ゆっくりいじめ系959 ありすに厳しい群れ(前)

ある所に、ゆっくり魔理沙とゆっくりアリスの家族がいた。
親まりさ、親ありす、そして赤まりさ2匹に赤ありす5匹。
この一家は、とてもゆっくりできる群れがあるという噂を聞き、その場所を目指して移動中であった。

「もうすぐつくはずだよ!」
「うわさどおりのゆっくりできるばしょだといいわね!」
「「「「「「「ゆっきゅり~♪」」」」」」」



それから小一時間ほど歩いた時、一家は一匹のゆっくりと出会った。ゆっくりアリスである。
ゆっくりアリスは一家と出会うと、ビクッと怯えた表情になり、逃げようとした。

「ゆ!もしかして、むれのゆっくりかな?」
「たぶんそうね!ゆっくりしていって…………ね…………?」

その時、一家は確かに見た。
出会ったゆっくりアリスには、本来持っているはずのカチューシャがなかった。
ゆっくりには、ゆっくり霊夢ならリボン、ゆっくり魔理沙なら帽子といったトレードマークがある。
それを持っていないゆっくりは個体識別をされなくなる上に、他のゆっくりから爪弾きにあうのだ。
このゆっくりアリスが逃げようとした意味を瞬時に理解し、憎しみが湧きあがってきた。

「ゆー……ゆっくりしね!」
「いなかものはしんでね!」
「「「「「「「ゆっきゅりちね!」」」」」」」
「たすけてえええええ!!!!」

ゆっくりアリスは必死に逃げようとするが、とうとう運動神経のいい親まりさに追いつかれてしまった。
そして強烈な体当たりを喰らう。

「ゆっくりしね!」
「ゆ゛っ」

跳ね飛ばされて木に衝突し、カスタードクリームを噴き出すゆっくりアリス。
そこに他の家族も追いつき、全員で踏みつけ始める。
ものの数十秒もせぬうちに、ゆっくりアリスは絶命した。

「やったね!ゆっくりできないやつをかたづけたよ!」
「さ、きにしないでゆっくりさきをいそぎましょ」
「「「「「「「ゆっきゅりいちょごうね」」」」」」」

先ほど殺したゆっくりアリスのことは意に介さず、森の奥へと進み始めた。



そしてまたしばらく進んだ頃、ついに一家はゆっくりプレイスへと辿り着いた。
そこは森の中でもかなり開けた場所であり、そこには百匹ほどのゆっくりが遊んでいた。
群れの中にはここにはいないゆっくりも多いはずだから、総勢何匹の群れになるのだろうか。
しかし周りの木々は住居の提供もしてくれるし、豊かな自然の中では餌にも不足しなさそうだ。

「うわさどおりだね!ここならゆっくりできるよ!」
「とかいはのわたしたちにふさわしいばしょだわ!」

テンションの上がる一家だが、彼女たちは気付かなかった。
ゆっくり達がある者は憎しみ、またある者は哀れみの視線を向けていることを。



喜び続ける一家の前に、一匹のゆっくり魔理沙が近づいてきた。
このゆっくり魔理沙は百を軽く超えるゆっくり達の群れの中で、リーダーを務めている。

「あたらしくここにきたゆっくりだね」
「ええそうよ。わたしたちもこのむれにいれてほしいわ」
「「「「「「「ゆっきゅりいれちぇね」」」」」」」
「いれるのはいいけど、はいるからにはむれのるーるにしたがってもらうよ!」
「るーる?どんなものなの?」

リーダーまりさが説明を始める。
そのルールとは、以下のようなものであった。

  • 食料は全ゆっくりに群れから一定量支給される。足りない場合は自分で取るよりない。
  • 成体のみ一日に群れに提供する食料のノルマがある。
  • ノルマを達すれば、自分で取った食料を赤ゆっくりや他のゆっくりに与えることは可能。
  • 赤ゆっくりは親とは別の場所で過ごし、群れの教育係から教育を受ける。
  • 親が赤ゆっくりに会えるのは食事を与える時のみ。それ以外では教育係の許可が必要。
  • 群れを抜けたい場合は、決められた量の食料を群れに提供しなければならない。
 その量は、一家における成体ゆっくりの数に比例する。
  • ルールを破ったり、他のゆっくりに害をなした者は群れで裁かれる。

思った以上に厳しいルールであった。
特に親が子に会えるのは食事を与える時のみというのは、一家にとって痛いものである。

「あかちゃんたちがおとなになれば、いつでもいっしょにいることもできるよ!」
「ゆー……どうしようか、ありす?」

親まりさと親ありすはしばらく話し合った結果、群れに入ることにした。
しばらく親子で会えなくなるのは寂しいが、ここ以上にゆっくりできそうな場所は浮かばない。
それに食料が群れから支給されるというのも魅力的であった。

「じゃあむれにはいるんだね」
「そうするよ」
「これからよろしくおねがいするわ」
「「「「「「「よろちくね!」」」」」」」
「わかったよ!それじゃあむれにはいるためのぎしきをはじめるよ!」

リーダーまりさがそう言うと、周りのゆっくり達が一家の元に集まってくる。
そして一部のゆっくり達が親ありす、赤ありすのカチューシャに口をかけた。
何をするのだろう、と思いきや、

「むれへようこそ!」

ゆっくり達が親ありす達のカチューシャを外す。
カチューシャを目の前で外された場合は個体識別は可能である。
しかし、ゆっくりアリスにとってカチューシャが非常に大切なものには変わりはない。

「ゆゆっ!」
「ちょっとなにするのよ!かちゅーしゃをかえしてね!」
「「「「「ゆっきゅりかえちちぇね!」」」」」

一家は騒ぎ始めるが、周りには自分達より遥かに多いゆっくり。
力の上では敵うはずもなかった。

「それじゃあまりさはこっち、ありすはあっちにいって」
「あかちゃんまりさはこっちについてくるんだちーんぽ!」
「あかちゃんありすは、ぱちゅりーのところへきなさい」

半ば強引に、一家は4つに引き裂かれてしまった。



「どういうことなの!せつめいしてよね!」

親まりさはとある洞窟に連れてこられた。
この洞窟は群れのなわばりの一部であり、目の前には一匹のゆっくり霊夢がいる。

「……きのどくだけど、このむれではありすはゆっくりできないんだよ」
「ゆ?」

れいむがぽつぽつと説明を始める。
この群れは元々、ゆっくりアリスに恨みを持つものが集まって出来たものである。
ある者は望まぬ妊娠をされ、またリーダーまりさのように、ある者は家族を犯し殺された。
そのような者が集まって、「ゆっくりアリス許すまじ」の元に小さな群れを形成した。
しかしいつの間にか群れは大きくなり、今ではこのれいむのようにゆっくりアリスに恨みの無い者も多いようだが。

「ここではありすは、ほかのゆっくりのどれいみたいなものなんだよ」
「ど、どれい!?まりさのおくさんありすはすごくゆっくりできるありすなのに!?」
「……このむれでは、ありすというだけであくなんだよ……」

さらに重ねられたれいむの説明によると、まずゆっくりアリスには食料は全く支給されない。
しかも成体アリスの場合、一日の食料ノルマも他種のゆっくりより多い。
こっそり群れを逃げようにも、カチューシャを奪われているため逃げられない。
返して欲しかったら、一定量……大量の食料を集めなければならない。

「ゆううううう!!!!!」

聞けば聞くほど、ゆっくりプレイスにはほど遠い。
もし妻がゆっくりアリスでさえなければ、ここは最高の場所であることは否定できないのだが。

「つらいだろうけど……がんばってね!」
「ゆ……かぞくのためにがんばるよ……」



その頃、別々になった親ありす、赤まりさ、赤れいむも同様の説明を受けていた。

「なによそれええええええ!!!!!」
「「「「「ゆっきゅりできないよおおおおお!」」」」」






翌日から群れでの生活が始まった。
そのまま洞窟に泊まった親まりさは、食料配達係であるゆっくりちぇんの声で目覚めた。

「みんなのあさごはんだってわかるよー!ゆっくりしていってね!」

洞窟にいる各ゆっくりに食料が配られていく。朝食としては十分な量だ。
そして親まりさにも配られたが、おやっと思った。他のゆっくりの半分ほどの量しかない。
近くにいた昨日のゆっくり霊夢に話しかける。このゆっくり霊夢も親まりさ同様半分ほどしかない。

「なんでまりさだけこれっぽっちしかないの!?」
「……ねぇまりさ、まりさのおくさんはだれ?」
「そんなのありすにきまって…………!!」

そこで親まりさは気付いた。
この群れにおけるありす差別は、ありすの家族にまで関わるということに。
ということは、おそらく赤まりさ達も他の赤ゆっくり達の半分ほどしかないのだろう。

「じゃあ、なんでれいむまでこれだけしかないの?」
「……それはれいむが、れいむとありすのこどもだからだよ……」

このゆっくり霊夢は子供の頃、ゆっくりれみりゃによって家族を失った。
何とか成長してこの群れに辿り着いた時に、親の種を聞かれたのだ。
そこでれいむとありすの子だと言ってしまったため、他のゆっくりより低い身分となってしまった。

「でもわたしたちはごはんがもらえるだけ、まだましだよ」
「ゆうう……ありす……」

ゆっくりアリス達が集められている部屋には、食料配達係が回ることはなかった。



食事の後は食料探し。
成体が一箇所に集められ、説明を受ける。その中にはカチューシャのない親ありすの姿もあった。
よく見ればカチューシャのないありすは結構いる。
親まりさも親ありすも本能的に憎しみが湧いてこないわけではなかったが、ありすを『できるだけ』攻撃しないように言われていたので我慢した。
何と言っても、今の自分達はそんなことをできる立場にないのだから。

説明を受けた後、それぞれが食料集めの持ち場へ移っていく。
持ち場は多くのゆっくりが左に、親まりさやれいむを含めた少数が真ん中、ありす達が右に。
右のほうは、まりさ一家がこの群れに来た時の方角である。
親まりさは隣りのれいむに話しかける。

「なんでみんなばらばらになるの」
「……ごはんのりょうと、あんぜんどのちがいだよ」
「ゆ?」

れいむは親まりさに再び説明をする。
左の方はありすの餡子が流れていないゆっくり。そちらは食料が豊富で、安全度も高い。
真ん中は食料はそこそこ、安全度もそこそこ。右は食料は少ない割に、安全度は低い。
ここでもありす差別は起きていたのだ。

「ひどすぎるよ!ありすはなにもわるいことしてないのに!」
「しかたないよ……がんばってごはんをあつめて、むれをぬけようね」

2匹は愚痴をこぼしながら、食料集めに性を出すことにした。
赤ゆっくり達、特に赤ありすはお腹をすかせていることであろう。



その頃、赤ありす達は一室に集められ、ぱちゅりーの教育を受けていた。

「あなたたちゆっくりありすはほかのゆっくりをおかしころす、わるいゆっくり。
 だから、あなたたちはほかのゆっくりにつくさないといけないわ」
「「「ありちゅ、そんなひどいことちないよおお!!!!」」」

よく見ると地面にいくつか潰された赤ありすの残骸が転がっている。
これはカチューシャの無い他の赤ありすを攻撃しようとして『教育的指導』を受けたものだ。
本来はありすといえど殺せば罰則があるが、このぱちゅりーは特別に罪に問われない。

「ゆっくりありすは、いきるかちのないゆっくりなのよ。
 ほかのゆっくりにつくせるありすだけが、よいゆっくりありすなの、むきゅ」
「「「いやああああああああ!!!!」」」

赤ありす達には、ゆっくりアリス=悪と植え付けるための教育を施す。
そして別の場所で教育を受けている赤まりさ達も、同じようにゆっくりアリスは悪と教えられた。
こうすることで、将来的にこの群れの伝統を継ぐゆっくりを育てることができるのだ。



昼頃、狩りに出ていた成体ゆっくり達は一旦巣に帰る。
昼食の支給を受け、午後は一日のノルマに達しなかった者のみ出なければならない。
左へ行ったゆっくりのほとんどはノルマを達し、友人と遊んだり子供に会いに行ったりしていた。
親まりさは親ありすと、取った食料の報告をし合っている。

「ゆ……これしかとれなかったわ……」
「まりさはそれなり……」

親まりさはある程度食料を確保することができた。午後も働けばノルマは余裕で越えるだろう。
一方、親ありすは午後をフルで働いて、ようやくノルマにギリギリ届く程度だ。
赤ゆっくり達のことを考えると、親まりさもフルで働かねばならないだろう。
午後のことはひとまず置いておき、親まりさは赤まりさに、親ありすは赤ありすに食料を渡しにいった。



親まりさが洞窟の中の赤ゆっくり部屋へ来た時、赤まりさ達はうかない顔をしていた。

「おかーしゃん……なんでまりちゃのごはんはすくないの……」
「おなかへったよー……」
「だいじょうぶだよ!いまおかーさんがごはんをあげるからね!」

口に含んでいた食料を吐き出す。
空腹の赤まりさ達は凄い勢いでガツガツと食べ始め、親まりさは一安心だった。
ふと周りを見ると、同じくらいの大きさの赤ゆっくり達が大勢いる。
その中の八割方は十分な食事を与えられていたのだろう、楽しそうに遊んでいた。
ゆっくりアリスの餡子が流れていないというだけで、自分の子とはこれほどの違いがある。
可愛い赤ゆっくりであるが、親まりさは多少の憎しみも感じた。
と、突然一匹の赤まりさが親まりさに聞いた。

「おかーしゃん、まりちゃのいもーとのありしゅは、わるいゆっくちなの?」
「ゆゆゆ!な、なんでそんなこというの!」
「だって、さっきそういわれちゃよ。みょんのおねーしゃんに」
「そんなことないよ!ありすはいいゆっくりだ……ぶぎゃ!」

親まりさは体当たりを受け、跳ね飛ばされた。
起き上がってみると、一匹のゆっくりみょんがこちらを睨みつけている。

「ごはんをわたしおわったら、さっさとかえれちーんぽ!」
「だ、だれなの!?」
「みょんはここのきょういくがかりだちーんぽ!」
「どうしてありすがわるいゆっくりとかおしえるの!ひどいよ!」
「うるさい、ありすはあくだちーんぽ!でていかないとばつをあたえるちーんぽ!」

罰を与える、と言われてはどうしようもない。ただでさえノルマもいっぱいいっぱいなのだ。
親まりさは苦虫を噛み潰したような顔をして、洞窟を後にした。



一方、親ありすは赤ありす部屋で食料を渡していた。。
もっとも赤ありすには全く食事が与えられていないため、空腹度は赤まりさの比ではない。

「おかーしゃん……ごはん……」
「あかちゃんたち、ごはんもってきたわよ!」

これまた一瞬で食べつくすと、一匹の赤ありすが親ありすにたずねる。

「ねえ……ありしゅ、うまれてきちゃいけないゆっくりだったの……?」
「な、なによそれ!?」
「だっちぇ、そういうふうにいわれ……」
「むきゅ、そこまでよ!ごはんをあげたならさっさとでていってね!」

これまた教育係のぱちゅりーに、強引に追い出されてしまった。
仕方なしに、再び外で狩りに行くことにした。



親まりさと親ありすの狩りは暗くなるまで続いた。
結局一家の食事分とノルマを差し引くと、わずかな食料しか残らない。
これでは一体、この群れを抜けるのに何日かかることだろうか。

「ゆうう……それじゃあね、まりさ……」
「あしたもがんばろう、ありす……」

ありす種は群れの中でも隔離されている。
親まりさと親ありすは自由に会うことすらできないのだ。
ふと近くを見渡すと夫婦なのだろう、ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙のペアが寄り添って眠っている。
自分がゆっくりアリスを選んだから、子供達までゆっくりできなくなってしまった。
だが、それでも親まりさは親ありすを愛している。

「だいじょうぶ、まりさ……」
「ゆ!だいじょうぶだよ!」

心配そうに、例のゆっくり霊夢が話しかけてくる。
親まりさは作り笑いで返したが、少々やつれているような感じも受ける。
だが、自分がやらなければならない。食料を集め、群れを抜け、再び一家でゆっくりしよう。
それまではこの程度の差別があっても、めげずに戦っていこう。
そのような強い意志を持って、親まりさは眠りについた。

しかし、親まりさは知らなかった。
ゆっくりアリスに対する差別はこの程度では済まないということに。















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最終更新:2009年05月07日 21:47
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