白玉楼×ゆっくり系1 ゆっくりみょんいじめ

「幽々子さまー、ただいま戻りましたー」
静かな日本邸宅に少女の声が響く。
ここは白玉楼。冥界の大食いお嬢こと、西行寺幽々子の住処だ。
で、買い物籠をぶら下げた少女は魂魄妖夢。ここ、白玉楼の庭師である。
庭師兼剣術指南役兼主婦、とも言う。
「幽々子さまー、どこですかー。おやつを買ってきましたよー」
超☆広い白玉楼だが、「おやつ」の声を聞けば幽々子はすぐに現れる…普段は。
「幽々子さまー、どこですかー?今日は新商品のぬーぼーって言うお菓子ですよー?」
ここまで言って妖夢は首をかしげる。
「おかしいなあ。いつもなら『ただいま』の時点で飛んでくるのに。お昼寝中なのかな?」
そんな妖夢の背後に忍び寄る一つの影。妖夢は気付かない!
影はふわふわと近づいていき、白魚のような指で妖夢のうなじをつついっ、と撫でた。
「ひゃあっ?!」
あられもない声を上げて、買い物籠を放り出してその場にへたり込む。
顔を真っ赤にして振り返ると、そこには…
「幽々子さま!」
お察しの通り、幽々子が立って、いや、浮いていた。
右手に持った扇子で口元を隠すお得意のポーズで笑っている。
「私の気配に気付けないなんて、まだまだね、妖夢。そんなことだから鬼に未熟者なんていわれるのよ?」
「うう、不覚です…。でも幽々子さま、みょんなところ触らないでくださ…ん?」
言いかけて気付く。幽々子に抱かれたドマンジュウ。ゆっくりとよばれる変な生き物?だ。
だが、妖夢はゆっくりを見るのははじめてだった。さしものゆっくりも冥界までは来れないのだろう。
死んでもゆっくりにまた転生するし。
「これが…ゆっくり…私に似てますね。」
このゆっくりはゆっくりようむ。妖夢に似てるから、ゆっくり妖夢。安易と言えば安易なネーミングである。
「ええ。妖夢そっくりでしょう?さっき紫が来て『面白いもの見つけたから』って置いて行ったのよ。」
「…あの方は…」
いつも寝てばかりいるくせに、こういう悪戯は好きなんだから、と頭を抱えた。
「幽々子さま、それ、どうするつもりですか?」
「んー、そうね、とりあえずお茶にしようかしら?」
「幽々子さま、きいてまs」
「ちーんぽっ!」
突然ゆっくりが叫んだ。
「ん゛なっ?!」
顔を真っ赤にして絶句する妖夢。
「あらあら」
例のポーズで微笑む幽々子。
「ちーんぽっ!」
もっかい叫ぶゆっくりようむ。
「ちーんぽっ!!!」
さらに大きな声で叫ぶゆっくりようむ。視線はさっき妖夢が落とした買い物籠から覗く野菜に向けられている。
どうやらお腹が空いているらしい、が、妖夢と幽々子はそんなことには気付いていなかった。
「幽々子さま…」
俯いて肩をプルプル震わせながら、搾り出すように声を出す。
「その卑猥な言葉を発する物体を、どうなさるおつもりですか?」
「んー、妖夢はどうしたい?」
涙目になりながら、きっと幽々子を見つめる。
「刀の錆にしたいです!!」
自分と似た顔をした物体が卑猥な言葉を発するのに耐え切れないのだろう。妖夢、乙女である。
「だめよ」
さっくり断られる。
「何故ですか?!」
「この程度のことで平静を失うようでは、まだまだよ。妖夢、刀のように冷えた心を持ちなさい。その修行のために、このゆっくりは白玉楼に置きます」
きっぱり言い切る。真面目な事を言っているようだが、扇子で隠した口元はしっかり笑っている。からかって楽しんでいるのだ。
「幽々子さま、楽しんでません?」
ちょっと考え込んだ妖夢だが、主人の意図をあっさり見破った。もっともらしいことを言ってからかうのは日常茶飯事なのだ。
「あら、もう気がついたの?」
つまらなそうに言う。
「幽々子さまが扇子で口元を隠して何かおっしゃるときは大抵楽しんでいるときですから。」
幽々子はお手上げ、のポーズを取った。
ゆっくりが床に落ちて「ゆっ!!」と抗議の声を上げたが、二人とも聞いていない。
「妖夢ったら、昔はもっと素直で可愛らしかったのに、変な知恵をつけて…」
よよよ、と下手な泣き真似をする。
「それはもう、幽々子さまと紫さまに鍛えられましたから。」
暇な幽々子と、人の悪い紫にとって、素直な妖夢はいいおもちゃだ。毎日のようにからかわれていれば少しは慣れるだろう。
「素直で可愛かった頃の妖夢はもういない…悲しいわ…」
下手なお芝居はまだ続いている。
「幽々子さま…お芝居はもういいですから、お茶にしましょう。今日は新商品の…?!」
言いながら買い物籠を見た妖夢の顔が凍った。
ゆっくりが籠に顔を突っ込んでむーしゃむーしゃしていたからだ。
「…」
幽々子の笑顔も凍った。幽々子にとって、おやつはご飯の次に大事なものなのだ。
あわてて妖夢が籠からゆっくりを引っこ抜く。
「ちーんぽっ?!」
食事の邪魔をされたゆっくりが抗議の声を上げる。食べかすが飛び散る。新商品、ぬーぼーの食べかすが。
「…あ。新商品…」
妖夢はそっと、幽々子の顔を見る。笑顔だ。笑顔のままだ。
「あ、あのー?幽々子さま…?」
おそるおそる呼びかけても反応はない。もう一度呼びかける。
「幽々子さまー…?」
幽々子は笑顔のまま扇子をどこからともなくもう一本取り出しす。
死に誘う程度の能力。本気で切れたらしい。たかがお菓子で、と思うなかれ。幽々子にとっては命よりも大切なものなのだ。
「ゆ、幽々子さまっ?!」
切迫した声で叫ぶ。下手をしたら自分まで巻き込まれるのだから当然だ。慌てて傍の部屋に逃げ込む。それでも足りずに押し入れに飛び込む。
…布団に頭を突っ込んで震えることしばし。
「妖夢ー?」
幽々子の呼ぶ声が聞こえたので、恐る恐る出て行くと、そこには…
「…あれ?生きてる?」
元気にお菓子をむーしゃむーしゃするゆっくりの姿があった。
「幽々子さま、殺さなかったのですか?」
んー、と幽々子は首を捻る。
「確かに殺したはずだったんだけど…何故か死なないみたいなのよ」
しばし考え込んだようだが、幽々子は「ま、いいでしょ」と呟いた。
「よく考えたら、あっさり死に誘ってはつまらない。死んだら苦しみも感じない。残酷に苦しんでもらいましょう。ね、妖夢?」
いい笑顔で恐ろしいことを言い切った。
「は、はあ…」
いくら何でも自分と似た顔のものがなぶられのは見たくないなー、と思った。しかし。
「ちーんぽっ!おなかいっぱいだよ!おねーさんたち、ゆっくりできるひと?ちーんぽ!」
とか言って擦り寄ってくるのを見て、一瞬でその考えは吹き飛んだ。
「殺りましょう、幽々子さま」
リボンを掴み上げて言う。あ、こいつのリボン、私のと完全に同じだ、と気がつく。余計に怒りを煽る。
「ちーんぽっ!おろしてくれないとゆっくりできないよ!!!」
二人で顔を見合わせる。
「だそうですが。」
「そうね。とりあえず黙らせて」
「わかりました」
言うが早いか抜くが早いか。楼観剣でゆっくりの舌は細切りにされた。
「…!!!!?!」
悲鳴を上げようにもあげられないゆっくり。ただ涙だけが一気にこぼれた。
「何か言いたそうにしてるわよ?」
「どうせまた、ち…えっと、卑猥な言葉を言おうとしたんでしょう。」
「妖夢、今何か言いかけなかった?」
「気のせいです」
「そうかしら?」
「気のせいです!!」
などと和やかな会話をしながら庭に降り、ゆっくりを目の前にある池に放り込む。
「??!!?!!」
「妖夢、私のやりたいことがよくわかったわね。」
「それはもう、長いことお仕えしてますから」
「まあ、うれしいわ…よよよ」
「…そんな泣き真似はやめてください…」
「?!!??!」
必死で這い上がろうとするゆっくりを10フィート棒で池に叩き落しながら話し続ける。
ゆっくりの方を見なくても的確に押し返したり沈めたりできるのはさすが妖夢といったところ。
地面にたどり着いては足?払いで叩き落され、浮かび上がったと思ったら池の底まで沈められる。
水面に顔を出せば目を突かれる、水中に逃げては呼吸が出来ない。涙と鼻水と池の水がごっちゃになる。
ゆっくりの顔がだんだん紫に染まって行く。
「………」
ゆっくりの意識が途切れるその瞬間を見計らったように、網で掬い上げられる。
「?!!?!!!」
息も絶え絶え、抗議しようにも声がだせないゆっくり。
「あらら、こんなに唇が紫になって。寒かったのかしら?」
「顔全体も紫ですが。きっと寒かったのでしょう。ちょうど焚き火がありますから、暖まってもらいましょう」
言うや否や、いつの間にか用意されていた焚き火の中に放り込まれた。
「!!!?!」
熱い。もちろん熱い。
しかし火の中から逃げ出そうとするたび、10フィート棒でおし戻される。
「!!!?!?!」
繰り返すことしばし。辺りに焼き饅頭の匂いが漂い出した。
「いい匂いねえ、妖夢」
「確かにいい匂いですが、食欲は湧きません…」
「人里じゃ食べるらしいわよ?」
「自分と同じ顔してるものは食べたくないです。」
「それが人情かしらね」
叩かれても叩かれても熱さに暴れるゆっくり。ゆっくりが暴れまわったせいで火は消えた。
だが、二人の胸に宿った怒りの炎はまだ消えていなかった。
「レア、くらいかしら」
「タタキじゃないですか。殴りましたし」
「どちらにせよ、次は食べやすい大きさに、ね。」
火傷で息も出来ないゆっくりの前に妖夢が立つ。刀の柄に手を掛けた。
空気を切り裂く音のみが聞こえ、餡子のついた刀を懐紙で拭いをかける。
ゆっくりを襲っていた火傷の痛みが治まる。
「♪………!!?!」
ほっとしたのも束の間、全身を皮を剥がれたかのような痛みが襲う。
妖夢が器用に皮だけを切り落としたのだ。
「…ちょっと気持ち悪いですね。」
「そうかしら。おいしそうに見えるけど?」
痛みで動くことも出来ないゆっくりの目に、自分に向かって手を伸ばす幽々子の姿が映る。
ぱくっ。
皮を切られた痛みに、さらに食いちぎられた痛みが加わる。
ゆっくりは発狂寸前だった。あまりの痛みに気絶しても、すぐに新たな痛みで強制的に目を覚まされる。
声も上げられない、涙ももう蒸発して枯れ果てた。身動きも、逃げることすらできない。
一口、一口食べられるたびに痛みは増していく。しかし、それと同時に、意識も薄くなっていった。
ゆっくりには死だけが救いだった。しかし、幽々子は味わうように、少しづつ食べていく。
30分後、餡を半分食べられたとき、ゆっくりはようやく死ねた。

「ふう、ごちそうさま」
「幽々子さま。口元に餡子が…それにしても…」
幽々子のために懐紙を渡しながら妖夢はため息を吐いた。
「いくら怒ったとはいえ、恐ろしい殺し方をしてしまいました…」
幽々子はまじめな顔になって妖夢を諭す。
「そうよ。怒りは人の心を曇らせる。妖夢、刀のように冷たい平常心を保ちなさい。」
妖夢も真剣な顔で答える。
「はい、怒りとは恐ろしいものです。身にしみました」
「ところで妖夢、今の私には怒りより恐ろしいものがあるんだけど、わかるかしら?」
どこからともなく扇子を取り出し、口元に当てて微笑む幽々子。
「…それは恐ろしいものではなく、怖いものではないのですか?」
ため息とともに答える妖夢。
「すぐにお茶をお持ちします。少々お待ちください。」
「お茶請けは戸棚のお煎餅がいいわ」
「はいはい」


ちなみにその日、白玉楼は晩御飯抜きだった。ゆっくりを虐めるのに時間をかけすぎてもう一度買い物に行く時間がなかったためだ。
ゆっくりを虐めた結果がこれだよ!

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年09月14日 11:39
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。