バイオアタック

【ばいおあたっく】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 タイトー
稼動開始日 1983年
判定 なし
ポイント ミクロの決死圏シューティング
シンプルながら意外と高難易度


概要

  • 1983年にてタイトーからアーケードにてリリースされた縦スクロールシューティング。
  • 治療用潜行艇が人体の中に侵入し、体内にいるウイルスやら病原の巣掘やらを破壊するという、映画「ミクロの決死圏」(原題:Fantastic Voyage)を意識したのような設定が特徴。
    • 当時「ミクロの決死圏」ゲーム化の権利を持っていたFOX VIDEO GAMES*1から正式にライセンスを受けており、タイトル画面で確認できる。
      原作とはタイトルこそ異なるが、扱いとしては映画のゲーム化作品ということになる。
    • ちなみに同じ人体の中を舞台としたシューティングは、他にアイレムの『Xマルチプライ』が存在する。
  • 1~2人交互プレイ可能。全6ステージ構成のループ制。

主なルール

  • 操作系統。
    • 本作はレバーと1ボタンを使用する。
      • ボタンを押すと自機前方にメインショットを放つ。
      • 奇数ステージ(下記)限定でレバーを下に入れっぱなしにするとスクロールを減速できる。
  • ステージ構成について。
    • 本作には奇数ステージ(1・3・5)と偶数ステージ(2・4・6)によってクリア条件に相違がある。下記詳細。
  • 奇数ステージのルール。
    • 完全強制スクロールタイプのステージで、特定地点までスクロールが進むとステージクリアとなる。
    • このステージは人体の血管内に自機が移動しているという設定になっている。スクロールの最中にウイルス(敵・ショットで破壊可能)が自機に襲い掛かり、血管の壁へ衝突する危険性を伴う。
    • 上記の操作系統でも述べた通り、このステージ限定でスクロールを減速させる事ができる。これを利用すれば、血管の壁への衝突をある程度回避しやすくなる。
  • 偶数ステージのルール。
    • スクロールしない固定タイプのステージで、下記の条件を満たせばステージクリアとなる。ステージ2・4・6のいずれかによってクリア条件が異なる。
    • ステージ2は心臓の弁に張り付いているアメーバー型の物体をショットで撃ち込んで破壊すればクリア。アメーバー物体を守る様に雑魚敵が自機に襲い掛かるが、そいつにショットを撃てば動きを止められる。
    • ステージ4は胃の中に生息する胃潰瘍を撃ち込み破壊すればクリア。画面上部から胃液が垂れ流され、これに触れるとミスとなる。
    • ステージ6は迷路状になった網膜血管内を掻い潜り、画面上部にある右目の隙間に触れれば自機が脱出して全ステージクリア。血管内にも敵は潜んでいるので、ちゃんとそいつを回避(破壊)する必要がある。
      血管内は交互に明るくなったり暗闇(血管の道が見えなくなる)になったりする為、それを踏まえた移動操作が重要となる。右目付近には瞼が開閉しており、それに触れるとミスとなってしまう。
  • OXYGENについて。
    • 画面下部には「OXYGEN」というゲージが表示され、時間経過にて段々と消費されていく。
      • 全ステージ共通でこれが0になると残機数を問わずゲームオーバーとなる。
      • 奇数ステージにて放置されている酸素カプセルを取得すればOXYGENが一定量回復する。但し、カプセルをショットで撃ち込むと消滅してしまう。
      • 偶数ステージでは一切の酸素カプセルは設置されていないので短期決戦が求められる。
      • 各ステージをクリアすると余ったOXYGEN分がボーナススコアとして加算され、次ステージにてOXYGENは完全回復する。また、ミス時の復活でも同じく完全回復した状態で復帰できる。
  • ミス条件について。
    • 自機が敵・敵弾・血管の壁などに触れると一撃ミスの残機制。ミス後は戻り復活となる。
      • OXYGENが尽きると残機数がいくら残ってようが即ゲームオーバーとなってしまう。
      • 当時のゲームの例に漏れずコンティニューは搭載されていない。

特徴

人体の中に入り込み、治療という目的で病原菌などの敵を戦うという、やけに前衛的な設定が特徴な作品。

本作の設定上の目的は「血管を掻い潜り病巣を破壊する」事であり、シューティングというよりは「レースゲームとボス専用ステージの集合体」というゲーム性がメインというべきだろうか。

評価点

  • グラフィックの書き込みはややコミカルチックでカラフルだが、体内空間のリアリティはそれなり描けている。

問題点

  • 全体的に敵の動きがトリッキーで機軸が読みにくく、その難易度は高い模様。
    • 初見では突発的に敵に触れてミスなんて状況もザラな程で、プレイには結構な慣れが必要だと思われる。
  • 各ステージの構造はかなり短く、順調にステージを進めばわずか4分程度で一周クリアが可能という小粒なボリュームであるが故に、なんかいまいち体内の神秘を巡ったという実感が沸きにくい気がする。
  • BGMは妙に明るいノリの楽曲メインであり、舞台設定との違和感が結構凄いがあまり気にしてはいけないのだろう。

総評

少なくともショットをガシガシ撃つ系統のシューティングではなく、本作の味はあくまでも「体内を巡って病巣を退治する」という神秘性にあるといっていいだろう。


その後の展開

上記の権利上の問題のためか、今現在のところ家庭用移植は一切されず、タイトーメモリーズ関連にも全く収録されていない。

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最終更新:2022年04月01日 17:22

*1 当時の20世紀フォックスの傘下