この記事では、以下の作品を併せて扱います。

  • DS『nintendogs 柴&フレンズ』『nintendogs ダックス&フレンズ』『nintendogs チワワ&フレンズ』
  • 3DS『nintendogs+cats トイ・プードル & Newフレンズ』『nintendogs+cats フレンチ・ブル & Newフレンズ』『nintendogs+cats 柴 & Newフレンズ』


nintendogs 柴&フレンズ / ダックス&フレンズ / チワワ&フレンズ

【にんてんどっぐす しばあんどふれんず / だっくすあんどふれんず / ちわわあんどふれんず】

ジャンル コミュニケーション


対応機種 ニンテンドーDS
発売・開発元 任天堂
発売日 2005年4月21日
定価 4,571円(税別)
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 1個
レーティング CERO:全年齢(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 子犬と触れ合える
すれちがい通信を本格的に搭載
全世界で大ヒット
Touch! Generationsシリーズ

概要

任天堂からDS初期に発売された、リアルな子犬との触れ合いをテーマにしたコミュニケーションゲーム。
飼育ソフトという地味なジャンルでありながら、ペットとして人気の犬とお手軽に触れ合えるという触れ込みと、任天堂の戦略の上手さから、日本では3本合計で180万本以上を売り上げ、『脳トレ』と並び、初期のDS普及の立役者となった。
海外では「ベストフレンズ」「ダルメシアン&フレンズ」「ラブラドール&フレンズ」の3本も発売され、欧州でも大ヒットし全世界で全種類合算で2000万本以上を売り上げている。


特徴

飼育

  • 本作は最初はバージョン限定の犬(チワワ、柴犬、ダックスフンド)を育てることから始まる。
    • もちろんお金を貯めれは他の犬を育てることも出来る。
      • 各バージョン限定の犬も、自分の持っている以外のバージョンと通信するか、ゲームを進行させれば育てることが可能となる。
    • 部屋には犬を最大3匹飼うことが可能。部屋で育てる犬の数を超えても、一定の数の犬はホテルに預けることは出来る。
      • なお犬を育てることが出来なくなった場合、里親に譲ると言う形で手放すことが可能だが、購入した際に使ったお金は戻ってこない。
  • 犬には「お手」「おまわり」等の特技を練習させ覚えることが出来る。
    • この際はリアルでプレイヤーがマイクに向かって喋ることになる。

食事・洗浄

  • 犬も当たり前と言うか、飼育の際には「食事」「洗浄」が必要となる。
    • 食事には犬にドッグフードやお菓子と水を与える必要がある。なお空腹かどうか調べる場合は下画面に満腹度が表示される。
    • 洗浄は風呂でその犬に合うシャンプーで体を洗わせ、シャワーの水で体を綺麗にさせる。
      • 洗ってる際の犬の表情はかわいいが、タッチペンで洗わないといけないので、体が特に汚れてる場合は正直面倒くさく感じる人も多いか。
      • なおこれらをおこたっても犬は死なない。これは説明書にも書いてある。

散歩・遊び・大会

  • 散歩は一定のルートを回りながら、違う犬を飼っているCPUの飼い主と交流を深めたり、アイテムを拾ったり、大会への練習を公園で行ったりする。
    • もちろんどこにでも行ける訳でもなく、ルートを決める際に表示されるパラメータ(犬の体力のようなもの)によって制限されている。
  • 散歩の仕方は犬に繋がれたリードをタッチペンで触りながら、引っ張る形で犬を歩行させる。
    • ダッシュも可能だが、長時間のダッシュでの移動は不可能となっている。
      • 散歩終了後は犬も疲れるらしく、しばらくの間散歩にいけない。
  • 部屋の中では拾ったアイテムやフリスビー、おもちゃで犬との交流を深める。
    • これらの行為は散歩中にも出来る。
  • 様々な大会があり、ここで優勝するのもこのゲームの一種の目標にもなる。
    • ドッグラン、フリスビー、特技を競い合うなど、様々な大会がある。

すれちがい通信

  • DS初のすれちがい通信機能を搭載している。DSをスリープ状態にしておけは、ワイヤレス通信により様々な交換が行える。
    • プロフィールや、アイテム交換、犬の種類の追加などが行われる。

評価点

  • グラフィックやモデリング・動きのリアルさ。
    • DSというハード性能が決して高くない携帯機、しかもDS初期のソフトながら、犬のモデリングや動きはリアルに作りこまれておりゲーム的なぎこちなさを感じさせない。
    • しぐさのひとつひとつが動物らしく、本物らしさがしっかり再現されており、じゃれた時の顔の表情、声もリアル。実際に犬を飼っている人もかわいいと認めているレベルである。
      • 縄張りなどのマーキングや小便などをするときメスやオスでトイレの仕方が違ったり、道端でフンをする場合は、した後のフンをタッチするとゴミ袋に収容できる。
      • また、マイクを使って芸を覚えさせることも可能。お手やお回り、宙返りなどの難易度の高い物や、オリジナルのポーズも覚えさせることができる。
    • アクセサリーなどもつけさせられるが、これがまた憎らしいほどかわいい。
  • 「すれちがい通信機能」の初搭載。
    • すれちがいで交換できるのは飼い主情報やプレゼント交換といったことで、まだまだ当時の環境では厳しい面も多かったが、携帯機で自然と広がっていくコミュニケーション機能は、当時のプレイヤーに次世代携帯機の新たな可能性を示した。
  • フライングディスクや風船などの物を使い遊ぶこともできる。フライングディスクはゲーム内で大会もあり、鍛えることも可能である。
    • ドッグランなどの競技大会もある上に、散歩しながら公園などで練習できる。
      • なお公園エリアはCPUの犬とも遊ぶことが出来る数少ない場所である。
  • 犬と遊ばせるための道具もギミックが豊かなものが多い。
    • 縄跳びやシャボン玉、フライングディスクなどの一般的に知られたもの以外にも、ゲームでしかできないような独特なおもちゃも多い。マイクやタッチ画面を生かした様々なおもちゃが魅力的。
      • お喋りインコはDSのマイクを利用し、音声を収録したインコを投げ飛ばして遊べる。
      • ラジコンは室内で飛ばして遊べる。2種類用意されており、各機ごとに専用BGMが鳴るという力の入れっぷり。
      • マリオカートからマリオ、ピーチ、クッパがおもちゃとして登場。走らせて遊ぶことも可能で、各キャラごとにBGMも用意されている。
  • バージョン違い商法かつ全3バージョンもあるが、最終的に全ての犬は出てくる。
    • 各バージョンのみのアイテムもあるが、すれちがい通信で手に入る。
    • 飼うことのできる犬の種類もパッケージの犬だけではなく、定番の犬は一通り揃っている。

賛否両論点

  • 子犬は一切成長せず、死ぬことも一切ない。
    • スタッフ曰く「手塩にかけて育てた子犬が死んだら悲しいだろう」ということでこの仕様になったという。
      • また、そもそもの公式ジャンルが「育成シミュレーション」ではなく「コミュニケーション」であることからも、「育てること」よりも「触れ合うこと」に重点を置いていると言えるが、「本格的な育成をしたかった」という声が多かったのも事実。

問題点

  • 散歩などのときにマーキングやトイレを頻繁にするのでテンポが悪い。
    • 散歩の範囲が広がっても似たり寄ったりな場所も多い。一応海岸沿いなどは少し違う風景も楽しめるし、時間帯ごとに景色が変わったりするが、散歩ルートの大半はかなり似たようなものが多い。
      • また定期的にプレゼントが落ちており、タッチして拾えるのだが、中にはトラップなのかゴミ袋が落ちており、このゴミに犬も反応するのでさらにテンポが良くない。ゴミ袋の落ちている割合も結構多い。
      • また、そもそもリードの操作にコツがいり、うまくタッチ出来ないと犬をうまく歩かせることが出来ないうえに、ダッシュがしにくい。
  • ゲーム開始時の金の工面が大変。
    • 部屋改造、犬購入は高値段である他エサ代、おもちゃ代など、ゲームを始めてしばらくはお金のやりくりに結構苦労する。
    • お金を稼ぐには散歩で拾ったアイテムを売るか、各大会で3位以内に入ると賞金が貰える。前者は高額なアイテムは序盤では手に入りづらく、後者もしっかり犬を鍛えないと入賞することも難しい。
  • 金塊や隕石などの手に入りにくいアイテムがあるのだが、実質大したギミックなどがなく、投げて遊ぶ、または観賞用の道具となる。
    • 一応これらのアイテムはかなりの高値段で売れるので、お金が必要なときは売ってもいいかもしれない。
  • 犬は3匹しか飼えない。
    • 6匹まで入るが半分はホテルに預けるはめに。もちろん好感度は下がる。犬をまた飼いたい場合は1匹は里親に譲る必要がある。
    • 犬を購入する際の料金はもちろん高いが、手放す際は1円もこないので手放すデメリットは結構大きい。まあこれも犬に対して(ゲームとはいえ)事実上飼うのを放棄しているからだからか。
  • ソフト自体を起動しなくても、ゲームのデータ自体は起動しているようで、久々に起動するようなことがあると、犬の掃除など、後始末が面倒なことになってしまう。
    • このため定期的に電源をつけることも必要になる。言ってしまうと、飽きやすい人には向かないのかもしれない。まあこれは他の飼育ゲームにも当てはまることなのだが。
    • 当然ながら現実の動物の世話は定期的に行う必要があるためリアルであるともいえるが。

総評

「犬と遊ぶ」と言うコンセプトは大成功であった。
これまでにも多くの犬の飼育ゲームが出されたが、このジャンルでここまでの成功を収めたソフトはないだろう。
DSのタッチペンを活かしてモニターの向こうの動物と触れ合うという仕様は、ハードの特徴を上手く活かし、飼育ゲームというジャンルを根付かせることに成功した。
またすれちがい通信機能の搭載など、ハードの機能を活かした様々な新機能を搭載し、DSというハードの可能性も示した。

ジャンル上、飽きがきやすいことや作りこみがやや荒削りな部分も見受けられるが、「子犬と触れ合う」というテーマからしてライト層や女性を引き付けるのは十分な素材であった。
カジュアル層やライトユーザー層を取り込むという任天堂の志向性が見事、成功した一作となった。


余談

  • ソフト自体はかなり売れているのだが、発売当初の環境ではすれちがい通信があまりできなかった。
    • まだすれちがい通信自体の概念が広まっていなかったことや、その他にも様々な問題点も当時の環境では多かった。
      • 当時は駅などに『すれちがい通信通信中継所』と呼ばれる物が設置されており、そこに行ったユーザーもいたのではないだろうか。なおこのすれちがい通信所はしばらくして撤去されている。
  • 大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでは、『X』で実装されたアシストフィギュアとして本作の犬が登場する。
    • ただし、子犬がじゃれつくことで画面の大部分が隠されてしまうというハズレに近い存在。
    • 『X』ではラブラドール・レトリーバー、『for』ではフレンチ・ブルドッグ、『SP』ではトイ・プードル。どの作品を遊んだかで印象に残った犬も違うだろう。
    • ステージ「子犬のいるリビング」やシールといった収集要素としても登場している。

nintendogs+cats トイ・プードル & Newフレンズ / フレンチ・ブル & Newフレンズ / 柴 & Newフレンズ

【にんてんどっぐすぷらすきゃっつ といぷーどるあんどにゅーふれんず / ふれんちぶるあんどにゅーふれんず / しばあんどにゅーふれんず】

ジャンル コミュニケーションソフト

対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 任天堂
発売日 パッケージ:2011年2月26日
ダウンロード:2013年1月30日
定価 4,800円(税別)
廉価版 ハッピープライスセレクション
2016年3月17日/2,700円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント DSから正統進化
表示システムの変更は不評

概要(New)

『nintendogs』の3DS版。猫が飼えるようになったほか一部要素の変更が行われたが、ゲームシステムはほぼ同じとなっている。


前作からの主な変更点

  • 12の犬種が追加された。前作同様、条件を満たせば他バージョンの犬種も飼える。
    • ボクサー、ブル・テリア、ポメラニアン…『トイ・プードル』で追加。
    • フレンチ・ブルドッグ、ダルメシアン、シベリアン・ハスキー、バセット・ハウンド…『フレンチ・ブル』で追加。
    • ゴールデン・レトリーバー、マルチーズ、グレート・デーン、イングリッシュ・コッカー…『柴』で追加。
    • 犬型ロボット…各作品共通の隠し犬種。散歩中に拾えるゴミと交換することで入手できる。
  • 猫が飼えるようになった。
    • ただしある程度ゲームを進めないと購入できない。
    • 種族はスタンダード・オリエンタル・ロングヘアの3種類。
  • アジリティ大会が廃止され、代わりに「ルアーコーシング」を導入。
    • 釣りで使うような「ルアー」を使って犬をレースさせる。下画面のリールをタッチで回して犬とおもちゃの間合いを保つことが必要で、途中には障害物もある。犬が進まなくなった場合は、リールに取り付けられたクラクションで犬の気を引く。
  • 散歩が横視点から後ろ視点となり、コース選択が不要になった。
    • 途中にはパイロンが設置されていることがあり、うまく犬をスラロームさせるとプレゼントが手に入る。
  • 家出が消滅した。
    • ただし猫は小時間勝手に外出し、戻ってきた時にプレイヤーにプレゼントを持ってきてくれるというイベントが起こることがある。

評価点(New)

  • グラフィックはハードに合わせて進化し、毛並みまで判別できるようになった。
  • 猫が飼える。
    • また、犬種も前作に比べ格段に増加した。
  • 部屋に家具が置けるようになり、部屋のコーディネートの幅が広がった。

賛否両論点(New)

  • NPCの人間が全部Mii
    • 顔つきが分かるようになったのはいいが、犬はリアルな3Dモデルなので違和感があるという意見もある。
      • 前作では大会関係者の2人以外は一切顔が表示されなかった。
      • ちなみに『Wii Party』ではMiiと同様にデフォルメされた犬が登場する。

問題点(New)

  • 犬(猫)の表示形式の変更
    • 前作では、散歩・シャワー・大会など犬を操作する場面では犬が下画面に移ってタッチ操作する形式だった。
    • だが、本作では下画面に表示された犬や道具のシルエットをタッチすることで上画面に反応が起こる形式となった。
      • これにより「ペットと直接触れ合っている感覚」は味わいにくくなってしまった。
  • ルアーコーシングは実際に行われているものと比べると違和感がある。
    • ルアーは通常自動で巻かれる。また、障害物が設置されるのもきわめて稀である。
  • 散歩において2つの施設が近接している場合、片方に寄るともう片方に行けなくなることがある。
    • また、NPCがたまにカフェに誘ってくるが、近くに行きたい施設があった場合そこに行けなくなってしまう。
      • 誘いに乗らなくてもペナルティーはないが、飼い主ポイントやなつき度が増えなくなってしまう。

総評(New)

DSから多くの面で進化し、何より猫が追加されたことは「猫派」にとっても朗報であった。
それだけに、ペットの表示システムの変更で大きな不評を買ってしまったことが悔やまれる。
とはいえ子犬や子猫の可愛さは健在であり、ペットを飼っている人にも飼っていない人にもおすすめできる作品である。


余談(New)

  • 本作発売以後、猫ブームこと「ネコノミクス」現象が起きている。発売時期を考えるとネコノミクスを予兆している作品であるとも言えるかもしれない。
    • ちなみに火付け役は和歌山電鐵貴志駅の名物三毛猫のたま駅長だと言われている。
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最終更新:2024年01月14日 12:48