ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ!

大家族・自然・機

人間による虐待はありません
狭い場所で繁殖しすぎたゆっくりの悲劇です。



『ゆっくり繁殖させるよ!』





お兄さんが帰宅すると
12畳程の部屋には野良ゆっくり一家がいた。

「ここはまりさのおうちだよ!かってにはいってこないでね!」
「おにいさんはゆっくりでていってね!」

「「「「「ゆっくちでていっちぇね!」」」」」

バスケットボールサイズの親れいむが1匹、親まりさが1匹
プチトマトサイズの赤ちゃんれいむが3匹、赤ちゃんまりさが3匹

普通なら、叩き潰すなり虐待をするところだが、このお兄さんはそんな事をしなかった。
「やあ、ゆっくりこんにちわ!
確かにこの部屋は君たちの部屋だよ
勝手に入って悪かったね。お菓子をあげよう」

「ゆゆっ、お兄さんはゆっくりできる人みたいだね!特別にここにいてもいいよ!」
そう親まりさは言うと真っ先にお菓子をむさぼり始める。

「うっめ!めっちゃうめ!」

親れいむは赤ちゃんにお菓子を噛み砕き、赤ちゃんに食べやすいようにしてあげる。

「ゆっくちおいちーね」「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」


そんな幸せそうなゆっくり一家を一瞥すると、お兄さんは部屋を出て行く。
しっかりと施錠することを忘れない。




ゆっくり達は数時間前、これから生まれる子のための餌が足りず、ゆっくりプレイスを求めて森を出て
ちょうどゆっくりが通れるサイズの戸が開いていたお兄さんの家に誘い込まれるようにここに来た。

その戸は内側から外に出ることができないが
ゆっくり達はおいしい餌と安全な住居を手に入れて安心しきりでそんな事を気にしていない。

「もう、たべられにゃいよ・・・zzz」
「ゆ~♪ゆ~♪ゆ~♪」「ゆっゆっゆっ~♪」
親れいむの子守唄で就寝する赤ゆっくり達
ここは、夢に描いたゆっくりプレイスそのものだった。

親まりさは部屋にあった、たくさんのゆっくり用おもちゃで遊びつかれ
親れいむと赤ちゃんたちのところへ「す~りす~り」と寄ってきて寝息をたてる。




その夜、お兄さんはゆっくりが寝ている間に音もなく現れ
赤れいむと赤まりさを手際よく2匹づつ籠へと移し部屋を後にする。

部屋には親れいむ、親まりさ、赤れいむ、赤まりさの4匹だけになって12畳の部屋は広すぎて寂しい。
しかし、それはお兄さんの計画通りの風景であった。



翌朝、日が昇るとともにゆっくりは目覚める
野生のゆっくりの朝は早いのだ。
「ゆっくりしていってね!」
親まりさの元気な声が響く。

「ゆっくりしていってね!ゆっくりおはよう!」

「「ゆっくちちていってね!」」

続いて、親れいむ、赤ゆっくりも朝の挨拶をする。

最初に異変に気づいたのは親れいむであった。

「ゆゆっ!れいむのこどもが足りないよ!」

ゆっくりは通常3匹以上の数を数えることができない。
しかし、逆に言えばそれ以下であるならそれなりに数の増減を把握できるのだ。

「ゆっ!本当だ!まりさのこどもが1匹づつになってるよ!」

親れいむと親まりさは、子供がゆっくりプレイスの外に出たのではないかと部屋の出入り口を探す。
昨日、入ってきたと思われる入り口は内側からはただの壁に見えて、自分達がどこから入ってきたのかもはや理解の範疇を越えていた。
あとはお兄さんが出入りした、ゆっくりには大きなドアだが自分達でさえ開けられないドアを子ゆっくりが開けられる訳がないので
そうそうに可能性から除外する。

親達は思い思いに、ゆっくり用おもちゃの積み木や滑り台、ボールの陰を探すがどこにも子供達はいない。
それを見ていた赤まりさと赤れいむは親達が何かの遊びをしているんだと思い同じように動き回る。
その時、壁際でペットボトルの蓋くらいのサイズの突起を赤まりさが踏んだ。
「カチっ!」

壁から突き出ていたパイプからバサバサっと粉状と固形物のなにかが落ちてきて
スイッチから少し離れたい位置にいた赤れいむはその下敷きになった。

「ゆ!れいむのあがぢゃんがぁ!」
親れいむは大慌てで、粉と固形物の下敷きになった赤れいむを助けようと飛んできたが杞憂だった。

「むーしゃ、むーしゃ」
「ゆっくちおいちーよ!」
粉と固形物から顔の前面をピョコっと浮上させた赤れいむはそれが食べ物であることをゆっくり理解した。

赤まりさが踏んだペットボトルの蓋くらいの突起は、ゆっくり用のエサを出すためのスイッチだったのだ。

その隣にある突起を踏むと給水機から2枚の受け皿に水が滴り落ちてくる。
水とオレンジジュースであった。

粉と固形物はトウモロコシや小麦粉を練り合わせたもので一般的な牛や豚等の家畜用の餌だった。
それでも野生のゆっくりからすれば大変なごちそうだし栄養バランスも良い。
加えて水の他にオレンジジュースまで用意されており
その量はスイッチによって調整ができた。
もっと食べたければ飲みたければ好きなだけスイッチを踏めばいいのだ。
さしずめ、ゆっくり用餌のバイキング形式だ。
まさに至れり尽くせりの、ゆっくりプレイスである。


親達は朝ごはんがまだな事を思い出し、先に食べ始めた赤ちゃんたちの幸せそうな顔を眺めると
自分達も朝ごはんにした。

「「「「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」」」」」

デザートに初めて飲むオレンジジュースを夢中に味わったりしていたが
減った赤ちゃんの事が心配になり家族全員で部屋中を探索した。
もちろん見つかるわけがない、4匹の赤ちゃんはお兄さんが連れ去ったのだから・・・。



その夜・・・
安全な場所と豊富な食事、しかし家族が減った寂しさから
あたり前のように繁殖を始める親まりさと親れいむ

「んほぉぉぉぉぉ!」「すっきりー!」

餌集めの心配がいらなくなったため2匹の親それぞれの頭に茎を生やし
両方が母となり1本の茎に5個づつ、合わせて10個ほどの実をつけた。
翌日には10個すべての実から赤ゆっくりが生まれて以前よりも家族の規模は大きくなった。

バズケットボールサイズの親まりさ、親れいむ
一回り大きいプチトマトサイズのの赤まりさに赤れいむ
プチトマトサイズの赤まりさ5匹、赤れいむ5匹
合計14匹

ゆっくり一家は新しい家族のためにたくさんのエサとオレンジジュースを用意して
ゆっくりとした幸せな1日を過ごした。
親れいむは今日も赤ちゃんたちのためにお歌を唄う。
「ゆっゆっゆっ~♪かわいい赤ちゃんたちゆっくり育ってね~♪」
「ゆっくり寝て元気に大きく育ってね~♪」

「そろ~りそろ~り」とにじり寄ってくると
親まりさも赤ちゃんたちに混じって、すやすやと寝息をたてる。


全てのゆっくりが夢の中へ旅立つと、音もなくお兄さんが現れ
プチトマトサイズの赤ちゃんから8匹を手際よく籠の中へと移し、部屋を去っていく。


翌日、親ゆっくりは子が減っていることに慌てふためき、部屋中を探して結局見つからず
夜になると繁殖をする。
生存本能のためか前回の倍である20個の実をつけた。
食料は豊富にあるため、栄養を失い死んでしまうことはないので限界ギリギリの繁殖をすることが出来るのだ。




さて、お兄さんはなぜ夜な夜な子供をさらっていくのか
それは、お兄さんが菓子職人だからである。
加工場で量産される餡子が良質であることは有名だが、所詮は工場で作られたパンの域を出ない。
自家製のゆっくり餡子を菓子職人のお兄さんが手を加えることで最高の和菓子が生まれるのだ。

それには赤ゆっくりが最適であった。
味が良いのはもちろん成体に比べ個体差がなくムラが少ない。

お兄さんは最高の素材を用いて良い菓子職人になった。
ゆっくりが人語を解する為に後ろめたさがあり、せめて居心地の良いゆっくりプレイスを作ったが
ゆっくりは苦しめば苦しむほど餡子が美味しくなるという一部でしか知られていない知識をもっていなかったことはゆっくりにとって最大の幸せであっただろう。




だが、幸せな日々もいつかは終わりが来る
数ヵ月後・・・

『お兄さんは事故死した!』


ある日、道を歩いていたら潰れたゆっくりを踏んでしまい足を滑らせて転倒
その際に偶然にも大き目の石があり、頭部を強く打ち付けてしまったことによる事故であった。


お兄さんのゆっくり繁殖システムは業務用なので
ゆっくり式餌やり機や水、濃縮還元の粉オレンジジュースの備蓄は
10匹前後のゆっくりが生きていくには十分すぎる量があり、約2年は生きていけるだろう。





そして新しい朝が来た!
「ゆっくりしていってね!」
朝の挨拶は、狩の習性が強いまりさ種に根強くある。
特に大黒柱である親まりさは一家の中で誰よりも早く起きて朝の号令をかけるのだ。

「ゆっくりしていってね!」
続いて親れいむが目を覚ます。
「「「「「「「「「「ゆっくちちていってね!」」」」」」」」」」
24匹の子どもたちも目を覚ます。

ソフトボールサイズの子れいむが2匹、子まりさが2匹、赤れいむが10匹、赤まりさが10匹
種の数が均等なのはお兄さんが几帳面な性格で調整をしていたからである。
きっと今日からは自然に繁殖することだろう。

「ゆっ!今日は子供が減ってないよ!」
親れいむがそれに気づく
「ほんとだね!たくさんいるよ!」
親まりさも喜ぶ
正確な数はわからないが、今までに比べると子供が減っていないという事はわかるのだ。


「さっそく狩にいってくるね!美味しい餌をとってくるよ!」
親まりさが言う。

「ゆっくり気をつけてね!赤ちゃんたちは任せてね!」
親れいむが親まりさを気づかう。
12畳の部屋で何を言ってるんだ、この饅頭どもは・・・と思うがこの夫婦には自然な挨拶だ。

ゆっくりの足で徒歩10秒のところに餌やり機のスイッチがある。
たくさんの赤ちゃんのために普段の倍は餌を出した。
続いて水とオレンジジュースも忘れない。
水をとりすぎるとゆっくり出来なくなることを知っている親まりさは多すぎず、少なすぎず準備した。

狩に出かけてから2分後
「ゆっくりいただきます!」
「「「「「「「「「「ゆっくりいただきます!」」」」」」」」」」
ゆっくり大家族の食事が始まった。

「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」「うっめ!めっちゃうめ!」
「むっちゃ♪むっちゃ♪」「あまあまのおみず、ぺーちゃぺーちゃ♪」

ご飯が終わると、親れいむと一緒にお歌を唄う子
親まりさと一緒におもちゃで遊ぶ子
子供達だけで走り回ったり、飛び跳ねる子
ゆっくりの楽園がそこにあった

かつて唯一の不安要素であった子供が消えるという怪現象はなくなり
親達も毎日繁殖をする必要がなくなった
      • とはいえ、すっきりはとても気持ちのいいものだ
腹が膨れて、安全が保障され、好きなだけ遊ぶと今度は性欲もすっきりさせたくなる。

「んほぉぉぉぉぉ!すっきりー!」
遮蔽物がないため子供に見られてしまっているが、ここ数ヶ月のうちに慣れてしまった。



お兄さん死亡から7日が経過した。

50センチサイズの親れいむと親まりさ
バスケットボールサイズの子れいむ2匹と子まりさ2匹
ソフトボールサイズの子れいむ27匹と子まりさ22匹
プチトマトサイズの子れいむ14匹と子まりさ19匹

もはや群れと呼べる大所帯である。
12畳サイズの部屋で快適に暮らせる限界の規模であろうか
最近は親れいむも親まりさも巣が狭くなることを考慮してすっきりを控えていた。

「ゆゆっ!すっきりしてないのに子供の数が多いよ!」
まりさが疑問をもった
「れいむもすっきりしてないのに何で子供が増えていくの!?」
れいむにもわからなかった

食べたいものを食べたいだけ食べられるこの環境では、ゆっくりの成長速度は上がり
子の数匹は成体と呼べるサイズになり、勝手にすっきりをしていたのだ。
親達は歌やおもちゃ遊びで、すっかり周囲にまで目が届かなくなり
しかも数が増えていたので気づくことが出来なかった。



お兄さん死亡から10日後

50センチサイズの親れいむと親まりさ
バスケットボールサイズ(成体)の子れいむ7匹と子まりさ8匹
ソフトボールサイズの子れいむ38匹と子まりさ36匹
プチトマトサイズの子れいむ75匹と子まりさ67匹

もはや問題は深刻だ!
このままでは巣はゆっくりでいっぱいになって、みんながゆっくりできなくなってしまう!

その日、餌の順番待ちで成体程度のれいむとまりさ、他の成体程度のれいむとまりさで喧嘩を始めた。
「ここはれいむの餌場だよ!そっちのれいむはゆっくり順番を守ってね!」
「なにを言っているの、ここはまりさのおうちなんだぜ!れいむ一家はまりさ達の後に残り物を食べてね!」
それぞれが自分の家族をもっていて、赤ちゃんから餌をせかされている。
ゆっくり特有のおうち宣言だ。

50センチサイズの親れいむと親まりさが仲裁にはいる。
「ここは皆のおうちだよ!喧嘩はゆっくりやめてね!」
「悪いまりさはゆっくりできなくさせるよ!」
親まりさが特にたちの悪い成体まりさに体当たりをした。

「ゆべぇ!」
「おとうちゃん、ゆっくりやめてね!」
力の差がわかると成体まりさもおとなしくなり、成体れいむも他の成体れいむ一家もブルブルと親の強さを思いしった。

ようやく沈静化して安堵していると、親まりさはとんでもないものを見てしまった。

「んほぉぉぉ!れいむぅぅぅ!すっきりぃ!」
ソフトボールサイズの子同士で繁殖をしていたのだ。
2匹は行為が終わるとふらふらとオレンジジュース飲み場へ行き回復する。
野生であった親では思いつかなかった環境利用法であった。
これなら子ゆっくりであってもすっきりが出来る。
親のスッキリを小さいころか見せ付けられていたため子ゆっくりの間でもすっきりが流行っていたのだ。



お兄さんが死亡して11日目

親まりさは親れいむと相談して、100匹あまりいるゆっくりを集め
『すっきり禁止法』を宣言した。

「みんな、これ以上すっきりしちゃダメだよ!ゆっくりできなくなるからね!」
「そうだよ!これ以上はゆっくり出来なくなっちゃうよ!」

「「「「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」」」

だが、都合の悪いことは3歩で忘れるのが餡子脳である。
野良でない大多数のゆっくりは飢える恐怖も巣が狭くなることも気にしないのだ。




お兄さんが死亡して20日後

50センチサイズの親れいむと親まりさ
バスケットボールサイズの子れいむ18匹と子まりさ23匹
ソフトボールサイズの子れいむ128匹と子まりさ119匹
プチトマトサイズの子れいむ745匹と子まりさ778匹

親れいむと親まりさは、もはやスッキリを止めるどころではなかった。
その日の自分達の餌と飲み水、そして寝る場所を確保することで精一杯
そして結局は自分達でスッキリ禁止法を破りスッキリしていたことで
自分達の赤ちゃんを守らなければいけなかったからである。

「ゆっくり順番を守ってね!」「ここはまりさの「れいむの餌場だよ!」「赤ちゃんを潰さないでね!」
「帽子の上に逃げてね!」「おかあさんの口の中にゆっくり隠れてね!」「お水出しすぎだよ「ゆっくちとけりゅよ!」
「ごはんまだなにょ!」「これはれいむのだよ!」「かざりのないこはゆっくりちんでね!」

もはやお歌も唄えないほど騒がしく、そして狭い。
数十匹単位で死ゆっくりが出て、その餡子を食べるゆっくりも現れた。



お兄さんが死亡して25日後

50センチサイズの親れいむ3匹と親まりさ4匹
バスケットボールサイズの子れいむ35匹と子まりさ33匹
ソフトボールサイズの子れいむ545匹と子まりさ578匹
プチトマトサイズの子れいむ2765匹と子まりさ2817匹

秒単位で増減が起こっているため正確な数はもはや、ゆっくりでなくてもわからない。
餌の順番待ち問題はスイッチを常にゆっくりが踏んでしまうほど部屋が狭くなったため
餌がでっぱなしとなり解決した。

問題は水である。
ゆっくりは水に弱いという体質があるため、お兄さんは水の量を少量づつしか出ないように調整していた。
しかし、それが原因で水の順番待ちの争いが起こり
ついに今日は、パイプにバスケットボールサイズのゆっくりが飛び乗り蛇口を壊してしまったのだ。

勢いよく水が噴出して4畳分の範囲でシャワーのような雨が降り注ぐ
大親ゆっくり達は水の危険を知っているため真っ先に赤ちゃんゆっくりを口の中へ非難させて距離をとった。
「ゆっくり逃げてね!お水はゆっくり出来ないよ!」
「みんなゆっくり非難してね!」
れいむもまりさも大声で危険を促したが誰も聞いていない。
それどころか、水場には100匹ほどのまりさ種がおうち宣言を始めたのだ!
「水をたくさん出るようにしたのはまりさ達のおかげだよ!だからここはまりさの水場だよ!」

それを聞いた500匹ほどのれいむ達が詰め寄っておしくらまんじゅうをはじめる。
「ゆっくりどいてね!」「まりさに独り占めさせないよ!」「ゆっくり出来なくさせるよ!」

そんな押し問答を5分ほど続けた後、数十匹の子れいむや子まりさが解け始めた。
「ゆゆ!まりさのこどもが!」「れいむのこどもがとけちゃうよ!」

もはや楽園はそこになかった。
餓鬼や亡者の群れがひしめく地獄の光景。
どさくさに紛れて餡子の味を覚えたれいむやまりさが舐めたり噛み付いたりしている。
「ぺーろぺろぺろ、しあわせー♪」
それを見た成体ゆっくりが、その子を踏み潰す
「ゆっくり殺しはゆっくりしないで死んでね!」
「ぐぶぺっ!」「むぎゅ!」

大親ゆっくりである、れいむとまりさは
壁に体当たりをして「ゆっくり出してね!」「もう、おうちかえる!」と喚いている。
その時、子ゆっくりや赤ゆっくりがプチプチと潰されたが気づいていない。
「みぎゅ!」「ぎゅぺ!」「「「「ゆっぷち」」」」




狭すぎる巣から脱出するため大親れいむとまりさは寝ずに脆そうな箇所に体当たりを繰り返した。
かつてのバスケットボールサイズならビクともしなかったろう壁は徐々に悲鳴をあげる。

巣の拡張を本能で気づいていた成体ゆっくりや、大き目の子ゆっくりもそれに協力する。
「ゆーえす!ゆーえす!」「ゆっくり壊れてね!」「ゆっくりあたるよ!ゆっくりはねかえるよ!」


その間も繁殖は続いていて、死んだゆっくりを差し引いても1万匹近いゆっくりが12畳の部屋にいた。

「どっすん!」「どっすん!」
壁の外にはどんな、ゆっくり出来る世界があるのか夢見て
小さなゆっくり達も心の中で応援する。




お兄さんが死亡してから27日後
ついに内側から壁を壊すことに成功した!









「「「「「「「「「「「「「ゆっくりぃぃぃぃぃぃーーーーーー!!!!!」」」」」」」」」」」」






初めて見る太陽!
草木!
新鮮な冷たい空気!

その全てがゆっくりにとって新しかった。
自然に涙が溢れた。

大親ゆっくり達も自分達が助かったと思った。
「ゆっくりしていってね!」


その時ほほに白い羽のようなものが降りる
ゆっくり達は天使が舞い降りて自分達は祝福されたのだと信じた。

その白い羽はすっと消え入るように地面溶けて次々と空から降ってくる。


大親であるれいむとまりさには別の涙が流れていた。
その顔を青ざめ、絶望し大きな口を空けて
安全のために口内にかくまっていた赤ゆっくり30匹程が外を覗いた。
「つめちゃくてきもちいーにぇ」「ちゅごくゆっきゅりできりゅね!」

親まりさは口の中と帽子の中の赤ちゃんを乱暴に外に出した。
「ゆー!」「ゆっくちおちるよ!」「ゆぶぺっ!」
空になった口と帽子に、餌やり機の餌を大急ぎで入るだけ詰め込む
れいむの方を見て同じ事をするように目で促すが、れいむはじっとまりさを見つめると顔を振った。

まりさはしばらくそのまま立ち尽くし
やがてれいむを置いて走り出した
もう振り返らなかった。
すっかりなまりきった体は重く、そのリハビリをするように森へと飛び跳ねていく。

餌のとり方も外の常識も何も知らない子や赤ちゃんは到底これから訪れる
いや、すでに始まっているこの季節を生き残れないだろう
それでも、れいむはまりさの選択は受け入れられなかった。
そして、れいむもまりさを責めることはしなかった。

まりさが見えなくなるまで見送ると、まりさが捨てていった赤ちゃんを舌で救い上げて
元の12畳の部屋へゆっくりと戻っていった。
「今日はみんなでお歌を唄おうね」
「ゆ~♪」「ゆっゆっゆっ~♪」

ぼーぜんとしていた赤ちゃん達は、安心できるお母さんれいむの歌を聴くと
元通り笑顔にもどりあとに続く
「ゆー♪ゆっゆっー♪」

半数の成体や子ゆっくりは森ではなく生まれ育った人間の家になじみをおぼえ
近隣の家を目指して元気より飛び跳ねた。
そのうち畑を発見すると、そこを自分の家にしようと決める。



辺りは段々と空から降りしきる羽のような綿で白く染まっていった。

「ゆ~♪」「ゆっゆっゆっ~♪」
「ゆーゆーゆー♪」
きゃっきゃっと笑顔をみせる赤れいむと赤まりさに
親れいむは一瞬だけ悲しそうな表情を見せ、それでも唄い続けた。



「ゆ~♪ゆ~♪ゆ~♪」



「ゆっゆっゆっ~♪」



どれくらいの時間唄い続けたのだろう
子守唄を聴きながら赤ちゃん達は静かに眠りについていった。



「・・・ゆ~♪・・・ゆっゆっ~♪・・・」


いつまでも、いつまでもれいむは唄い続けた。



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最終更新:2008年10月27日 01:35
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