忍 -SHINOBI-

【しのび】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード(SYSTEM16)
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
稼動開始日 1987年
配信 バーチャルコンソールアーケード
【Wii】2009年7月14日/800Wiiポイント
判定 なし
ポイント 渋いテイストの忍者アクション
衝撃のボーナスステージ
忍者版ローリングサンダー
忍シリーズリンク

概要

  • 1987年にてセガ・エンタープライゼス(現:セガ)からアーケードにてリリースされた横アクションゲーム。
  • 主人公の忍者「ジョー・ムサシ」を操作し、さらわれた子供忍者達を救出しつつ、犯罪組織「ZEED」の首領(マクスドニンジャ)を倒すのが目的とされる。
  • 1~2人交互プレイ可能、複数のステージに分けられた全5ミッション構成。

主なルール

  • 各ミッションには道中ステージとボスステージに分けられるので、個別に紹介していく。

道中ステージ

  • ボスステージの前に幾つか存在するステージ。クリア条件は複数に配置された子供忍者達を全員救出(接触)し、右側奥まで進む事にある。
    • 必ず全員の子供忍者を救出しないと、右側奥に進んでもクリアできない。よって、ただ敵を倒せばいいというものではなく、遠回りしてでも子供忍者救出を優先しなければならない。
  • 使用コントローラーは、レバーにて主人公の移動操作、ボタンは3つあり各自、攻撃ボタン、ジャンプボタン、忍術ボタンに使用する。
    • 攻撃方法は、敵と離れている場合は飛び道具である手裏剣攻撃、敵と接近している場合は剣などの近距離攻撃となる(一部例外敵あり)。
    • レバー下でしゃがみ動作を行い、レバー斜め下でしゃがみ移動が可能。
    • ジャンプボタンでジャンプを行う。このゲームのジャンプは飛び方に少々クセがあるので、その辺をわきまえる必要がある。
    • このゲームにおいては、上段と下段の2つの地形がある(一部場所にて例外あり)。上段中は上段のみ、下段中は下段のみに攻撃判定などがあり、主人公、敵側共に位置の違う段にいるキャラの攻撃は受けつけない様になっている。
      • 主人公が地形下段にいる状態でレバー上+ジャンプボタンで上段に登れ、地形上段状態にてレバー下+ジャンプボタンで下段に降りる事が可能。もちろん、子供忍者達や敵などは、上段、下段にてまんべんなく配置されており、攻略をスムーズに行うには上段、下段、各移動の使い分けは必至である。
    • 必殺技ボタンで上段、下段を問わず画面全体を攻撃する忍術を使用する。ステージによっては使用できる忍術に相違があるが、技の見た目が違うだけで効力はほぼ同じであり、任意で使いたい忍術を選ぶ事はできない(各エリア毎に使用忍術は固定)。
      • 忍術は各ステージにつき一回しか使用できず、ストックを補う方法はミス後の復活以外では一切存在しない。また、忍術を使用せずにそのステージをクリアするとスコアボーナスが入る。また、これとは別に手裏剣を使わずにステージクリアすると入るボーナス(通称:忍ボーナス)もある。
  • 一部の子供忍者を救出すれば主人公の手裏剣攻撃を強化できる場合がある。強化すれば、手裏剣を当てた時に爆風が起き、通常では攻撃をガードしてしまう敵を一撃で倒せてしまう効果がある。
  • ミス条件は「主人公が敵の攻撃に触れる」事が主だが、このゲームは原則的に敵に触れるだけでは吹き飛ばされるだけでミスにはならない。但し、存在自体が攻撃判定を持っている敵に対しては、触れるだけでミスとなる場合がある。
    • ミス後の復活はそのステージの最初からのやり直しとなるが、ミス前に救出した子供忍者はすでに救出した事となり、ある程度の負担は軽減される。
    • 下記のボスステージも含め、制限時間が設定されており、これが尽きてもミスとなってしまう。
  • 最終ステージであるミッション5はコンティニュー不可。

ボスステージ

  • 各ミッションの最後のステージには即ボスが待ち構えており、そいつを倒せばミッションクリアとなる。子供忍者や雑魚敵はこのステージには出現しない*1
  • 操作方法に関しては、上記の道中ステージと全く同じなので割愛する。
  • ミス条件も道中ステージと同様。但し、復活時のボスライフは初期に戻っており、ごり押しクリアは実質不可である。

ボーナスステージ

  • 最終ミッションを除く各ミッションをクリアすれば、3Dシューティング風のボーナスステージが発生する。もちろん、ボーナスなのでミス要因は一切存在せず、ステージを終えると次のミッションに進む。
  • 使用コントローラーは、レバー左右にて手裏剣の位置調整、ボタンは手裏剣ボタンのみを使う。
    • 敵忍者が段々と画面手前に迫ってくるので、手裏剣ボタンで手裏剣を投げ、そいつらを倒して接近を阻止するのが目的となる。一体でも最手前に敵忍者が迫ってくるとボーナス失敗、すべての敵忍者を倒しきれば特殊ボーナススコアがもらえる。

評価点

  • 孤独の忍者が単体で犯罪組織に挑むという渋いテイストの忍者アクションで、様々な作風が多いセガゲーの中でも一際ハードボイルドな雰囲気を匂わせている一作である。
    • さらには、どうみても「北○の拳の雑魚風スタイルの敵」や「スパ○ダーマンに酷似した敵」といったやつらがおり、パロディ色の強さも目に付く。
  • そして何といっても、このゲームにおける最大のインパクトはボーナスステージにある。複数の敵忍者を手裏剣で撃ち落す爽快感はなかなか高く、「もうこれを単体でゲーム化してもいいんじゃね?」と思える程。しかも、画面最手前に敵忍者が迫ってきたショックはマジでビビる強烈さで、ボーナスステージなのに妙に真剣になってしまう。

問題点

  • 難易度は当時の硬派なセガ作風の例に漏れずかなり高い。主人公の若干小回りの利きにくい操作性と、絶妙に厄介な配置にいる雑魚敵の存在、先に進むと初見殺し満載なトラップの多さ、など結構なやり込みを行わないと、コンティニューを連発してもクリアは厳しい程である。しかも最終面ではコンテニュー不能。
    • ボス戦も難関だらけで、いやらしい動きの火弾を発射してくるミッション1のボスからして異様に強く、その後もパターンを築かないとまずクリア不可なボスが待ち構えている。

総評

骨太に難しく、スタイリッシュにかっこいい、80年代における硬派な忍者アクションといった趣旨の作品。このストイックさは今の忍者ゲーではなかなか拝めないのではなかろうか。また、システム廻りからナムコの『ローリングサンダー』と比較の対象にされる事も多い。(相違点として遠隔攻撃制限あり、近接攻撃不可、ジャンプ攻撃不可、敵と接触してもダメージ、要救助者なし、1つのステージが長い、ボスは最終面のみ、メガクラッシュなし、ボーナスステージなし等)

日本国内ではそこそこ売れた部類だが、アメリカを始めとした海外ではニンジャブームに乗り大ヒットしている。


その後の展開

  • 本作の後に、続編や関連作が幾らかリリースされるが、意外と本作自身が日の目を見る機会は少ないように思える。また、時期的に移植されてもおかしくないメガドライブには本作の移植は全くされず、『ザ・スーパー忍』をはじめとする続編群のみが出た。
    • なお、続編群の中には本作とシステムが共通している『シャドーダンサー』が発売されている。一応今作の代理として遊べなくはない。

家庭用移植

  • マークIII版(1988年6月19日発売、セガ・エンタープライゼス)
    • 移植というよりはアレンジの類で、ゲームとしてはかなり変更されているとの事。FM音源対応。
    • 本移植の最大の特徴としては武器の増加で、遠距離武器には手榴弾が、近距離武器にはヌンチャクがそれぞれ追加されていて、特に手榴弾の追加によって戦略にも幅が広がっているのが特徴か。
    • 余談ではあるが、海外マスターシステムにおいては1990年にマークIII版のシステムをベースとして当時のセガの看板キャラクターであるアレックスキッドの世界観を融合した『Alex Kidd in Shinobi World』が発売されている。
  • NES版(1989年発売、テンゲン)
    • 国内未発売。ステージBGMが1種類のみでボス戦でも流れる、巨大ボス戦の背景が無い、制限時間及び立ち近距離攻撃の廃止、忍術がボーナスステージクリアで入手等、マークIII及びPCエンジン版以上の劣化移植とされている。
  • PCエンジン Huカード版(1989年12月8日発売、アスミック)
    • 移植度の観点からすればマークIII版よりは忠実だが、制限時間、近距離攻撃、ボーナスステージといった要素が廃止され、十分な移植度とは到底いえないとされる。
  • Xbox LIVE ARCADE版(2009年6月10日配信開始、セガ)
    • ほぼ完全移植。
  • バーチャルコンソールアーケード版
    • こちらもほぼ完全移植。
  • Sonic's Ultimate Genesis Collection版
    • 国内未発売のPS3/Xb360のタイトル。但し、同作はGENESIS(北米版メガドライブ)の作品集であり、収録されている本作(AC版)は条件を満たさないとプレイできない「隠しゲーム」的扱いになっている。
  • NintendoSwitch版(2019年10月31日配信開始、セガ)
    • ボーナスを重視した近接攻撃ボタン、ミスを無かった事にする巻き戻し、攻撃力の強化と1回ダメージを受けてもミスにならないようになり、難易度が低下する「AGESモード」を搭載*2
      移植度をチェックする「マスター忍」はモンスターワールドでも担当したM2の駒林氏が行っている。
      そのマスター忍によるチェック中に「携帯モードでプレイすると、とあるポイントでジャンプと攻撃ボタンを連打しなければならず見た目がヤバイ」ということで、その1箇所のためだけに連射機能が実装されたという事がインタビューで明かされている。
    • 本作の制作時に「システム16のアクションゲームだと本作か『ゴールデンアックス』か『獣王記』と3つの選択肢があるが、全世界向けの配信を行うにあたり、海外の知名度も高い」ということで本作が選ばれる事になった。
    • 『ゲイングランド』以降久々にキャビネット筐体が復活したが、これを選ぶと3D復刻プロジェクトのように環境音が鳴るようになった。モンスターワールドから引き続きテーブル筐体風壁紙表示、日英切り替え*3等も実装。
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最終更新:2023年03月12日 21:45

*1 但し、雑魚敵を発生させるボスはいる。

*2 プレイヤーの見た目が『ザ・スーパー忍』の時の白装束になっている。

*3 しかも英語を選ぶとキャビネットもアメリカ版に切り替わる。