ゆっくりいじめ系41 ゆっくり一家と俺の冬 前編

ゆっくり一家と俺の冬



 幻想郷にも、長い冬の季節がやってきた。

 冬は食料を調達することが適わなくなるため、里の住民は全部、秋のうちに倉などに食料を溜め込んでいた。
里にある全ての家が、冬篭りの準備を終えた頃、ちらほらと雪が舞いだす。
やがて年の暮れ時になると、雪が降り積もる中、憂鬱を吹き飛ばそうとするかのようにあちこちの家から宴会の喧騒が聞こえてくるのだが、
あいにく俺は独り者で友人も少なく、今年の冬も一人で過ごすこととなった。
 しかし俺は本来、宴会などであまり騒ぐのは性に合わない、と自覚していた。であるから、今年の冬も一人で酒を片手に厳かに過ごそうか、
そう考えていたのだった。
 しかし、そんな俺のささやかな願いは、あの生き物達に無惨にも打ち砕かれてしまったのだ。


 ある雪の日、倉に入った俺は、目の前の光景に呆然としていた。
冬篭りに向けて蓄えを貯蓄していた倉の中で、食い散らかされた食料がそこら中に転がっていたからだ。
米俵は破られ、野菜はほとんどの青野菜を齧られていた。


 ――やられた!鼠だ!


 この惨状を目の当たりにしたとき、俺は真っ先にそう考えた。冬に向けてのこの時期、飢えた鼠が倉庫の食料を
狙ってくるのは毎年のことで、俺も食料を荒らされないように対策を練っていた。だが周到に準備した罠が、まるで用を
なさなかったとは…!!

 この憤りをすぐにでも鼠共にぶつけてやりたかったが、そんなことをしても失われた食料が戻ってくるわけでもない。
とりあえず、わずかな望みをかけて、被害を受けてない食料を探すことにした。多少でも食料が残っていれば、切り詰めれば
冬の間は持ちこたえられるかもしれない。なるべく、食料が全滅していたときのことは考えないようにしたかった。

 しかし、探し始めてからしばらくして、奇妙なことに気がついた。被害を受けているのは下に置いてあった食料だけで、
棚の上の方の食料は、全くといっていいほど無傷なのだ。鼠であれば棚の上であれなんであれ、食えるものは全て食い荒らす筈だ。
 本当に鼠の仕業なのかどうか、疑問に思いながら倉庫の奥に足を踏み入れたその時。
倉庫の片隅に、何やら見慣れないものがあることに気づいた。丸い、コロコロとした物体。近づいてみると、それは人の
顔を模していた。最初は生首かと驚いたが、どうやら生きているらしい。この奇妙な物体を見ているうちに、俺はこいつの
正体に思い当たった。

 そうか、これがあの『ゆっくり』なのか――

 里の人間から噂は多少聞いていたが、実物を目にするのはこれが初めてだった。饅頭のような手も足も無い体つきに、人の顔を模した顔。生物のようだが、中身には餡子が詰まっていて食べられるらしい。なぜ生きているのかもわかっていない。
そして驚くことに、「ゆっくりしていってね」などと言葉まで話すという、妖怪じみた生き物。それが、目の前で眠りこけている。

 俺は密かに、倉荒らしの犯人はコイツだと確信していた。下の食べ物ばかりが狙われた理由も、手足を持たないこいつらは
高いところに登る方法を持たないからと考えれば合点がいく。周りを見渡すと、床の近くにある窓が開いていた。大方、ここから侵入したのだろう。

 黒い帽子を被ったそのゆっくりは、どうやら種類でいうと「ゆっくりまりさ」種のようだった。ゆぅ、ゆぅ、と奇妙な寝息を立て、
ふてぶてしく眠っている。まるでこの倉庫が自分のものといわんばかりの態度だ。
 静かな怒りが湧き上がってくる。しかし、ここで自分が迂闊に飛び出してまんまと逃げられたりでもしたら、俺の腹の虫は抑まらない。
 俺は自分を抑えながら、もう少しこのゆっくりを観察することにした。

 すると、ゆっくりまりさの影に何やら小さいものが蠢くのが見えた。よく見ると、どうやらちいさいゆっくりまりさのようだ。
驚くべきことに、このゆっくりまりさは親子連れであった。しかも、子供の数は結構多く、およそ10匹ほどの仔ゆっくりが親ゆっくりの傍に寄り添っていた。
 仔ゆっくり達は、寒い倉庫の中で少しでも暖を取ろうと体を寄せ合っていた。そんな中、とりわけ元気そうな二匹が騒ぎ始めた。

「ここはいいね!ゆっくりできるね!!」

「そうだね!たくさんたべられるよ!!」

 そして二匹は体を屈ませ、同時に体を跳ませながら合唱した。

「ゆっくりしようね!!!」

 その光景を見ていた俺は、内心で毒づいた。

 冗談ではない…。この食料は俺が苦労して溜め込んだものだ。勝手に上がりこんできたお前らなどには米一粒だってやるものか。
外に追い出すなんて生ぬるいこともしない。然るべき報いを与えてやる…。

 俺は、音を立てずに立ち上がると、ゆっくり達に気づかれないように開いた窓に近づき、つっかえ棒をかけてしっかりと閉じた。
そして、他に出入り口がないのを確認すると、俺はゆっくり達の前に姿を現した。

「ゆっ!」「おじさん、だれ!?」「ゆ、ゆっくりしていってね!」

 俺に気づいた仔ゆっくりが口々に騒ぎ出す。耳障りな声に、足で仔ゆっくりを踏み潰したくなるが、ぐっと堪える。まだここで殺すのは早い。

 こいつらは、もっと自分達の犯した罪の大きさを実感しながらゆっくりと朽ち果てていくべきだ。

そう考えて、足に込めていた力を抜いた。

 すると、仔ゆっくりの声で親ゆっくりが目を覚ました。親ゆっくりは、俺を見るなり急いで子供を自分の影に隠す。
そして、空気を吸い込むと俺に向かって体を大きく膨らまし始めた。
 どうやら、威嚇しているつもりらしい。野性の動物は、敵対する相手より体を大きく見せようとして毛を逆立てたりするのだが、
これは何と言うか……苦笑を禁じえない。
 こいつらは、自分達の対峙する相手の力量がわかっていない。それなのに、逃げもせずに威嚇して身を守ろうとする姿は、
とても珍妙で、滑稽だった。
 俺は一息つくと、内心を悟られないように声の調子を落として語りかけた。里の人間によれば、簡単な会話は通じるらしいので、上手く説得して丸め込んでしまおうと考えたのだ。

「お前達…腹が減ってここに入ってきたのか…?」

「………」

 親ゆっくりは答えない。まだ体を膨らませたままだ。俺は、子供を諭すように言葉を続けた。

「必死だったのはわかるが…それでもせっかく溜めた食料なんだ、勝手に食い散らかすのは止めてくれないか…。言ってくれれば、
少しだが分けてあげられるくらいの量はあるんだ…。」

「……!」

 わずかだが、ゆっくりの警戒が弱まる。あまり俺が自分に対して攻撃的になっていないことを感じたのであろう。もう一息だ。

「俺も独りで寂しかったところだ、どうだ、せっかくだから一緒にゆっくりしないか…?」

「ゆ…!」

 『ゆっくり』のひとことが決め手になったのだろうか、親ゆっくりは体から空気を吐き出し、完全に警戒を解いた。
目の前の人間に害はないと判断したのだろう。単純なものだ。

「おじさんごめんなさい!もうかってにたべたりしないよ!!」

 そう言ってゆっくりは締りの無い笑顔を見せた。だが、その顔には反省の色が見られない、むしろ媚びるような表情をしていた。

 あれだけのことをしておきながら、謝れば済むとでも思っているのか。ツラの皮の分厚い奴だ。

すると、仔ゆっくり達も親の後ろからおずおずと出てきて、口々に喋る。

「ごめんなさい!」「ゆるしてね!」「いっしょにゆっくりしようね!!」「ゆっくり!!!」

 仔ゆっくりの態度も親ゆっくりとはまるで変わらなかった。子は親に似るとはよく言ったものだ。
俺は出来る限り優しそうに見える笑顔を顔に貼りつけ、入り口を指した。

「ここは寒い。家のほうがずっと暖かいから、そこでゆっくりしようか。」

 すると、それを聞いたゆっくり達の表情がパッと輝く。

「おじさんいいの!?」「ありがとうね!!」「ゆっくりできるよ!!」

 俺はゆっくり達の薄い感謝の言葉を聞きながら、どうやってこいつら懲らしめてやろうかと考えをめぐらせていた。

 ここでは何もしないでおこう…。今の内にせいぜいいい思いをしておく事だ…。

 俺が密かに浮かべた黒い笑みは、浮かれたゆっくり達には見えるはずも無かった。




 外はもうすっかり日が暮れ、辺りでは休み無く雪が降り積もる中、俺とゆっくり達は家の中で暖を取っていた。

 あの後、家の裏手にある倉からこの家まで、俺はゆっくり達を連れてきた。嬉しそうな顔を浮かべ、逃げもせず俺についてくる
ゆっくり達を見て、これなら上手く事が進みそうだ、と俺は内心ほくそ笑んだ。

 ゆっくり達が囲炉裏の近くで寄り添っているのを見た後、俺は台所に行って酒と煮物を持ってきた。夕食に食べようかと思って作っておいたものだ。煮物は二皿に取り分けてある。親の分と、子の分だ。
それをゆっくり達の前に置くと、ゆっくり達は目を輝かせながら俺を見た。

「おじさん!これほんとうにたべていいの!!」

「あぁ、熱くないように冷ましてあるから、ゆっくり食べるといい。」

「わぁい、ゆっくりいただきます!!」

「うっめ!メッチャうっめこれ!!」

 仔ゆっくり達は我先にと煮物にむしゃぶりついた。兄弟に潰されようが、帽子が汚れようが構わずに、一心不乱に煮物を頬張っている。

 全く、なんてあさましい食べ方だ。まるで犬…いや、それ以下だな…。

 親ゆっくりはというと、仔ゆっくりに負けずとも劣らない勢いで皿に顔を突っ込んでいる。子供の様子には無関心だ。
俺はその光景を横目で見ながら、一人で酌を始めた。
 いつもであれば、一緒に飲み交わす友人もいない俺は、こんなとき少しだけ孤独を感じていた。何だかんだいっても、
やはり一人はさびしかったのだ。
 だが、今の俺はこれからこいつらにする仕打ちのことを考え、復讐の気持ちに昂ぶっていた。
俺が企んでいることをこいつらが知ったときの顔を是非見てみたいものだ。そう思いながら、盃に残った酒を飲み干す。

 しばらくして、俺が半分ほど酒瓶を空けたとき、ゆっくり達も煮物を食べ終わった。
仔ゆっくり達はほとんど全身を煮汁で汚していた。まるで行儀がなっていない、まったく、どうしようもない奴らだ。
 煮物が美味しかったのだろうか、ゆっくり達は嬉しそうな顔をして小さなげっぷを出していたが、さすがに10匹で分けると量が足りないらしく、
俺に催促してきた。

「おいしかったよ!」「もっとないの!?」「まだたべたいよ!!」

 図々しい奴らだ。人の夕飯を横取った上に、まだよこせとのたまうとは…。しかもこいつらは俺の倉庫でたらふく食料を
食べたばっかりのはずだ。どれほど食べるというのだ。

「わかった、まだあるからそれを持ってくるよ。」

 内心憤りながら俺は立ち上がり、台所へ向かった。そろそろ始めるとするか。
棚に置いてある残りの夕食には目もくれず、台所の奥からお目当てのものを引っ張り出す。俺はそれを持って引き返した。

 奴らのところに戻ると、親ゆっくりが仔ゆっくりの体を舐め回していた。毛繕いをしているように見えるが、本当は
仔ゆっくりについた煮汁を舌で舐め取っているのだろう。俺は一瞬だけ軽蔑の眼差しを送ると、すぐに笑顔を繕って奴らの傍に座った。
 目ざとく俺を見つけた仔ゆっくり達が、嬉しそうな顔で寄ってくる。どうやら、また夕食を持ってきたものと思っているらしい。
だが、俺の手に握られているものを見て、ゆっくり達は不思議そうに俺にたずねた。

「おじさん、これたべられるの?」

 そう言ってゆっくり達がじっと見つめているものは、何の変哲もない、ただの鉄の鍋。大きさは通常の鍋より幾分小さめだ。
だが、別に不都合を感じたことは無い。この家では俺一人しか料理をしないため、普通の大きさの鍋は必要ないからだ。

 俺は鍋を囲炉裏の傍に置くと再び台所に戻り、鍋つかみと小さな包丁を持ってきた。ゆっくりは興味深そうに俺を見ていたが、腹が減っていることを思い出したのか、再び騒ぎ出した。

「おじさんどうしたの?おなかすいたよ!!もっとたべさせてよ!!」

 俺はそんな言葉に見向きもせず、囲炉裏の傍に腰掛けた。そして火箸で灰の中を漁ると、手頃の大きさの炭を二、三個取り出した。

 よし、大きさはこのぐらいでいいだろう…。それに、そろそろ頃合のようだしな…。

 そう思いながら、俺は親ゆっくりの方に向き直った。そこには、顔は真っ赤になり、体をしきりに左右に揺らしている親ゆっくりの姿があった。
ゆっくりは最初、自分の体に何が起こったのかわかっていなかったらしい。視線が定まっておらず、口はだらしなく半開きのままだ。懸命に体を動かそうとするが、這いずることしかできない。
 俺は親ゆっくりを抱えると、囲炉裏の近くまで運んできた。親ゆっくりは体が思うように動かせないらしく、俺のなすがままにされていた。

「どうだ?酔っ払った気分は?」

 俺は親ゆっくりに問いかける。顔には、嘲笑が滲み出ているのが自分でもわかった。もう隠す必要も無い。

「…ゆ…?」

 親ゆっくりは、唯一自由な目だけを動かして俺を見る。その目には、微かに俺に対しての怯えがあった。
 夕食の煮物を取りに行った時、俺は煮物に酒を混ぜていたのだ。どのぐらいの分量でゆっくりが酔うのかわからなかったが、
適当に入れた分量でどうにか酔っ払ってくれたようだ。これで、必要以上に暴れられる心配も無い。

「お前達…よくも俺の大切な食料を荒らしてくれたな…。あれがなければ冬の間に餓死してしまう。わかっていたのか…?」

 俺は手を伸ばし、近くにいた仔ゆっくりを一匹捕まえた。

「ゆ゛ーーーーーっ!!」

 仔ゆっくりは激しく抵抗しようとするが、圧倒的な体格の差のため、俺の手から仔ゆっくりが逃げることは不可能だった。
暴れないように指で押さえながら、親ゆっくりに向き直る。

「これから何をすると思う…?お前らの犯した罪の重さをじっくりと教え込んでやるのさ…!」

 俺はそう言うと、もう片方の手に包丁を持ち、親ゆっくりの背中に走らせた。

「ゆ゛っっ!!!!」

 親ゆっくりが苦痛に顔を歪める。だが、背中の傷はそれほど深く付けてはいない。小さく皮に切り込みを入れる程度のものだ。
俺は包丁を置くと、鉄鍋を手に持った。そして、仔ゆっくりを親ゆっくりの傷の上に乗せると、逃げられないように素早く鍋を被せる。
丁度、親ゆっくりの背中に鉄鍋を被せた形になった。

「ゆゆっ!?!?」

 突然鉄鍋に閉じ込められた仔ゆっくりは、最初はびっくりして声も出せずにいたようだが、やがて状況が飲み込めたのか
心細そうに声を上げた。

「くらいよ!ここからだして!こわいよ!!」

 俺は身動きできないように親ゆっくりを押さえつけると、囲炉裏の炭を火箸に挟んだ。そして、裏返しになっている鉄鍋の上に数個置いた。
 そのまま、何もせずじっと待つ。親ゆっくりは一体何をされているのがわからないらしく、不安げな表情をしている。
仔ゆっくりたちもただ俺達の様子を呆然と見ているだけだ。

 ふふ…心配しなくとも、順番は直に来るさ…。

 仔ゆっくり達を横目で見ながらそんなことを思っていると、鍋から聞こえてくるゆっくりの声に変化があった。

「ゆ!?ゆっくりあつくなってきたよ!?はやくだしてね!!」

 鍋の上に置かれた炭の熱で、鍋全体が加熱されているのである。当然中の空気も熱くなる。おそらく鍋の中では、
凄まじい熱で蒸し焼きにされかけているのだろう。

「あ゛づい!!あ゛づいよぉぉぉぉ!!!ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛ぃぃぃぃぃ!!!」

 だんだんと、仔ゆっくりの悲鳴が絶叫に変わってくる。

「はやくだしてあげてよ!!」

「ゆっくりさせてあげて!!」

「おかあさんだいじょうぶ!?」

 次第に熱を帯びていく鉄鍋に苦悶の表情を浮かべる親ゆっくりと、鍋に入っている仔ゆっくりの様子を、外にいたゆっくり達が心配し始めた。
俺はそれを聞いて、鍋を取ってやる代わりにもう一つ炭を鍋に乗せてやった。



「ゆ゛っぐり゛ぃぃぃぃぃ!!い゛だい゛ぃぃぃ!!!」

 鍋に炭が乗せられて、しばらく経った頃だろうか。突然親ゆっくりが絶叫しながらながら体を震わせ始めた。
仔ゆっくりの声はいつの間にか聞こえなくなっていた。

 ――始まったか。

 俺は暴れるゆっくりを体重をかけながら押さえ込み、顔の傍で囁いてやった。

「今、自分の体に何が起こっているのか、その足りない頭で考えてみるといい…。」

 そういって鍋の上から炭を下ろす。さっきまで鍋の中にいたはずの仔ゆっくりは、親の背中からいなくなっていた。
俺はそれに満足しながら、心配して近づいてきていた仔ゆっくりを今度は二匹ほど掴むと、同じように鍋で覆い、炭を乗せる。
そうしてしばらくすると、また親ゆっくりが悶え、苦しみだす。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ゆ゛っぐりや゛め゛でぇぇぇ!!」

 俺は親ゆっくりの絶叫を聞きながら、こみ上げてきた喜悦を抑え切れなかった。同時に、この仕置きの仕組みを思いついたことを自画自賛せずにはいられなかった。
 親ゆっくりがのたうちまわっている原因は確かに背中の傷にあった。だが、それだけでこれほど激痛を与えているのではない。
もう一つの原因は、先ほど鍋に閉じ込めた仔ゆっくりだった。
 親ゆっくりの上に仔ゆっくりを乗せ、逃げられないように鍋で閉じ込めた後、序々に鍋を熱していく。
鍋の中の仔ゆっくりは猛烈な熱に襲われるも、鍋の中からは脱出できない。四方と上が塞がれ、追い詰められた仔ゆっくりは残された最後の道に飛び込む。そう、親ゆっくりの体内である。
先ほど俺が入れたあのわずかな切り込みから、仔ゆっくりが熱から逃げるため必死に親の体内に潜りこんだのだ。

「ひぎぃぃぃぃぃ!!!や゛め゛でぇぇぇぇ!!!!!」

 狭い傷口を無理矢理広げられ、しかも体内をかき回される痛みは相当のものだろう。しかも俺に押さえつけられているため、
親ゆっくりはただひたすらその拷問に耐えるしかないのだ。痛みと涙と涎で顔をぐちゃぐちゃにしながら。
 俺は、自分の中の黒い感情が満たされていくのを感じた。

 しばらくして、ようやく絶叫が聞こえなくなったときには、もうすでに親ゆっくりは息絶え絶えといった有様だった。白目を剥き、
ひゅうひゅうと苦しそうに呼吸をしていた。しかし、体内の仔ゆっくり達が少し大人しくなったのだろうか。先ほどよりも苦しむ様子は見せない。

「自分の身を犠牲にしてまで子供を助けるとは、全く大した親子愛だよ、涙が出るね。」

 表情を変えずに心にも無いことを呟くと、親ゆっくりの背後に回る。そして、仔ゆっくりにこじ開けられて歪に広がった穴を塞ぎ始めた。
 これでゆっくり達が脱出することはできない。折角の仕置きを、ここで終わらせるつもりではなかった。いや、むしろ始まったばかりなのだから。


to be continued...


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最終更新:2008年09月14日 18:34
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