第二十四話 開幕の式
??「そろそろ、ころ合いだな」
雨針「ええ。 雪鎖の分も、がんばろう」
??「それで、なんで私まで?」
??「そりゃ、みんなを束ねる存在だからな。お前がいないと、みんな士気が下がるから」
??「そうそう。私たちだけじゃ、やっぱり、力量不足だしさ」
雨針「まあ、色々とあるのよ。お願い♪」
??「ま、いいけどね。久しぶりに暴れるわよ」
??「そうこなくっちゃ」
白虚「あれ、暁は?」
寂弥「ああ、あいつは結界の方に回ってる」
??「縁とパティ、狐火と彌鈴、優架李、あと、妖精たちが数人と、こいつの特性人形が100体ぐらいね」
??「私の人形をなめてもらっては困る。小悪魔さんぐらいなら瞬殺だ」
??「あんた、喧嘩売ってるの?」
??「いえ、滅相もございません」
雨針「大丈夫なの? このチーム」
◇保健室◇
月夢「王室が襲撃にあったみたいですね」
光李「そうみたいね。王女が迎撃したみたいだけど、王は意識不明。犯行の動機なども不明」
この島に、すでに平和はない。
でも、私がみんなを守る。
だから、もう少しだけ、耐えないと。
真「真之、血清を打って、寝かせてる。とりあいず、大丈夫みたい」
ゆら「本部のほうからの通信です。どうやら、厄介なことになりそうです」
月夢「どうしたの?」
真「どうした?」
ゆら「これ、ですよ」
光李「っ! ・・・月夢、真、見るな」
月夢「え?」
光李「これは、お前たちが、未来を持つものが、見ていいもんじゃない」
真「・・・」
・・・
会長の目から、それがどれほどのものか、推測はできた。
月夢「・・・わかりました」
だから、私も詮索はしない。
光李「で、どうする」
ゆら「本部は、こちら側と、手を組みたい、と」
光李「確かに、これは危険だろうな。けど、私はまだあんたたたちを信用していないから」
ゆら「それは本部も承知していると思います。でも、『彼ら』は、本当に強いです。勝てるかどうか、わからないです・・・」
月夢「どうするんですか?」
光李「・・・・・・・・・しょうがないか。でも、不審な行動を見せたら、即敵対だからね。そう伝えて」
ゆら「わかりました」
◇橋◇
処貝「久しぶりだな」
漆黒の羽「よう、処貝」
花城「処貝・・・さん?」
(なぜだ? どうしてここに?)
処貝「おう、花城。奇遇だな」
漆黒の羽「見張りはどうなってる?」
処貝「何小隊か、こちらに向かっているな。 おそらく、奴らの目的は『デザートコンビナート』」
さゆり「!?」
それは、希望か、絶望なのか。
花城「さ、桜、しっかり・・・」
私の目的地と、同じ場所。
桜「だ、だいじょぶ・・・」
妹たちの待つ場所。
漆黒の羽「・・・・・・・・・。行くぞ」
OSUPU「こいつらはどうする?」
漆黒の羽「足手まといだ。仲介の奴らの場所に連れて行け」
OSUPU「了解。 さて、少し痺れるが、我慢してくれ」
──ツッ
桜「ふぇ・・・」
花城「っ・・・」
雛菊『こ、これは・・・』
茨『ち、力が・・・』
さゆり「う・・・」
漆黒の羽「一時的な麻酔だ。害はないから安心しろ」
◇オルメス/桂樹家◇
縁「ねぇ、パティ」
パティ「はいはい?」
縁「最近さ、何事もなく平和だよね」
パティ「平和ですねー」
縁「でもさ、なんかこう・・・さ、しっくりこないのよ」
パティ「何がですか?」
縁「なんかね、ちょっと前までさ、色々とバタバタしてたけどさ、なんかやること無くって暇っていうかさ」
パティ「ああ、ありますよね。夏休み入って、急に暇になって予定があいたりとか」
縁「でね、なんかおもしろいことないかなって思ってさ」
パティ「はいはい」
縁「そしたらね、葛城神社の由床下からね」
パティ「はいはい」
縁「爛さんが出てきたの!」
パティ「なんでかな(苦笑)。どうして爛さん、そんなとこにいたのかな(苦笑)」
縁「でね、『どういたー!』って聞いたらね」
パティ「うん、もっと普通に聞こうか(苦笑)」
縁「爛さん、何て言ったと思う?」
パティ「何て言ったんでしょうか?」
縁「『IAEAの人たちに見つからないように核を隠してる』って」
パティ「なんでかなー(苦笑)。なんで核なんて持ってるのかなー(苦笑)」
縁「で、私もね、『いつ来るんだー!』って、聞いたの」
パティ「うーん(苦笑)、もっと普通に聞こうか、うん(苦笑)」
縁「そしたらね、『明日だー!』って言ったの」
パティ「なんでかなー(苦笑)、なんでうつっちゃったかなー(苦笑)」
縁「でね、あの金髪の黒い服のひとよろしく、ね──」
パティ「やめようかー、そのネタはやめようかー。伝わる人少ないかもしれないけど、そのネタは著作権に引っかかるよー、うん(苦笑)」
縁「では、改めまして、『ゆかパッティン』です。よろしくお願いしまーす」
パティ「まだ始まってなかったんかい!」
縁「どうも、ありがとうございましたー」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
暁「何? このショートコント」
狐火「ショートって言うけど、書くのには時間かかってるからね?」
暁「作者の気持まで代弁しなくていいからっ」
彌鈴「いいんじゃない? (これも作者が書いたことだよ)」
暁「そうやって小声で言わないっ! わかっててもいわないもんでしょ!」
≪泣きますよ?≫
暁「ほら、作者さんはこう言ってるでしょ!」
優架李「まあまあ、いいじゃない。楽しいし」
暁「だめですよ! 内情まで話したらだめですよ!」
狐火「うーん、やっぱりパティより暁のほうがツッコミうまいかなー。でもなー、暁は私の嫁だからなー」
暁「あんたの嫁になった覚えはないわ!」
──コンコン
優架李「あ、パティ、出てくれる?」
パティ「はい」
──カチャッ
填支「こんにちは」
優架李「て、填支さん? どうしたんですか?」
填支「ちょっと、仕事が早く片付いたから。久しぶりに、顔でもだそうかなって」
彌鈴「ご苦労さまです」
填支「ありがと」
パティ「お茶でも、お飲みになりますか?」
填支「じゃあ、ダージリンのオータムを、ミルクでお願い」
パティ「かしこまりました」
狐火「ケーキ食べますか?」
填支「そんな、気を使わないで」
暁「遠慮しないでください。ちょうどもうすぐ、ケーキが焼けますから」
ちなみに、焼いているのはパティさん。
普通のスポンジケーキよりも、モンブラン等のほうが得意みたいだけど。
紅茶をいれるのはプロ級だし、ケーキはそこらへんのパティシエだったら多分勝てるぐらいのおいしさ。
なんでもできるね、ほんと。
パティ「器用貧乏ですから」
填支「あ、ありがとう」
彌鈴「ところで、みなさんはどうしていますか?」
填支「ああ、私も含めて、ちゃんとやってるよ。あなたたちも、ちゃんとやってる?」
優架李「填支さん、もしかして、自立人形ですか?」
填支「ええ、そうよ。この会話を送信してもらって、私が返信してるの」
優架李「あいつらに作ってもらったんですか」
あいつら、とは、オルメスでも一二を争う問題児の、天狗たちである。
このオルメスのほとんどのものは天狗たちが作ったもので、お世話にはなっている。
ただ、ちょっとネジが弱く、歯止めがきかない奴が多いので、前は寺子屋が壊されたり、ちょっとした問題がある。
狐火「結界はまだ大丈夫そうです。かといって、油断してると何がおきるかわからないです」
填支「あまり気負いをしないでね。いつ、誰がきても対処できるように、準備だけは、しっかりお願い」
パティ「私どもが身を呈してみなさんをお守りします。みなさんは、結界のほうをお願いいたします」
填支「ここのメイドは、使うの弓だったね。味方に当てないように気をつけてね」
暁「大丈夫でしょう。パティが育てたメイドですから」
填支「信じてるよ。 私たち、すぐには戻ってこれないから。よろしく」
優架李「そうですね。ここは一応、長期戦の覚悟もしておこう」
空は赤くそまる。
夕暮れから、徐々に空は漆黒に覆われていった。
ここからが、本番だ。
私たちの、戦争が、
始まる・・・
最終更新:2012年09月06日 17:26