ゆっくりいじめ系262 大好き!ゆっくり魔理沙_2


それから1週間、同じ日々が続いた。

親れいむには豪勢な食事。
赤れいむにはクズ野菜。
赤まりさには生ゴミジュース。
そして、親まりさには何も与えない。


 「いい加減、赤ちゃんを食べたいと言ってごらん。ちょっと臭いけどお腹のタシにはなるよ」

バスケットボールからバレーボールくらいに小さくなった親まりさに男は言う。

 「ゆっ・・・。まりさはお母さんだもん・・・。赤ちゃんは食べないよ・・・」

赤まりさも、親まりさ同様に元気がない。
毎食生ゴミジュースなのだ。まともな食事が食べたいのだろう。

親れいむはエサを自主的に食べなかった。
さすがに親まりさや赤まりさが苦しんでいる中、自分だけが食事をするワケにも行かないのだろう。
そんなわけなので、男が無理矢理口に押し込んでいた。
なので色艶もよい、皮ももっちりとした可愛いゆっくり霊夢となっていた。

 「れいむのご飯をまりさ達にあげてね!」

男は何度もこのセリフを聞かされたが、一度も答えることはなかった。

赤れいむも元気一杯であった。
クズ野菜を毎日腹いっぱい食べているのだ。野生のものより食事に関しては満足いくものになっている。

食事のたびに赤まりさ達の羨望の眼差しを送られながら、気にせず食事を済ませていた。

 「君達はあの汚い魔理沙から生まれたけど、れいむ種だからご飯が食べられるんだよ」
 「れいむ達は、あの臭い子達と違うんだよ」
 「半分が汚い血だからこんなクズ野菜なんだよ。ちゃんとしたれいむだったらもっと美味しいものを食べられたのにね」

男は、毎食ごとにそんなセリフを赤れいむに刷り込んだ。
もちろん、それは赤まりさにもよく聞こえていた。

1週間もすると親まりさは赤ゆっくり達から蔑まれるようになった。

 「おかあさんのせいで れいむは きたないやさいしか たべさせてもらえないんだよ!!」
 「きたないおかあさんのせいだよ!なんでれいむをうんだの!?」
 「れいむのはんぶんが おかあさんだなんて きたない!!ゆっくりしんでね!!」

赤れいむの心無い言葉に、親まりさは酷く心を傷つけられた。
親れいむが注意してもどこ吹く風。

 「おかあさんが こんなのと けっこんするからだよ!」
 「はやく りこんしてね!!」
 「みるめがないね!!」

ケージ越しなら言葉で叱られても、体罰は来ない。1週間の生活で赤れいむが学んだことだ。
それにエサは人間がくれる。
親の威厳など全く無かった。

それに同調するのは赤まりさ。

 「おかあさんのせいで まりさは まいにち くさいのをたべさせられるんだよ!!」
 「こんなところにうまれたせいで ぜんぜんゆっくちできない!!」
 「ゆっくちさせてよ!なんでゆっくちさせてくれないの!?」
 「やくたたずのおかあさんは ゆっくちちね!!」
 「うごけないゆっくちなど ひつようない!ちね!」

動けないのをいい事に、体当たりで怒りを表現する赤まりさもいた。

そして、赤まりさは赤れいむにバカにされていた。

 「きたないのがいるよ!きたないこどもはゆっくりしんでね!」
 「おおくさいくさい」
 「こんなのといっしょにうまれたなんて ほんとうにはずかしいね!!」

人間に優遇されていた赤れいむ達はうぬぼれていた。

一緒に生まれ落ちた姉妹。
本当だったら、一緒に広い野原を跳ね回っていたはずだ。
憎しみあい、蔑むような関係になることはなかったはずだ。

それを思うと、親れいむと親まりさの目に枯れたはずの涙があふれる。

どうして家族で憎しみ合わなければならないのか。


 「今日のご飯は特別だぞ」

そう、それはこの人間のせいなのだ。

男はいつものように親れいむに豪勢な食事を用意し、赤れいむにクズ野菜を投げ込んだ。
違ったのはその後だ。

ぶるぶると、ケージの隅で生ゴミジュースを1秒でも避けようと必死な赤まりさの目に飛び込んできたのは、親れいむと同じ豪勢な食事だ。
それを見た赤れいむが声を上げる。

 「ゆ!どうして きたないこどもに おいしいごはんをだすの!?」
 「それは きれいなれいむたちに ちょうだいね!!」
 「きたないこどもは くさいのをたべてればいいんだよ!!」

そんな赤れいむ達を一瞬、赤まりさ達が睨み付け、何か期待に満ちた目で男を見た。

 「今日はまりさ達に美味しいご飯だ。うれしいだろう」

 「ゆ!うれちいよ!!おにいさん はやくゆっくりさせてね!!」
 「うれちい!!」
 「ゆっくちできるぅー!!!」
 「ゆっ♪ ゆっ♪ ゆっ♪」
 「くちゃくないよ!おいちそうだよ!!」

きゃっきゃとはしゃぐ赤まりさ達。
親まりさも親れいむも嬉しそうだ。

 「じゃあ、まずはお母さんまりさから食べてね。残ったのを赤ちゃん達に上げるよ」

これに赤まりさは猛反対をする。

 「だめだよ!まりさたちがさきだよ!!」
 「こんなゆっくちできないひとには くさいのをたべさせてね!!」

 「おにいさん、まりさは後でいいよ。赤ちゃん達に食べさせてあげてね・・!」

やかましく抗議する赤まりさを黙らせるため、男が万力を込めてケージを叩く。

 「ゆっ・・・!」

一瞬の静寂が部屋を包む。

 「まずはお母さんまりさだ。余ったものを赤ちゃんが食べられる・・・。わかったか・・・?」

まりさ達は沈黙で肯定する。
男は親まりさを摘むと、ケージの外、赤れいむのよく見える位置に置いた。

 「じゃあ、赤ちゃんの分を残して食べろよ。全部食うなよ」

そういい、男は食事を親まりさの前に滑らせる。
しかし、親まりさは食べそうにない。

あれほど罵詈雑言を浴びせられながら、それでも親まりさは赤まりさを愛していた。

 「なんだ、食べないのか。・・・・ああ、お前動けないから食べられないんだな。お兄さんが食べさせてやるよ」
 「ゆっ・・・!まりさはごはんいらな」
 「お腹いっぱいになったら『ごちそうさま』って言えよ」

言い終える前に、料理を口に無理矢理詰め込む。
必死で舌で押し出そうとするが、無駄なことだ。
男は腕に力を込めた。

みるみる親まりさは膨れていく。
同時に、用意されたご飯が消えていく。

赤まりさたちは先ほどの恐怖があるものの、減っていくエサに困惑する。

 「ゆっ・・・ゆっ・・・まりさたちのごはんが・・・!」

そもそも1匹の腹に収まりきるような量ではない。
それでも力ずく、皮が伸びでもかまわない勢いで詰め込む。

 「おいおい、まだ食べるのかよ!お腹空いてたんだなお前!『ごちそうさま』って言えよ。まだ食べるのか?」

口がご飯であふれてごちそうさまはおろか、喋ることすらできない親まりさ。
膨れる後頭部が面白い。

 「はい、これでご飯はおしまい。結局お前が全部食べちゃったのね。赤ちゃん可哀想・・・」

まるで威嚇をしているかのように膨れている親まりさ。

 「ひどい!!」
 「まりさたちのごはんが!」
 「ぜんぶたべちゃったの!!?」
 「おかあさんだけ ゆっくちしたの!?」
 「うわぁあああんん!!!」

涙をこぼしながらケージに張りつく赤まりさ、そしてそれをゲラゲラと笑う赤れいむ。

 「ち・・ちがうよ!!まりさは食べたくなかったんだよ!!」

目だけ赤まりさに向けて必死に弁解を始める親まりさに、赤れいむはいっそう笑い声を大きくした。

 「何言ってるんだよまりさ。お前『ごちそうさま』って言わなかったじゃないか。つまり食べたかったんだろ?」
 「ちがうよ!おじさんが無理矢理食べ」
 「ああ、分かったよまりさ。お兄さんのせいにしていいよ」
 「ゆっ!」
 「お兄さんが無理矢理食べさせたってことにすれば、赤ちゃんに怨まれないもんな!」

ぽん、と親まりさの頭を撫でる。

 「ゆ・・・」

赤まりさの知能の低さが導き出した結論、それは悪いのは親まりさ、ということだった。

 「ひどい!おかあさんなんか ちんじゃえ!!」
 「なんでたべちゃうの!!」
 「おにいさんのせいにするなんて ひきょうだよ!!」
 「ゆっくちちね!」
 「ちね!」

 「やめでええええ!!!!どぼじでえ゙ええ!!!どぼじでぞんなごど言ゔの゙お゙お゙お゙お゙!!!!!」

男は、まだ食事に手をつけていない親れいむに無理矢理料理を押し込むと、親まりさを持って部屋を後にした。

 「お前、あの大きいれいむのことは好きか?」
 「・・・」

涙を流すだけで何も答えない。
悲しさと怒りが渦巻いているのだろう。

 「そうか、嫌いなのか。じゃあお前と同じように焼くか」
 「ゆっ!?やめて!!れいむはいじめないで!!」

親れいむにとって親まりさが大切な存在であるように、親まりさにとっても親れいむは大切な存在だ。

 「お前の親は?」
 「二人ともまりさと同じだよ・・・ゆっ!!」

親まりさは言ってから気が付いた。
この人間はまりさ種が嫌いなのだ。まりさ種同士から生まれた自分など、きっと心の底から嫌うだろう。

 「で・・・!でででででもまりさは裏切ったりしないよ!!」

必死で印象を良くしようとするが、男はまったく聞いていないようだった。

そうこうしているうちに、台所へと連れて行かれた。

 「れいむがお前のことを好きかどうか試してやるよ」

親まりさの目の前に置かれたのは、アルコールランプ。
あのときの痛みが蘇るようだ。見ているだけで汗が滲む。

 「ゆっ・・!ゆっ・・・!ゆっ・・・!」

息が荒くなる。

 「お前がれいむを信用できないなら、焼かないでやる」

れいむ。
大好きなれいむ。
お友達を作るのが上手なれいむ。
あまり付き合いが得意でない自分を、いつも導いてくれたれいむ。

誰からも信頼されて、誰からも好かれているれいむ。

信用できないワケはない。

 「焼けばいいよ!!もう全然熱さも感じないよ!!!」

底部を晒すように胸(?)を張る親まりさ。
しかし、今回焼く部分はそこではないのだ。

 「じゃあれいむが、お前が変わってしまっても好きでいてくれるかを確かめてやる」

男はそっと、親まりさの帽子を外した。
これには親まりさも焦る。

 「ゆっ!やめて!!それはまりさの帽子だよ!!早く返して!!!」

しかし、底部が丸焦げでジャンプもできない親まりさに取り返すことなどできるはずもない。
くるりと上下を反転させられると、体が宙に浮いた。

目の前には、いつの間にやら火がつけられたアルコールランプ。

 「ゆっ・・・!!!!!」

どこを焼かれるのか、餡子脳でも簡単に分かることだった。

 「つるっぱげになっても、れいむはお前のことを好きでいてくれるのかな?」

嫌なにおいがした。
なんだろう、親まりさがアルコールランプを見ると、金髪が燃えていた。
あれは自分の髪だ。

 「やめでええええ!!!!まりざのがみがあああ!!!!!」

そんなことを言っている間にも髪は燃え、導火線を伝うように火は頭部に攻めて来る。

 「ぎゆあああ!!あぢゅいいいい!!!いだいいいい!!!!」
 「痛いのは知ってるよ。前も聞いたし」

想像を絶するような苦しさが親まりさを襲っていた。
頭部への火あぶりは、親まりさの目に地獄の風景を見せた。

 「いだいいい!!!!いだいよおおおお!!!!!!!!いだいいいい!!!れいうぶぶぶうううううううう!!!!!」

いないパートナーの名を呼ぶ親まりさ。
果たして一体どんな意味があるというのか。男は高々に声を上げて笑った。

前回よりも早く親まりさは気を失った。
もちろん、男は気を失ったあとも頭部を焼き続け、髪の毛は一本残らず焼け落ちた。

底部と同じようにコゲだらけになった親まりさの頭は、まるで野球少年のようである。

もう、あの金髪が生えることはないだろう。

上下コゲまみれになった親まりさを調理場に放置し、男はその場を後にした。



親まりさが目を覚ましたのは、それから2日が経ってからだった。

 「よく寝てたな。れいむ達のところに戻るか」

そういうと、男は焼く前に取り上げた帽子を頭に被せてくれた。

よかった、帽子があれば安心だ。
ほっと一安心する親まりさの目に、見慣れないゆっくりが映る。

ゆっくりアリスだ。
大きさは自分より少し小さい。
だが、成体といえるほどは大きかった。
この子もこの男にいじめられているのだろうか、そう思うと親まりさの目に涙が溢れた。

 「ゆっ?おにいさん!このまりさ、泣いてるよ!!」
 「ん、これはまりさの得意技だよ。泣いたフリをして敵をだますんだ」
 「ずるい子だね!ゆっくりできない子はアリス嫌い!」

このゆっくりアリスは男と仲が良い、親まりさはそう思った。
よく見れば、皮がすごくもちもちしている。瞳も綺麗で大きい。
髪の毛は特に綺麗で、思わず生唾を飲んでしまうほどだった。

 「ゆ?アリス見られてる?とかいはのアリスにめろめろね!」

いやん、と体をひねる姿も美しかった。


それも当然だ。
このゆっくりアリスは男のペットだった。

 「どうしたまりさ。れいむに飽きて、アリスとすっきりしたくなったか?」
 「ゆ!そんなことないよ!」
 「しつれいなまりさねっ!」

口を膨らませて威嚇するゆっくりアリス。

自分の知っているゆっくりアリスと言えば、問答無用に交尾を強要してくる変態だけだった。
随分と知的なゆっくりアリスだな、と親まりさは関心した。

 「じゃあ、お前をいまから部屋に戻すぞ。れいむはどんな反応するのかな」

親まりさは持ち上げられ、部屋へと戻されることになった。
ゆっくりアリスはというと、テーブルの上でのんびりとビスケットをつまんでいた。


廊下に出ると、男が話しかけてくる。

 「お前、今、自分がどういう状況か分かる?」
 「ゆっ・・・?」

質問の意味が親まりさにはよく分からない。

 「お前、鏡って知ってる?」

鏡。それなら知っていた。
川の水のように、自分の姿を映す道具のことだ。

 「知ってるよ・・・。自分の姿を映すものだよ・・・」
 「そらちょうどいい、ちょっと見てみ」

ガラスのような板の前に出された親まりさ。
しかし、そこに映っていたのは帽子をかぶったハゲ饅頭だけだった。

 「ゆ?まりさがいないよ」

すると、男が顔を親まりさと同じ高さにした。
ガラスのような板には、ハゲ饅頭と男の顔が並んでいる。

 「・・・」

 「・・・・・・!」

 「ゆぐあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!!!!!!???!?!?」

親まりさはそのハゲ饅頭が自分だと気が付いてしまった。

 「ゆああ!!!??まりさの!!まりさの髪がないよ!!!??」

ガラスのような板、鏡の向こうのハゲがこの世の終わりのような顔をしている。
それとは反対に、男は大声で笑い始める。

 「やっぱ気が付いてなかったんだな。なんで頭を焼いたか分かったろ!そこに映ってるハゲはお前だよ!」
 「いや゙あ゙あ゙あ゙あ゙・・・ごんな姿れ゙いぶに見ぜられ゙な゙い゙い゙い゙い゙・・・」

また溢れ始める涙。
いったいどこから水分を確保しているのだろうか。

 「なんだよ、れいむはお前のこと大好きなんだろ?ハゲでも大丈夫だろ!」

廊下に男の笑い声と、小さな鳴き声が響いた。






 「まりさが戻ってきたよ」

男はそういうと、親まりさを魔理沙種用牢獄に投げ込んだ。

運良く帽子も外れず、正常位で着地することができたようだ。

 「まりさ!!心配してたんだよ!!大丈夫だった!?」

声を掛けてきたのは親れいむだけだった。
赤ゆっくり達は汚物でも放り込まれたように嫌な顔をしている。

 「ゆっ・・・!だだ、大丈夫だよ・・・れいむ。まりさ元気だよ・・!」

親まりさは決して目線を親れいむにあわせようとしない。

 「ゆ?なんかへんだよ!」

異変に最初に気が付いたのは赤まりさだった。

 「かみのけがないよ!」

集まってきた赤まりさが指摘する。

 「ゆ・・・!違うよ!お母さんは髪の毛あるよ!」

必死で否定するが、実際に髪の毛が見えないのだ。

 「おい、小さいまりさ。大きいまりさが変だな。ちょっと帽子を取ってみろ。ちゃんと取れたら美味しいご飯を上げるぞ!」

美味しいご飯。
その言葉の力に押され、赤まりさ達5匹が一斉に親まりさの帽子に飛びつく。

 「やめでえええ!!!!まりざのぼうじどらないでええええ!!!!」

大きくても動くことができない親まりさから帽子を外すことは、実に容易であった。
家族の前に丸コゲになった頭のハゲ饅頭が現れる。

 「ゆ゙!かみのけがないよ!!」
 「きもちわるい!!!」
 「やー!!!こわいよ!!」

即座に離れる赤まりさ達。
そしてそのあらわになった姿に愕然とする親れいむ。

 「ま、まりざの・・・!髪の毛が・・・!」

綺麗な金髪の髪が、そこにはなかった。

 「まりざの、髪の毛が・・!!!」

あんなに大事にしていた髪の毛が、もうない。

 「まりざあああああ!!!!!!!」

数え切れないほど、大粒の涙をこぼす親れいむ。
それを見た親まりさも自身の姿を思い出し、涙を流す。

 「よかったな、まりさ。れいむはちゃんと泣いてくれて」

赤まりさはおびえ、赤れいむにいたっては大笑いだ。
ろくな家族でない。


数時間、2匹は泣き続けた。
泣き終えると目はうつろ、まるで死んでいるようだ。

男は親れいむにささやく。

 「恋人がハゲになって可哀想なれいむちゃんに、特別プレゼントだよ」

いつの間にいたのだろうか。男の影にゆっくりアリスがいた。

 「ゆ!なかなか可愛いれいむね!ゆっくりしてあげてもいいわよ!!」

親れいむは生気のない目でその姿を確認する。
綺麗だ。率直な感想だ。

しかし、自分にはまりさしかいない。
足が焦げても、頭がこげても、綺麗な髪がなくなっても、それでも自分はまりさを愛している。


 「アリス、ぶるぶるだよ!」

男はゆっくりアリスの頭に手を乗せると、小刻みに震えさせた。
最初はゆっくりと、そして段々と強く。
揺れが強くなるほど、ゆっくりアリスの顔も赤くなっていく。

5分もすると、発情期の危険なアリスに変貌していた。

 「ゆっ・・・!」

本能が危機を知らせる。
しかし親れいむがいるのは水槽。多少のスペースがあるとはいえ、逃げ回れるほどではない。

 「れいむ、汚くてつるっぱげのまりさなんか捨てて、もっと可愛い赤ちゃんを作るといいよ」

水槽の中に、リンゴのように真っ赤になったゆっくりアリスがそっと置かれた。

 「れれれれれれれれれれいむぅぅぅううう!!!!!がわいいあがぢゃんづぐろうねええええ!!!!!!」
 「いや゙あ゙ぁあ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!」

凄まじい勢いで親れいむを押し倒すゆっくりアリス。
体格では親れいむが勝っているものの、発情したアリスにはそんなもの関係ない。

強引に頬を押し当て、擦りあてはじめる。

 「ん・・!やっ!!まりざああああだずげでえええ!!!!!!」

最愛のパートナー、そして子供達の目の前で犯される屈辱。
親れいむは涙をこらえることができない。

男は憤慨する親まりさをつまむと、水槽の空いているスペースに置いた。
近くでよく見えるための配慮だ。

 「どめでええ!!!おにいざん!!れいむをだずげであげでえええ!!!!」

しかし男は2匹の交尾の見学に集中してしまう。
動けない親まりさは必死で動こうと努力するが、コゲ固まった底部はまるで反応しない。

 「れいむううんんふふうううう!!!!すっきりしようねええ!!!!」
 「いやあああ!!!ずっぎりじだぐないよおお!!!ずっぎりいやあ゙あ゙あ゙あ゙!!!!」

パンパンと乾いた音が部屋に響く。
こすれあう皮からは粘着性の高い体液が溢れ、2匹はよだれをたらし始めている。

 「まりざあ゙あ゙あ゙!!!!まりざとしかすっぎりじだぐないよお゙お゙おお゙お!!!!!」
 「れいむがわいいいい!!!!ツンデレってすでぎよおおおお゙お゙!!!!」
 「やめでえええええ!!!!れいむをずっぎりざぜないでええええええ!!!!」

目の前にいながら、最愛の親れいむが犯されるのを見ていることしかできないもどかしさ。
親まりさは口から餡子を垂れ流しながら叫ぶ。

そんなことなど気にもしないゆっくりアリスはいよいよクライマックスに入っていた。

 「ゆ゙っん!!れいぶうう!!!もうすぐすっきりするよお!!アリスのかわいい赤ちゃん産んでねええええ!!!!」
 「やあ゙あぁぁぁぁ!!!まりざのあがぢゃんいがいはい゙やあ゙あああああぁぁぁあああ!!!」

びくん、と大きく皮が揺れると2匹の動きが止まった。
交尾終了だ。

 「すっきりー!!!」
 「すっきりー!!!」

満面の笑みで声を上げるゆっくりアリスと、涙に溢れ悔しさに顔を歪める親れいむの「すっきりー」。
あっと言う間に、親れいむの頭から茎が生え始める。

 「ゆ゙うううあ゙あ゙あ゙!!れいむ!!!れ゙い゙む゙ゔゔゔ!!!!」

男は親まりさを摘むと、また魔理沙種用の牢獄に投げ入れた。
そして行為が終了したゆっくりアリスを抱きかかえると、一言。

 「れいむ、可愛い赤ちゃんができてよかったな。そこにいる汚い家族は早めに捨てろよ」

水槽の中に大量のお菓子を男は入れる。
生まれた赤ちゃん用だろう。

涙も流れなくなったが、泣き声だけあげる親れいむを置いて、1人と1匹は部屋を去っていった。







翌日。
男が部屋を訪れると水槽には小さな赤ちゃんれいむが4匹、赤ちゃんアリスが6匹も生まれていた。

 「お、可愛い赤ちゃんだね!じゃあれいむは特別待遇だ!」

水槽を担ぐと、そのまま部屋から出て行く男。

 「れいむをかえして!!」

親まりさの声は届くことは無かった。



親れいむは別の部屋につれてこられた。
収容部屋と違い、玩具に溢れた楽しげな部屋だ。
水槽から赤ちゃんも含め、全て取り出される。

 「ここはアリスのお部屋よ。ゆっくりしていってね!!」

昨日、自分を公開レイプしたゆっくりアリスがそこにいた。
体が金縛りにあったように動けない。

 「みんな、このれいむとアリスがみんなのお母さんだよ」

男が赤ちゃんに紹介する。
するとさっきまで自分にくっ付いていた赤ゆっくりは親アリスのほうへと跳ねていく。

 「ゆ!アリスそっくりで可愛い赤ちゃん!お母さんとゆっくりしようね!」

 「ゆっくち!」
 「おかあさんゆっくちぃ!」

とても昨日の強姦魔とは思えない、優しい笑顔だった。

 「ゆゆっ!れいむ!あなたもおかあさんでしょ!いっしょにゆっくりしましょ!!」

戸惑う。
しかし、次の瞬間、その枷は外れる。

 「ゆぅ~?おかあさんゆっくちちようよ!」
 「いっしょにゆっくちちよう!」
 「ゆっくちぃー!」

可愛かった。ただ純粋に。

この男に捕獲をされてからこの日まで、自分はひたひたと忍び寄る死の影に慄然とし、振るえおののいてきた。
夜ごと悲しみに暮れ、涙が枯れることはなく、子供達は最愛のまりさに忌々しく呪詛の言葉を吐く。
今にも狂わんばかりに身もだえ、心労に胸を掻き毟る毎日だった。
全てに絶望した自分は、空虚な抜け殻と化していた。
しかしこの日、この時、自分はようやく一縷の望みを見出したのである。
恥辱のままに犯され、望んでいない出産ではあったが、自分はこんな風に考えてしまう。
『すでにまりさとの子がダメならば、せめて、この子達とだけでもゆっくりしたい』
自分の中にある子への執着心は、想像を絶するものがあった。

ああ、なんということだろう・・・。
これが極限に追いやられたゆっくりの狂気なのか・・・。
しかし・・・しかしだ・・・。
生れ落ちた子達の、このハツラツたる笑顔を見よ!
無垢な微笑み!みなぎるような命の輝き!
懸命に声を出し、必死にゆっくりしようとしている。
その様は、果たして悲劇と呼ぶべきものであろうか?
子を可愛がることは罪なのか?愛していないゆっくりとの子を愛でることは罪なのか?
赤ちゃんはニコニコと微笑む。時に大声を上げて「ゆっくりして」と叫ぶ。
ゆっくりすることは罪なのか? ―――そう問いかけるように。






それから8ヶ月が経った。

親れいむと親アリスはその間、ずっと遊戯部屋で何不自由ない暮らしを子供達と過ごしていた。
この部屋に来て以来、親れいむは親まりさのいる部屋には一度も戻してもらえなかった。
部屋に入って1ヶ月くらいは毎日訴えていたものの、しばらくすると無駄だと分かったのか諦めた。
可愛い赤ちゃん達がいたから、そちらに気を取られていたのもあるかもしれない。

その赤ちゃんゆっくり達はいまではすっかり大きくなり、全てがバレーボールほどに成長した。
幸せな生活を送り、好きなだけゆっくりした子達は綺麗で美しかった。
そのため、ゆっくり愛好家の人に何匹も渡っていった。
今では遊戯部屋に残った子ゆっくりは、ゆっくり霊夢が1匹とゆっくりアリスが1匹だけだ。
ただ、たまの連休などは愛好家の人が巣立ちした子ゆっくりをつれてきてくれることがある。
先週やってきたときは、なんと親れいむにとっての孫まで一緒だった。

 「新しいおうちでもゆっくりできてるよ!」

元気に笑う子ゆっくりに、温かい涙がこぼれた。
8ヶ月前は毎日冷たい涙を流していたというのに。

親れいむはあまり親まりさ達のことを考えなくなっていた。
考えれば、つらくなる。
こんなに幸せな今でも親れいむは親まりさのことを愛していた。


それに今では親アリスも信頼している。
出会った時は強姦魔であったが、普段は優しくて美人だ。

親まりさほどではないが、信頼できる存在になっていた。



だからこそ、唐突に終わった幸せな日々に親れいむは理解ができなかった。




 「お前はこれから野生に返してやる。お前の大好きなまりさと一緒にな」

8ヶ月ぶりの収容部屋で、いきなり男に言われた。

 「ゆっ!?」

何がなんだか親れいむにはまるで理解できない。
そしてその言葉よりも理解できないのは、全く成長していない自分と親まりさとの子であった。

 「返すってなんなの!?どうして赤ちゃんたちが大きくなっていないの!?」

8ヶ月前に見たときと、大きさも、知能も変わっていない。
「ゆっくり」を発音できずに「ゆっくち」と言うところまでそのままだ。

 「言葉通りだ。お前はこれからこの家族と共に野生に帰る。開放だ。よかったな」

そういいながら男はケージを片付け始める。
仕切るものがなくなり、赤れいむ達が親れいむに跳ね寄る。
赤まりさはなぜか動かない。

男はこの8ヶ月、最低限度の食事しか用意しなかった。
餓死寸前の状態を8ヶ月キープし、成長を完全に抑制することに成功した。

 「じゃあ、家の前に出すからさっさともとの巣に帰るんだな。もうすぐ冬だから早めに支度しろよ」

冬。
そうだ、越冬をしなければ。

親れいむは満足に理解できない中で、唯一これだけはすぐに思い浮かんだ。

 「よし、外に出るぞ」

男はいつの間にか親まりさと赤まりさを抱きかかえていた。





外は寒かった。

もう11月も後半だ。大抵の野生のゆっくりは冬篭りの準備を始めている時期だ。

 「ゆっ!さむいよ!ゆっくちできない!」

寄ってきたのは散々姉妹を蔑み、親まりさをバカにしていた赤れいむ。
まるで愛情など湧かなかった。
親れいむはこんなヤツより、先週やってきた子れいむに会いたかった。
子れいむの赤ちゃん、自分の孫は可愛かった。また頬をすり合わせたい。

 「ほれ、お別れだ!」

男は外に向かって親まりさと赤まりさを投げ捨てた。
ころころと転がっていく6匹。
親れいむは思う、なぜ歩けるはずの赤まりさまで転がるのだろうか。

 「赤ちゃんまりさも親と同じようにしっかり焼いたからね。動けない子だよ」
 「ゆっ!!??」

これから冬篭り。
そのためには備蓄がいる。
それもこの数だ、相当な量が必要となる。
しかし、親まりさは動けない。
そして赤まりさも。動けたとしても、赤ちゃんゆっくりにエサが集められるほど自然の森は易しくない。

とても冬を越せるとは思えない。

 「おにいさん!冬の間はここでゆっくりさせて!!」
 「何を言ってるんだ、お前は家族で仲良く過ごしなさい。まりさに惚れるようなバカはうちにいらないよ」

そうそう、と男は言うと、親れいむに耳打ちをした。

それを最後に、大きな音を立てて扉は閉められた。
その後、何時間ねばっても扉が開くことはなかった。

寒空の中、親れいむは8ヶ月前に住んでいた巣へと向かった。
最愛のまりさと、いらない子を連れて。





 「アリス、忘れ物はないかい?」
 「大丈夫だよ!もうゆっくりしてるよ!」

馬車にすでに乗っている親アリスと子れいむ、子アリスが答えた。
男は引越しの準備を終え、家を出た。

 「引越し先は凄く遠いけど、雪が来る前に早く移動しないとね」

この家はもう売りに出した。
連れて行くのに邪魔だった親れいむも、昨日のうちに追い出したし、忘れ物はもう何もないはずだ。

 「ゆー!お引越しさきはゆっくりできるの!?」
 「とかいはのアリスはとかいでゆっくりしたいよ!!」

片親になってしまった悲しみはもう乗り越えてくれた。
姉妹が他に貰わていくことに慣れていたため、案外楽であった。

 「今度はこんな森の近くのとこよりもずっと都会だぞ!ゆっくりできるはずだよ!」

手綱を引き、馬車を走らせる。
後には無人の家が残るだけだった。





 「おなかすいたよ!」
 「ゆっくり黙ってね!」

あの家から追い出されて1ヶ月が過ぎた。
森は雪化粧に染まり、もはや外に出ることはできない。
できたところでエサは何もない。

親れいむ、親まりさ、赤れいむ3匹、赤まりさ5匹の10匹家族は小さな巣穴で懸命に生きていた。

あれから必死でエサを集めたが、結局集まったのは少量。
成体1匹が冬を越えるのに必要な分くらいしか集まらなかった。

狭い巣の中では、動ける赤れいむがなんとかエサを奪えないものか、巣の隅で画策している。
可愛くない子供だ。

 「れいむ、まりさもお腹すいたよ。赤ちゃんにも食べさせてあげてね!」

何もしない親、まりさ。
最近では見ているだけで腹が立っていた。

足が焼かれて動けなくなってからも懸命に役に立とうと努力をしていたが、かえってその努力が親れいむを刺激した。
役に立たないなら何もしないでゆっくりしてろ、投げつけられた暴言に親まりさは何も言葉を返せなかった。

 「ノンキにゆっくりしててもお腹はすくんだね!ゆっくり我慢してね!」

口を開けば皮肉ばかりだ。

なんでこんなやつを愛していたのだろう。親れいむには思い出せない。

アリスは賢かった。
ご飯を食べるときも、まりさのように食い散らかさず綺麗に食べていた。
赤ちゃんともいつも遊んでいた優しい性格だ。
それに綺麗だった。
あの美しい髪を思い出すだけで、すっきりしそうなくらい。


都合のいいときだけお母さんと甘えてくる赤ちゃんにも嫌気がさす。

アリスとの子供は賢く、わがままを言ってもちゃんと話せば分かってくれた。
優しくて、親思い。
いつだったか、自分のために作ってくれた花飾りを思い出して感傷に浸る。


ふと、あの時の男の最後の言葉を思い出した。
 『春まで、れいむが家族を見捨てなかったら、れいむを家に戻してあげるよ』


そう、春まで耐えれば可愛いあの子達にも会えるのだ。
こんな汚らしい家族を捨てて、幸せなあの日に戻れるのだ。

幸いなことにまりさ達、汚いちびどもは動けない。
ヘタに動いたり喋ったりしなければ、春まで最低限の食事で足りるだろう。

 「れいむ!まりさはもうお腹がすいて死んじゃいそうだよ!!ゆっくり食べたいよ!!」
 「うるさいよ!!!ゆっくりしたいなら早く死んでね!永遠にゆっくりしたらいいよ!!」

ごめんと繰り返す親まりさに、思い切り体当たりをする親れいむ。
ひっくりかえった親まりさは、自分では元に戻れない。

なんて間抜けな生き物だ。

 「まりさといると、全然ゆっくりできない。ゆっくりできるのはアリスとだけだよ!」

かつての自分の発言を訂正する。

 「ゆぐぅぅぅうう!!!!どぼじでぞんなごどいうおおおっぉぉ!!!」


泣き叫ぶ親まりさを無視して、食料を食べ始める。
少なくとも自分が越冬する分はなんとかなりそうだ。

もし、この中の誰かが死んでもお願いをすればきっとアリスや子供達にあわせてくれるだろう。
自分はお母さんなのだから。


 「ゆっくりしないで春になってね~♪」

猛吹雪の森の中、親れいむの胸には希望が溢れていた。



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最終更新:2022年01月31日 01:02
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