ここではAegisubを使いカラオケ字幕を制作する方法を説明する。
AegisubはASSの高い表現力を余すことなく扱える高機能なSSA/ASS字幕作成ソフト。
AegisubはASSの高い表現力を余すことなく扱える高機能なSSA/ASS字幕作成ソフト。
単に日本語でカラオケ字幕を手軽に制作するなら、カラオケタグ付きの歌詞ファイルをtxt2assを使いASSに変換するのが手軽で簡単
※後述
ここではAegisubの基本的な操作方の紹介とASSの学習のため、Aegisubを用いてカラオケ字幕を制作する。
筆者自身まだよくわかっていない機能も多いため、詳細については同梱のドキュメントや公式サイトの記述を熟読するとよい。
ここではAegisubの基本的な操作方の紹介とASSの学習のため、Aegisubを用いてカラオケ字幕を制作する。
筆者自身まだよくわかっていない機能も多いため、詳細については同梱のドキュメントや公式サイトの記述を熟読するとよい。
参考リンク
- 妖精現実 SSA入門 - http://www.faireal.net/articles/8/05/#d31005
まずはテキスト字幕の基本であるSSAについて理解するため是非読んでおきたい。より高度なASSについての記事もあるので興味があれば読んでおくといい。
- G-MARK - http://g-mark.jpn.org/
字幕作成、再生についての情報がある。Aegisubの日本語化作業を行っていた方のサイト。Aegisubの日本語マニュアルも公開されている。
Aegisubについて http://g-mark.jpn.org/index.php?Aegisub
Aegisubマニュアル http://g-mark.jpn.org/index.php?%A5%DE%A5%CB%A5%E5%A5%A2%A5%EB
Aegisubについて http://g-mark.jpn.org/index.php?Aegisub
Aegisubマニュアル http://g-mark.jpn.org/index.php?%A5%DE%A5%CB%A5%E5%A5%A2%A5%EB
必要なソフト
必須
- Aegisub - http://www.malakith.net/aegiwiki/Main_Page:本体
- Aegisub 日本後言語ファイル - http://g-mark.jpn.org/index.php?Aegisub:次のビルドからは日本語化ファイルが本体に組み込まれる(最新βでは既に導入済み)ため、インストール時に選択すれば別途ダウンロードの必要はなくなる。
準備
- Aegisubのインストール
- 言語ファイルを導入して日本語化。必要ないなら英語のままでいいが、以後の説明は日本語化済みのものとして進める
- テキスト形式で歌詞ファイルを準備する。全角スペースがある場合、半角に変換しておくと後々楽になる。
- Aegisubを起動
Aegisubの各画面説明
字幕ビュー
字幕の編集用ボックスと字幕ファイル内容表示部の2つに分けられている。
編集欄では内容を決めるテキストボックスの他、スタイル、話者、エフェクトの指定ボックス。レイヤー、時間指定、左・右・上下のマージン指定ボックス。字幕フォントに効果を与える基本的なタグの挿入ボタン、色変更ボタンが用意されている。
字幕内容の一覧では各行を選択することで、その字幕の表示位置にジャンプすることができる。ドラッグで複数選択可能。
左上の「コメント」というチェックボックスをチェックするとその行はコメント行となり字幕として表示されなくなる。一部オートメーション機能のテンプレートを入力するために使うこともある。
編集欄では内容を決めるテキストボックスの他、スタイル、話者、エフェクトの指定ボックス。レイヤー、時間指定、左・右・上下のマージン指定ボックス。字幕フォントに効果を与える基本的なタグの挿入ボタン、色変更ボタンが用意されている。
字幕内容の一覧では各行を選択することで、その字幕の表示位置にジャンプすることができる。ドラッグで複数選択可能。
左上の「コメント」というチェックボックスをチェックするとその行はコメント行となり字幕として表示されなくなる。一部オートメーション機能のテンプレートを入力するために使うこともある。
音声ビュー
- 通常モード時:波形表示部左クリックで開始点決定・右クリックで終了点決定
- カラオケモード時:波形表示部左クリックで分割セクション選択・右クリックで分割セクションの選択と再生
下部のKaraokeボタンを押すとカラオケモードになる。カラオケモード時に分割ボタンを押すと分割モード。半角スペースの場所で自動的に分割されるが、日本語の文章は単語の間にスペースを入れるということをしないため、手動で分割部を指定する必要がある(分割しないと指定範囲内を一定の速度でワイプする) 右側のテキストボックスで文の適当な場所をクリックで分割点を追加できる。分割点を決めたらEnterで確定、分割点にカラオケタグが入力される。
映像ビュー
映像ビューは分離することができる。
左のツールバーから機能を選択して字幕の位置調整(ピクセルの絶対値指定になる)、XYZ軸回転、拡大縮小、クロップ等を行える。
左のツールバーから機能を選択して字幕の位置調整(ピクセルの絶対値指定になる)、XYZ軸回転、拡大縮小、クロップ等を行える。
基本的な操作
基本的なキーバインドはテキスト字幕作成ソフトの草分け的存在であるSubStationAlphaのものを受け継いでいる。SubStationAlphaの基本的な使い方については"
妖精現実 SSA入門 タイミング編
"を熟読のこと。ここで新たに説明しようと思ったが、妖精現実 SSA入門 タイミング編の内容と同じことをこれ以上うまく説明できそうにないので、内容を一部改変した上で重要な部分を転載させてもらっている。Aegisubの操作と上で紹介した画面に合うよう一部の記述を変更している。
この作業を行う準備として、"Aegisubを起動>音声の読み込み"まで行っておく必要がある。
この作業を行う準備として、"Aegisubを起動>音声の読み込み"まで行っておく必要がある。
- SubStationAlphaとAegisubのキー操作の大きな違い
- SubStationAlphaでは"S"を押すと"選択範囲再生"、再生中にもう一度"S"で"停止"。
- Aegisubでは"S"を押すと"選択範囲再生"で違いはないが、再生中に"S"を押しても停止せず選択範囲の最初から再生される。Aegisubの停止キーは"H"。
手の位置(重要)
右手はマウスを握り、左手はキーボードのホームポジション(人差し指がFのポッチの上)にします。とりあえず選択した範囲から再生(T)をクリックしたらWAVの再生が始まるので、マウスのホイールボタンかFキー(左手の人差し指)でいま再生している波形の部分を常に追いかけてください。
いま3行めの「生まれてゆく 亡骸に背を向けて」をタイムするとして、「生まれ」のウがどこで鳴るかよく波形を見ていて、「生まれてゆく……」と聞こえたらHを押して再生を止め、見ていたから分かるはずの出だしの波形の直前で左クリックします。「スタートライン」の赤い線が出ます。
次にどこで「背を向けて」の「て」が終わるか適当に見当をつけて、このへんだろうという波形の部分で右クリックして「エンドライン」の橙色の線を出します。
S(左手の薬指)を押すといま選択した赤色~橙の範囲が再生されます。 D(左手の中指)を押すと選択部分の最後の0.5秒が聞こえます。これらによって、もし勘が外れていたら左クリック、右クリックをしなおして、タイミングを正しくします。
慣れるまでは、無理に速くやろうとせず、急がばまわれで、よく確認してください。 S(左手薬指)を押すと選択区間が再生されるので、何度か聞いて納得がいったら、左手の人差し指をずらしてGを押します。これでタイミングが確定して次の行のタイムに進みます。Gは、押すとその行のタイミングが確定する重要なキーです。
間違えたタイミングのままGで確定させてしまったら、選択行はすでに次の行になっているので、もとの間違えた行をクリックで再選択して再生してから、修正してください。
左手の人差し指と薬指をSとFに置いて、右手はマウスを握って、マウスの左右のボタンを使い、あまり考え込まずに、テンポ良くさらっとタイムしましょう。左手のキーボード操作と同等のことを、マウスによるクリックでもできますが、それは動きに無駄があり、時間もかかるし目も手も疲れます。マウスカーソルは波形の黒いエリアから出さずに、横の動きでタイミングの目印だけに使い、タイム処理は左手からキーボードでやるのが「プロ」のやり方です。
Playで再生して……と説明しましたが、実際には、慣れると波形だけ見て出だしと終わりの見当がつくので、ぜんぶ再生する必要ありません。この曲は最初に10秒くらい前奏があるな、と分かっていれば、そこはホイールかFで飛ばしてしまい、「このあたりだろう」という場所で試しに左クリック、右クリック、Sで聞いてみて、それをもとに修正していけばうまくいきます。したがって2分の曲を2分より速くタイムできます。30分アニメを30分かけずにタイムできます。ほかのカラオケツールであるような「曲を流しっぱなしにして、歌詞の行頭と行末でEnterを押す」といった行き当たりばったりのタイミング法ではタイミングがずれてもよく分かりませんが、 Aegisub ではSとDで納得いくまで確認できますし、声がない場所は飛ばせるので合理的かつ最速。(各行のタイミングを確認したい場合も、いちばん上を選択してから [次の字幕または音節] で進めば、声があるところだけを拾って再生するため、効率的に確認できます。)
やってみればそんなに難しくないので、何度かやってみてください。慣れるまではSを使って着実に確認すると良いでしょう。慣れたら、「出だしが正しくタイムできたら、あとはSしなくてもDでエンドだけ決めればいい」という考えでやると良いです。
ヒント: 慣れてきたら
WAVを再生中にでも右クリック、左クリックで赤線と橙線を動かせます。再生しながら同時にタイミングを微調整できます。
左手人差し指をFでなくGの上に置きっぱなしにしてもかまいません。
現段階では、ここで説明しただけのことで間に合いますが、 中級編のセクション1「効率的なタイミングの手順」以下で、速く的確なタイミングをするコツを説明します。
気持ちよく流れる字幕のコツ
慣れてきたら、次のようなことも考えてみてください。(初めての場合は、あまり気にしすぎないでください。)
- スタートタイムは、通常、実際に声が出る頭と「同時」より、0.1~0.3秒程度、早めに出すと良いです(例えば、実際には10分30秒00に声が始まるとして字幕は10分29秒90にすでに出ていて良い)。気持ち良く流れる字幕のコツです。ただし、カラオケでタイムするときは「同時」にして、後から細工します。
- エンドタイムは、原則として声が止まるのと「正確に同時」くらいにして、声が止まったあとまで余韻のように字幕を残すことはしないでください。
要するに、字幕が出るのは声より気持ち早め、字幕が消えるのは声が消えるのと同時くらい、ってことです。この問題は意外と奥が深いです。現段階では、ここで説明したことだけで十分ですが、 中級編のセクション3「音声と字幕のタイミング」(妖精現実の該当記事へのリンク) 以下でさらに解説します。
字幕作成手順
- 字幕を入れたい動画を読み込む
- "音声">"映像ファイルから音声を読み込む"で映像ファイルの音声を読み込む
- "字幕を開く"から用意しておいた歌詞ファイルを読み込む。
- 各行に適応する字幕の見た目(スタイル)を設定する。先に"5"の時間指定を行ってもいい。
- 上で紹介した基本操作に従い字幕の表示時間を入力していく。基本は、左右クリックで適当に開始/終了点を指定>Sで再生、クリックで開始点を調整>Sで再生したまま終了点を探す。右クリックとDで末尾0.5秒再生を使い微調整>Gで確定(詳しくは下で動画を使い説明している)
- これで指定時間に字幕が表示される基本的な字幕ファイルが出来上がる。
基本操作~字幕作成までの手順を動画で説明
カラオケタグの挿入
基本的な行タグの挿入が終わったら、1字ごとに色を変えるためにカラオケタグを入れていく。
- カラオケタグを入れる行を選択
- 音声ビューにあるKaraokeボタンを押す(トグル)
- 分割ボタンを押すと分割モードに入る。分割点で1音節となりカラオケの色変化時間を調整することができる。半角スペースが入っていると自動的にその場所で分割されるが、単語ごと、あるいは1字ごとに細切れにしたほうが微調整はしやすい。
- 分割点を指定しおわったらG/Enterで確定。テキストボックスを見るとカラオケタグ(\k表示時間)が挿入される
- デフォルトで挿入される\kタグは1字ごとに色が変わるだけでワイプ(文字の色が徐々に変わる)はしない。色を徐々に変える表現にするには\K/\kfタグに書き換える必要がある。分割設定の部分を右クリックでカラオケタグの種類を変更できるが、編集>置換を使い後で一気に変更した方が早い。
- カラオケタグを入れ終わったら保存する。これでカラオケ字幕の作成は完了。
カラオケタグ挿入の手順を動画で説明
作成したASS
ythm_short.ass
完成
動画内でははしょった部分の微調整と、フォントを変更してとりあえず完成とした。縁ワイプもなしのごくシンプルなカラオケ字幕。
ついでにムービー内のテロップと重なる部分の字幕をちょっとずらして避けた。センスのかけらもない無粋な避け方だがまぁテストということで。
ついでにムービー内のテロップと重なる部分の字幕をちょっとずらして避けた。センスのかけらもない無粋な避け方だがまぁテストということで。
筆者はAVSをニコ動用のmp4を吐くバッチに投げてエンコしたが、動画内にASS字幕を埋め込めば後は好きな方法でエンコすればいい。
詳しくはテキスト字幕ファイル(SRT, SSA, ASS)の利用方法にまとめてある。
詳しくはテキスト字幕ファイル(SRT, SSA, ASS)の利用方法にまとめてある。
簡単なカラオケ字幕制作ソフト
動画カラオケのぺぇじ - http://movie.anison.info/※閉鎖?アクセス不能。
- txt2ass
- 二次配布元 - http://neta20000.net/archives/2008/04/22/000909.php
- カラオケタグ付き歌詞ファイルをASS形式に変換できる。スタイリング機能も備えており、豊富なエフェクトを簡単に付加することができる。
- カラオケ歌詞作成ソフトで歌詞ファイル作成>txt2ass>VirtualDub/AviSynthでハードサブ … という流れが手軽なカラオケ字幕作成手順
- ※既に開発は停止しています。現在の配布元の方はソフトの作者ではありませんので、バグ等の対処にも限度があります。
添付ファイル