ゆっくりれみりゃ系いじめ16 ゆっくりゆかりんとゆっくりれみりゃ



「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!」
「たべちゃうだってさ」
「おおこわいこわい」
魔法の森のゆっくり達は襲い掛かるゆっくりれみりゃを見てゆっくり構えつつも即座に逃走に移った。
森を熟知しているゆっくり達はれみりゃが手を伸ばすよりはるかに前に散り散りになりれみりゃの視界から消えた。
「うー?う゛ー!う゛ー!ざぐやー!おながずいだー!」
相当おなかがすいていたのか、ごはんにありつけずゆっくりれみりゃは地べたに座り込んで泣き出した。
その汚らしい声に木に止まっている森の鳥達が眉根をひそめて囀るのをやめた。

このゆっくりれみりゃ、ある人間の女の子に飼われていたのだが大きくなった上にわがままで、親に言われて泣く泣く捨ててしまうことになったのだ。
父親が戻ってこれないようれみりゃが寝ている間に魔法の森に入って木の洞に入れておいたのである。
洞の中に朝日がさして目を開けたとき、誰も居ないことで最初はさびしくてずっと森の中で泣いていたが
そこはゆっくりブレイン、すぐに飼い主のことなど忘れおいしそうな匂いのするゆっくりを見つけると本能なのかすぐにゆっくりを狩り始めた。
最初のころは油断したゆっくりを何匹か捕まえることが出来た。
しかしれみりゃが居ることがゆっくりネットワークによって広まるとすぐに警戒され、ゆっくりを発見するところまではいけるのだが
捕まえようとするとすぐに逃げられてしまい全く狩りは成功しなかった。
そんな状況が二日ほど続きれみりゃはもはやふらふらでもうザグヤザグヤと泣き喚くしかなかった。
ちなみにさくやというのは前の飼い主の女の子のことである。
その子はさくやという名前ではないのだが何故かれみりゃは飼い主の女の子のことをそう呼んでいた。


「うー!ざぐやー!うあー!うあー!だれでもいいからごはんー!ごはん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ー!!」
「ゆっくりでてきましょうか?」
そんなれみりゃの前に森の木々の間からぴょこん、とゆっくりゆかりんが飛び出してくる。
「ほらゆっくりでてきました」
「う?うー!ぎゃおーたーべちゃうぞー!」
ゆっくりゆかりんが目の前に出てくるとすぐに噛み付こうと諸手をあげて突っ込んでくるれみりゃだったが
あっさりとゆっくりゆかりんによけられて顔面から地面に思い切り突っ込んだ。
「う、う゛ー!どおじでみ゛んな゛れ゛み゛り゛ゃにだべら゛れ゛でぐでだいどぉー!
お゛な゛がずいだー!ざぐやー!ざぐやー!!」
案の定泣き出したれみりゃを見てゆかりんはあきれながら言った。
「ゆー…れみりゃにたりないのはゆっくり人のはなしをきくことかしら
ごはんにありつくための」
「うー?ごはん?うー♪ごはんちょーだいーごはんー!」
現金なものでれみりゃはごはんと聞くとすぐにごはんをくれると勘違いして河馬の様に大きく口を開いて食べ物を貰うための体勢を整えた。
「だからゆっくりゆかりんのはなしをきいてね」
ゆっくりゆかりんは溜息をつくと嗜める様にれみりゃに言った。
「ゆかりんがごはんを集めるのをてつだってあげるよ
そしたられみりゃはおなかいっぱい食べられるようになってゆっくり出来るよ
そのかわりにゆかりんが冬を越すためのたべものをいっしょに集めてほしいの」
「うー♪れみりゃたべものいっぱいあつめるー!だからごはんごはんごはんー!うー!」
とにかくご飯にありつきたいれみりゃは躊躇せずにいい笑顔で即答した。



「ゆっ、れいむゆっゆっれいむぅ…!」
「ゆっ、ゆっまりさ!まりさぁ!」
「ゆゆぅっ、すっきりするぅ…!すっきりしちゃうぅ…!」
「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!」
『ゆんほぉおおお!?』
粘餡を出しながら体をこすりつけ合わせている、要するに交尾真っ最中のゆっくり二匹を発見し
ゆっくり近づいて茂みから飛び出したゆっくりれみりゃ。
「ゆ!すぐににげないとゆっくりできなくなるよ!」
名残惜しみながらもすぐさま体を離すゆっくり二匹。
その頬からは粘着質な糸が引いていた。
「ゆー…まりさたちにたりないのはの少女臭かしら
あさましいしょうどうを抑えるための」
ゆかりんはれみりゃに抱えられながらそう言い放つと地を這うれいむとまりさに口から何かを吐いてかけた。
「ゆぐぅうう!?くさい!くさいよおおおおお!?」
「ゆ!ひどいよ!れみりゃもゆかりんもゆっくりしね!!」
納豆を頭にかけられたゆっくり二匹は捨て台詞を吐くと即座に用意していた逃走ルートを通って逃げて行った。
「うー!ま゛っでぇー!う゛ー!」
追いかけようとして思い切り転んでしまうれみりゃを尻目に二匹は後で落ち合って続きをしようと目配せをした。


「ゆー…臭いよ…れいむ…」
苦もなくれみりゃとゆかりんの魔の手から逃げ切ったまりさはゆかりんの吐いた納豆の臭さに辟易していた。
「ゆっくりけんじゃなんていってゆかりんもぜんぜんたいしたことなかったよ!
あんなばかはゆっくりしねばいいのに」
ゆかりんに対して文句の一つも言わないと収まりきらない気分だった。
ああこんなゆっくり出来ない気分の時は早くれいむと落ち合って体を洗ってさっきの続きをしたい。
そのことを考えると体がぬとっとしてくるまりさであった。


「ま゛り゛さ゛にげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
「ゆ゛!?」
突如後ろから聞こえてくる声にその忠告を無視して思わずまりさは後ろを振り向いた。
「うー!ぎゃおー!たーべちゃうぞー!」
「れいむうううううううう!!!!」
まりさの目の前に居たのはゆかりんとれいむを両腕に抱えるれみりゃだった。
れいむの頭にリボンが外れかけて変わりに黒っぽいものが見える。
あれはなんだろうか、あの黒いものは。
「どうじでれ゛い゛む゛のあ゛んごがああああああ!!!」
「はいゆっくりでてきました」
恐怖に駆られ逃げ出そうとするまりさの前にれみりゃの上でから飛び降りたゆかりんが立ちふさがった。
「うーたーべちゃうぞー!」
「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
「ま゛りざああああああああああああ!!!」
ゆかりんを避けるか、それとも弾き飛ばすかを躊躇した瞬間、まりさの頭をれみりゃの手が掴んでいた。
こうなればもうまりさに逃げる手段は無い。
「どうじでえ゛え゛え゛え゛!どうじでみづがっだの゛おおお!
ちゃんとにげだの゛に゛い゛いいいいいい!!」
絶望で包み込まれたまりさが考えたことは何故自分の逃げた行方がれみりゃにわかったのかということだった。
「まりさの少女臭をゆっくり追って来たよ!」
「うー♪くちゃいくちゃい!」
「臭くないよ!少女臭だよ!」
そう、れみりゃとゆかりんはまりさ達についた納豆の臭いを追って来たのだ。
なんということだ、ゆっくり歩かずにすぐにでも川に向かって体を洗うべきだった、とまりさは嘆いた。
「うああああああああああああ!!!!
じにだくな゛い!も゛っどゆっぐりじだいいいいいいいいい!!!」
「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!!」
「だべだいでええええええええええええ!!!」
「そんなにゆっくりしたいなら、いくらでもゆっくりさせてあげるわよ」
「!?」
「ほんとに!?」
生気を失っていた二匹のゆっくりの目に光が戻った。
「うー?だめ~、これはれみりゃのごはんー!」
「れみりゃもおなかいっぱいになれるはなしよ」
「う~?おなかいっぱいー!ごはんー!ごはんー!」
「ただしゆかりんの言うことを聞いたらだよ
そしたらゆっくりさせてあげるよ」
片目を閉じて二匹を横目に言うゆかりん。
「聞きます!聞きますうううううううう!!!」
泣きながらまりさはゆかりんにすがりついた。
しかしれいむは警戒を解こうとはしなかった。
既に頭を齧られているので当然といえば当然だろう。
そんな二匹に対してゆかりんは言った。
「れいむかまりさの家族の居るおうちをおしえてくれたらゆっくりさせてあげるよ」
ニヤリ、とゆかりんの口元がいじわるそうに歪んだ。
「!ぜったいにおしえたりしないよ!
れいむたちをたべるならゆっくりしてないでとっととたべてね!」
やはりそんなことだろうと思った、れいむは胸中でそう自分の命は諦め代わりに家族を守るために硬い決心をした。
絶対に家族を売ったりするものか、その想いはまりさも同じである。


「こ゛っち゛です゛!ごっぢに゛れ゛い゛む゛だぢのおうぢがありまずううううう!!!」
「ま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」
と思っているのはれいむだけだったようだ。
まりさは顔中から餡子汁を流してニヘラニヘラと卑屈な笑いを浮かべながらゆかりんとれみりゃを案内し始めた。
ゆかりんはそれをみてケラケラと笑いながらついていった。



「まりさだよ!ゆっくりあけてね!」
「ゆ、いまあけるよ!ゆっくりしていってね!」
巣の中で冬の支度をしていたお母さんれいむは娘のれいむの友達のまりさが娘と共にゆっくり帰ってきたようなのですぐに家の扉を開けた。
「お゛があ゛ざんあげぢゃだめ゛え゛え゛え゛!!!」
「ぎゃおー!たーべちゃうぞー!!!」
「ぎゃあああああああああ!?」
扉を開けるとそこにあったのは娘とその友達の笑顔ではなく小さな、それでもゆっくりにとってはとても大きな手。
その手はお母さんゆっくりのおでこに5本の指を突き刺すとまるでみかんの皮でもはがすかの様に顔面の皮を引き剥がした。
黒い餡子にぽっかりと開いた空洞から断末魔が響き渡った。
「うー♪うま♪うま♪」
「いやー!」
「どうじでごんなごどずるのま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
「はなぢでええええええええええええええ!!!!」
次々と食べられていくれいむの家族達。
「ここはゆかりんのおうちにするから汚さないでね!美しくね!」
ぼろぼろと食べこぼしながら巣の中を漁るれみりゃのおしりにゆかりんが噛み付いて抗議していた。
「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!お゛があ゛ざんお゛があ゛ざんお゛があ゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!!」
「ゆー、騒がしくて美しくないからそのれいむももう食べていいよ」
「うー?うあー♪たーべちゃうぞー!!」
「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!」
ゆかりんからの許可が出て早速さっき付けた傷の辺りから餡子を吸い出すれみりゃ。
れいむは一瞬で全ての餡子を吸い出されて湿った皮だけになった。
「うー、あま♪あま♪」
まるでその皮はデスマスクのようで、その表情は恐怖と悲しみと怒りの全てが入り混じった恐ろしい表情だった。
人間を使ってもこうも見事なデスマスクはそう簡単に作れないであろう。
「これいあない♪ポイっ、するの♪ポイっ♪」
しかして残念なことに餡子を吸い出した後の皮にれみりゃは全く興味は無くその辺に放り出して
その皮はゆっくり、鳥と虫の滋養となった。

「これでまりさはゆっくりできるよ!」
その惨状を後ろから見ていたまりさは全てが終わったと思い歓声を上げた。
その笑顔はとても清清しいもので、それを見て思わずゆかりんも微笑み返してこういった。
「あのまりさももう用が無いから食べていいよ」
まりさの笑顔が凍りついた。
「ど、どどどどどどどどどどどどど」
まりさはカタカタと震えだした。
交尾の時でもこの半分も震えないだろう。
清清しい笑顔は引き攣った笑いとなってまりさの顔にへばりついた。
思い切り泣きわめきたいのに涙だけが一筋こぼれても引き攣り笑いしか出来なかった。
「どっどっどどどおしてややややくそっそそくしたたたたたた」
「ゆー、たしかまりさとはこれが終わったらいくらでもゆっくりさせてあげるわよってやくそくしてたわね」
「!?そそそうだよ!わすれちゃだめだよ!ゆっくりできないところだったよ!」
ただ単に約束を忘れていただけなのだ、そう知って安心したまりさは引き攣り笑いをやめて再びあの清清しい笑顔をしようとした。
「お友達のれいむのところで、永遠にゆっくりしていってね」
「たーべちゃうぞー♪」
しかしそれよりも早く現実とれみりゃの爪がまりさを引き裂いた。



「うー♪おなかいっぱい♪うーうーうあっうあっ♪」
そんな風にゆかりんとれみりゃが協力して狩りを続けて一週間ほどが経った。
れみりゃもゆかりんの指導の下で大分野生の生活と魔法の森にも慣れて、頑張れば一人でも餌を取れるようになっていた。
特に姿が見え無いときは饅頭の臭いを辿ってゆっくりを捕まえればいいとゆかりんに教わったことでれみりゃの狩りの力は大きく成長した。
まあ野生のれみりゃ種やフラン種は本能で簡単にやってのけてしまうことではあるのだが。
「そろそろゆっくりしてないでゆかりんのごはん集めを手伝ってね!」
れみりゃも一人前になってきたのでそろそろ当初の予定通り自分の冬越え用の食料集めを手伝ってもらってもいいだろうと
ここ二日ほどゆかりんはしきりにそのことをれみりゃに訴えかけていた。
「…うー」
「拗ねても駄目だよ!ちゃんと集めてね!約束だよ!」
しかしれみりゃはせっかく気分良く踊っていたところで怒鳴られて邪魔されて面白くない。
ここ二日間ほどはずっとそうだった。
れみりゃはそのゆっくりブレインで考えた。
もう狩りの仕方も覚えたしれみりゃがゆっくりするのを邪魔するこの納豆は要らないのではないか。
そうだ、もうこれは要らない。
「うー♪こえいらない!ポイっするの!」
「ズギマ゛!?」
思い立てばその行動はすばやかった、全くゆっくりしていない。
ゆかりんは森の木に向かって投げつけられた。
「ゆ…ゆぐほっ!?」
ゆかりんはずるりと地面に落ちて、口から納豆を垂らして咳き込んだ。
「うー♪くちゃいくちゃい♪こえいらなーい♪ぽいっ♪するの、ぽいっ♪」
れみりゃは今までの鬱憤を晴らすためにもう何度も投げて壊れるまで遊んでやろうとゆかりんの方へと歩き出した。
「鼻につくわ…そのゆっくりれみりゃ特有の上から目線…!」
ゆっくりゆかりんの目付きがそれまでのゆっくりした目付きから鋭い、肉食獣のような目付きに変わった。
しかしれみりゃはそれに気づかずに屈んで手を伸ばした。
ゆかりんは負傷しているとは思えないほどの速さでその手の上に跳ね乗るとそこからさらに跳び、れみりゃの鼻に噛み付いた。
「!?う゛あ゛ー!?あ゛ぐや゛ー!!!あ゛ぐや゛ー!!!」
予期せぬ反撃にしりもちをついて手をぶんぶんと振り回すしか出来ないれみりゃの鼻の中にゆかりんはプッと何かを吹き込んだ。
「!?!?!?!?!?!?!?」
れみりゃが目を白黒させる。
「う゛あ゛あ゛ああああああああああ!?ぐぢゃ゛い゛!ぐぢゃ゛い゛い゛い゛い゛!!!!!??????」
そう、ゆかりんはれみりゃの鼻の中に納豆を吹き込んで居たのだ。
「まったく、れみりゃ風情が、ゆかりんとの約束をやぶるのは絶望的にはやいわ」
ゆかりんはれみりゃの鼻を離して地面に降りると、冷めた表情でれみりゃに問いかけた。
「ゆっくりでていきましょうか?」
「う゛あ゛あ゛あああぐぢゃ゛い゛の゛おおお!!!あ゛っぢい゛っでえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」
「ほらゆっくりでていきました」
そういうと、ゆっくりゆかりんはどこからともなく現れたときのようにいつのまにか木々の間へと消えていった。
「う゛あ゛ー!!!ざぐや゛!ざぐや゛あ゛あああ゛ああ゛ああ゛あ゛!!!!」



「うー、うー…」
それから数日が経ち、何とか臭いになれて動けるようになったれみりゃは生きるために餌のゆっくりを探して何日もさまよい続けていた。
しかしゆかりんの下で覚えた狩りの方法は全くその効果を発揮しなかった。
れみりゃはあの鼻納豆で嗅覚を完全に破壊されていたのだ。
再生力の強いれみりゃ種でもここまで鼻の機能を壊されてしまえば臭いを追って獲物を捕まえることも出来ない。
目視できる場所からでは空腹で力の出ないれみりゃでは捕まえる前に逃げられてしまう。
れみりゃは着々と衰弱していた。
「うー…おなかすいた…さくや…さくやー………」
恐らくれみりゃが獲物にありつくことは二度とないだろう。
「さくや、さくや、さくや…」
遂に森の中でへたり込み、何度も飼い主の名を呼ぶ。
困ったときはいつもさくやが助けに来てくれた。
そのまま一歩も動かずれみりゃはさくやとの思い出を反芻し続けた。

「これかってもいいの?ありがとうおかあさん!
よろしくね、わたしはあなたのかいぬしの○○○よ」
初めてさくやにあった日、まだ顔だけだったれみりゃにさくやは奮発してプリンをプレゼントしてくれた。

「もー!れみりゃー!散らかしたら駄目でしょ!」
れみりゃがおもちゃを散らかすとさくやはぷんぷんと怒りながらも代わりに片付けてくれた。

「れみりゃ、もうちょっとまわりのことを考えて迷惑をかけないでね
お父さんとお母さんもちょっとれみりゃのわがままに迷惑してるんだから」
さくやは本当に心配そうにれみりゃにそう言った。
れみりゃにはよく意味がわからなかった。

「もうみんなに迷惑かけないって約束して、ね
れみりゃだってがんばればちゃんと私との約束守れるよね」
さくやはれみりゃに不安で不安で仕方ないのを隠しながらきっと出来ると言った。
れみりゃは横を向いておやつを食べながらうんと返事をした。

「もう庇い切れないの!お願いだからもうお父さんとお母さんに迷惑かけるようなことしないで!
約束を守ってくれないと次は本当に…!お願いれみりゃ!私との約束を守ってぇ!!」
さくやは泣きながら、縋るようにれみりゃに頼み込んだ。
れみりゃはさくやに笑顔で返事をしてあげた。
その日の夕方ごろ、おかしはないかと食べ物を入れてある棚の中をぐちゃぐちゃにして結局おかしは見つからずふてくされてベッドで眠った。
朝起きると森の中に居た。

「うー、さくや、さくや…」
段々と、れみりゃにもわかり始めていた。


『拗ねても駄目だよ!ちゃんと集めてね!約束だよ!』
『まったく、れみりゃ風情が、ゆかりんとの約束をやぶるのは絶望的にはやいわ』
『約束を守ってくれないと次は本当に…!お願いれみりゃ!私との約束を守ってぇ!!』


「うー…ごべんな゛ざい゛…やぐぞぐやぶっでごべんな゛ざい…うー、うー…!」
ようやく、れみりゃにも何が悪かったのかがわかった。
「ざぐや゛ごべんな゛ざい゛…!やぐぞぐやぶっでごべんな゛ざいい…!
う゛ー!ごべんな゛ざい゛ごべんな゛ざい゛ごべんな゛ざい゛、う゛ー!う゛ー!」
れみりゃは涙ながらに今までの自分の行いで裏切り、傷つけてきた人たちのことを想い心から謝った。
「やぐぞぐやぶっでごべんな゛ざいい…!ざぐや゛!ごべんあざい!ごべんあ゛ざいいい!ざぐや゛!ざぐや゛ぁ!」
飼い主の女の子がこの言葉を聞いたならばどれほど喜んでれみりゃを家まで連れ帰ってくれるだろう。
だがこの心からの謝罪がその子に届くことは無かった。

木々の枝葉の間から、鳥達が何も言わずにれみりゃが力尽きるのを見下ろしていた。





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最終更新:2022年01月31日 01:25
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