リトルラバーズ シーソーゲーム
【りとるらばーず しーそーげーむ】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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日経映像 NTT出版
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開発元
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エルステッド
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発売日
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1999年9月2日
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定価
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6,800円(税別)
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プレイ人数
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1~4人
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廉価版
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Major Wave 2001年3月8日/1,500円(税別)
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判定
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なし
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概要
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パソコンで同社が1997年発売したリアルタイム恋愛シミュレーションゲームの外伝作品。
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原作はパソコン版『ラブプラス』ともいえるゲーム。現実時間が連動しヒロインの服装や反応が変わる。
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当初の発売予定は1998年冬だったが、延期に延期を重ね1999年9月2日になった。
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発売当時(1999年9月2日)ギャルゲーが一種の停滞期に入っていたことから一般的な知名度はさほど高くない。
特徴
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『マリオパーティ9』以降のような「全員が同時に進む」タイプのボードゲームに恋愛シミュレーション要素が足されている。
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プレイヤーは緑ヶ丘高校に入学した男子生徒(CPU含め必ず4人)となり、スゴロク風のカレンダーを進んでいく。
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同系統のゲームではN64の『ゲッターラブ!!』が挙げられるがそちらよりシナリオを重視している。
システム
コマの進め方
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4人一緒に移動する形で、1番手のプレイヤーからルーレットを回し、止まってる日より6マス以内の日に止まってゆく。目押しも可能。
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特別な例として、強制ストップのマスに止まったプレイヤーはもう一度ルーレットを回す事ができ、終業式のマスに止まったプレイヤーは次のステージで最初にルーレットを回せる。
パラメータ上げ
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パラメータマスでは、動くバーを目押しで止める形でパラメータを上げる。バーの長さが大きいほどパラメータの上がりも大きい。
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下のバーでは相反するパラメータ(知性と体力、芸術と人徳)が上昇または下降するが、そちらは目押し不可。
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クラブマスでは、円状のバーで動く赤い部分を目押しで止める。枠の中(あるいはその近く)だとパラメータの上がりも大きい。
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パラメータは学期間に定められている「足切り値」にも関係する。それに足りないとヒロインをデートに誘えなかったり、ヒロインマスに止まっても同級生や教師に足りないパラメータを指摘されて会えない、という事も。
もちろん先の学期の足切り値も分かっていれば、先にその値を目指して上げることも可能。
ミニゲーム
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スポーツテスト、臨海学校の遠泳、体育祭など運動系の行事にはミニゲームがある。
基本的には連打(そして体力のパラメータ)が物を言うが、スポーツテストのように一種目ずつ違うルールのゲーム(垂直飛び…目押し、立位体前屈…方向キーの反時計回し、反復横とび…ボタンを正確に早く押す)もあるので注意。
1位になると体力のパラメータが上がる。
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定期テストも存在する。基本的に早くかつ正確に答えると得点になるが、5問目には必ず初代「リトルラバーズ」に関する問題が出てくるのもポイント(答えは攻略本に全て掲載されている)。取った得点÷25が知性にプラスされるので、自信があれば知性を上げるのをテスト任せにすることも可能。
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ギャンブルマスも存在し、所持金を掛けて目押しのルーレットを行う。掛けたヒロインと同じヒロインが出たら掛け金が3倍になるが、外れると掛けた分は返ってこない。
また、「ゆい」が出ると総当たりの上に掛け金が2倍になるという特典もある。
デート
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ヒロインの好感度を大幅に稼ぐチャンスであり、「電話カード」でヒロインと約束をし、次の自分の番に休日マスに止まればデートができる。
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ヒロインとの会話時にはコントローラーのボタンで相槌を行う。○ボタンが「同意」、×ボタンが「否定」、△ボタンが「あいまい」な意思を示し、適した受け答えだとヒロインのセリフの右上の表情マークが笑顔に、適していない受け答えだと表情マークが困り顔になる。
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相手に「ありがとう」と言われた時には、×ボタンで「いえいえ」という意思を返す、といった具合に(○ボタンだと困り顔になる)。
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後述の「別れ際カード」も、適していない受け答えが多いと効き目が無い物も存在するので、デート中はボタン連打は禁物。
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デート前に使用する事で性格を演じ、特定の受け答えへの効果を高くする「性格カード」(「男らしくカード」、「さわやかにカード」など)、別れ際に使うことで追加で好感度を稼げる「別れ際カード」(「爽やかな笑顔カード」、「見つめるカード」など)も存在する。
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デートスポットは1学期間に5か所しか行けない。他人のデートを妨害カードなどでキャンセルしても、そのプレイヤーが選んだデートスポットに行けるわけではないので注意。
評価点
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シナリオ面は評価されている。
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スゴロク風のシステムでしっかりと流れのあるシナリオになっている。強制的にストップするマスでのイベントで話の大筋もわかる。
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その中でもヒロインの一人、荻原ななのシナリオは物議を醸した。衝撃的な展開もあり、その事への好みは分かれるが、出来は非常に秀逸。他の5人のシナリオと違い雑誌等での露出が少なかったのもインパクトを与える一因だった。
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まずゲーム開始時点で1年以上付き合っている彼氏がおり、その彼氏に振られてからが物語の本当の始まりといえるシナリオ。この時点で人を選ぶキャラだが、ベストエンドはさらに衝撃的なエンディングだった。
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ベストエンドのネタバレ
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ななは結局渡米の話を白紙にしてプレイヤーの所に残るが、想いを伝えた3週間後にななは家で突然倒れ、手遅れでそのまま死んでしまう(その時には葬儀のシーンになっている)。死因は脳にあった血瘤が突然破裂したため。その後プレイヤー達と志摩一子(ななの親友)は卒業式の日、ななが生きていた頃に撮っていた8ミリを視聴覚室で見ることになる。
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声優陣は豪華で演技も良い
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メインに矢島晶子、川澄綾子、菅原祥子、笹本優子、吉田小南美といった人気声優、サブキャラに堀江由衣、田村ゆかり、鈴村健一、浅川悠、水橋かおり、高橋美佳子、坂本真綾などの現在の人気声優という現在のゲームでは再現すら困難な声優陣である。
問題点
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その独特のルーレットやパラメータUPシステムなどの荒削りな部分が多い。
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しかもチュートリアルはなく、文字通り体で覚えなければ勝てない。
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作画の質が不安定である。
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特にイベント絵になると出来の良い絵と悪い絵の差が良く見えてくる。
総評
システム面やグラフィック面に問題は抱えているが、シナリオはなかなかに出来の良い一作。
特に荻原ななシナリオは衝撃的な展開もあってプレイヤーの心に強く残るシナリオとなっている。
その後の展開
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発売から2ヶ月を経ずにシナリオライター・大舘俊一が日経映像を去り、それから数ヵ月後にディレクター・イシイジロウもチュンソフトに移籍したため「リトルラバーズ」シリーズは今作で終焉を迎えることとなった。
余談
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グラフィック面については後年開発者が言及している
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ディレクターのイシイジロウ氏は『下請け会社に任せると絵が似なかった』『そのために発売までの期間が長引いた』とインタビューで語っている。
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その反省が後年、『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!』製作の際に「アニメスタジオ・チュンソフト」を設立するきっかけとなった。自社に開発チームが無く下請け会社に任せざるを得ないメーカーが多かった時代を物語るエピソードでもある。
最終更新:2022年07月31日 17:20