ゆっくりいじめ系1098 アストロン対策

 ゆっくりアストロン対策


 ゆっくりたちがアストロンを使うようになったという。
 それを聞いたとき、俺は信じられなかった。
 ゆっくりがアストロンを使えるわけがない、という意味ではない。
 ここは幻想郷だ。饅頭が魔法を使ったって、不思議じゃない。
 だが、俺が信じられないのはそこじゃなかった。
 試しに愛用の杖を持参して、森へ行ってみることにした。
「ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってねー!」
「ゆっ!」
 五分もしないうちに現れた。れいむ一家だ。
「ゆっくりしていってね!」
 挨拶するれいむたちの前にしゃがんで、俺は聞いてみた。
「なあ、おまえたち。そんなにあっさり出てきちゃっていいの?
 人間にいじめられるとは思わないの?」
「ゆふっ! そんなしんぱいはゆっくりなくなったよ!
 れいむたちは むてきのまほうをつかえるようになったよ!」
「うっそだ、そんなわけないだろう」
「ゆゆ、おにーさんはしんじないの? じゃあゆっくりやってみせるからね!」
 そう言うと母れいむは、得意満面で唱えようとした。
「アスト「マホトーン」
 俺のひとことで、れいむは沈黙した。口をパクパクさせるが、呪文が出てこない。
 驚愕するそいつをしばらく見つめてから、俺はおもむろに指を突きつけ、言った。
「メラ」
 ボッ!
 火の玉が飛び、れいむの顔面を直撃した。
「ゆぎゃああああああ!! あづいあづいあづい、あづうぅぅぅい!」
 もだえ苦しんだ挙句にれいむは死んだ。
 残った子ゆっくりたちがガクガクブルブルしている。俺はそいつらにも指を向けた。
 すると、中に一匹勇敢で機転のきくな奴がいて、とっさに叫んだ。
「ま、まほとーん!」
 ギュッ、と喉が締め付けられる感触がした。
 なんと、本当に魔法をかけられてしまった。なかなかやる饅頭だ。
 が、俺は落ち着き払って背中の杖を取り出し、子れいむの頭上にかざした。
 ピカッ! と閃光がひらめき、ズバババッ、と稲妻が子れいむたちをなぎ払った。
「ゆぎゅん!」
「ぐべえ!」
「あごっ!」
 ぼぼぼん、と立て続けに爆発して子れいむたちは死んだ。
 術者が死んだのでマホトーンが解けた。俺はため息を付いた。
「ふう……っていうか、別にこんなことしなくても、鉄化したら土に埋めちまえば済むことだよなあ……」
 俺が信じられなかったのは、アストロン程度で無敵になったと思い込むゆっくりのアホさ加減だった。
 しかし、ゆっくりはほんとに信じていた。さすがはゆっくりだと思い知らされた。
 俺はいかずちの杖を背中に戻し、出しゃばってしまったことを反省しながら、村へ帰った。





アイアンマン
 これまでに書いた話
  ゆっくりいじめ系1084 ゆっくり実験01 (まりさ解体)
  ゆっくりいじめ系1093 ゆっくりエレエレしてね!








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最終更新:2008年10月19日 02:17
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