ストライダー飛竜2

【すとらいだーひりゅうつー】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード(ZN-2)
発売・開発元 カプコン
稼動開始日 1999年12月
判定 なし
ポイント 飛竜のキャラクター性の確立
技が増えた
良くも悪くも前作とは別ゲー
ストライダー飛竜シリーズ
ストライダー飛竜 / ストライダー飛竜2 / ストライダー飛竜 (2014)


概要

同社の名作アクション『ストライダー飛竜』の続編。『MARVEL VS. CAPCOM』での飛竜人気を受けて制作された。


システム

フルポリゴンの横スクロールアクションゲーム。ライフ制で、残機はない。

ゲーム開始時、「都市占拠テロ殲滅」「武装城塞侵攻」「極点研究所潜入」の3つからステージを1つ選択する。その後、第4ステージ「空中戦艦追撃」を選べるようになり、それをクリアすると最終ステージ「グランドマスター抹殺」が現れる。エンディングまでに最低3ステージ、最高で5ステージクリアする必要がある。

操作

  • 8方向レバーと3ボタン(攻撃、ジャンプ、ブースト)で自機・ストライダー飛竜を操作する。
    • 地上を歩くだけでなく、壁や天井へ貼り付いての移動も可能。
    • 攻撃は、光剣サイファーによる近距離攻撃。
    • ブーストボタンを押すと、アイテムを消費することで一定時間攻撃力が強化され、また敵を自動追尾するエネルギー波も発射されるようになる。
  • レバーとボタンの組み合わせで、様々な特殊動作を行える。
    • レバー→→(←←)で、ダッシュ
    • ジャンプ中にもう一度ジャンプボタンで、二段ジャンプ
    • レバー斜め下+ジャンプボタンで、スライディング。スライディング中も攻撃可能
    • スライディング中にジャンプボタンで、その場からバックジャンプ
    • 壁に貼りつき中、レバーを壁と逆方向+ジャンプで、八双跳び。やや斜め上に真っ直ぐジャンプする
    • ジャンプ中、レバー↓↑+攻撃ボタンで、乱れ斬り。空中で停止して全方向に攻撃する
      • レバー↓↑、ジャンプ、攻撃の順で素早く入力することで、地上スレスレの低空乱れ斬りも出せる

アイテム

  • 飛:ライフが1ゲージ回復
  • 竜:最大ライフが1増加
  • サイファー:攻撃がパワーアップ。ダメージを受けると元に戻る
  • B:ブーストの使用回数が1増える
  • その他:ゼニー、モビちゃん、ソンソン、弥七、佐吉など。上記4種以外は全て得点アイテム

前作に登場した3種類のオプションはオミットされている。


評価点

  • 飛竜のキャラが『MARVEL VS. CAPCOM』を踏襲したものに作り替えられ、これにより「ストライダー飛竜」というキャラクターが完全に確立された。現在まで人気キャラとして各作品に登場している飛竜は、全て本作をベースにしたものとなっている。
    • 本作において飛竜は、沈着冷静・冷酷非情なプロフェッショナルとして描かれている。たとえかつての戦友であろうと、敵対する者やターゲットには一切容赦をしないダークヒーローぶり。それが、エンディングの無常感を強調している。
    • 飛竜の声は、当時若手声優だった鳥海浩輔氏が演じている。後年の出演作においても鳥海氏が担当していることが多い。
  • 前作の世界観を下敷きに、新たなストーリーが構成された。冥王グランドマスターや東風三姉妹など引き続き登場するキャラだけでなく、自慢の城塞と秘密兵器を壊滅させられ辞世の句も残せない冷血侯爵、かつての戦友で飛竜とは異なるサイファーを使いこなすライバルキャラ「ストライダー飛燕」など、新たに加えられた魅力的なキャラクターも世界観を彩っている。
    • なおストライダー飛燕は、鳥海浩輔氏の二役。
  • ダッシュや二段ジャンプなど各種アクションが追加され、躍動感と機動力が格段に向上した。ほぼ歩くしかできなかった前作と比べると、スピード感が完全に別物になっている。
    • 巨大重機からの逃走や、数多の小型飛空艇を飛び移っての空中戦艦侵入など、そのスピード感を生かしたステージギミックも多い。
  • スコアアタック・タイムアタックの要素も追加され、やりこみ要素が増した。

賛否両論点

  • 前作と比べ、世界観こそ同じだが、実際にプレイするイメージが全く異なる。
    • 10年の月日を経ている以上それは当然であるし、それ自体に悪いことは何もない。だが、後述の『キャノンダンサー』と比較してしまうと、旧来のファンから否定的な見解を招く一因ともなってしまう。
  • 画面を広く使う構成にしているため、キャラが全体的に小さく、ともすれば迫力に欠ける。またカメラを引いて敵や遠景を広く映す場面もしばしばあり、ただでさえ小さめのキャラが更に小さくなることも。
    • これによって巨大ボスの迫力・威圧感を余すところなく表現できているため、一概に否定はできない。しかし一方で、これによるプレイし辛さがあることも否めない。

問題点

  • グラフィックが粗い。
    • 90年代後半のフルポリゴンであるため、どうしても粗が出てしまうのは仕方がないのだが、それにしても、キャラや背景が滲んだように見える場面があまりに多い。ゲームに支障をきたすほどではないものの、美麗とも到底言い難い。
  • 敵が硬い。
    • 前作は敵、特にボスの耐久度が無いに等しく、ただ連射するだけで簡単に倒すことができた。その点を改善したかったのだろうが、あまりにも度を超えている。
    • 「本作の遊び辛さのほぼ全てはこの点に集約される」と言っても過言ではない。
    • 難易度が、連射装置の有無で大きく変わってしまうのも難点。

総評

世界観やキャラの構築は素晴らしくスタイリッシュでスピード感があり、ゲームバランスは大味な部分もあるが駄作ではない。だが、前作に比べてゲーム全体のイメージが大きく変わっており、それが遊びにくさや違和感を産む要因ともなっている。

熱烈なファンの多い名作の続編でありながら、前作と全くイメージの違う作品となってしまったために、旧作ファンからは「ストライダー飛竜の約10年越しの続編としては…」と言われることが多い。加えて、前作スタッフが他社で制作した同コンセプトの作品『キャノンダンサー』が、イメージ面含めて前作の正統後継と見なされて然るべき傑作であったため、なおさらに比較され過小評価されがちである。

しかし一方で、本作で初めて飛竜に触れたファンからは、本作のゲーム性を好意的に評価すると同時に「操作感もイメージも違いすぎてむしろ『1』の方に馴染めない」という声も少なくない。 ストライダー飛竜の続編として イメージが大きく変化したことをどう捉えるか、 単体のゲームとして プレイして楽しいかどうかは、それぞれ別に考える必要があるだろう。


余談

  • サントラに開発の内幕が書かれているが、その内容は
    「飛竜のゲーム内容で面白いものを今の時代に合った形で、しかもアーケード向けとして作るのは難しいんじゃないかと思っていた」
    「ドット絵と3Dの融合の実験作」
    「前作にあったアクションへの限界という志は最初から無く、実験作として完成度が思うように上がらなくてもかっこよさである程度カバーできる」
    「それでも大作ではなく小さなゲームとしてそれなりに面白くてそこそこペイするゲームにできるのではないか」
    ……という、少々穏やかならぬものだった。
    • 格闘ゲーム全盛期のこの時期、アクションゲームやシューティングゲームはどれも苦戦を強いられていた。アクションゲームが盛り上がっていた前作の時期とは違い、アクションゲームを出すこと自体が難しかったのだろう。
    • 「前作の飛竜はかっこよさにひたれるゲームだったけど遊んで楽しいわけではなかった」と、ファンからは名作と讃えられている前作に対し意外な評価もなされている。
    • 何度か企画中断の危機があった事が書かれている。開発終盤は相当厳しい環境であったようで、「思い出そうとすると脳が拒否反応」との記述も……。
  • NAOMI基板が世に出ていたにもかかわらず、低スペックなPS互換基板(ZN-2)で製作していたのは、おそらく余ったZN-2の体の良い処分方法ではないかと思われる。
    • 同時期「カプコンパートナーシッププロジェクト」と大々的に銘打ってCPS2基板と付随技術を中小メーカーに提供していた。
    • この一連の企画で生まれた他社製CPS-2作品は何かしら「新しい要素」を盛り込んだ意欲作や力作が揃っている。
      グレート魔法大作戦』や『1944』のように要素を詰め込みすぎて消化不良だったり、『マイティ!パン』のように難しすぎたりと、多少コケた面もあるが。

家庭用移植

  • PSソフト『ストライダー飛竜1&2』
    • 2000年2月24日発売。前作『ストライダー飛竜』とのカップリング移植。
    • 敵の耐久力が全体的に大きく下がった。具体的にどのぐらい下がったかというと、 PS版の最高難易度は、AC版の最低難易度よりも耐久力が低い。 もはや違うゲームである。
      • 裏を返せば、AC版の敵はそこまで異常に硬かったということでもある。「柔めの敵を撫で斬りにできる」という意味では、AC版ではなくPS版が『1』の続編と言えるかもしれない。
    • 条件を満たすと、新ステージ「超古代遺跡調査」と、ストライダー飛燕を操作できる飛燕モードが解放される。
      • 新ステージは、グランドマスターの謎の一端に触れ、飛竜と飛燕の因縁が描かれるものとなっている。
      • 飛燕モードはブーストがないかわり、通常攻撃が自動追尾する飛び道具になっている。総じて飛竜より性能が高い。
    • AC版ではクリア時に、ブーストアイテム所持数に応じてボーナスが加算されたが、それが撤廃された。これにより、スコアアタックやタイムアタックの戦略が大きく変化している。
    • 全体として評価は高く、発売当時のファミ通(第585号)クロスレビューで30点を獲得し、シルバー殿堂入りしている。
    • なお、カップリングソフトだが、便宜上本Wikiでは『2』と同ページとして扱っている。
    • 現在では中古でもそれなりの値段を保っているが、2014年8月27日にゲームアーカイブス版として配信されているので、単純に本作で遊びたいならアーカイブス版を選ぶのも良いかもしれない。
    • 家庭用版はムービー、ゲーム本編、静止画など、それぞれ規格の違うものが混在しシーンの演出ごとに頻繁に入れ替わるため、映像変換器でHDMIやDVIなどにした時に、機器によっては誤作動を起こしマトモに遊べない場合がある。昔ながらのAV入力のあるテレビを用意すると良いだろう。

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最終更新:2022年12月14日 17:49