ゆっくりいじめ系1185 のうかりんランド② 2

「「「「ゆっくりしゅっぱつするよ!」」」」
『じゃあ行って来るね!ぱちゅりー、群れをたのんだよ!』

朝日が照らす中、巨大なゆっくりであるドスと戦闘部隊、そしてドスの帽子にいるまりさは洞窟から出てきた。
これからのうかりんランドに行き、ゆっくりできないのうかりんを討伐しにいくのだ。
まりさは浮き立つ思いを抑えながらのうかりんランドのある道を見つめる。

このふくしゅうがおわったら…れいむにこくはくしよう。

まりさはれいむを愛していた。
それは一方的な片思いである。だからこそこの復讐が終わったとき、れいむに自分の思いを告げるのだ。

ゆっくりがんばるんだぜ…。

まりさは気を引き締める。
自分の気合を入れると同時にドスと戦闘部隊は動き出したのだった。



「あれがのうかりんのはたけだね」

戦闘部隊は配置に付くとのうかりんの畑とそこで働くゆっくり達を見つめていた。
なるほど、たしかにゆっくりしている。あれでは偵察部隊も騙されしまうだろう。
それほどまでにゆっくり達はゆっくりしているのだ。忙しく働くゆっくり達がゆっくりしているという言葉も変であるが。
同属であり、ある程度賢いゆっくりにはそれは判るのであろう。
9匹の戦闘部隊はそれぞれ3匹ずつに別れると、配置に付く。あとはドスの合図があれば突撃する。
あと5分もあれば出るだろうか?見つからないように身を潜め、ゆっくりと合図を「てきしゅうなんだね、わかるよー」

見つかってしまった。

「ゆゆ?!なんでみつかったの?!!」
「まりさたちのかもふらーじゅはかんぺきだったのにいぃぃ!」
「まずいよ、ほかのゆっくりにきづかれちゃう!」

ドスの合図が始まる前に戦いが始まってしまった。
幸い見つけたのはちぇんとみょんの二匹。まだ他のゆっくりは気づいてない。
騒ぎを起こす前に始末しようと動くが。

「ちーんぽーざん!」「ゆぎゅ!!」

みょんの持つ木で出来た刀が戦闘部隊の一匹を切り捨てた。
まりさの黒い帽子とと柔軟な皮、中身の餡子を綺麗に断ち切る刀はのうかりんがみょんに作った木製の代物である。

「おそすぎなんだね、わかるよー」
「ゆべ!ゆぐ?!ゆぼぉあ!!?」

ちぇんはその身軽さを生かしてフルボッコ中だ。
攻撃力では劣るが連続の攻撃で反撃どころか防御すら出来ていない。

「そ、そんな…」

最後の一匹になった戦闘部隊のリーダーであるまりさは恐れていた。
厳しい訓練をしていた自分達がまるで相手にならないのだ。
他の分かれた部隊はどうなったのか。
そんな考えが浮かぶと同時にふらんの手刀で顔面を貫いたリーダーの意識はすぐに薄れてしまった。


「いくんだぜ、うどんげ!」
「げらげらげらげら」

他の部隊を見つけたのはちぇんとみょんだけではない。
仕事で疲れて少し休んでいたまりさとうどんげは怪しいゆっくりを見つけて一目でゆっくりできない奴と判断した。
長く戦いを続けた二匹はゆっくりできるかできないかを即座に判断できる洞察力が身についているのだ。
まりさとれーせんは捕食者であるれみりゃやふらん、門番のメーリンと比べると影が薄くなるがそれでも戦闘能力は上位に位置する。
その理由とは

「きょうだいがったい!まりさナイト!!」「ゲラゲラゲラゲラゲラ」

まりさの上にうどんげが乗った。それは奇妙な光景に映るだろう。
またうどんげの武器はいつものにんじんないふではない。
のうかりんランドで取れた野菜を秘密で特殊加工し、作り上げた代物である。
右手にはネギの形をした魔剣ドンパッチソード。
左手にはダイコンの形をした魔剣ダイゴンブレード。
それは剣というにはあまりにも大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。それはまさに野菜だった。
今ここに、ゆっくり一体となった最強の戦士が誕生した。

「あ、あんなのみかけだおしだよ!いくよ、じょっとすとーむあたっく!」

三匹は一直線に並ぶとまりさナイトに突撃する。
三匹はそれぞれ突っ込むように見せてお互いの隙を無くす事で連続攻撃を仕掛ける事のできる必殺技であり、一度発動すれば防ぐ方法はない技だ。
何処かの某機動戦士の技に似ているのは気のせいである。

「ゆぅーー!」

先頭のれいむはたいあたりで突っ込んでくる。
これを回避しても二匹目が、それも回避できも三匹目の攻撃が襲い掛かる。
そしてそれから回避してもすでに先頭のれいむの攻撃する準備は終わり、再び連続攻撃が始まる。
防ぐ方法などない。完璧な技。そう確信するが…。

「な、なにぃ!?れいむをふみだいにしたぁ?!」

まりさないとは上にジャンプすると同時に先頭のれいむを踏み台にした。
それと同時にドンパッチソードを二匹目のれいむに勢いよく突きたてる!!

「ゆぶしっ!」

痛みは一瞬だ。核となる餡子ごと潰されたれいむは無駄に痛みを知らずに逝けた事に幸せだっだろう。
三匹目のれいむがそれに恐れずたいあたりを仕掛ける。
しかしうどんげは冷静にドンパッチソードを貫いたれいむを振り落とすと横向きに薙ぎ払う。
が、れいむのたいあたりはフェイントだ。
下に避けるとすでに一匹目のれいむの準備は完了している。

「ゆっくりしねぇ!」

力を込めたたいあたりが襲い掛かる。攻撃の直後なら反応が出来ずに普通のゆっくりであれば当たっているだろう。
しかしそれはうどんげ一人の場合である。足は別のゆっくりが担当している。

「あたるとおもったの?ばかなの?しぬの?」「ゲラゲラゲラゲラ」

渾身の一撃があっさりかわされた。
しかもカウンターにドンパッチソードで叩かれて行動不能になってしまう。

「ゆ、ゆゆゆゆ?!」

ついに戦えるのは三匹目のれいむ一人になってしまった。
状況は不利。三匹の必殺技を持っても適わず、一匹で勝てるはずがない。
そう判断したれいむは姉妹であり、仲間でもある一匹目のれいむを見捨てて逃げようとした。

「ゆっくりにげるよ!れいむはむだじになんていやだよ!」

れいむは判断は正しいと言えるだろう。
三匹で挑んで戦って勝てずに一匹で挑むなど愚作としか言えない。
いくら肉親や餡子を分けた姉妹がピンチでもそれで突っ込んで全滅したら話にならないのだ。
しかし相手は普通のゆっくりではない。
ゆっくり一体となったまりさないとに逃げられるという文字はないのだ。

「いくぜ、ともよ!いまがかけぬけるとき!」
「ゲラ!」

ドンパッチソードを仕舞い、ダイゴンブレードを構え、まりさナイトはれいむに方向を見定め、全力で走る。

「かけろ、ゆっくり!そのなのごとく!!」

速く速くより速く。ゆっくりらしくないスピードにすぐにれいむに追いつく。

「どぼじででいぶにお゛い゛づでる゛の゛お゛ぉぉぉぉぉ」

れいむとまりさないとは離れていたはずだ。うどんげを乗せているまりさに素早い動きは出来ない。
そう思っていたはずなのに。楽に逃げれると思っていたのに。

それは間違いだ。まりさは通常の仕事ではバケツの水汲み、野菜運びなど重いものを乗せるのに慣れている。
そして戦闘になればうどんげを乗せてまりさないとになるのでのろまなゆっくりに追いつくのは造作もないことなのだ。

「ゲラ!」
「ゆぶぅ!」

左手に持ちダイゴンブレードがれいむの右頬を殴り飛ばし、そのまま上に跳んでいく

「ゆゆ!おそらをとんでるみたい!!」

突然の空中に喜びの声をあげるれいむ。暢気なものであるがこれから殺される恐怖がないだけましなのか。
まりさは力を入れるとれいむより高く飛びあがり、落ちると同時にうどんげはダイゴンブレードを振り下ろす。

「ちぇすとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」「ゲラゲラゲラゲラ!」
「ゆ゛ぶぇあ?!」

れいむとダイゴンブレードが全力で衝突し、その衝撃は両方が砕け散るほどであった。

「まりささたちに…くだけぬものなし!だぜ!」「げらげらげら」

こうしてれいむチームはゆっくり一体の戦士によって、あっけなく潰されてしまったのだった。
ちなみにこの後、野菜を粗末に扱ったうどんげとまりさはのうかりんに制裁という名のフルボッコを喰らうことになる。


残る戦闘部隊はありすチームだけになってしまった。
ありすは性欲が高く、ありす同士が集団で群れを襲い、一晩で100匹の群れを壊滅することもある恐ろしいゆっくりだ。
しかしこのありす達は性欲がない。いや正確に言えば自分から性欲を無くしたのだ。
去勢をする事でゆっくりありすとしての性欲を一切無くし、そのぶんを戦闘能力に回すことを選択したのだ。
全ては群れを守るため、そして三姉妹のありすが愛するリーダーまりさのため。
その能力の高さはありす種でありながらまりさ種を匹敵し、姉妹の息の合う連携はトップクラス。
倒せない相手はドスだけだと思っていた。れみりゃすら倒せると思っていた。
しかし…

「う~しんにゅうしゃははいじょするんどぉ~☆」

最後のありすを見つけたのは門番の仕事を掛け持つれみりゃであった。
ありすにとって初めての実戦がれみりゃ。恐怖はある。捕食者であるれみりゃを楽に倒せるとは限らない。
しかし、引くわけにはいかなかった。

「いくわよ。このいなかもののれみりゃをたおすわ!」「ありすたちのれいけいになすすべなどないわ!」「ゆっくりしになさい!」

ありすたちはれみりゃに攻撃を始めた。
れみりゃは極端に痛みと攻撃に弱いとドスとぱちゅりーに習った。
たしかに力はゆっくりで上位に位置するほど強いだろう。しかし攻撃されると泣き叫び、無力になるのが多い。
ありす達はそれを狙い、短期決戦を狙うのだ。

ボスボスボスボスボス

ありすのたいあたりがれみりゃに当て続ける。
全餡子を乗せた渾身のたいあたりだ。もはやれみりゃは虫の息。そう判断したありすは

ガシ「うー、いたくないんだどぉ」

あっさりとれみりゃに捕まった。

「どうじでぇ~!?」「なんでありすのこうげきがきかないのぉ!!」「は、はなしてぇ!」

れみりゃは痛覚に対して耐性があったのだ。
昔、のうかりんに拾われる前にこのれみりゃは恐ろしい拷問を受けてほとんど死んでいる状態になっていた事があった。
そのためかれみりゃはゆっくりのたいあたりに対して何も効かない程の耐久性を手に入れたのだ。

「うーあまあまをたべるんだど~♪」
「や゛め゛でぇ゛えぇぇぇぇぇぇぇぇ!ありすのなか゛み゛をずわ゛な゛い゛でえ゛え゛ぇぇぇ」

牙を突きたてじゅるじゅるとありすのカスタードを吸っていく。
ものの数秒という早さでありすは皮だけのデスマスクとなった。苦悶の表情を浮かべた恐ろしい顔である。

「うぅー、まずいだどぉ…」

れみりゃはありすのデスマスクをぽいっと棄てると嫌そうな顔をしていた。
本来ゆっくりとはゆっくりをしたり苦しんだりすることで味を高め、甘く美味しい餡子となる。
そしてこのありすは去勢をして性欲を無くしている。つまりありすのゆっくりすることである「すっきりー」が出来なくなるのだ。
そのストレスからアリスのカスタードはれみりゃの舌でもとても不味い代物になっていたのだ。

「ほかはひりょうにするんだどぉ~☆つかまえてのうかりんになでなでしてもらうんだどぉ~♪」

ニコニコとした肉まんはありす達に襲い掛かる。
それに恐怖したありすの心境はどうだったかわからない。暫くするとありすの悲鳴があがり、残ったのは一つのデスマスクとリボンだけであった。


『ゅぅ…みんなどうしたのかな…』

ドスは戦闘部隊に合図を送り、すでに10分は経過している。

まさか、失敗してしまったのか?このまま自分が突っ込んでみるか?

様々な考えを浮かばせ、不安に陥りそうになる。

「ド、ドス!」
『ゆ?』

まりさの声で思考から現実に戻ったドスの目の前に人が立っていた。
麦わら帽子に下膨れ、緑の髪を持つ彼女はのうかりんであった。

「ドス!あいつがまりさのむれをぎゃくさつしたゆっくりできないやつだよ!!」
『ゆゆ!!』

彼女がのうかりんか。
なるほど、ゆっくり光線を使う自分には判る。彼女はとてもゆっくりしているゆっくりだ。

そんな感想をしてしまうドスだが疑問が一つ。
ドスにはまりさのしていた群れの虐殺をしていたには見えないのだ。

「ドス!なにをしているんだぜ!はやくのうかりんをころすんだぜ!」

まりさがドスに命令をしているがドスはその程度のことは気にしない。ゆっくりの言動一つ一つ気にするだけ無駄なのだ。

「ずいぶんでかいお客さんがきたっぺな。どうだ、このダンゴを食ってゆっくりしていかねぇか」

のうかりんの出したのは皿に山済みにされたお団子だ。
色が赤いが見た目は美味しそうである。
ドスは困惑していた。ゆっくりできない残虐非道かと思えばとてもゆっくりできて、しかも団子を出してゆっくりさせようとしているじゃないか。

「ドス!のうかりんはドスをだましてるんだせ!だまされちゃいけないんだぜ!」
『!』

そうだった。こののうかりんは騙してまりさの群れを壊滅していたのだ。

「酷い言いがかりだっぺ。オラは純粋にゆっくりさせようとしてるだけだっぺ。それにオラがそこのまりさを騙した証拠があるのか?」

そうだ。ドスはそれを忘れていた。まりさの事を完全に信頼して失念していたが騙していた証拠がないのだ。
しかし群れをのうかりんが壊滅している可能性がある。
ゆっくりさせてくれる好意を無駄にするにもドスの威厳に掛かるためにのうかりんとまず話をしようと思った。

『その前にのうかりん、まりさと群れについてはなしをしたいよ。いいかな?』
「ドス?!なにをいってるんだぜ!」
「別に構わないっぺ。ゆっくりしていくっぺ」

ドスは差し出された団子を食べようと長い舌でペロリと平らげる。
まりさ用に5個程残しているのはドスの優しさだろうか。

『むーしゃむーしゃ、死アワ゛ぜばあ゛ア゛ア゛ア゛ア゛あ゛゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛゛A亜゛あ゛あ゛あ阿蛙゛吾あ゛あ゛あ゛あ゛j;ojeiow[i3ふじごe3wg』

轟音が鳴り響いた。
団子を食べたドスはいきなりの大声をあげ、その音は離れた人里まで届いたと言う。
ゆっくり虐待を生業とするAさんは「あの声はドスだね。あんな叫び声をあげさせるんなんて…何者だい?!」とコメントしている。
近くにいたまりさはあまりの音に気絶をしてしまい、のうかりんはちゃっかりと手で耳に当たる部分を押さえている。

『ゆ゛ぅ゛べあ゛?!??な゛゛に゛ぼぇだべざじだの゛ぉ゛゛?!』
「ただの団子だべ。ただし超絶辛い団子」

ドスの食べた団子は辛い。しかしその辛さは大きい体と餡子を持つドスすら苦しむ代物だ。
ゆっくりは辛いものに弱い。中身が餡子のためか、ちょっとした塩ですら毒になりえる。
しかし大きくなると餡子の量が増え、ある程度耐性が付く。
ドスになると塩水を舐めてもひりひりする程度に済むだろう。
しかし今ドスが食べた団子は別だ。
ジョロキアをご存知だろうか?世界一辛いとされるハバネロの二倍以上の辛くて、つらくて、痛いトンガラシの一種である。
人間ですら少し舐めるだけで口の中で爆弾が落とされたのような激痛が走るほどの辛いトンガラシをすりつぶし、団子にして食わせたのである。
野菜を育てるのうかりんはゆっくりを撃退する最も適したと判断し、それをある程度栽培し育て、団子にする。
効果は見ての通り。ドスですらその辛さは耐え切れずに絶叫し、ぴくぴくとしているのだ。
そんなものがなんで幻想郷にあるかって?永遠の17歳である少女臭が関わってると言っておこう。

「これでお前さんはもう動けない。油断をしすぎだべ」
『だま゛じだね゛ぇ…ドス゛を゛!だま゛じだね゛ぇ!』
「野生で生きるならそれぐらいは予測するべきだべ。そもそも赤くて不気味な団子を食う神経が理解できないべ」

ドスは怒り狂っていた。まりさの言うとおりだったのだ。何も会話をせず、ドスパークで一瞬で殺すべきだったのだ。

『ゆ゛っ゛ぐり゛じね゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!』

ドスは口内のキノコを使ってドスパークを撃とうする。

『な゛ん゛でえ゛ぇ゛ぇ゛!?どす゛ぱーく゛がう゛でな゛い゛い゛い゛い゛!』

団子のダメージが深いのだ。
口内は辛味によってもはや使い物にならないダメージを受けており、ドスパークを撃つ土台が壊されていた。
それだけでなく、餡子がぐちゃぐちゃに近い状態になっており、もはや動けない程ゆっくりできない状態になっている。
ドスパークやゆっくり光線はゆっくりができているドスだからこそ撃てる奥義だ。
土台を破壊され、ゆっくりができないドスには武器が存在しなかった。

「そのまりさが群れが率いてくると思ったらドスなんて幸運だっぺ。まりさ様々だっぺ」

のうかりんは綺麗な包丁を取り出すとドスの体に突き刺して皮を剥ぎ取り出した。

『ゆ゛ぎぎぎぎぃ?!!』

ドスの全身に痛みが走る。
本来ドスは巨大な体のためか少しぐらい槍などで刺されても痛みなどない。
しかしジョロキア団子によって全身が痛覚に晒されてるような状態であり、デコピンをするだけで凄まじい痛みが襲い掛かるだろう。

『どヴい゛うごどぉ゛?!ま゛り゛ざがびぎい゛る゛な゛ん゛でぇ゛』
「言った通りだっぺ。まりさは餌。畑の肥料となる群れを集める餌。でもドスを連れてきたのは驚いたっぺ
最近、人間さんが乱獲するせいでドスの皮が取れなくて困っていたっぺ」

つまりまりさはわざと逃がされた後、自分たちのようなゆっくりをおびき寄せるためだったのだ。

『ゆがあ゛あ゛あぁ゛ぁ゛ぁ゛?!!』

ドスは怒り狂っていた。
自分を騙していたのうかりんに、餌になったまりさに、そしてそれを信用してしまった不甲斐無い自分に。

『ご…ろ゛ず、ごろじでや゛るヴぅぅ』

しかし体は動いてくれない。
のうかりんに皮を剥ぎ取られ、中身の餡子が見えてくる。内臓にあたる餡子が空気に晒されるとドスは狂ったように叫ぶ。
しかしのうかりんはもくもくと手馴れた手つきでドスの皮を剥ぎ取る。
ドスの皮は耐熱、体温に優れており、これから秋から冬にかけてとても役に立つ。
主な使用方法は床に敷き詰めたり、服にしたりと様々な使い道があり、人里の裕福な層ではドス床が人気となっている。
のうかりんはそのドスの皮をこれからくる冬に備えて無駄のないように全身を剥ぎ取る。
数時間が経過しただろうか?
ドスまりさだったモノは巨大な餡子の塊に帽子を被せた状態になっている。
しかし職人芸と言うべきか、綺麗な餡子の塊の状態でもドスは生きていた。
全身の内臓を空気に晒させ、死ぬ事のできない苦しみ。元が体力があるぶんに死ぬに死ねずに発狂もできない。
いっそのこと、餡子を崩して楽にしてくれたらどんなに楽にことか。
ドスの脳裏には群れが映る。
ごめんね、ばかなどすでごめんね。
思いつく限りの懺悔をしながら少しずつだがゆっくりし始めた。
ドスはもうすぐ死ぬ。せめてゆっくりしながら。

「ああ、のうかりん。ここにいたんですか。群れは人間の手によって壊滅しましたよ…おお、この餡子の塊はいったい?!」

きめぇ丸はのうかりんを見つけるとドスの群れは人間の手によって壊滅した事実を告げるとドスはゆっくりと逝ってしまったのだった。



「いや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛゛あや゛べでぇえ゛え゛!」
「ころすなられいむをころすんだぜ!まりさはみのがsゆ゛れば!」
「わからないよー!なんでにんげんさんにみつかったのー!」

ドスの群れが住む洞窟は阿鼻叫喚となっていた。
偵察部隊がゆっくりとドスの群れに戻るのを追跡したきめぇ丸はドスの住む洞窟を見つけるのに成功した。
ドス達が洞窟に出るときめぇ丸はさっそく人里にいるゆっくりをゆっくりさせない友人である。
虐待お兄さんにドスの群れを教え込むとマッハのスピードで駆け抜けて行った。

その結果がこれである。
数多のゆっくりは踏み潰され、
植物型の赤ちゃんを実らせていた茎を引っこ抜き、投げ飛ばして壁にぐちゃっといい音を響かせ、
泣き叫ぶ母ゆっくりの後頭部を引き裂いて餡子を手でこねくり回す。
逃げる子ゆっくりを手で掴むと微妙な力加減で潰す一歩手前まで苦しめ殺す。
赤ゆっくりを口のなかに入れた親ゆっくりの口をホチキスで止めると勢いよく蹴り飛ばす。
ゆっくり同士をひたすら繋げて丸状にしたリングゆっくり。
目を抉り、口を引き裂き、頬を破いて、顔面を原型を留めないぐらい殴り蹴り飛ばす。
洞窟に出ようとするゆっくりはきめぇ丸が遮り、一匹も逃さない。
虐待お兄さんのキリングフィールドは一時間にも及んだ。

「WRYYYYYYYYYYYYYY!!虐待だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


冬が近づく。
収穫の秋を終えたのうかりんとゆっくりはのうかりんハウスでゆっくりと過ごす。
ドスの皮で板と床を敷いたお陰かぽかぽかと暖かく、とてもゆっくりできた。
そして棚には新たなアンティークが一つ増えている。

「ゆ…ゆ…ゆぶ…」

頬が潰れたまりさである。
あの後のうかりんに拾われたまりさは種を植えられた。
そう、ゆっくりの餡子で成長するゆっくり花だ。
それも一つだけでなく、5個の種を植えられたまりさの頭部には五つの美しい花を咲かせている。
他の十花とは比べ物にならない美しさを持つ五つの花は醜いまりさとのバランスに芸術と言っていい程の出来を見せていた。

「ゆ…ゆ、ゆぼ…ゆ…」

しかし五つの種を植えられたまりさの痛みは他の10花とは比べ物にならない。
それでいて狂う事すら出来ず、常に自我を保ち続けるのだ。

「なぁまりさ、お前に言い忘れたことがあるっぺ。ドスの群れにいた時にれいむに恋をしただろう?
寂しいと思って、ほら」

のうかりんが差し出したのはまりさの恋をしたれいむだ。
ただしそれはデスマスクとなっており、繋ぎ合わせた後がある。

「遠慮することはないっぺ。精々仲良くするっぺ」

のうかりんはニヤリとした。それは彼女のオリジナルを知るものなら判る笑みだった。
他人を蔑み、見下すサディスティックな笑み。

ゆっくり花は綺麗な花を咲かせ続ける。
なぜならのうかりんを満足させるために。死ぬ事も枯らす事も狂う事すら許されない。

今日ものうかりんランドは平和であったのだ。

(おわり)



あとがき
予想以上に長くなりやがったよ、こんちくしょう
もっと文章を纏める力がほしいです、安西先生…
次回は肉まんあんまん姉妹の話を書こうかな?

追記2
修正

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最終更新:2011年11月27日 02:13
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