沙羅曼蛇

【さらまんだ】

ジャンル 横・縦シューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 コナミ
稼働開始日 1986年7月4日
プレイ人数 1~2人(同時プレイ)
判定 なし
ポイント 前作より完成度が上がった続編
演出・グラフィック等は高水準
ミス後の復活は厳しめ
グラディウスシリーズ


概要

  • グラディウス』シリーズ第2作目となるシューティングゲーム。
    • 明記されていないが、本作はグラディウスの続編である。
      • 開発初期段階はタイトルも「グラディウス2」だったが、続編にしては相違点が多いため独自のタイトルに変更された。
  • 本作は前作の横スクロールステージに加え、新たに縦STGに変貌する「縦スクロールステージ」が入り混じっている事が最大の特徴。
    • 奇数面が横、偶数面が縦スクロールになっている。
      縦ステージは横ステージ同様、地形が存在する物になっている。

システム

  • 操作方法は1レバー2ボタン式。ボタンは前作同様、ショットとミサイルに使用。
  • 2人同時プレイ可能。プレイヤーは「ビックバイパー(1P)」「ロードブリティッシュ(2P)」を操作する。
    • ちなみに本作のアーケード版では主役機「ビックバイパー」の名前が初登場した記念すべき作品である。*1
  • パワーアップシステムはアイテム制に変更された。
    • 色違いの敵と特定の編成隊を撃破すると、スピードアップやミサイル等のパワーアップアイテムが出現。
    • 本作の装備は後の『グラディウスII』の「4番装備」の原形で、この装備が無かったら「パロディウスシリーズ」の「タコ一家」の装備も生まれていなかったであろう。
      + パワーアップの一覧
      SPEED
      (スピードアップ)
      前作同様、パワーアップ回数に応じて自機の移動速度が上がる。
      当然速すぎれば制御が難しくなるが、遅すぎると敵の攻撃を回避できない。
      パワーアップがアイテム制になった事を考慮してか、本作の0速は前作での1速にあたる移動速度となっている。
      MISSILE
      (ミサイル)*2
      前作同様に地を這うミサイル。
      本作では横ステージでは上下に、縦ステージでは左右に向けて同時に発射される。
      2面以外の縦ステージでは自機前方の地面にもミサイルを投下でき、地上物を破壊できる。
      RIPPLE
      (リップルレーザー)
      ショットの代わりにレーザーの輪を連射できる、本作の新兵器。LASERとは併用不可。
      前方に撃たれた輪は徐々に大きくなり広範囲をカバーする。
      LASER
      (レーザー)
      ショットが前方に長く伸びるレーザーに変化。RIPPLEとは併用不可。
      本作ではレーザー光が螺旋状のデザインになっている。*3
      弾速自体はそこまで速くはないが雑魚敵は勿論固い敵も貫通する(ボスや地形は貫通不可)
      MULTIPLE
      (マルチプル)
      前作の「オプション」にあたる装備。
      挙動などは前作に準ずる他、自機の攻撃をそのままトレースするマルチプルが追従するようになる。
      パワーアップ回数に応じ最大4個搭載可能。
      FORCE FIELD
      (フォースフィールド)
      自機の前後左右のうち一方向に、その方向からの攻撃を一定回数防ぐ巨大なバリアを最大4つまで展開、
      するはずだが…(後述)。
  • ミスした際、グラディウスは戻り復活なのに対し、本作はその場復活。
    • ミス時にパワーアップは全て没収され、マルチプルはスクロールと同速で後ろへ流れて行く。復帰後に回収すれば再び使用できるが、スクロールアウトすると消滅する。
      • 稼働当時は戻り復活が主流で、その場復活自体は珍しかった。また、稼働当時はこの復活方法は「曼蛇復活」と呼ばれていた。この復活方法が定着していくのは90年代以降になってからである。
  • 本作では前作『グラディウス』と比べスクロールが速く、それ相応のテンポになっているので、非常にサクサクと展開する。そのため1周にかかる時間は短め。それ故に(最初のうちは)インカムが高かったようだ。
    • 残念ながら後作で速めのスクロールステージを採用したものは多くなく、本作のマイナーチェンジ版『ライフフォース』と、『パロディウスだ!』のパチンコステージ程度。
      • グラディウスII』以降は、速めどころか超高速の「高速スクロール」ステージをピンポイントで導入するのが主流になってしまった。
  • 本作にコンティニューやエクステンドはない。その代わり、プレイ中にクレジットを投入すると、1P・2Pそれぞれ8回まで(ディップスイッチ設定により回数が少ないかなしの場合あり)即時に残機が追加される特殊仕様になっている。
    • また、最終の6面を除き途中参加が可能となっている。2人プレイで片方だけゲームオーバーになってから再度参加すると、残機追加の回数制限が回復する。

評価点

絶妙な難易度

  • 本作のビックバイパーのパワーアップ方式はやや複雑だったカプセル式から敵が落とすアイテムを拾うだけのアイテム式に変更。非常に取っつき易くなった。
    • 各種装備も強力な物が多く、アイテムを回収できれば最速で1面中盤でフルパワー状態になれるため、手軽に広範囲を焼き払う爽快感を味わうことができる。
    • 更に3面道中のプロミネンス地帯の左下や6面中ボスの「ビッグコア」の真上等のプレイヤーに有利なバグ安全地帯も多く存在している。これにより前作以上にパターン性が強い道中・ボスの存在も相まって、やり込めばSTG初心者でも簡単に1周クリアを狙えるバランスになっている。
  • 本作の高次周は例によって難易度が高い。
    • 本作の2周目では前作とは違い撃ち返し弾こそないものの、「1面の肉団子地帯の毛細血管が増加+破壊すると復活する仕様に変更」「2面&5面の隕石郡が出現するタイミングが早くなる」「3面のプロミネンスが全て繰り返し発生する様になる」等、ステージ内のギミックや地形が大幅に変化。結果的に1周目をクリアしたプレイヤーでも一筋縄では行かない内容になる。
    • 3周目以降は恒例の撃ち返し弾が登場するだけでなく、ザコ敵が大量の自機狙い弾を連射してくるようになり、3面のプロミネンスや5面のザブIIといったステージ内のギミックも更に強化される。そして、周を重ねる毎に徐々にではあるが難易度が上昇*4し上級者でも納得の行くやりごたえのあるバランスとなる。
  • この様に、本作はプレイヤー間の棲み分けが比較的なされた作品と言えるだろう。

当時最高峰の演出群

  • 書き込まれたグラフィック
    • ゲームのグラフィックは前作以上に精密に書き込まれている。ステージも「プロミネンス」「アステロイド群」「細胞」と前作以上にバラエティに富んでいる。
    • 特筆するべきステージは1面の『細胞』と3面『プロミネンス』。
      前者の場合は基板のスペック上昇と共に書き込まれたグロテスクな背景や地形のグラフィックは言わずもがな。ステージが進行していく毎に地形のカラーが赤→青→赤と変化していく仕様からテンポの良さと相まってめまぐるしい展開に驚かされる。
    • 後者は同じく基板スペック相応のグラフィックの炎の地形が非常に印象的。道中の至る所から吹き出すプロミネンスにもうっとり。
  • 各種ステージも実に個性的。
    • 前作では申し訳程度だったステージ内の地形ギミックも非常に豊富。書き込まれたグラフィックやデザインが統一された敵キャラクター、攻略難易度も相まってプレイヤーを飽きさせない。
    • 前述の1、3面は言わずもがな。
      1面の場合は「体内」をモチーフにしているらしく、ステージ道中では増殖する細胞によりステージ内の地形がニョキニョキと盛り上がったり、中盤では巨大な牙の様な敵が激しく上下に揺れる、終盤では破壊可能な壁が時間を経ることにより再生する…といった具合。ゲームの導入部ながら早速「前作とは違う」という事をアピールしてくる。
      一方、3面はステージの至る所で吹き荒れるプロミネンスはもちろんのこと、火の玉やフェニックスをモチーフとした敵が地形の至る所から襲いかかってくる構成になっている。
    • 前作からの続投になる火山を舞台とした4面は、敵のデザインが前作を彷彿とさせたり火山の噴火といったファンサービスはまだしも、破壊不可能の落石地帯や迷路状に入り組んだ地形の存在が、1面同様に「前作との違い」を明確に示してくれる。
    • 2、5面は地形の無い宇宙空間をひたすら進んでいくステージではあるが、前者は物量で、後者は速度で、破壊不可能なアステロイドの性質差別化を図っている。これに加えて、5面ではプレイヤーの周囲に突如として現れては突撃してきたり、画面を高速で横切っては大量の弾を吐いてきたりする編成隊の存在が強く印象に残るためか、「容量の都合によるステージ使い回し」を感じさせる事の無いステージ設計になっているのは好感が持てる。
    • 最終ステージは後半こそ前作の要塞ステージと大差無いものの、都市の上空が舞台になるステージ序盤では地上からピンク色の対空砲が飛んでくる仕組みに。前作以上に「敵の本拠地に侵入した」という感覚をプレイヤーに植え付けてくれる。
      加えて、最終ボスを撃破すると突如サイレンによる警告が鳴り始めスクロール速度も速くなる脱出シーンが待ち受けている。このため、最後の最後まで気が抜けない。
      • 最終ボス戦中でもゆっくりとスクロールが進行していくため、弱点の破壊に手間取ると最終的に地形かボス本体に押し潰される形となる。
        一応最終ボスを倒さずに最終ステージをクリアする事も可能だが、その場合は「ZAP」となりエンディングが流れずに次の周回の特定のステージに飛ばされてしまう。
        なお、どのステージに飛ばされるかは最終ステージをクリアした時の千の桁のスコアによって決まる。
  • 東野美紀による作曲のBGMの評価は高い。特にボス戦「Poison of snake」や2面「Fly high」が人気。
    • 前者は続編のボスラッシュに採用された以降も継続して採用されている事から、シリーズの定番曲の一つになっている。それ以外の楽曲も度々グラディウスシリーズでアレンジが加わりつつも使用されている事から、本作の楽曲の人気ぶりを察する事が出来るだろう。
    • これらBGMは本作のウリであるステレオサウンドと相まって迫力の演出となる。
      • なお、この時代はステレオでの汎用筐体がほぼ皆無だったために、ステレオサウンドを聴くには希少な沙羅曼蛇専用筐体を見つけるしかなかった。*5
  • 他にも合成音声によるボイスもゲームを盛り上げてくれる。なおシリーズおなじみの「デストロイ・ゼム・オール!」のボイスも本作が初登場
    • また空耳も多く、中でも「ミッソー」は続編でよく使われるうえ、様々なゲームのミサイルの通称として現在もなお用いられている。

魅力的なボスキャラ達

  • 前作では多くのステージのボスが『ビッグコア』に統一されていたが、本作ではステージ毎にボスが登場する。
    • 巨大な脳みそに腕が付いているという分かりやすいデザインの『ゴーレム』、『ビッグコア』同様に青色のコアを持ち4本の触手状の腕を振り回す『巡洋艦テトラン』、炎ステージの奥で待ち受ける東洋調のドラゴン『イントルーダ』、壁に固定された要塞状の3体のコアという見た目の『要塞ヴァリス』、横に細長い『戦艦デス』、目玉が付いた巨大な球体の『ゼロスフォース』。ざっと挙げただけでも、どいつもこいつも超が付く程の個性的。ステージ同様にプレイヤーを盛り上げてくれる。
      • 中でも「テトラン」「ゼロスフォース」はコアな人気があり。前者は細長いアームがチャーミングな事から、後者はその出で立ちもさることながら断末魔の「ヴァー」のボイスで親しまれている。
  • 本作のボス達は続編においてボスラッシュで再登場し、以来シリーズの顔としてよく登場することになる。
    • 外見が違うだけだった本作の「デス」とライフフォースの「ガウ」が続編で全く違う個性を与えられてそれぞれに出番がある等、好待遇を得ている。

問題点

  • 相変わらず難しめの復活
    • 本作では従来の作品と違いその場復活となっているが、1機やられた後の復活が難しくなっており、初見だと早い展開と相まってシリーズ上最も早くゲームオーバーとなる。
    • また残機エクステンドとコンティニューが無いので、ミス連続の前提で続けて遊ぶにはゲームオーバー表示が出る前にクレジットを投入するしかない。
      • 本作のクリアを目指すなら初心者はまずこれを理解しなければならない。またこれのせいで本作を敬遠する人も少なからずいる。
      • しかし、この壁を乗り越えて道中・ボスのパターンを覚えていけばクリアできるバランス取りとなっているため、やり込み甲斐がある。またパターン構築がしっかりしていてもミスが許されないため緊張感がある。この尖った個性に魅了された愛好家が非常に多い。
      • このシステムを逆用すると、大量のクレジットを投入して次々に撃墜されながら無理矢理ステージを突破するという方法でクリアできる。稼働当初にはどうしても先の面が見たいがために、コインを山積みにしてクレジットの許す限り連コインするプレイヤーもいたとか。
    • パワーアップ方式がアイテムなので、復活後に好きな装備が手に入らないというのも難点。オプション(マルチプル)は結構大量に出てくるが、レーザーやスピードアップなどはかなり限られている。
  • マルチプルが扱いにくい。
    • というのも、本作のマルチプルの挙動にクセがあり、前作同様オプションの性質を覚える事が必須。
    • そもそも自機をトレースするタイプなので、配置には少々知識が必要。(グラディウスシリーズ全般に言える事だが)その上に自機自体を一定距離以上動かさないとオプション自体が動かない。
    • 画面の上側に居ると間隔が短くなり、下側に行けば行くほど間隔が広がるのも良し悪しである。
    • オプションの挙動の改善は、続編『グラディウスII GOFERの野望』まで待たされる事になる。
  • フォースフィールドの仕様に嘘がある上に性能にも難がある。
    • インストカードでは4つ装備できると書いてあるが、フォースフィールド自体が全6面中でたった3個しか出ないため、インストのフォースフィールド4つを装備した状態の完全再現は不可能。
    • そもそも下記の仕様の影響でフォースフィールドを消耗せずに高次面に持ってくるのが至難の業。
      • 本作のフォースフィールドは、その周回で最初に装備したものと2個目以降では性質が異なる仕様がある。
        最初に装備したものは敵弾を防御でき、フォースフィールド自体にもアイテム回収の判定がついてるが、アイテムを取得すると被弾扱いになって耐久値が消耗する。
        2個目以降はアイテムの回収判定がなく、アイテムで耐久値を削られる事はなくなるが、代わりに敵弾を防御できない(ザコ敵の体当たりは防げる)。
        更に装備するとランクが上昇する等のデメリットが多く「取ってはいけないアイテム」と呼ばれている。
    • このように“インストには書いてあるが実現不可能なシステム”は『A-JAX』など80年代のコナミ作品でたびたび見かける事が出来る。
      • ちなみに下記スペシャル版ではシステムの関係上、フォースフィールド4つ装備を再現できるが、通常版で再現出来なかった物が出来るのもどうかと。
  • 初見殺しがひどい
    • ステージ3のプロミネンスは噴出す直前に予兆こそあるものの、噴出した後の動きが速く、初見では見てから避けるのはほぼ不可能。プロミネンスの軌道と噴出する位置を丸暗記するしかない。
      • その上、ステージ3道中は開幕の前衛編隊以降はアイテムが一切出現しないため、うっかりやられてしまうとその後がかなり厳しくなる。
      • 海外版、およびライフフォースではプロミネンス噴出直前にボイス(ナレーション)が挟まるようになったため、多少猶予は出来た。しかし上下どちらに噴出するかまでは噴出直前のグラフィックを見るまではわからない。
    • ステージ4のボスの「要塞ヴァリス」は地面の特定のハッチを壊すまでの間、反射する青玉を吐き続けるが、電源投入直後の状態の場合、倒せない位置にハッチがあるため、避けきれないほどの青玉を何とか対処しつつ、自爆を待たなければならない。
      • 一度でも自爆をさせると、同時に倒せない位置のハッチも壊れるため、2度目以降のプレイではいくつかのハッチを壊すだけで青玉の発射を止められる。
      • 4面ボスの安全地帯はいろいろなやり方がある。詳しくはこちらの動画を参照。
    • ステージ5の「ザブ2」は突然、自機の周りを囲むように現れて特攻してくるものであり、知らなければ十中八九確実に死ぬ。その直後に出てくる「ベルベルム編隊」もおびただしい弾幕と数で出迎えてくる初見殺しスポット。
      • 直後のステージ6で残機追加や途中参加が無効な仕様も相まって、ここでミスしてしまうと非常に厳しくなる。
    • ステージ6では高速スクロールかつ通路を封鎖するようにシャッターが次々と閉まっていくゾーンがあり、閉まるタイミングと通れる場所を記憶していなければ確実に残機を数機失うような設計になっている。
      • 残機増加不可な仕様も相まって、ここまで来た際に残機が残り少ないとほぼゲームオーバーになってしまう。
  • 同時プレイの押し合い圧し合い
    • 2Pプレイの場合、互いのあたり判定が存在し、相手機体を押し出す事が出来る。狭い所や3面ボス「イントルーダー」との戦いの際に、相手機体を押してしまい意図せずに殺してしまうこともしばしば…
      • ちなみに押された側のマルチプルは押された側の操作で移動しない限りはその場に留まるため、この仕様を利用して1Pプレイではできない陣形を組む荒業が可能。
      • ライフフォース』では改善され、互いの当たり判定はなくなったが、今度は別の意味で2Pプレイが妙な事になるとは誰が思ったのだろうか。
  • その他
    • 新兵器のリップルレーザーがやや微妙な性能。長所である地形判定への食われにくさも、複雑な地形が少ない本作ではその強みをいまいち生かしづらい。
      2面&5面で出現する隕石郡は「敵キャラ判定」扱いのため、こちらのリップルがザコ敵に届く前に隕石に遮られてしまいやすい事も性能の微妙さに拍車を掛けてしまっている。
      そのため、レーザーが出現しない1面以外は基本的にレーザーで事足りてしまう。
      • 『ライフフォース』ではパワーアップ方式の変更で1面からレーザーを装備できるようになり、リップルレーザー*6の空気化が更に進む事に…。
        その後『グラディウスII』では立場が逆転することになる。

総評

前作『グラディウス』を継承しつつ、様々な新要素や進化した演出を取り入れた意欲作。
ゲームの題名こそ違えど、本作の様々な要素は後のシリーズにも継承されていった*7
前作と共に、シリーズの基礎を形作った作品である。

また本作が与えた影響は当シリーズに留まらない。それについては次項に譲ろう。

後世への影響

  • 本作の面構成は同じ80年代後半のSTGに影響を与えた他、本作同様に地形の存在する縦STGも登場した。
  • 本作の高次周で発生する大量の自機狙い弾は後の弾幕シューティングゲームに強い影響を与えている。
    • ケイブの池田恒基氏は、本作の高次周での大量の敵弾と『バトルガレッガ』の高ランク時の敵の猛攻に影響されて『怒首領蜂』を作ったとほのめかしている。

海外版

  • 本作の海外版では『LIFE FORCE』と言うタイトルに変更されている*8。国内版との違いは背景の変化やナレーションボイスの追加等。
    • このバージョンはPS4およびSwitchの「アーケードアーカイブス」の沙羅曼蛇にも収録されている。
      • 海外版は本来海外のみの出荷の筈だったのだが、国内版があまりにもヒットしたので、急遽国内でも稼働したという逸話がある。それが原因でライフフォースのタイトルの混乱が発生したとか。

マイナーチェンジ版等

  • ライフフォース
    • 海外版とは別に日本独自で作られたマイナーチェンジ版。
    • パワーアップ方式がグラディウスと同じカプセル式になっており、また敵グラフィックがより生物的になっている、一部BGMが違う(本作基板に未完成状態で内蔵された未使用楽曲の完成バージョンが使われている)といった特徴がある。詳しくは上記リンク先で。
  • 『沙羅曼蛇 スペシャル版』
    • ゲーメストの『グラディウスIII 伝説から神話へ』の読者投稿の景品として大賞の読者に贈られたバージョン。希少品で現在ではプレミアが付いている。
    • 通常版との違いは、パワーアップやエクステンドの方式が『ライフフォース』と同様になっている点。敵などのグラフィックや敵配置は通常版と一緒。また、ゲームセンターの稼動を出来ないようにフリープレイ固定となっている。
      • パワーアップ方式が『ライフフォース』同様のカプセル式になったにもかかわらず、敵配置は通常版のままなので、カプセルの総数が少なくパワーアップし辛い。そのため、結果的に1P側はパワーアップや復活する難易度が上昇している。
      • 1周目は沙羅曼蛇のBGMが流れるが、2周目では1部の面でライフフォースのBGMや沙羅曼蛇の未使用BGMが流れる。
    • スペシャル版のクローンが密かに出回っているとか。

移植等

  • FC版(87年)
    • ハードの性能上、アレンジ移植。パワーアップ方式はカプセル式。詳細はリンク先を参照。
  • MSX版(87年)
    • 他のMSXグラディウスシリーズ同様に内容も世界観も別物になっており、同名の完全な別ゲー扱いである。
    • パワーアップ方式はカプセル式。オプションは一人プレイ時にはきちんと4つ取れる*9
      • また、パワーカプセルとは別にエネルギーカプセル(破壊したスクランブルハッチから放出される)を一定数取得するごとに追加装備が入手できる要素もある。
      • そのほか、『グラディウス2』から引き続き時間制・回数制のアイテムも用意されている。
    • 復活は戻り復活方式。二人同時プレイも出来るが、一方がミスすると二人揃って復帰地点まで戻される。
    • 難易度が非常に高い事で知られる。ザコ敵の出現にランダム要素がある影響でミス後の復活パターンが確立しにくく、最初からやり直した方が早いという声もあるほど。
      語り草にされるのは最終面後半の復活で事実上スピードアップだけで途中のバリアギミックやボス2体を凌がなければならない熾烈さ*10 そのため当時の雑誌では2P側が途中参加して片方のプレイヤーがわざとミスをして復帰地点に戻り、もう片方の装備を整えさせる*11という方法が紹介されていた。パッケージ裏にもその方法を使ってミサイルを装備してメタルスレイブに挑んでいると思わしき写真*12がある。
    • 特殊な仕様が物議を醸した作品でもある。MSXはカートリッジスロットが2つ標準装備の機種が多く*13、コナミはそれを利用してスロット1にメイン、スロット2に対応したサブのゲームを挿すことによってメインのゲームに追加要素を加える事が出来るゲームが複数あった*14。それを利用した『グラディウス2』のカートリッジを同時挿ししないと重要アイテムが出現せず、真のエンディングが見られない*15というもの。
      • 他のゲームを持っていないと真のエンディングが見られないという作品は、そうそう無いのではなかろうか。
        後の時代には「前作のセーブデータを引き継ぐことで一部要素が解禁」というゲームは存在するし、そこでしか真相が明かされないという作品もあるだろうが、「前作が無いとバッドエンドしか見られない」というのはさすがに辛い。
        また、「同社製ゲームながらシリーズとは関係無い別作品でもOK」というのは、さすがに商業主義も行きすぎである。
      • たとえ該当ゲームを所有していても、カートリッジスロットが1つしか無い機種もあり、その機種でのプレイではどうやっても真エンディングを見られない。
      • 各移植版や復刻版などは最初から同時挿し仕様*16となっている。
      • 本仕様が入れられた理由の一つが『新10倍カートリッジの使用を制限するため*17』と言われている。
  • X68000版(88年、シャープ/SPS)
    • 当時としては唯一の(ほぼ)完全移植。
      • ただ処理落ちの多さなどで当時のユーザーからの評判はあまり良くはなかった。そのためか後に「XVI以降の16MHz機やクロックアップ改造機推奨」とまで言われている。*18
      • X68030では互換モードであってもBGMが正常に再生されないため有志によるパッチファイルが必須。
    • イントルーダの断末魔は処理落ちの関係上通常では鳴らないが、データは入っているので若干改造することにより鳴らすことが可能。
    • 発売告知こそかなり早期だったものの幾度となく延期された上でようやく発売となったが、これについては後のインタビューで「一度はほぼ完成したのだがその出来に納得がいかず、全てのデータを一旦破棄して一から作り直したため」と移植をしたSPSの開発担当者が述べている。
  • PCE版(91年)
    • グラフィックの再現度は高いが、忠実な移植ではなかった。PCE版『グラディウス』とは違いオリジナル色が強くなっている。
      • 一人プレイ時は戻り復活となっている他、レーザーが短い、敵のアルゴリズムが違う等の変更点がある。
      • また、若干ステージ構成やボスキャラのパターンも違う。
    • 復刻版ミニゲーム機「PCエンジン mini」の海外仕様である「コアグラフィックス mini」および「ターボグラフィックス-16 mini」に収録されている。
      • 隠し要素の「near Arcade」では基本的な部分は通常の移植版と同じだが、グラフィックの発色の違い、ボイスの追加、その場復活への変更が行われている。
  • SS/PS版(97年) 『DELUXE PACK PLUS』
    • ライフフォース』と続編の『沙羅曼蛇2』を同時収録している。
    • 共に移植度は高い。但し、SSにはPSと違い横256ドットの画面モード*19がないためグラフィックの完全再現が出来ておらず、4面ボスの安全地帯が使えなくなるなどの難点も生じてしまった。
      • 4面ボス戦での右下の壁に張り付く安地を使用する場合、AC版のようにぴったり合わせるのではなくて若干隙間を空ける必要がある(参考リンク)。ただしこのやり方は上手くできない場合があるので、あまりおすすめできない。
    • 『沙羅曼蛇2』はオプション設定で「ライフフォース2」に変更ができるサプライズがある(但し、パワーアップ方式に変化はない)ほか、サウンドテストの未使用BGMのアレンジが機種ごとに異なっている(サントラや『沙羅曼蛇ポータブル』では両方収録されている)。
    • 2Dシューティングとしてのデラックスパックは本作が最後となった。
    • 歴代デラックスパックの中では唯一の3作収録となっている。そのためか、ゲームタイトルに「プラス」の表記が付け加えられている。
  • PSP版(2007年)
    • 上記『DELUXE PACK PLUS』の収録タイトルに加え、これまで移植された事の無かった『XEXEX』と、MSXの名作『グラディウス2』のリメイクを収録。まさに決定版ともいえるものになっている。
  • PS4版(2015年)
  • Switch版(2020年)
    • 「アーケードアーカイブス」のタイトルとして配信、「沙羅曼蛇」、「LIFEFORCE(海外)」、「ライフフォース」の3バージョンをプレイする事が出来、スプライト欠けや処理落ちなどを忠実に再現した完全移植となっている。
      • ステージ2と5に出現するサンダーミュー(フラッシャー)の激しいフラッシュ攻撃がマイルドに調整されている。
  • この他にも携帯アプリにも移植されているが、1面から毛細血管が復活するようになっていたりと業務用と難易度が格段に違う。

余談

  • ゴーレムについての逸話
    • 登場ボスのうち「ゴーレム」はゲーメストの『ぐらつうタイムス』で脳みそがデカいのに貧弱と言うことで自殺を図ろうとしたら未遂に終わったというネタもあった。
    • ゴーレムはその後究極戦隊ダダンダーンのケニアステージのボスとして登場。本家と違って目からビームを発射してくる。
      • ちなみにブラジルステージのボスは太い腕の生えたモアイ。
    • 他にも『脳開発研究所クルクルラボ』にも登場。
      • 同作ではデカい脳のデザインを生かした事で「院長」という非常に美味しい役での登場だが、キャラデザも万人受けする様なライトな物に変更されている。
  • ミサイルを取っていない時にミサイルボタンを押すと、最初の一回だけ「Missile chamber is empty.(ミサイルの弾倉は空だ)」という音声が流れる。
  • 「オプション」を「マルチプル」と呼ぶのは本作特有である*20。続編『沙羅曼蛇2』では「オプション」になった。
  • 本作初登場の「ロードブリティッシュ」の「ロード」とは「領主」などを意味する”Lo r d”だが、カナ書きすると同じ「ロード」になる”Lo a d”とよく間違えられる。こちらは「積み荷」を意味し、公式でもやらかしたことがある*21定番ミスである。
  • 同社の『魂斗羅シリーズ』のパラレルワールドを舞台とした『魂斗羅Rebirth』では本作のタイトルと同じ名前の「沙羅曼蛇軍」が敵となるが、名前とゼロスフォースが関わっている以外関連性は無いようだ。
  • AC版の稼働に当たり、当初は専用の筐体が2種類作られた。1つはテーブル筐体型でコンパネにスピーカーが内蔵されたもので、もう1つはハーフアップライト型のものでこちらもステレオスピーカー付きとなっている。
  • 本作及びグラディウスシリーズを題材にしたOVA『沙羅曼蛇』が3本リリースされているが、あまり評判は良くない。
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最終更新:2024年03月02日 11:21

*1 前作は「グラディウス」が超時空戦闘機の正式名称であった。

*2 後作においては「デストラクトミサイル」等と呼ばれることもある。

*3 この形のレーザーは後に『グラディウスIII』で「サイクロンレーザー」という名称が与えられた。

*4 難易度上昇は10周目まで続く

*5 数年後に汎用筐体でスピーカーを複数付ける物も出てきた事で、店舗の手製でステレオ化させる所も増えた。

*6 当作では海外版の名称である「パルスレーザー」に変更されている。

*7 あまり継承されなかった要素もあるが。

*8 タイトル画面に「STEREO SOUND LIFE FORCE」とあるため、後述の「ライフフォース」と区別するためにこの呼び名も使われる事がある。

*9 二人同時プレイ時は二人合わせて3つまで。

*10 youtubeに動画あり

*11 同時プレイの場合、ミスしてない側の機体の装備は復帰地点に戻ってもそのまま維持される仕様のため。

*12 開発中写真の可能性がある。悪魔城ドラキュラでも写真のクロスがFC規準だった

*13 本来MSXのカートリッジスロットは他PCにおける拡張基板のコネクタという位置付けで、基板増設を前提としていたため。MSX2+以降の仕様では2スロット装備が義務化されたがMSX1やMSX2では1スロットしかもたないものもあった。

*14 パワーアップ、キャラクターの変更、コンティニュー可能になる等

*15 挿していると最終ステージの前にグラディウス2のヴェノム艦ステージが挿入される。これをクリアしていないとエンディングの途中で作戦をヴェノムに妨害されて失敗に終わる。

*16 『グラディウス2』が挿してある状態をベースにしている。PSアンティークスはヴェノム艦の砲台が無い。

*17 どこでもセーブが可能になるため難易度が極端に?下がる。また前述の最終面仕様から、この機能で6面セーブしハザードボール対策やアウターリミッツの後ろ出現などの初見殺しを研究しておかないと真っ向プレイでの真エンディング到達は困難な道のりになる。

*18 ただし、デメリットも無いわけではなく、AC版で必ず処理落ちが発生する箇所であっても処理落ちが発生しないため、逆に難易度が上がる部分も生じている

*19 アーケードや家庭用ゲーム機、MSX等で広く使われた低解像度の画面モード。オリジナルの沙羅曼蛇もこの解像度で製作されている。

*20 一応グラディウスIIの海外版と一部国内版でも呼ばれる。

*21 ポップンミュージック11にて。現在は修正済。