ゆっくりいじめ系1070 ゆっくり想像妊娠(後編)

「ゆっくり想像妊娠」(後編)





まりさは……日に日にやつれていった。
表皮の張りは失われ、目は乾き、帽子はボロボロ。
けれども、そんなことに気を留める余裕すら、まりさにはなかった。

「も、もうゆっくりできないよ……れいむがごはんをとりにいってね…」
「どぼぢでそ゛ん゛な゛ごどい゛う゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!??れいむとあかちゃんがだいじじゃないのおおおおおおお!!??」

「ゆゆゆゆ……ゆっくりごはんをたべるy―――
「まりさのぶんもゆっくりれいむがたべるよ!!あかちゃんのためだよ!!」
「ゆゆゆ!??まりさのごはんがああああぁぁぁぁあぁああ!!!!」
「ぜんぜんたりないよ!!まりさはあかちゃんのためにごはんをとってきてね!!それがまりさのしごとだよ!!」

「あかちゃん……まだゆっくりしてるの?ゆっくりしないでうまれてね……」
「そんなこといわないでねぇ!!!れいむとあかちゃんはもっとゆっくりするべきだよ!!」
「ゆぅ……いくらなんでもゆっくりしすぎだよぉ……」
「ゆっくりしたほうがいいにきまってるでしょ!!まりさはぜんぜんゆっくりできてないね!!」

「まりさはゆっくりしないでごはんをとってきてね!!あかちゃんのためだよ!!」
「ゆ……もうやだ!!まりさもゆっくりしたいよ!!」
「ゆゆっ!?まりさのせいであかちゃんがうまれてこないんだよ!?ゆっくりりかいしてるの!?」
「ゆぎゃっ!!やめてね!!ゆっくりごはんをとってくるよ!!だからいたいのはやめてね!!」

日の出から日没まで、ひたすら草原を駆け回って食料を集める毎日。
つかの間の休息をとろうと食料に口をつければ、“赤ちゃんのため”と言ってれいむに奪われてしまう。
反抗しようとしても、同じ成体とは思えないぐらいの体格差を覆すことは出来ず、容易くれいむに弾き飛ばされてしまった。

そして、ある日。

「ゆっ!!まりさはゆっくりしすぎだよ!!あかちゃんがゆっくりできないでしょ!!」

満足な量の食料を取ってこなかったまりさを、れいむは容赦なく巣の外へ弾き飛ばす。
まりさは餡子を繰り返し吐き出しながら、よろよろと体勢を整える。

「ゆっぐ……ゆっぐじやめでね……まりさが…ゆっくりできなくなっちゃうよ……」
「れいむはあかちゃんをゆっくりさせてあげたいよ!!まりさもそうでしょ!?あかちゃんがだいじでしょ!?」

巣の半分以上のスペースを占めるまでに成長したれいむは、さも当然のようにまりさに問いかける。
自分は赤ちゃんが大事だ。じゃあ、まりさも赤ちゃんを大事に思っているに違いない。実に天晴れな思考である。

「ゆっぐ……いいかげんにしてね……」

巣の外で、まりさはか細い声で反論する。

「あかちゃんなんて……さいしょからいなかったんだよ……れいむはうそをついてたんだよぉ!!」
「どぼぢでぞんなごどいうのおおおおおお!!??あかちゃんはいるんだよおおおおおおおお!!??
 あやまってね!!おなかのなかのあかちゃんに!!ゆっぐりあやまっでね゛ええ゛え゛え゛え゛!!!」

ぶるんぶるんとお腹を動かすことで、赤ちゃんの存在を泣きながらアピールするれいむ。
だが、そんな挙動ひとつひとつもまりさにとっては無意味だった。

「そんなの……れいむがゆっくりおなかをうごかしてるだけだよ…ぜんぶうそなんだよ!!まりさにゆっくりあやまれっ!!!!」
「ひどいいいいぃぃいいぃぃ!!!すっぎりでぎないまりさのくせにぃ!!!あかちゃんにゆっくりあやまってねぇ!!!」






“すっきりできない、まりさのくせに”

れいむにとっては、頭に浮かんだ言葉をそのまま口にしただけだった。

その言葉を聞いた瞬間、まりさは即座にれいむに背を向けた。
心の深いところに大きな傷を負ったまりさは、乾いた笑みを顔に張り付かせている。

「ゆっ!?はなしがおわってないよ!!れいむとあかちゃんにあやまってね!!」

れいむの怒声を黙殺して、まりさはゆっくりと地面を這って離れていく。
無言の決別。もはやれいむに対しての愛情も、赤ちゃん達への愛情も持ち合わせていなかった。

「ゆん!!ゆっくりはんせいしたんだね!!まりさはたくさんごはんをもってきてね!!」

その様子を見ていたれいむは、まりさが反省したのだと思い込んで、満足して巣の奥へと戻っていった。
巣に貯蔵してあった食べ物をむしゃむしゃ食いながら、れいむはいつ生まれるかも分からない赤ちゃんに語りかける。
そんなことをしながら、まりさの帰りを今か今かと待ち続けるのだ。

「むーしゃむーしゃ♪あかちゃんはゆっくりおおきくなってね!!おかーさんはがんばってごはんたべるからね!!」



結論から言うと、まりさは帰ってこなかった。
昼になっても、夜になっても、次の日の朝になっても、まりさは帰ってこなかった。
まりさが帰ってこなかったということは、つまり……“食べ物が来なかった”ということだ。

「ゆっ!!あかちゃんたちをまたせるなんて!!おやとしてのじかくがたりないよ!!ぷんぷん!!」

れいむの予定では、まりさが休まず昼も夜も食べ物を持ってくる筈だった。
だから巣に残っていた食料など、全て綺麗に食べつくしてしまったのだ。

「ゆぅ!!おなかがすいたよ!!あかちゃんたちもおなかをすかせてるよ!!」

昼になっても、夜になっても、次の日の朝になっても、まりさは帰ってこない。

「まりさはゆっくりしすぎだよ!!かえってきたらおしおきだね!!」

昼になっても、夜になっても、次の日の朝になっても、やはりまりさは帰ってこない。

「おなかがすいたよ!!……どうしてごはんをもってごないのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!??」

いくらぶくぶく太った身体をしていても、空腹はやってくる。
我慢の限界に達したれいむは、巣の外に出て自らご飯を探すことにした。
ついでにまりさも見つけて、ボコボコにしてやるつもりだった。

だが、一ヶ月以上巣の中でゆっくりしていたれいむは、今になって初めて重大な事実を知った。

「ゆっぐ!!ゆっくりでるよ!!……ゆゆ!?ゆっくりでられな゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!??」

巣の中で殆ど動かず、することと言えば食う事と寝る事だけという生活を続けていたれいむ。
おかげで、巣の外へと続く細い穴を通り抜けられないぐらい、れいむの身体は肥大化していたのだ。
ぐいぐいとお腹から外に出ようと、全体重をかけて前進しようとする。
だが、お腹の中に赤ちゃんがいることを思い出して、れいむは力を弱めた。

「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!おながすいだよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!」

空腹を解消できないと知って、れいむは絶望の叫びを上げる。
この巨体では、どう頑張っても巣の外に出ることは出来ない。やせ細るのをゆっくりと待つしかないのだ。



食料を断たれてから、一週間が経った。
一度肥大化した身体が小さくなる気配は無く、空腹感だけが日に日に増していく。

「ゆっぐ……おなかすいたよぉ……あかちゃんがしんじゃうよおおおぉ……」

かつてのまりさのように、力ない声を出すれいむ。
そんなれいむが閉じ込められている巣の入り口に、一週間ぶりにまりさが戻ってきた。

「ゆっ!!れいむ!!ゆっくりしてる?」
「ま、まりざあああああぁあぁぁぁぁ!!??」

巣の中から見たまりさの姿は、とてもゆっくりしていた。
髪の毛はもとの艶を取り戻しており、皮の張りも、目の潤いも、かつて元気だったまりさそのものだった。

「ゆっくりしすぎだよおおおおおおお!!!あかちゃんがかわいそうでしょおおおおおおおおお!!??」

れいむの叫びは巣の全体に響き渡り、巣の外まで届いた。
自分がこんなに苦しんでいるのに、どうしてお前はそんなにゆっくりしてるんだ!!
抑えきれない怒りで、れいむの心は破裂しそうだった。

「ゆっくりはいってきてね!!まりさにはゆっくりおしおきするよ!!」

頬をぶくっと膨らませて、怒りを露わにする。まりさを徹底的に痛めつけて、二度と逃げる気にならないようにしてやるつもりだった。
しかし、それを見てもまりさはまったく脅えることなく、にやにやと巣の中のれいむを見つめている。
痛いことをされると分かっていて、自分から巣に入っていくほどまりさはバカではない。

「ゆ~!!つかれたからおそとでゆっくりするよ!!」

まりさは、帽子の中からたくさんの食料を取り出し、れいむに見せ付けるようにして貪り食う。
うっめぇ!!まじぱねぇ!!と、下品極まりない声を上げながら食べかすを飛び散らした。
その様子を見たれいむは、下唇を強く噛んで悔しがる。

「ゆぎいいいいいいっぃぃ!!!まりさばかりずるいよ!!れいむにもたべものをもってきてね!!あかちゃんのためだよ!!」
「ゆっ?あかちゃん?そんなのいないよ!!ゆっくりりかいしてね!!でぶれいむ!!!」
「でぶじゃな゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!これはあかちゃんな゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!」

全身の余分な餡子を震わせながら、涙を流して否定するれいむ。
デブといわれたことより、赤ちゃんの存在を否定されたのが悲しかった。

「ぱちゅりーにゆっくりきいてきたよ!!れいむにあかちゃんなんていないんだよ!!」
「ゆゆっ!?そのぱちゅりーはうそをついているよ!!!れいむをゆっくりしんじてねぇ!!!」

何が何でも、自分のお腹の中には赤ちゃんがいる、そのことを受け入れて欲しかった。信じて欲しかった。
けれど、まりさは哀れむような笑みを浮かべて、れいむの言うことを一欠片も信用しようとしない。

「ゆ?うそをついてるのはれいむだよ?ゆっくりりかいしてね!!!」

帽子から出した食料を全て食べ切ったまりさは、口の中に残っていた野菜の芯をぺっと吐き出した。

「ゆっぐ!!ゆっぐりぃ……あがぢゃんがだいじじゃないのおおおおおお!!?あがぢゃんがゆっぐじでぎないよおおおお!!??」
「まだゆっくりりかいしてないんだね!!あかちゃんなんて―――

と言いかけて、背後に何者かの気配を感じたまりさは、ゆっくりと後ろを振り向いた。








「がおー!!!」
「ゆっ!!???」



そこに立っていたのは、ピンク色の古臭い服を着た胴付きゆっくり―――ゆっくりれみりゃだった。

「うー!!たーべちゃーうぞー!!!」
「うがああああぁっぁあぁぁあ!!!れみりゃだあああぁぁああぁぁ!!!!」

食物連鎖の上位に位置するれみりゃを見て、まりさの本能が危険だと告げていた。
とにかく逃げなければならない。何よりも逃げる事が最優先だ。考える前に、身体が動いていた。

そう、考える前に、身体が動いてしまった。考えないで、身体を動かしてしまった。
だから、普通に考えればタブーだと分かることを、まりさはしてしまったのだ。

「ゆううううぅぅうぅぅぅ!!!れいむううううぅぅううぅぅ!!!ゆっぐりだずげでねぇえぇぇぇぇぇええええ!!!」

まりさは一番近くにあった巣穴……れいむが閉じ込められている巣穴に、迷わず飛び込んだ。
その穴は、れみりゃが入れないほど小さいものではない。そして、当然ながらゆっくりの巣穴の出入り口は一つ。
つまり、まりさは本能に身を任せてしまったばかりに、自ら袋小路に逃げ込んでしまったのだ。

「うー?にげてもむだだぞー!!!たーべちゃーうぞー!!!」
「うわああああぁぁぁあっぁあ!!!まりざはおいぢぐないよおおおおおぉぉぉぉぉ!!??」

れみりゃが伸ばす手から間一髪で逃れて、巣穴の奥へと逃げ込もうとするまりさ。
しかし、その退路を……空気を吸い込んでぷくぅっと膨れたれいむが塞いでしまった。

「ゆっ!?なにをするの!?ゆっくりたすけてね!!」
「あかちゃんにひどいことをいうまりさはゆっくりしね!!」

ぐいぐいとまりさが全体重をかけて奥へ進もうとしても、れいむの巨体を押し退けることはできない。
まさに、壁だった。れいむのお腹は、何者の侵入も許さない防壁だった。

「どぼぢでぞんなごどい゛う゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!??まりさのぴんちなんだよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!??」

れいむが苦しむ様を見て笑っていたときの面影は、もうなかった。
ただひたすら涙を流して、まりさは“壁”を退けるよう要求する。それでもれいむは、お腹を退かそうとはしなかった。

「もうおまえはれいむのまりさじゃないよ!!!れみりゃにたべられてあのよではんせいしてね!!!」
「いやだぁあああぁあっぁあぁ!!!だべられだぐないいいいぃぃいいぃぃ!!!!」

れいむの腹にすりすりと頬を擦りつける形で、なるべくれみりゃの手から逃れようとするまりさ。
ゆっくり同士の友情を確認する手段である“すりすり”だが、今のすりすりには何の気持ちよさも無かった。
ただ、逃げたいだけ。助かりたいだけ。そこには友情も愛情も無い。あるのは生への渇望だけだった。

「おねがいだよおおおぉ!!!あがぢゃんのごとわるぐいわないがらああぁあぁ!!!だがらだじゅげでねえええぇえ!!!」
「もうておくれだよ!!!ゆっくりたべられてしね!!!」

ぼよん!!

お腹に力を込めて、れいむは腹部に張り付いているまりさを弾き飛ばした。
ぼてっぼてっと地面をバウンドするまりさ。ボールのように弾むまりさを、追いついてきたれみりゃが受け止めた。

「うー!!まんじゅうがころがってきたぞー!!たーべちゃーうぞー♪」
「ゆっくりやめてね!!まりざはおいぢぐないよ!?たべるならあっぢのれいむを―――

両手でまりさを掴みあげたれみりゃは、大きな口を開けてがぶっとまりさに噛り付いた。

「うげっ!?あぼっ!!?あろろろろろ!!?いびあいびあいばいいばいばいいいば!!??」

一気に身体の半分以上を失ったまりさは、正常な悲鳴すらあげる事が出来なかった。
片目を失い、口を半分失い、帽子を半分失い、餡子を半分失った。
大きな断面から餡子が漏れる暇も与えず、れみりゃは残り半分もぱくりと一気に口に放り込む。

「うー♪おいしかったぞー♪ぷっでぃーんよりおいしいぞー♪」
「おばおおあおおああおぁああぁぁあっぁあぁぁぁぁぁぁ―――――

意味を成さないまりさの悲鳴が、れみりゃの身体の中に吸い込まれていった。



「ゆっ!!ばかなまりさはあのよでゆっくりはんせいしてね!!」

まりさの最期を見届けたれいむは、満足した様子で巣の奥へと戻っていく。
素晴らしき饅頭思考。れいむは、まりさを襲った危機が自分に降りかかるとは……これっぽっちも考えていなかった。

「うー?あっちにでっかいまんじゅうがあるぞー?あれもたべるんだぞー!!」
「ゆっ!?どうしてこっちに゛ぐる゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!??」

デブれいむでは通り抜けられない穴も、成体れみりゃなら通り抜けられる。
巣の奥へと逃げ込んだれいむを追い、れみりゃも巣の奥へと入り込んでしまった。

「うー!!すごくでかいんだぞー!!これならおなかいっぱいたべられるんだぞ~♪」
「どぼぢでええぇぇえぇぇぇ!!??まりざをたべだの゛に゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」
「あんなちいさいまんじゅうじゃ、ぜんぜんたりないんだぞ~♪う~♪」

一ヶ月近く巣の中に引き篭もっていたれいむが、まともに動けるわけが無く……
れいむは呆気なくれみりゃに捕まってしまった。れみりゃ相手では、巨体を生かして押し勝つことも難しいのだ。

「う~♪でっかいまんじゅうたべちゃうぞ~♪」
「うわぁあぁぁぁぁぁぁやめでねええぇぇぇええぇ!!!そごにはあがぢゃんがいるのおおおおおおぉぉぉぉ!!!」

れいむの腹を鷲づかみにしたれみりゃに向かって、れいむは涙を流して懇願する。
だが、その言葉はれみりゃの好奇心を刺激するだけで、何の役にも立たなかった。

「う~♪それならおなかからたべるんだぞ~♪あかちゃんおいしそうだぞ~♪」
「やめでねえええぇえぇぇ!!!!れいぶのあがぢゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

ずりずりと後ずさって、少しでもお腹の中の赤ちゃんをれみりゃから守ろうとする。
大粒の涙を流しながら助けを請うも、れみりゃの手を止めるには至らなかった。

れいむのお腹のど真ん中に両手を突っ込み、れみりゃは力を込めてその穴を両側に広げた。
びりびりと皮が破れて、その隙間からじんわりと餡子が漏れていく。

「いっぎゃあかかかあかかかああ!!!?いびびびあいあいあおいあおいおあ!!??」

生まれて初めての激痛だった。身体はれいむの制御下を離れ、痛みに反応して無秩序に微動する。
腹の中の餡子を抉られる痛みと、赤ちゃん達を蹂躙される悲しみに、れいむは涙を止める事が出来なかった。

れみりゃはニコニコ顔でれいむのお腹の中を覗き込み、お目当てのものを手探りで見つけようとする。
だが、どんなに探しても赤ちゃんらしきものは見つからない。
繰り返し餡子を穿り返しても、出てくるのは餡子だけ。
れみりゃが楽しみにしていた赤ちゃんゆっくりは、どこにも入っていなかった。

「う~!?あかちゃんなんていないんだぞー!!??うそつきはこうだぞ~!!??」

騙されたことに腹を立てたれみりゃは、大きく口を開けてれいむの目に噛り付いた。


―――え?あかちゃんが……いない…って……うそ…だよね……?


そんな思考が出来たのも、一瞬だけだった。れいむの餡子脳は、すぐにれみりゃの攻撃によって痛みに染まる。

れみりゃの怒りを買ったれいむは、それはそれは惨たらしい食われ方で、身体を失っていった。
赤ちゃんなど一匹もいないお腹はズタズタに引き裂かれ、目は勢い良く噛み千切られ、

「これはまじゅいからぽいするの!!」

と、リボンと髪の毛は乱暴に取り去られた。
身体の至る所を貪り食われ、命が絶えつつあっても……れいむは赤ちゃんの存在を信じて疑わなかった。

「あがぢゃんはぁ……れいぶのあぎゃだんは……いるんだよおおおぉぉ……」
「う~?またうそをついてるぞ~?うそつきはどろぼうのはじまりだぞ~!!」

がぶがぶと美味しそうに、れみりゃはれいむの身体を噛み砕いて呑み込んでいく。
餡子を失い、痛みすら感知できず、正常な思考すら困難になっても、れいむはただ赤ちゃんのことだけを考え続けた。

れいむは、たくさんの赤ちゃんとゆっくりしたかっただけなのに……
どうしてれいむと赤ちゃんがこんな目に遭うの!?どうして!?もっとゆっくりさせてよ!!
ごめんね…れいむの赤ちゃん……ゆっくりさせてあげられなくて、ごめんねぇ!!!

「あが…ぢゃん……ごべん……ね…」
「う~♪あまあま~♪」

最後の一口が、れみりゃの口の中に放り込まれた。




「う~♪おいしかったぞ~!!まんぷくなんだぞ~♪♪れみ☆りゃ☆う~♪」

デブれいむを食べつくしたれみりゃは、よくわからない呪いのポーズをとって満足げな笑顔を浮かべる。
お腹がいっぱいになったので、今日はごーまがん(という名の巣穴)に帰って眠ろう……と、巣穴から出ようとしたのだが。

「う!?でれないんだぞー!?おかしいんだぞぉー!!??」

巣穴から出られなかったデブれいむを、残さず食ったれみりゃ。
デブれいむ一匹分の餡子が収まったれみりゃのお腹は、小さな巣穴に見事に引っかかってしまったのだ。

「うああああああぁぁぁぁぁ!!!ざぐやああぁぁぁぁぁ!!!れびりゃをだじゅげでええええええ!!!!」

誰かを呼んでいるようだが、こうも発音が不明瞭では誰も聞き取れないだろう。
巣から脱出する手段が思いつかないれみりゃは、ゆっくりと待つことになった。

「ざあああああぐううううううやああああぁぁぁぁあぁぁ!!!!!」

飢え死にするか、ゆっくりふらんに食われるか。二つに一つ。

れみりゃは、とてもゆっくりできない最期を、待つことになった。




(終)



あとがき

ゆっくり虐待52(実質:ゆっくり虐待スレ53)の582,589あたりから強烈な電波を受信して。

良い子は、想像妊娠なんかしちゃダメですよ!

結末はいろいろ考えたけど、腹切り開いて「中に誰もいませんよ」をやりたかったので、れみりゃにご登場願いました。
れいむ餓死エンドは、話が相当長くなりそうだったので止めました。

作:避妊ありすの人

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最終更新:2008年10月17日 21:23
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