ゆっくりいじめ系1058 万能お兄さん3_02


ドスがあっけなくつかまり、それを見た村人達が勝ち鬨をあげる。ドスさえ戦わなければあとは雑魚だ。
こいつらは
「ゆっくりしね!!!」
と言うものの、飛びついたり、噛み付いたり、石を投げるだけだ。たいした敵ではない。
無論数があれば村は無傷とは行かず、かなりのダメージを負っただろう。
だが、最初の戦闘で半数が減ってしまっては、もう村人達に抵抗できるものはいなかった。
それにドスが気絶したのを見て、戦意喪失したゆっくりたちは逃げ始めた。
「できるかぎり、あいつらを捕まえてください」
万能お兄さんの指示により、村人達はゆっくりを捕まえ始める。虐待お兄さんも手伝い始めた。

これで準備がそろった。あとはドスが目覚めるだけだ。

すべては「計画」のために。




「おい、おきろ」
虐待お兄さんが蹴り飛ばす。
顔に激痛が走り、ドスは目を覚ました。
動こうとしても動けない。それもそのはず、体を厳重に縛られているからだ。

「ゆっ!!うごけないよ!!!この縄を解いてね!!!」

ドスは頼んだが、村人達は誰一人として答えない。代わりに虐待お兄さんのパンチが飛んできた。
「ゆごべぇっ!!!!!」
「どうやら終わったようだね」
愛でお兄さんもやってきた。すでに安全とわかり、他の飼いゆっくりたちも自分達の家に帰っていった。
万能お兄さんのゆっくりは、10匹程がお兄さん達を囲むようにして周りを警戒している。残党は先ほどの戦闘で
戦意喪失したが、油断はできない。念には念を入れておいた。残りの20匹ほどは家と村の警護だ。

「さすがゆっくりの総元締め。この状態でも偉そうに言うとは…。下種が、殺すぞ」
「だめだよ、虐殺お兄さん。こいつは僕に任してくれるって言ったじゃないか」
「…そうだったな」
槍を収めていう。それを聞いた虐待お兄さんが。
「んじゃー、こいつ俺がいたぶっていい?大丈夫、死なない程度にするからさ」
「ごめん、それもできない。頼むよ」
「ちぇっ、わかったよ。だから頭を上げてくれ」
「万能お兄さん、どうかしたのかい?」
「ありがとう愛でお兄さん。なんともないよ、なんとも…。」
拍子抜けだ。なんだか今回はえらく消極的だな。いつもと違う万能お兄さんの態度に、3人は戸惑いを隠せなかった。

「じゃあさ、こいつはどうすんだ?」
「今から公開処刑をするからまってね。虐待お兄さん」

公開処刑?このおにいさんはなにをいっているんだ?
いったいなにをはじめるつもりなんだ?
ドスには理解できなかった。

「だがよぉ、これだけの死体を見せれば意味ないんじゃねーか?」

死体?あの人は何を言っているんだ?
と、ドスは片目であたりを見渡した。そして理解した。





そこいらに横たわる、彼女の仲間達を。


「あ……あ……あ……」



信じられなかった。夢かと思った。
だが現実だ。口の中の熱い痛みがそれを教えてくれる。
村を襲ったのは失敗したのだった。
みんな、ドスを信じて戦い、死んでいった。





「ああああぁぁぁぁぁぁあぁあああああぁあぁ!!みんなああぁぁぁああああぁぁぁ!!!!!!」




ドスまりさは泣き叫んだ。あまりにも急だったので、何人かの村人が驚く。

4人のスペシャリストである四天王はゆっくりと、ドスを見る。

「おーおー、いい声で泣き叫ぶこと」
「やはりゆっくりの絶望の声はいいものだな」
「あーあー、聞こえません。聞こえません。聞きたくありません。」
虐待お兄さんと虐殺お兄さんは、ドスの泣き叫ぶ声に恍惚の表情を浮かべている。
愛でお兄さんは、辛いので耳をふさいでいる。

万能お兄さんは、ドスが泣いているにもかかわらず、話しかけた。

「ドス、いいかい?」
「ゆ゛っ゛…ゆ゛っ゛…ゆ゛っ゛…ごべんね…ごべんね…」

ショックのあまり耳に入っていないようだ、それをみた万能お兄さんは彼女の顔を殴り、目を覚まさせた。

「いいかい、ドス。君達は人里を襲った。やってはいけないことをした。人里を襲ってはいけないというルールはない。
だが、僕らに恐怖を与えた罰を、君は受けてもらう。」

「どちらかっつーと、俺らは楽しんだけれどな。なぁ?虐殺お兄さん」
「ああ」
「僕は悲鳴を聞くだけで胃が痛くなりそうですがねぇ…。」

3人がそれぞれ言う。だが、万能お兄さんは気にせず話を進める。

「ゆ゛っ゛ぅぅ、罰ってなにをするの…」

「公開処刑さ」





そういうと、村人達がゆっくりを入れた麻袋をもってきた。
万能お兄さんの指示によって、捕まえたゆっくりだ。数はおよそ10匹。
残りの90匹ちかくは、死んだか、逃げたか、虐待お兄さんが捕まえたか、である。
ゆっくりたちが袋から出され、ドスの前に並べられる。逃げないようにちゃんと縄で縛っている。

「こうかい…しょけい?」

ドスは恐る恐るたずねる。

「ああ、この10匹のゆっくりたちには死んでもらうよ。






君を呪いながらね」



と、1匹のれいむがドスの前に出された。
「虐殺お兄さん、処刑執行人はよろしくね」
「おう、この上ない適役だな。私にこそふさわしい」

そういうと、虐殺お兄さんは1匹のれいむのまえにたった。
れいむは恐怖に震えながらも、ドスに助けを求めた。


「どずぅぅぅ!!!だずげでぇぇぇ!!!!じにだぐな、ゆぎゃっ!!」

「やかましいわ、この下種が」
槍を一突き刺し、れいむを殺す。
「すぐに殺しても問題ないか?万能お兄さん」
「うん。でもできれば、死ぬ前の一言は喋らせてね」
「承知した」

それをみたゆっくりたちは恐怖し、次々に騒ぎ始める。

「どずうううぅぅぅぅぅぅううう!!!!だずげでよおおおおぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!」
「じにだぐないよぉぉぉぉおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!!!」
「なんでだずげでぐれないのぉぉぉぉぉおおおおお!!!???」
「どずずばーぐをうっで、にんげんをごろじでよぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!」
「どずのばがああああぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!わだじだぢをだずげでよおおおおおおおおお!!!!!」

ドススパークは撃つ事はできなかった。ひとえに万能お兄さんから喰らった、ジョロキアグレネードのせいである。
一度口の中に広がれば最後。ドススパークはおろか、ゆっくりオーラも使えない。
ゆっくりに取っては弱点ともいえるトウガラシの辛さにより、口の中が辛くて機能しなくなるうえ、口の中に生えている
ドスキノコにまで影響を受けるからである。ただ、トウガラシのみで、ドスキノコが使えなくなるわけではない。
ジョロキアグレネードに含まれている「ある薬」のおかげだった。
それはゆっくりオーラを無効化する解毒剤だった。
人間が飲むためのものを、ドスキノコにかけてみたら偶然機能しなくなることがわかったのであった。
おかげで、ゆっくりオーラとドススパークの両方を封じることができる。
ただ、機能しなくなるだけで。キノコそのものが消えるわけではない。あと1ヶ月もすれば機能は戻るが、1ヶ月とは長いものである。
ドスにとって、最大の武器であるドススパークが撃てなくなったドスは、自然で生き残れるかどうかも疑問である。

おまけに口の痛さはいかばかりか。1週間ほどは口が辛くて麻痺し、食べ物が食べれなくなるだろう。
ドスほどの大きさなら、体の餡子を消費すれば、体は少し小さくなるものの助かる。これが成体ゆっくりなら1週間も持たないだろう。
もっとも、一滴の飛沫だけでも死ぬか、後遺症をのこして、二度とゆっくりできなくなるが。


ドススパークも、ゆっくりオーラもつかえず、ドスはただただごめんね、ごめんねと謝るだけだった。

謝るドスに、次々と浴びせられる仲間からの罵声。そして1匹1匹と死んでいく。

「もう終わったな」
虐殺お兄さんが、最後のゆっくりを殺していった。
終わったと言ったのは、最後のゆっくりを殺したから終わった、というよりもドスそのものの精神が。という意味合いが強い。

「ゆぅ…おにいさん…もう…おわったんでしょ」

「…ああ、たった今終わったよ」
万能お兄さんは答えた。



「じゃあ…、わたしをゆるしてください…おねがいします。」




「ああっ!?なめたこというんじゃねぇぞ!!」
そう答えたのは虐待お兄さんだった。
「てめぇはこれから、俺らに嬲り殺されるんだよ」
「クソにも劣る饅頭風情がこの期に及んで命乞いとは、調子に乗るな」
虐殺お兄さんが吐き捨てるように言う
「これもしかたないね…」
と、あきらめるように愛でお兄さんも言う。彼からすれば全てのゆっくりを愛するわけではない。悪いゆっくりは処罰されても文句は言わない。
だから、このドスまりさが死のうが嬲られようが、村を襲ったのは事実で覆すことなどできないから、彼はあきらめている。
ちなみに、ほかのゆっくりたちの公開処刑では耳栓をして、小説を読むのに没頭していた。


「ゆうっ!!ゆるしてよ!!ばつはうけたんだよ!!おねがいいいい!!!!ゆるじでよおおおおおおおお!!!!!!」


ドスまりさは泣き叫び懇願した。私は彼の言う罰を受けた。もう罰が終わったなら終わりではないのか??人間はこうも汚いのか?
彼女は必死になって懇願した。

それを見下すような目で見る虐殺お兄さん。
これからおこる虐待にわくわくするような目でみる虐待お兄さん。
耳を塞ぎ、彼女を見ないようにする愛でお兄さん。


さぁ、これからどうしようか?
その答えは万能お兄さんが決める。彼は静かに口を開き。







「ああ、許すよ。だから山に帰るんだ。」
























































何分たっただろうか。静寂が訪れる。
ドスまりさも、3人のお兄さんも、彼が何を言ったのか理解できなかった。


だが、彼ははっきりといった





「ドスを許す、と」






「お、お、お、お、お、お。おいおいおいおいおいおおおおおいおい!!!!!万能お兄さん!?」
虐待お兄さんが詰め寄る。万能お兄さんとは長い付き合いだし、ゆっくりではいろいろと話し合った、まぎれもない心友だ。
他の2人と同じく、心の友だ。
だからこそ、心友だからこそ、彼の言ったことが理解できなかった。
「えー、もう一度聞きますよ?いいですか、万能お兄さん。あんたはさっきなんていったんだ?」
「うん、ドスを、彼女を許すよ」
「えっと・・・・・・・・・what?」
「もう一度言うよ。ドスを許す。」
「Can you say that again please?.(もう一度言ってくれませんか?)」
「驚くのも無理はないけれど、ドスを許すって言ったよ」
「今日はエイプリルフールだったか…?」
日付を思い出したが、いまは晩秋。そんなわけがない。
頭を抱えている虐待お兄さんを尻目に、虐殺お兄さんは訪ねた。心底信じられないといった顔だ。
「万能お兄さん、君は本気で言っているのか?」
「…一度言ったことは曲げないし、やると決めたことをやめたことはないよ。それは君が一番良く知っているはず」
「ああ…、君はこの村に来たときからそうだったな。非常にひねくれた頑固者だ。わかった、もう何も言わない」
「感謝しますよ、虐殺お兄さん。いや、僕の修行の先生」
「君はもう卒業したから、そういわれる筋合いはない」
「そうだったね…」
虐殺お兄さんは引き下がった、次に愛でお兄さんが尋ねてきた。やはり信じられないようだ。
「君が言ったことは間違いない…よね?」
「うん、信じられないかもしれないけどね」
「…なにか考えがあるんだろう?」
「…」
万能お兄さんは答えなかった。図星だからだ。だが顔には出さず、静かに
「とりあえず、信じてくれないか?」
とだけ言った。愛でお兄さんも、これ以上彼が喋らないとわかると、おとなしく引き下がった。


ドスも信じられないような目で、彼を見た。殺されると思ったからだ。
「おにいさん…、本当に…、ゆるしてくれるの?」
彼は縄を解きながら言った。
「ああ、さっきの話を聞いていただろう。君を僕は罰した、君はそれに耐えた。だからこれ以上咎める理由はない」

「ゆぅぅぅぅぅっ…………」

ドスは静かに涙を流した。人間は、ちゃんと約束を守ってくれた。
罰したら、それ以上お咎めなしなんて今まで見たことも、聞いたこともない、初めてだ。


「ゆぅぅぅぅぅぅ………、おにいさんありがとう」

「僕だけじゃなく、他の皆にも礼を言ってね」

ドスまりさは回りのお兄さんと、村人達にもありがとう、ありがとうと礼を言った。
愛でお兄さんは「もう2度とこんなことをするんじゃないよ」とにこやかにいい、虐殺お兄さんは無視し、
虐待お兄さんはぶすっ、と膨れていたので聞きたくもないし、それどころじゃなかった。

「じゃあ、ドスまりさ。これをもっていきなさい」

と、万能お兄さんが手を上げると、家のゆっくりたちがダンボール箱に入った野菜をもってきてくれた。
いっぱい入っているわけではないが、結構な量はある。
「ご主人様、もってきましたー」
ときめぇ丸Bがお兄さんに近づいて、顔を寄せ耳打ちした
(これでよろしいのですよね?)
(ああ、問題ない。ところで、「あの村」に行くための量は大丈夫なのか?)
(はい、ぱちゅりーが写真に載っている食料庫の量に、現時点でのドスの群れの数、群れの食料消費量、行軍時間などを
計算した結果。この野菜を彼らにあげればギリギリで「あの村」にたどり着きます)
(そうか、ご苦労。これで僕の「計画」が進む。愛してるよ)
皆に聞こえないような耳打ちはほんのわずかだったので、回りの皆からすれば、きめぇ丸が万能お兄さんにほお擦りをしたようにしか見えない。
きめぇ丸は本来なら、愛していると言われれば顔を赤くするものだが、今回の彼女はどこか浮かない顔をしていた。

彼は家のゆっくりには本音で話す。家のゆっくりと愛し合っていたなども隠さずに言う。だから知っている。
知っているのだ。万能お兄さんの復讐を、彼が考えている「計画」の全てを。


万能お兄さんはドスを見て
「いいかい、ドスまりさ。これで最後にするんだ。もう二度と村を襲っちゃいけないよ」

「ゆぅぅ、おにいさん、ほんとうにこのお野菜もらっていいの?」
もらえることが信じられないので、彼女は尋ねる。
お兄さんはにこやかにいい
「ああ、もちろんさ。だが約束してくれ。もう村を襲うのはやめるんだ。君達ゆっくりは人間に勝てない。
これ以上死にたくなかったら、人里を襲うのはやめなさい。いいね?もし君達がまた村を襲ったりしたら…。
その時は、僕は君達を殺すからね?2度目はないと思ってね?」

と笑みを崩さずに言うお兄さん。その恐ろしさにドスまりさは恐怖し
「ゆっ!!ゆっくりわかったよ!!やくそくするよ!!にどとむらをおそわないよ!!」

「よしよし、じゃあ山にお帰り」

そういって、彼はドスまりさを撫でた。
彼女は頭に段ボール箱を乗せながら、山へと地面を揺らしながら帰っていった。



それを見送る村人達と、四天王。

村長と村人達が、万能お兄さんに話しかけた
「これで計画通りになったな!!さすがだぜ!万能お兄さん!!」
「村一番の頭脳は伊達じゃねぇやな!!」
「これで、村に大金が手に入るな!!」
「天国の養父さんも、誇りに思っているだろうぜ!!」
万能お兄さんは、村人達から褒められ愛想笑いを浮かべた。本来なら普通に笑うところだが、村人が言った

「天国の養父さんも、誇りに思っているだろうぜ!!」

が引っかかり、心のそこから笑えなかった。




養父さん、僕はある復讐をします。それはとても外道なことです。だから、養父さんは僕を消して許さないでしょう。
でも僕はこの道を進むのをやめません。父と養父さんと妹をあんな目に合わせたあの村は…。
とくにあの3人だけは、あいつらだけはなんとしてでも死ぬところを見なければ気がすまないっ!!!


再度そう、心に決めた。養父への謝罪をこめながら。許されるはずもないと思いながらも謝罪を繰り返した。


「…おい、大金ってなんだ」
虐待おにいさんが思い出したように言う。
「さっき、村人が言っていた大金って、どういうことだ?」
万能お兄さんに詰め寄る虐待お兄さん。彼は村長に目配せした。村長はうなずき、彼もうなずいて話した。

「ああ…、君たち3人には黙っていたけどさ、あのドスをうまく使って加工所に売れば大金が手に入るんだ」
「加工所にゆっくりをもって行けば金が入るのは誰だって知っているぜ。俺が知りたいのは、なぜドスをそのまま売り飛ばさず、わざわざ
逃がしたのかがわからねぇ」
「じゃあ教えるよ。成長したゆっくりは美味しくないのは知ってるよね?」
「ああ、中身がパサパサしているからな。常識だ。それを美味しくするには俺がするような虐待によって、売り飛ばせるレベルまで
味を向上させることができるのも理解している。」
「うん。じゃあ、かなりの期間をへて、成熟したゆっくりの中枢餡子は、かなり特殊だってしっているかい?」
「小耳に挟んだ程度ならな。だがかなりの期間をへて成熟したゆっくりなんて、普通さがしてもめったに見つからないだろ…









ドスくらいなもんじゃ………………………あ。」

どうやら虐待お兄さんは理解したようだ。万能お兄さんの言わんとしていることを。
「…その顔をみると、僕の言いたいことがわかったようだね?」
「…」
虐待お兄さんは黙ってうなずく。
なぜ彼が、ドスを逃がすようなことをしたのか。
それはひとえに


「あいつを逃がしてゆっくりさせて、また恐怖を与えれば、中の餡子はかなり上質なものになる。外側の餡子だけでもかなりの価値になるんだ
それが中枢餡子だったら………わかるよね?」
「…ああ、理解したぜ。まさかアンタがそれほどまでに考えていたなんてな。味をよくして、高く売りつける。か」
虐待お兄さんの顔がどんどん明るくなっていく。
「でも、欠点があってね。あのドスの味が良くなるには、春を迎えなければ成らないんだよ。でも、その間に彼女達は
群れの数を元に戻しているか、それ以上の規模になっているよ。多分、今回以上の虐待と虐殺ができると思うんだ。
だから、虐待お兄さんと虐殺お兄さんには黙っていたんだ。後で喜んでもらおうと思ってさ。」
「なんだそういうことかよ!相変わらずいいやつだな!!春がこんなにも楽しみと思ったのは久しぶりだぜ!!」
万能お兄さんの説明に、はしゃぐ虐待お兄さん。
「タダではこういうことはしないのは理解していたが、まさかそこまでとはな…。お前の頭脳が恐ろしいよ。
まぁ、私としては今回以上のゆっくりが虐殺できるのがわかったから非常にうれしいがな」
虐殺お兄さんも感心している。だが愛でお兄さんは
「…なにをしたら、君をそんなに駆り立てるんだい?」






「…」





愛でお兄さんは人を見る目がある。だから万能お兄さんの起こした行動も、なにかあるというのがわかっているようだ。


「せめていうなら、金がほしいくらいだよ」

愛でお兄さんはそれを聞いても、釈然としなかった。彼が言ったのは本当だろうが、金以外にもなにかを求めている。
とても人に話せないような内容だろう。そうにらんでいた。



そう言うと、万能お兄さんは家に帰った。進行方向に村長が居て、横を通り過ぎようとしたら、村長が話しかけてきた
「あの子のためかね…」
「…言うまでもないでしょう。たった一人の血を分けた妹なんですから」
「じゃが、それ以外にも何か考えておるだろう」
「…はい」
「あの子の病気のことは、わしとお前しかしらん、安心しろ。じゃが、お前さんが行こうとする道は茨の道ぞ」
村長は、彼が何をするのかうすうすながら気づいているようだ。
「さすが村長、僕など到底あなたに及びません」
「ばかもん、お前さんを拾ったあの猟師はわしの親友じゃ。あいつはお前さんと妹を実の子供のように自慢しておった。
じゃから、村ではお前さんのことをよーくしっておる。あいつほどではないがな」
「…初耳ですよ」
「話さなかっただけじゃ。お前は、あの村から村八分にされてこの村にたどりついたが、この村に来て生まれ変わったんじゃ。
じゃから…。やめることはできないのかね?」
「これはあなたの親友への敵討ちも含まれています。それに、僕は生まれ変わってなどいません。あの村の、あいつらのことを
一時たりとも忘れたことなどないのですから。あなたも、村人も、親友も、全て自分の「計画」のために利用する外道なのですよ、僕は。
だから…生まれ変わってなど…それにすることが終わったらこの村を」
「…お前はそう思うのか。じゃが一つだけ言わせろ。わしは決して、お前を見捨てんからな。この村を勝手に出ることも許さん」
「…」

村長すらも利用したというのに、彼はそのことについて咎めないばかりか見捨てないと言ってきた。
胸が熱くなり、目から暖かい何かがこみ上げてきた。
だが、それを悟られないように、彼は足早に家へと帰った。




家へとたどり着き、自分の部屋へ入り横になった。
その後に、きめぇ丸Aが部屋に入ってきた
「ずっと家に隠れていたかい?」
「はい、ご主人様の言いつけはしっかりと守りました。だからあのドスには、私がご主人様のものだということに気づいていないと思います。」
「よし、後は君があの群れを誘導するだけだ。しっかりと頼むよ」
「了解です、では行って参ります」
と、きめぇ丸Aは窓から飛び出て、ドスまりさの群れへと飛んでいった。

一人になった彼は、

「うまく「計画」どおりにいけば、あのドスの中で「あれ」ができる。それさえ手に入れば後は…」

そう呟き、彼は眠りについた。














あとがき

万能お兄さん3です。読んでいただいた方ありがとうございます。
がんばってライトみたいな腹黒さをだしてみましたが、いかがでしょうか?
あと、彼の家族も少し出しています。過去にも少し触れてます。


3つで終わるかなーと思いきや、書いていくうちにかなり長くなってしまいました。すいません。
3つ書いたら名乗ろうかなと思ってたんで、これからロベルトと名のることにします。

続きもがんばるので、よろしくお願いします。
感想くれた方に感謝いたします。初めて書いたものに暖かい感想をもらえたことに涙を禁じえません。

お目汚し失礼しましたー。



書いたもの
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最終更新:2009年05月09日 02:52
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