多いが、小さい故に脆弱なため親が尽きっきりで世話をしなくてはならない。
それ故に食料集めをする成体が赤ゆっくりの世話の所為で減り、それを理由にさぼるゆっくりだっている。
更に個体数の増えすぎにより食料だってすぐに減ってしまう。
だが動物型は、産まれる個体数は2~3匹と少ないが植物型より大きく、生みの親により個体差はあるが身体能力も
ある為親二人が狩りに出てもある程度は無事であり、何より早い時期に子供も食料集めに出すことが出来る。
死にやすいゆっくりが子孫を残す為には前者が良いが、生き抜くならば後者が断然優位なのだ。

それに、植物型が頭に生やした蔓は栄養が高く保存も利くし、
赤ゆっくりや子ゆっくりは皮もモチモチしており餡子も美味しいので人間相手の取引に丁度良い。
なので、ドゲスは近辺の人里の人間と、小さいゆっくりを売り品として、
地元の野菜などの食料を買い賃とした「売り手と買い手」の関係を築いており。
そして、きめぇ丸とは食料の一部をギャラとして、
速い行動や長い運動の出来ないドゲスの代わりに動いてもらう「ギブアンドテイク」の関係も築いていた。


「それでは、報酬はいつも通り人間から貰った食料の一部で」
「ああ分かった。またな」

きめぇ丸が袋を抱え人里へと跳び去ってからだ。

「むきゅー!みんなー!!モドモをウりトばすなんてこのドスはサイテイのドスよ!!ユウカイよサツジンよ!!」

ぱちゅりーが他のドスが絶対にやらないえげつない行為に怒ったのか、
はたまた自分の完璧な考えが失敗しプライドが傷付いたのか、多分両方だろう。
ぱちゅりーは大声をあげた。恐らくクーデターでも考え付き周りの親達を扇動するつもりだったのだろう。

一方、親ゆっくりはと言うと無言でぱちゅりーを睨み付けている。
親たちはドゲスの予想とは反して掟をちゃんと覚えていた。
だが餌の取り分を多くする為にぱちゅりーに相談した結果がコレだ。
子供は人間に売り飛ばされ頭の上の新しい命も食料として引きちぎられた。
掟を破ったのは自分たちでありドスには全くではないが否はない。
責任転換だけは総じて人間より優れているこの饅頭共、この怒りの矛先は自動的に一ヶ所に向けられる。

『ごども゙う゛ぉごぞじだばじぇばじね゙ぇぇぇべべべべべべべ!!!』
「むぎゅあ゙あばぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

完全に子供を殺したのはぱちゅりーとなり、親たちの体当たりや踏みつけにより生クリームを嘔吐し、
親たちの怒りが収まりそれぞれの巣に帰った頃にはぱちゅりーは痙攣した物言わぬ饅頭となった。もう長くはない。

実際ドゲスもこうなることはぱちゅりーが出てきた時点で予想が付いていたのだ。
もし「実はこっそりもっと食べているんじゃないか」と抗議すれば流石のドゲスも言い返せなかったのかもしれない。
しかし、その考えに行かず、掟をすっかり忘れ子作りを強要した時点でぱちゅりーの力量はすでに見切っていた。

その後、ドゲスは群れに「すっきりしてもいいが植物型で妊娠した場合即刻蔓を引きちぎり食料とし、
動物型も増えたら間引きとして人間に売り渡す」と言うと洞窟の奥へと入っていった。



それからたった一日が経ち、こうなると掟を忘れるゆっくりも徐々に現れてくるだろう。
そんでもって、大抵すぐ忘れるのはこう自分に都合の悪い事を簡単に拒絶し餡子脳をシャットダウンする若いゲス共からだ。

「どずぅ~!!だずげでーっ!!」

群れの外かられいむ,ありす,まりさが一匹ずつの三匹が息を切らせながらドゲスの元へとやってきた。
まりさが言うには食料を集めている途中で人間に襲われ、一緒に狩りをしていた仲間が沢山殺されたの事だ。
まりさの報を受け群れのゆっくり達は騒ぎだし、中には人里へ報復戦争をしかけようと言う輩までいる。

だがドゲスはそんな事すつ気は毛頭無く、むしろある意味平和的に解決すると踏んだ。

何故なら、まりさ達が持ってきた食料はあからさまに人間の手で育てた野菜だったからだ。


数分後、人里の人間が3人ドゲスの群れへと進入してきた。

群れのゆっくり達は仲間を殺した人間に対し殺気立っており、「死ね」などとワンパターンな罵詈雑言を吐く者もいる。
今にも人間に(無意味な)攻撃を仕掛けそうな勢いだがドゲスが既に釘を刺している。

「や、いつもご苦労様」
「久しぶりだなドス、にしても俺等随分と歓迎されてないな」
「まぁ、酷い改ざんがあったからな。それよか、また畑が荒らされたのか?」
「どうもねぇ、『避け』の効果が切れてきたのかもな」
「そりゃあ一年も経つからな、風化してきたんじゃない?」

人間とのほほんとした会話するドゲスに、速く人間を殺して欲しいと願うゆっくり達のイライラが募りだす。

「な゙に゙ぼや゙でんだぜどず!!ばやぐでいびぶう゛ぉごろじだに゙んげんう゛ぉぼろずう゛ぇぅぇぇぇぇ!!」

遂に痺れを切らしたのは先ほどのまりさだ。
まだ一分ほどしか経ってないというのに、ゆっくりは総じてその名に反してキレやすい。
しかもまりさの言葉から、
仲間を殺された事よりも一緒に狩りをしていた恋人なのかそれに近い存在だったれいむが殺された事の方が大事らしい。

ドゲスも人間もまりさが五月蠅いのかそろそろ終わらそうと決めた。

「・・・分かったから騒ぐな、すぐに済む」

ドゲスの言葉にまりさの目に希望の光が見え、群れのゆっくり達もすぐさま臨戦態勢へと入り出した。

だが、ドゲスの行動はまりさやその仲間を絶望の淵へと叩き込む結果となった。


「じゃあ、今日人間の里へ狩りに行ったヤツ等こっちへ来い」

その言葉に、人間殺しの切り込み隊長へと就任させてくれると思っているのか、
十匹ほどのゆっくりがドゲスの前へと跳ねてきた。

「もうあやまったてゆるさないからね!ゆっくりしんでね!!」
「わかるよー!すぐにころすよー!」
「いなかものはありすがゆっくりころしてあげるわ!!」
「でびぶゔぉごろじだにんげんゔぁじねぇぇぇぇぁぇぇぇ!!!」

集まったゆっくり達はドゲスの有無も制止も振り切り人間達へ体当たりをしかけてる。
先ほどのまりさはほぼ情緒不安定だし。


『ゆべっっ!』

しかし、後ろから伸びたドスの舌が飛びかかるゆっくり共を叩き落とし全員地面へと叩き付けられ、

「と言うわけで、コイツ等が盗みを働いた奴らだ。好きに殺してくれ」

ドゲスはそう言うと、反撃する間もなく三人の男達にちぇんは棒で叩きつぶされ。れいむは袋に詰められ。ありすはぼこぼこに殴られ。
他の人里へ盗みを働いたゆっくりも同じような目にあった。
ゆっくり共は無い脳味噌が完全にフリーズし動けず、ドゲスは目の前の惨劇をいつもと変わらない表情で眺めていた。

「どぉぉぉぉずぉぅぅぅぅぅぅぅ!!どういう゛ごどなんだぜぇぇぅええぇぇぇ!!」

殴られたことにより片眼を失った情緒不安定ゲスまりさは結構しぶとく、這いながらドゲスに寄ってきた。

「どうもこうも、掟を忘れたのか」
「じらなゔぃんだずべべべべえぇぇぇ!!ばや゙ぐだずげゔぉおおうおぉぉぉぉぉぉ!!!」

冷淡に吐き捨てるドゲスに対しゲスは完全に忘れているのか、しつこく自身の正当化を図る。
だが盗みを行ったゲス集団以外の他の群れのゆっくりは、怒りでつい忘れてはいたが今やっと思い出した。


~ドスの掟その二 ・人間の里へは絶対行くな、
そこで見つけたからと言って食べ物を捕ってきてはならない。尚これを破った場合ドスの保護は一切受けない~

ドゲスが何故こんな掟を言い出し思いついたのか。
その最大の理由は群れの形成、そして近辺のコミニュティと信用である。
前にも言ったがドゲスは近辺の人里の人間と「売り手と買い手」の関係を築いている。その為には信用がなによりも大事だ。
ゆっくりが人里へ悪事を働いた事により、
人間とゆっくり=強者と圧倒的弱者の関係はゆっくりの絆のように簡単に崩れ去り、群れは簡単に壊滅する。
その為にはまず手始めにドゲスがこの森へ着いた直後、
ドゲスは人里へとおもむき、ゆっくりが畑や家内に侵入しない為の方法を売ったのだ。
それは賢者ドスの知能と長年生きた知恵、ゆっくり自身であるが故のゆっくりの心理を知り尽くしたドゲスの助言は的確で、
ゆっくりの被害は大幅に減り、人間達の関係を積み上げていた。

人間との友好関係を守る為にゆっくりを犠牲にするという、
他のドスとは全くの正反対の方法をとることで群れの存続をなしたのだ。
それに、ゆっくりを虐待する事を好きこのむ人間が人里に居なかったことが成功の一つかもしれない。

「なんでなんだぜどずぅぁぁぁぁぁぁ!!」

だがゲスまりさにとってはたまったモノではない。
何故ならこのゲスまりさやその部下であるゲスゆっくり共にとってドスは自分達を守ってくれて、
そして役に立つ都合の良いデカブツとしか思ってなかったからだ。
今はドスの威を借りてドスに守って貰うがいずれはドスを群れから追い出し、
群れの美ゆっくりを全員妻にして好きなだけすっきりして、人間や妖怪達を自分の前に跪かせ、
幻想郷を支配するゆっくりの王となるつもりだった。


「じねぇぇぇぇぇ!!お゙ゔお゙ぎずずげだどずゔぉに゙んげんも゙じね゙ええええぇぇぇぇぇ!!!」

だが、そんなゆっくりの皮算用なども無いに等しく、更に賢者ドゲスの知略の前には力なき暴君になることもできず、
人間にトドメをさされ虚勢の金切り声は静かになった。

ゲスを人間に殺させる。この方法でドスを盾に人里へ盗みを働くゲス饅頭を自分の手を汚さずに駆除出来、
他のゆっくりもゲスに感化されることなく、群れも治安も安泰となるのだ。

「それじゃあ、前にも言ったけど殺したゆっくりの飾りを置くだけで饅頭共は近づいてこないから」

ゲスまりさが袋に詰められ、人間達が帰って行くと、
他のゆっくりは目の前で起こった惨劇から逃げるように巣の中へと帰って行った。
これがトラウマとなり、この群れはしばらく人里へは行かないだろう。
そう思うとドゲスは洞窟の中へと入っていった。



それからまた一日が経つ。ここまでくると、ドゲスの掟に反感を持つゆっくりも出てくる。

「ここのどすはゆっくりできないよ!!まりさはむれをでていくね!!」
「こんなむれとかいはのわたしにはあわないわ!!」

いまドゲスの目の前にいるのはまりさとありす、この二匹はつがいになったばかりの新婚だ。
この二匹が言うには、満足に餌を食べられず(ただ満腹になれないだけ)、子供を食料としかみておらず、
そしてゆっくり出来ないきめぇ丸や人間と仲が良い。
今までのドゲスの行動に、このドスはゆっくり出来ないドスと判断し、
この群れを出て自分たちだけで好きなようにゆっくりするとの事だ。

これが普通のドスなら必死で二匹を止め、掟を改善(改悪?)し、最悪の場合饅頭共の傀儡となってしまうだろう。

「ああいいぞ。この群れから出れば掟もなんもないからな」

しかし、このドゲスは冷淡だ。それはドスとは違いゆっくりを同族と見ておらず、代わりの効く饅頭と見なしているからだ。

「だが、群れから出るには坂を下らない方がいい。あっちは人里だ。出会ったら最悪殺されるかもな」

ドゲスの言葉に二匹や群れも硬直した。
昨日あんな惨劇を見せられた以上その言葉は非常に信憑性があり従う他ない。

「じゃあねどす!ゆっくりできないどすのかわりにまりさはいっぱいゆっくりするよ!!」
「いなかもののどすはいなかものどうしゆっくりしないですごしてね!!」

そして二匹は、恩を仇で返すように、群れの外の深い森へと消えていった。
ゆっくり出来ない群れを離れた以上これでめいいっぱいゆっくり出来る。
ご飯を毎日沢山お腹一杯食べて、よるは沢山すっきりして、沢山子供をつくって。
いずれドスの群れよりも大きな大家族を作ろう。
この二匹の頭には綺麗すぎるほどの未来像しかなかった。そしてきっかりと最悪の事を忘れていた。


それから一日が経った。

「わかるよーっ!!これはきのうのにひきだねー!!」

一匹のちぇんが顔を真っ赤にしながら何かを口にくわえ、群れの外の森から飛び出してきた。
このちぇんは群れ一番の運動神経の持ち主だったので、
ドゲスが「昨日出て行った二匹が心配だから捜してくれと」言い、森を散策させたのだ。

そして見つけたのだ。昨日群れを出て行ったまりさとありす"だったもの"、
恐怖で歪んだまりさの半分だけのデスマスクの皮とありすの金色の髪繊維が付着した砕けたカチューシャの破片である。
それを見てゆっくり達は青ざめ、ドゲスは「やっぱりか」と言いたそうな顔で溜息をついた。

ドゲスは、この森は野生のれみりゃやふらんのような捕食種が多く生息している事を知っており。
このゆっくりの群れも、前は200匹以上はいたが捕食種や野生動物に襲われ今現在の数まで減ったと聞かされた。
群れはそれを覚えていた。沢山の仲間が何匹も何匹も何度も何度も犠牲となり、それはもうトラウマになるくらいにだ。
それ故にこの二匹のように、ドゲスの掟に不安は持っていても二匹と共に群れを出ようとする者はいなかった。
しかし、この二匹の骸はもっとゆっくりしたいと言う願望に加え、
ドゲスの群れに来てから、つがいが出来た喜びと捕食者に襲われなくなった安心感、
他の群れよりも過剰すぎる未来像がこの群れに来る前の記憶や知識を忘れさせ、
その結果、群れを出て行った最初の夜に捕食者の餌となってしまった。

そして群れのゆっくり達は理解した。
この群れは何にも襲われることはないが、一度入ったら出ることの出来ない『檻』だと言うことに。


ゆっくりは死因の九割は己の無知と性格からの自滅である。
この六日間のぱちゅりーやゲスまりさ、ゆっくり夫婦がその典型的な例だ。

恐らくゆっくり達は掟のことを覚えていたため一度は子沢山計画に反論したが、
ぱちゅりーは子供を産むという考えしか思いつかなかった為、
ぱちゅりー種というプライドからこの方法を強行してしまった。
その末路が蟻が集り、もう跡形もなくなった潰れた饅頭だ。

ゲスまりさは掟を完全に忘れ、見つけたと言う理由で仲間と共に人間の育てた野菜に手を出した。
そして好きだったれいむが殺されたことにより人間に対する復讐心が芽生え、
自分たちに都合の良いようにドスを騙し、人間を皆殺しにするつもりだった。
その結果が今死臭を放ち他のゆっくりが近づかないように柵に巻かれたボロボロの帽子と、
川に捨てられた魚の餌だ。

自分の欲求に押し負け、トラウマも完全に忘れ去り、
他の考えが一緒の仲間が来なかった事に疑問を持たないどころか「田舎者」と吐き捨てた。
その未来像が餡子一つ残らない捕食者の食べかけだ。

あくまでこの群れを維持する以上、己の力量も計れない饅頭はこの群れにはいらないしとっとと見捨てるのが一番だ。
普通のドスならそんな愚者を必死で保護し、饅頭と共に同じ末路を迎える事となる。

たとえ非道と言われようがかまやしない。
この惰弱を極めた饅頭の群れは人間や妖怪、他の野生動物とは違う。ハンパなやり方じゃ簡単に崩壊してしまう。
野生なら尚更、弱者は不要、強者のみが生き残れる。
つまり、ドゲスまりさの創り上げる群れは弱者同士が集まった烏合の衆じゃない。
一つ一つが動き、一つの強者が創られる群れ。
人間や妖怪が手を出せば脆いかもしれないが自然を生き残るにはその小さな強者を閉じこめた檻にならなければ群れは存続出来ない。


ドゲスは飽きるまでやるつもりだ。
何でもやり直すつもりだ。
自分なりの自分の群れ。
なんぴとにも犯されない強靱な『檻』を創り上げる事を・・・。


続く(かも)


どうもsageの人です。

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最終更新:2008年11月20日 22:40
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