michigan

【みしがん】

ジャンル ホラーアドベンチャー

対応機種 プレイステーション2
発売元 スパイク
開発元 グラスホッパー・マニファクチュア
発売日 2004年8月5日
定価 6,800円(税別)
レーティング CERO:18歳以上対象
判定 クソゲー
ポイント とにかく酔う
エロというよりセクハラ
滅茶苦茶なストーリー
声優の演技は良好


概要

ミシガン湖とその周辺に異常な濃霧と怪事件が発生。
プレイヤーはテレビ局のカメラマンとなり、音声スタッフのブリスコと数人の美人リポーターと共にシカゴの街で怪異を取材、加えて人命救助や戦闘に挑むことになる。
CEROのレーティングは18歳以上対象だがCEROホームページによると現在のレーティングではCERO:D(17歳以上対象)とのこと。
撮影中のカメラの目の前で人が死にそうな時、そのままカメラを回し続けるか、それとも撮影そっちのけで助けるか…という「報道の倫理」をホラーゲームに組み込んだ作品である。
シルバー事件』や『花と太陽と雨と』のグラスホッパー・マニフェクチュアが開発を行い、これらの生みの親である須田剛一が原案・ゲームデザイン・プロデューサーを務めている。


システム

  • ゲーム画面はほぼ全編にわたり、カメラ越しの一人称視点。霧のかかった町中を、プレイヤー自身の移動(体当たりも可能)とカメラの向きの調整によって探索する。
    • 見つけたものを画面中央の印に収めると、調べる事が可能なら字を読む・スイッチ等を操作する・敵を攻撃する(銃を持った味方に撃ってもらう)等のアクションを起こせる。
  • 一部の謎解きや敵との戦闘でモタモタしている等でリポーターが死んでしまうと撮影続行不可能で打ち切りとなり、次のリポーターと合流出来る所まで話をすっ飛ばされてしまう。
    • プレイヤーを狙って攻撃してくる敵もわずかに存在し、この攻撃を受けるとゲームオーバーだが、それ以外(高所からの落下等)でプレイヤーが死ぬことは無い。
  • 撮影した物事によって、「サスペンス」「エロティック」「インモラル」の3種類のいずれかのポイントが入り、これによってゲームクリア時の評価やエンディングが変化。隠しオブジェクト多数。
    • サスペンス:事件に関わる重要な証拠から物語に全く関係ない心霊現象まで、謎めいたものを撮影すると溜まる。ストーリー上で喋っているキャラを撮るだけでも入る。
    • エロティック:女性リポーターの乳房・尻・パンチラ・グラビア写真集等のお色気要素で稼げる。
    • インモラル:わざと見殺しにする・死体をずっと映し続ける他、無意味に仲間や壁に体当たりでも入る。
  • 要救助者を発見すると「×ボタンを押すと撮影を中止」という旨のメッセージと共に画面が赤く点滅し始める。
    • 基本的に撮影中止するとカメラの先に居る人物は助かり、画面が完全に真っ赤になるまで待つと手遅れとなる。

問題点

  • 「カメラのレンズ越しに映像を観る」という画面構成がマイナスにしか働いていない。
    • とにかく3D酔いが起きやすい。街が霧に覆われたという設定のせいか視界が悪く、どこに何があるかわからない*1のも3D酔いに拍車をかける。
      • 参考のためにプレイ動画を見ただけの人でさえ、数分見ただけで頭痛や吐き気に襲われた人も多いという。
    • 手ブレも酷く、何も操作していなくても過剰に揺れ動く。視覚面でも操作面でも苦痛。
      • 何かを調べる為にカメラの中央に対象を収めようとしても、操作性が劣悪で余計3D酔い(ry
    • 「常にカメラを構えている」という設定故、主人公は自発的な行動がほとんどとれない。
      • ドア1つ開けるにも、リポーターが移動して開けてくれるまで待たなければならないのでテンポは最悪。ドアを調べても、リポーターが近くにいないと「任せよう」と表示されるだけ。一方、単独行動時に自分でドアを開けるシチュエーションもあるので、開けようと思えば開けられるのである。
      • 逆にリポーターは勝手にどんどん歩いていく仕様の所為で、調べたいものを逃してしまうこともしばしば。セーブは各ステージ終了時にしかできないので、テンポの悪さも相まってやり直すのも非常に億劫である。
    • リポーターを介さず調べられるものも相応にあるものの、ブリスコに「それがスクープか?」「そんなもん撮ってる場合じゃねえよ」などと突っ込まれることもあり、ストレスが溜まる。
    • 画面左下にカメラの残電池容量を示すアイコンが常に表示され、当然どんどん減って行くものの、充電するチャンスは存在しない。
      そもそも電池が切れるタイミングはゲームクリア時で固定なので存在意義が全く無い。大して意味もなく気が散るだけである。
      • 話がどのくらい進んでいるかの目安となる演出なのかもしれないが、今何章なのかわからなくても困ることは無い。
  • エログロを売りにしている通りクリーチャーはそこそこグロいが、女性リポーターのスカート(たまに男性の尻でも可)を下から撮影するのはエロではなく単なるセクハラでしかない。これでは「エロティック」ではなく「インモラル」である。
    • 一応、一部のリポーターにシャワーシーンと着替えシーンがあるが、エロい部分といえばこの2つのイベントぐらいである。
      • ステージ中にはポルノ系ポスターやエロ本などのエロティック値が上昇するオブジェクトもあるが、潰れていて画面上は全然エロく見えない。或いはテキスト上で説明されるだけ。
    • グラフィックも大分チープな仕上がりになっており、これらの表現は伝わりにくい。
      • リポーターが怪物に殺される演出も不自然極まりない倒れ方で、しかも悲鳴もろくにあげずブリスコが騒ぐばかりで、衝撃も悲壮感も伝わってこない。倒れたリポーターが断末魔を上げながら貪られたりなどの演出が無くもないのだがほんの一部しかなく、ブリスコが騒がない事すらもある。
    • これで18禁(公式の主張)のつもりだったらしい。
    • そもそも「サスペンス」の対が「エロティック」というのも変な概念である。倫理か非倫理かではなく、緊張かエロかでは対比の対象として適切とは些か考えにくい。
  • リポーター死亡後は新しいリポーターと交代するが、細かい台詞が違うだけで話の展開は全く同じ
    • 唯一、ある敵に特定のリポーターを連れた状態で挑もうとすると、生前は恋人だったそれを前にリポーターが「私には撃てない!」と叫び、死を選ぶ…という固有イベントが入る(回避可)。後の展開にはリポーターが変わる以外全く影響しないが。
    • 1人目と2人目は一時離脱後の再会時に「家族はもう脱出していたがペットが気がかり」という旨の同じ発言をする。それはまだ良いとしても、そのペットの名前まで同じなのはどういう事だろうか。
      • 更にその後、局長と対面するシーンではどのリポーターであっても「最近のあなたの仕事はなってない」「基本を忘れてる」と全く同じ評価をされる。それでいて終盤には、誰であってもブリスコがリポーターを「あいつは局長のお気に入りだから」と評する。もう何が何やら。
    • クリア後に再開するとまた最終マップから始まるのだが、どのリポーターと来ていようが再開時には最初のリポーターであるアンとずっと同行していた扱いになる。
      • 本作は、クリア時に最後まで同行したリポーターのコスチュームが解禁されるのだが、この通り再開時にはアンが同行者扱いになるので、誰でクリアしようが同じデータで最終マップを再度プレイすればアンのコスチュームは無条件で解禁されてしまう。
  • 滅茶苦茶なストーリー展開
    • リポーターが死亡しても何事もなく次のシーンに切り替わって話が進んだり、銃が暴発しただけで大爆発が起こって家が一軒吹き飛ばされたり、人がほとんどいない街という設定なのに駅の信号を青に変えた途端列車が走ってきたり、別チームを全滅させたモンスターがショットガン数発で死んだり、最後の最後まで解明されない謎が多かったりなど、素人が作ったとしか思えない程お粗末である。
      • これでいて原案の須田剛一に加え、彼の元同僚で『クロックタワー』『御神楽少女探偵団』などの生みの親でもある河野一二三も携わっている*2。執筆自体は両名とは別のライターが手掛けているとは言え、どうしてこうなった。
    • 登場人物の生死は展開に全く影響しないため、矛盾が生じることも。
      • 例えばある人物に対して仲間が「後で抗議してやる(意訳)」と発言するが、その人物は選択次第で死亡している場合があり、生きていようが死んでいようがこの発言は変わらない。好意的に解釈するなら、その後に発言者に起きることを鑑みて「精神が錯乱している表現」と受け取れなくもないが、他にも似たケースが見られるため単なるミス、或いは手抜きの可能性も十分考えられる。
    • 霧が出て怪物が出るようになった…と聞けば、『レガイア伝説』『ファイナルファンタジーIX』等のように霧と怪物の間にはっきりとした因果関係があるか、逆に怪物と霧は完全に無関係でタイミングが一致したのは全くの偶然、のどちらかであると考えた人も多い筈である。しかし本作では、一応主人公達による両者の因果関係の予想がわずかに出るものの、それがどこまで正しいか明かされる事は無い。
    • 登場人物も情緒不安定なのかというほど言動や態度がコロコロ変わる。急に癇癪を起こしたり逆に冷静になったりなど、ツッコミ待ちのギャグにしか見えないシーンもちらほら。
      • 好意的に解釈するなら「恐怖で精神の均衡を保てなくなった」「異常事態で本性が現れた」「黒幕と通じていて本当は事態を把握している」などと考えられなくもないが、いずれも憶測の域を出ないし理由付けとしては苦しい場面もあるので、結局のところプレイヤーは置いてきぼりになりやすい。
  • 他にも表現力不足・意味不明なシチュエーションが多い。
    • システムの項目で触れた隠しオブジェクトとは、UFOや幽霊や水着グラビア等。飽きさせない為のやりこみ要素のつもりだったのだろうか。だがゲーム内容とは全く無関係かつミスマッチでしかない。
    • 駅にて線路上から必死に助けを求める要救助者が居るのだが、必死すぎるせいか「脚を怪我している」という本人の台詞に反し全く怪我人に見えないらしく、ほぼ全プレイヤーから「自分で上がってこい」と的外れな批判をされる原因に。
      • 助けると、脚から血が出たり変な曲がり方をしたりとかの表現に頼らずとも、一目で怪我人とわかる…何故線路上の時点で怪我人の動きにしてあげなかったのか。
    • 上記の怪我人等の「×ボタンで撮影を止めるか否かの選択を迫られる」場面では、主人公にずっと同行しているブリスコは後ろから「早く助けないと」等と言うばかりで一切救助を行わない
      • そのくせ見殺しにした際はプレイヤーを激しく非難する。お前がやれよ。
    • ちなみに、わざと見殺しにして死ぬ瞬間を撮る事を選択肢の一つとしているゲームな割に、自殺を図る人が不自然にカーテンの向こうへ隠れてシルエットになった直後に死亡とか、列車が来た瞬間に突然カメラをそちらに向けっぱなしにして下から血飛沫とかが何故か多い。規制?
      • リポーターに関しても上述の通り、一部を除いて死亡演出は非常にあっさりである。ショッキングな殺害シーンを撮影できるのは本当に最初だけで、後は人形のように横たわったリポーターを淡々と撮るのみ。何をコンセプトとしているのかが分かりにくい。
    • エンディングの後、短いおまけムービー*3が流れるが、全て「何者かが何かを話そうとした途端射殺される」「何かが墜落してきて爆発」「俺だよ俺、と言う誰かの影」等、設定資料か何かで解説を見ない限り全く意味がわからないものばかり。作中で解答など全く示されないし、考察しようにも材料が少なくゲーム内の描写で類推して自分を納得させるのが精々である。
      • その「何かを話そうと」する男性キャラはスタッフが声を当てているので全員棒読み*4。他は豪華声優陣なのに*5
      • また、隠しムービーでリポーターの1人が事件の関係者で敵側だった可能性が示唆される*6ものの、真相は不明。そもそもそのリポーターも怪物に襲われれば普通に死ぬし、ストーリーも例の如く他と同じ。
    • 説明書には何度もプレイすることで事件の全貌が分かる旨が書かれているが大嘘である。何度プレイしても全リポーターでクリアしても何も解らない。意味深な隠しメモも配置されているがこれを集めてもやはり謎は解けない。
    • 理解させる気が無く、解答がほとんど示されず終わるのは「須田ゲー」らしくはあるが、本作の場合は意味不明、描写不足、滅茶苦茶と、悪い意味で理解を妨げる要素がてんこ盛りで、他の須田ゲーのような卓越したセンスも感じられないので消化不良感ばかりが残る。
    • 3つのポイントに応じてエンディングが変化するとされるが、実際は一番高いポイントに対応した上述のおまけムービーが流れるだけで、どれも大差無い
      • しかも、回収だけなら最終マップで「ブリスコの尻を撮り続けてエロティック」「壁に体当たりしまくってインモラル」が簡単に達成できてしまうので、道中の撮影の意味すらも乏しい。
  • 薄いゲーム性
    • 怪物との戦闘要素はあるものの、ただ「怪物をフォーカスしてリポーターに撃ってもらう。それをしなかった場合はリポーターが襲われて死」というだけでアクション性は皆無で、ゲーム性は極めて薄い。
    • 説明書には序盤の「リポーターに蜘蛛が迫り、リポーターを突き飛ばすかフラッシュを焚いて蜘蛛を追い払う。さもなければリポーターが死」というシチュエーションが紹介されているが、このようなケースは以降はほぼ皆無。同じような作業ばかりとなる。
    • あるボス戦ではリポーターが攻撃を受けると弾き飛ばされるが、それで死ぬ事は無い。まともな攻撃もできず避けもしないただの的を撃つだけである。一応、倒すには手順が必要だがそれも取ってつけたようなもので面白みは薄い。
      • 最後の戦闘も、敵はただうろうろするだけで一応攻撃らしき動作はするものの当たらない。ただ撃って終了である*7
    • リポーターに銃撃させる以外で切り抜ける場面もあるが、ほんの2~3回程度。
      • 主人公自身が敵の攻撃を避けつつ、体当たりで火に突っ込ませて倒すというアクション性のある戦闘も一度だけあるが、この戦闘は行動次第ではそもそも発生しない。
    • 当たり判定も適当で、小さい雑魚がリポーターの足元に迫っても攻撃せずしばらく停止していたりなんて事も。
      • あるステージでは、敵が出現してもリポーターはガン無視で通常の歩行ルートを進み、攻撃をなかなか当てられない敵がその後を追い縋るというシュールな光景になる。
  • 隠しモードでは、セクシー系グラビアで当時有名であったタレントのインリン・オブ・ジョイトイが本人役でゲスト出演しているのだが、演技が酷すぎて完全にギャグ。しかも顔が似ていない。
    • さらに、条件を満たすとこの似ていないインリンにセクシーポーズを取らせて撮影するインリンショーや、2周目以降に登場するカードを回収してインリンの実写の画像が見られたりもするのだが、よほどインリンが好きでない限りこれらを全解禁するプレイヤーはいないだろう。
      • なお、インリンも怪物に接触されると容赦なく餌食にされるのだが、断末魔も漏れなく棒読み…「きゃー」。
    • ちなみに海外版ではインリンは登場せず、ショーでは代わりに作中のリポーターをコスチュームも選択して撮影できるようになっている。なぜ日本版もそうしなかった。
  • セリフをしゃべっている最中にBGMが止まる。前時代のゲームとしか思えない…
    • しかもそのBGM自体がうるさく、耳に障るようなものも多い。前述のぶつ切りと合わせて非常に鬱陶しい。GHM作品のBGMは全体的に評価が高いのだが、本作は例に洩れてしまった。
    • サスペンス値が増えるオブジェクトを調べた際のSEもうるさく、心臓に悪い。そのくせ、サスペンスでも何でもないものを調べてもゲージが増える事も多く、急に音が鳴ってビビるという意味での「プレイヤーにとってのサスペンス」にしかなっていない場合がほとんど。
    • BGMもよくバグり、鳴るべきところで鳴らなかったりその逆もある。
  • クリア時には「サスペンス」「エロティック」「インモラル」の数値に応じた称号が付くのだが、サスペンス以外は高ポイントであるほど「さかりのついた」だの「変態カメラマン」だの嬉しくないものが付けられる。
    • 逆に低いと「理性溢れる」「報道の神」「良識派カメラマン」などの賞賛するものが付く。「エロティック」「インモラル」を稼いだところでおまけムービーが変わる程度なので、これらを積極的に撮りに行く旨みなどほとんど無い。
      • 強いて言えば、エロティックをひたすら溜めるとインリンのコスチュームが手に入る程度だが、見合うかと言うと…。

評価点

  • 伊藤健太郎が演じる相棒のブリスコは迫真の演技が極まっておりプレイヤーを爆笑させてくれる。ブリスコ自体がテンションの安定しないキャラなので、それだけに演技が際立つ。
    • 特にシャワーシーンと局長に抗議するシーンは最大の見所。ラストシーンの「楽しかったぜ…」に感動したという人も。
    • ブリスコはインリンの大ファンらしく、隠しモードではハイテンションで騒ぎまくる姿を見ることができる。この怪演を目当てにプレイする価値はあるかもしれない。
    • 他のキャストもベテランから後に有名になった人を起用しており、豪華な面々が揃っている。条件次第で終盤の1ステージにだけ出る男性リポーターすら人気声優を起用している。上述の通り滅茶苦茶なストーリーで情緒不安定なキャラばかりだが、その分それを完璧に演じ切る声優陣の演技が光る。
      • 石塚さよりが演じる最初のリポーターであるアンも、怪物に喰われる際の断末魔や主人公に見殺しにされた際の怨嗟の叫びが正に迫真。それだけに他のリポーターの演出はインリンの「きゃー」しか無いのが惜しまれる。
  • セーブポイントは各場面の切り替わりごとなので、ロードすれば導入の字幕やキャラの台詞で今の状況を説明してくれる。なのでゲームをどこまで進めたか忘れてしまっても困らない親切設計……評価点と言えるかは怪しいが。
    • ただし、ロードすると稼いだポイントがリセットされてしまうという不具合が存在する。ストーリーに変化は無い*8し、上述した通り特定のムービーを見るためにポイントを調整するには最終章でリセットしてしまった方がラクだったりするが。
  • 一応、リポーター毎の隠しコスチュームといったおまけ要素はある。
    • 各リポーターの最終コスチュームは水着。男性リポーターにもしっかり水着が用意されており、ブリスコにすらネタ衣装*9を完備という男女平等ぶり。

総評

「報道の倫理」という新しい切り口のホラーアドベンチャーという発想は新しいが、それを活かすだけの手腕がスタッフに欠けていたと言わざるを得ない。
報道のモラル等色々な要素をテーマに据えているにも拘らず肝心の描写が投げっぱなしだったり、女性キャラのスカートの中を覗く事で得られる点数等力の入れ方が明らかに間違っていたりと、ことごとく滑ってしまった残念な作品と言えよう。
ストーリーが駄目でも、探索や戦闘が楽しければまだゲームとして楽しめたのだが、ストーリーがダメ、システムもダメ、と、駄作のお手本のような作品となってしまった。
一応、間違えた力の入れどころをバカゲー要素として評価しているファンも一部存在するが、本来目指したはずの方向性と合致しているとは言い難いだろう。
GHMファンでも、須田ゲーが好きだからというだけの理由で手を出す事はお勧めしない。


余談

  • こんな内容だが雑誌レビューの評価は何故か高い(ファミ通シルバー殿堂等)ので、被害者は多かったと思われる…と思いきや、その割に知名度皆無という。
  • かつて本作にも公式サイトがあったのだが、何がしたいのか意味不明でとにかく見辛かった。
    • 映像の編集用と思しき機材がズラリと並んでおり、大量のスイッチや画面をクリックするとゲームに関する情報や無関係なホラー演出等が小出しにされる仕様だった。この時代の例に洩れずFlash製なので今ではアーカイブを辿っても見られないが。
    • PVも同じく意味不明。ノイズが掛かった画面がぶつ切りで流れるだけ、いったい何を見せたいのだろうか?サイト共々やる気が感じられず、かの有名な『黄金の絆』の方がまともに見えるほど。
    • ただ、このサイトでは非常に過激なエロイ壁紙がダウンロードできた。褒められる点といえばそれぐらいだろう。
    • なお、旧URLのZaka.tvとは主人公やレポーターの所属しているテレビ局の名前である。
      • このZaKa.TVを運営するZaKaグループは後に『killer7』にて「ISZK」というコングロマリットとして肉付けされ、ZaKaTV共々『BLOOD+ ONE NIGHT KISS』『ノーモア★ヒーローズ』と言ったGHM作品、須田Pがシナリオを手掛けた『ファイヤープロレスリング ワールド』などに小ネタ程度にちょくちょく登場している。
  • 表紙がアレすぎる攻略本。
    • 女性リポーターの1人がクリーチャー化するシーンがあるが、なんとそれが表紙になっている。画像はこちら。
    • ブリッジでM字開脚状態の白人女性の股間からグロ生物が生えているという、どうにもコメントに困る絵面。何故表紙に選んだのか理解に苦しむ。
  • 『ファミ通WaveDVD』2004年9月号にインリンが出演している今作の再現ムービー(12分ほど)が収録されていた。
    • 紹介文「話題のインモラル・アドベンチャー『michigan』とそのイメージキャラクター・インリンのコラボレーション映像を収録!インリンがゲームの世界の再現ムービーに挑戦しているぞ!(ほぼ原文ママ)」
    • リポーターに扮したインリンが、現場実況をしたり怪物と闘ったりするストーリー。内容的にはチープなホラー映画といったところだが、一応このゲームのイメージはお風呂とシャワーのシーンが長いけど再現できており、意味不明なPVに比べればマシな出来となっている。
  • このゲームの欧州版タイトルは『Michigan: Report from Hell』となっている。
    • サブタイトルは単純に「地獄からのリポート」と受け取れるが、舞台となったミシガン州には本当に「Hell」という名前の集落が実在する。何かの皮肉だろうか…?
      • ちなみに、ヘルでは毎年8月に「地獄を走り抜けよう・10マイル・4.8マイル・レース」が開かれる。
    • 本作は北米版はキャンセルされ、海外ではヨーロッパでのみ発売されたが、須田Pは欧州版が発売していた事を知らず、海外のインタビューの際に聞かされて驚いたという(参照(英語リンク))。
    • また、この欧州版では上述した「あるリポーターが凶行に走る」隠しムービーが不具合の為か閲覧できなくなっている。観たところで混乱を招くだけなので問題とも言い難いかもしれないが。
      • しかしOPムービーにはこのシーンがチラっと映っている。ヨーロッパのプレイヤーはそちらの方で混乱した事だろう。
  • 未だ実現はしていないが、2009年の海外のインタビューにて須田Pは同系統のアイデアがあり、新作やリメイクをやりたいという旨を語っている(参照(英語リンク))。
    • アメリカのパブリッシャーに話した事もあったが、ゲーム性が不足している事を理由にソニーに断られたと言う。
  • 2007年のスペイン映画『REC/レック』は「TVクルーが主人公」「全編ビデオカメラ視点」「ウイルス感染による人間の怪物化」と、本作と似通った要素が多い。
    • 須田Pもこの映画を観ており、「『michigan』そのものだ」と思ったと言う。
+ タグ編集
  • タグ:
  • 2004年
  • PS2
  • ADV
  • ホラー
  • スパイク
  • グラスホッパー・マニファクチュア

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最終更新:2023年03月25日 16:36

*1 屋内は照明が壊れているかのように真っ暗でさらに視界悪化する。

*2 スタッフロールによると担当は「Adapt (適応させる)」とのことだが…。

*3 稼いだポイントに対応する3種類+集めたアイテムによって追加ムービーあり。

*4 GHMのサウンド担当の高田雅史や福田淳と言った面々が担当していたりするが、声の方が本職ではないので演技は拙い。

*5 隠しムービーでは男性と女性がそれぞれ射殺されるが、女性の方はしっかり演技している一方で男性はやはり棒読みで前述の「何かを話そうとする人物達」以上に酷く、ほぼギャグ。

*6 本編の前日~当日(登場前)の映像として、そのリポーターのサイコな姿が映っているというもの。

*7 後の『killer7』もラストが呆気ないという点は同じだが、それ以外はちゃんとした戦闘が楽しめる作りである。

*8 前述のクリア後ムービーが変化するのみ。

*9 GHMのロゴになっている「ホッパーマン」の衣装。『killer7』でもおまけモードに登場する。