ゆっくりいじめ系1002 鯛焼き

※色々無茶があります、無茶くそな設定嫌いな人は注意


鯛焼き




「「「ゆっくりしていってね!!」」」
「いらっしゃ・・・なんだ、ゆっくりか。」

不意にかけられた声が客のものではなく、ゆっくりによるものだと知り男はつまらなそうにした。
男は屋台の鯛焼き売り、もう少しもすれば寺子屋帰りの子供達で盛況するも真昼間は客も無く暇である。
そんな折に声なんぞかけられればトキメキも数倍、それがゆっくりなら落胆も数十倍である。

「おじさん、いいにおいのするのれいむたちにちょうだいね!」
「「「ちょーらいにぇ!」」」

冷やかしならまだしも商品を寄越せとは、面の皮にそぐわず厚かましいやつらである。
さくっと追い払ってもよかったのだが、男としても客がない今は暇だったので少し相手してやることにした。

「ダメダメ、人から物を貰うんなら相応の代価が必要なの。大体お前ら餡子食ったら共食いじゃねぇのか?」
「ゆゆ?ともぐいってなに?それよりれいむたちにあんこちょうだい!」
「「「ちょーらい!」」」
「いやだから・・・。あー、まぁ取りあえずコレが食いたきゃ何かと交換だな。流石にタダではやれんよ。」
「ゆゆ!!おいしいものはみんなでわけないとだめなんだよ!!ひとりじめはゆっくりできないんだよ!!」
「「「ゆっくりできにゃいんだよ!!」」」

一家揃ってプンプン膨れるその姿は実にウザイ。例えるなら風呂場のカビくらいウザイ。

「怒ってもダメなもんはダーメ!何も無いなら諦めるんだな。」

少しキツメにそう言うと、ゆっくり達は何やら固まって相談を始めた。
あーでもない、ゆーでもないと鯛焼きを得るために餡子脳を総動員で大会議を開いている。
やがて意見がまとまったのか、ゆっくり達は不敵にほくそ笑んでこちらに向き直った。

「何だ? 御代の用意は出来たのか?」
「ゆふん!! それはこれだよ!!」

男の声に親ゆっくりが威勢よく応える。そしてそこに用意されていたのは

「「「ゆっきゅりー☆」」」

ウィンクをするチビゆっくり。

「・・・ん?こいつらを俺に食えと?」
「ちがうよ! ばかなこといわないでね! こんなにかわいいこどもたちをみれるなんておじさんはらっきーだよ!!
 とってもゆっくりしてるでしょ? だからおれいにれいむたちにおいしいのちょーだいね!!」
「「「ちょーらいにぇ☆」」」

目をパチパチさせるチビ饅頭を見て男はがっかり、ちょっとでも期待した結果がこれかよ!!

「そんなんじゃダメだって。大体どこが可愛いんだよ、気色悪い。」
「ゆゆゆ!? れいむたちのかわいさがわからないなんてゆっくりしてないね!!
 とくべつにこどもたちにさわらせてあげるから、ゆっくりしていってね!!」

男の悪態にも負けず必死に食い下がるれいむ。もはや趣旨が変わってきているような気もするが気にしたら負けか。
興味も尽きかけたが、男はそこでふと面白いことを思いついた。

「ふむ。そこまで言うなら触ってみようじゃないか。」
「わぁ、おちょらをとでりゅみたい!!」

そうして手近な1匹を手に取る。
掴まれた子れいむはご満悦で、無邪気にニコニコと微笑んでいる。見る人が見れば可愛いんだろうか・・・。
またも悪態が口から飛び出そうになるが、それをぐいっと飲み込んで心にも無いことを男は告げる。

「おお!しっとりもちもちで何て旨そう、じゃなくて何て可愛い子ゆっくりなんだ!!」
「ゆふうん!!おじさんにもやっとわかったんだね! れいむのこどもにすっかりめろめろだね!!」
「「「めりょめりょだにぇ!!」」」

調子に乗る饅頭一家というものは本当にウザイ。得意満面に顎を張るさまなんて挑発以外の何物でもない。
あぁウザイ、ほんとにウザイ、まじウザイ。心の中で一句詠みつつも、口には億尾も出さぬあたりは流石商売人と言った所か。

「あぁ!! なんて可愛いんだ!! そんな可愛い君達には鯛焼きを食べさせてあげよう!!」

そんな適当な台詞を言いながら、男は子ゆっくり達を屋台の上にあげていく。
そうして全ての子ゆっくり上げ終えると、男はさも大げさに告げる。

「さぁ可愛い可愛いみんな!!あっちに甘くて美味しい鯛焼きがあるから好きなだけ食べてね!!」
「「「ゆっきゅりたべりゅよ!!」」」

そういって一斉に駆け出す子ゆっくり、だがその先には熱々に焼ける鉄板が待ち構える。

「ゆゆ!? ゆっくちとまっちぇね!! おさにゃいでぎゃあああぁぁぁぁ!!!」

間一髪立ち止まるも、後ろから押し寄せる姉妹に突き飛ばされて先頭の子ゆっくりが顔面ダイブを決める。
そうして響き渡った悲鳴に、さすがのチビ饅頭の歩みも止まる。

「にゃんでれいみゅをおしたにょおおおおおおぉぉぉぉ!!!??」
「ゆゆ!?ちがうよ!!おねーちゃんがおしたんだよ!!」
「にゃにいってるにょ!!ちびちゃんがおしたんでしょ!!」

そうして始まる擦り付け合い。ふむ、こういった慌てふためく様子てのは可愛いかもな。

「どうしたの!?おちびちゃんたち、けんしないでゆっくりしてね!!」

段上が見えない母れいむは、体を大きくひしゃげさせて少しでも段上の様子を探ろうと必死だ。

「ゆゆぅ・・・。ここはちっともゆっくちできにゃいよ・・・。」
「そうだよ!!れいむたちをはやくもどちてにぇ!!」
「おじさん!!おちびちゃんたちをゆっくりおろしてあげてね!!」

子供達の話し方から危険を読み取ったのだろうか、もはや鯛焼きどころではないらしい。

「まぁそう慌てなさんな。もうすぐ子供達がおいしい鯛焼きを用意してくれるからゆっくりまってなさいって。」

そう母れいむをなだめすかし、次いで子ゆっくりへと手を伸ばす。

「おかーさんのために美味しい鯛焼きを用意してあげようね。」
「ゆゆ!?ゆっくちやめちぇね!!ゆくっちやめちぇね!!ゆっくちやめっちゃああああああああああ!!!!!」

男は言いながら1匹の子ゆっくりをワシ掴みにすると、底部を鉄板に押し付けてゆっくりゆっくりと焼いていく。
ぎゅうぎゅうと押し付けられるたび、じゅうじゅうと焼き付けられるたび、小さな口から体に似合わぬ大きな悲鳴が溢れでる。

「おじしゃんにゃにちてるにょー!!?」
「ゆっくちちないでいもうちょをはなちちぇね!!!」

ゆーゆー抗議の声を上げる残りのチビ達。その目からは涙が止め処なく流れている。

「おじさん!! ゆっくりおろしてあげてね!? もうあまあまいらないからね!!?」
「はは、ゆっくりなのに遠慮深いなんておじさん感激しちゃったぞ!! そんなれいむにはたっくさん鯛焼きあげるから待っててね!!」
「おきゃーしゃーん!! たちゅけちぇええええぇぇぇぇ!!」
「ゆぎゅうう!! ゆっきゅりできにゃいいいぃぃぃ!!!」

母れいむは子供達の必死の叫びに何とか応えようとするものの、結局は何も出来ずウロウロするのみである。
半べそになって屋台の周りをとせわしなく駆け回る様はまさに絵に書いたような右往左往ぷりだ。

そうこうするうちに鉄板上の子ゆっくりの底部はこんがりと焼けて、もはや動くことは出来なくなっていた。
男はそれを確認すると、その手を離し残りの姉妹に向き直る。姉妹達は彼女が助かったと思い安堵の顔をしている。

「おじさんありがちょー!!でもあしょこかりゃいもうちょをゆっきゅりだしちぇにぇ!!」
「それかられいみゅちゃちのちょころまであまあまもってきちぇね!!」

男はそんな姉妹達ににっこり微笑むと

「ゆっくりしていってね!」

「ゆっきゅぎゃばああああああああああああん!!!??」

おもむろに掴んで次の1匹を焼き始めた。

「にゃにちちぇりゅにょおおおおおお!!???」
「だって君達のおかーさんにたっくさんあまあま用意するって約束しちゃったからさ。
 僕は可愛い可愛い君達をたっぷり触ったし、約束はちゃんと守らないとダメだよね!」

底冷えするような男の笑みに恐怖し、姉妹を見捨てて逃げ出す子ゆっくり達。
だがそこは屋台の上、角まで来たところで逃げ道はなく地面までの高さは子ゆっくりには致命的だ。

「ゆ!ゆゆゆ、ゆーん!!・・・・・・・ゆべぇ!!!!!」

果敢にも1匹の子ゆっくりが屋台から飛び降りる。どうにか息はしているが、全身を打ちつけ風前の灯である。
それでもこの子ゆっくりは、どうにか地獄から逃げ延びられたのだと安堵した。

「こりぇで・・・ゆっくちできりゅよ・・・・・」
「ゆっくりしないでね!! いまゆっくりするとゆっくりできなくなるからね!!」
「おかーしゃん・・・にゃにいっちぇるにょ・・・れいみゅ・は・・・ゆっきゅ・・り・・・・する・・・よ・・」

擦り寄ってくる母親に甘える子ゆっくり。
彼女には母の言葉は既に届かず、ただただ薄れる意識の中でゆっくりしていた。

「ゆっくりしないでねえええええぇぇぇぇぇ!!!!!」
「うん・・・ゆっきゅり・・・していっちぇ・・・にぇ・・・」
「おちびちゃん!!? おちびちゃああああああん!!???」
「「「おねーちゃーん!!!!!」」」

「・・・・・ゆっくりしないで、 ゆっくりしないでさっさとやめろおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

鬼の形相で飛び掛る母れいむを難なく片足で制すと、そのままムニムニと捏ね繰り回すように体重をかけてやる。

「我慢できないなんてお行儀わるいぞ☆ まぁ出来るまでマッサージでもしてやるからゆっくりしてろって。」
「ゆぶっ!? ゆっくりぃ!? しないでっ!! ちびちゃん!! はなせぶ!!」

唯一の希望の母がこうなった以上、もはや子ゆっくりの希望は全て刈り取られた。
こうして進むも戻るも出来なくなった残りの子ゆっくりは、姉妹が焼かれていくのを見ながら自分の順番を待つのみだった。
やがて全ての子れいむを焼き付けたところで、1匹1匹を穴にセットしていく。並べ終えると男は子ゆっくり達を一瞥して蓋を閉じた。




母れいむを踏み踏みしながら待つこと数分、そこには元気に跳ね回る鯛焼きの姿が・・・!!

「ゆべ・・・ゆべ・・・」
「・・・・・・まさか生きてるとは思わなかったな。まぁいいや。ほーられいむ、約束のあーまあまだぞ~♪」

そういって涙を流す鯛焼きを母れいむにベチコーンと投げつけてやる。
母れいむは何やら言おうとしたようだがもはや喋ることも困難らしく口をもごもごするばかり。
やがて諦めたのか、鯛焼きを口に収めると力なく男を睨んでズリズリとその場を後にした。
男はそれを見送ると、寺子屋の下校組に合わせて普通の鯛焼きを焼き始めた。




「まつんだど~☆」
「ゆひいいいいぃぃ・・・・・!!!」

何とか鯛焼き屋では命を拾ったものの、その帰り道で運悪くれみりゃに出くわしてしまった。
グニャグニャに歪みきり、且つ子ゆっくりを何匹も抱え込んだ体では満足に跳ね回れず捕まるのも時間の問題だ。

「やったど~♪つかまえたんだどおおおおおおおおおお!!!??」
「ゆっぶぶぶぶぶぶっぶぶぶぶぶぅぅぅ!!!??」

れみちゃは見事れいむを捕まえることに成功した。ただ場所がまずかった。
そこは河原の土手であり、バランスを崩した結果勢いよくゴロゴロと斜面を転がっていった。

「どおおおおおおぉぉぉぉぉ・・・・・ぷぺーーーー!!!???」

1匹と一家は盛大な水しぶきを上げて川に飛び込む。衝撃で母れいむはところどころ破けて餡子が滲みでている。
流石にれみりゃもこれには耐えられず、慌てて水から出ようとするもその体を水中に引きずり込もうとする者がいた。

「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ・・・!!!」」」
「は、はなすんだどー!! れみりゃはこうまかんにかえるんだどー!!!」

鯛焼き型に整形された子ゆっくり達がれみりゃの全身に必死に食いつく。
子ゆっくりは全身を覆うラードの油膜とカリカリに焼けた皮が浸水を防ぎ、かつその体系は水中に適したフォームになっていた。

「うわああああああ!! ざぐやあああぁぁぁ・・・・・・」

やがてれみりゃは泡だけを残して水面の底へと静かに消えていった。
それを見送ると子ゆっくり達は今にも消えそうな母ゆっくりの元へ集まった。

「ゆぅ・・・れいむのちびちゃん・・・とてもゆっくりしてるよ・・・・」
「おきゃーしゃん、しっきゃりしちぇにぇ!!」
「ゆっくりやしゅめばよきゅにゃりゅよ!!」
「ううん・・・おかーさんはもうだめだよ・・・みんなはおかーさんのぶんまでいきてね・・・」
「ゆうう!!?おきゃーしゃん!!!??」

「ゆっくりしていってね・・・」
「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!!!」」」

最後にそう言うと母ゆっくりは僅かに微笑み、そうして川の中へと霧散していった。あとにはリボンだけが残された。

「ゆぅ・・・みんにゃにゃいちゃだめだにょ!!
  おかーしゃんのぶんまでゆっきゅりしににゃいちょ、おかーさんがゆっきゅりできにゃいよ!!」
「しょうだよ!! おねーちゃんのいうとおりだよ!! みんなでゆっきゅりしようね!!」


そう強く叫ぶと子ゆっくり達は泣くのをやめて顔を上げた。
自分達がしっかりしなければ母さんがゆっくり出来ない、少しでも自分達が幸せになることが母への最大の手向けなのだ。
れみりゃをも退けた自分達はもはやこの川最強である。そう、子ゆっくり達の栄光への道は今始まったばかりなのだ!!




その後、鯛焼きは10分程でふやけだし、中々死ねないところをザリガニにゆっくりたかられたとかなんとか。

「「「にゃんでええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!??」」」



終わり


作者・ムクドリ( ゚д゚ )の人


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最終更新:2008年10月05日 17:10
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