この項目では、Wii用ソフト『毛糸のカービィ』と、移植版である3DS用ソフト『毛糸のカービィ プラス』について紹介しています。
判定は『毛糸のカービィ』は「 なし 」、『毛糸のカービィ プラス』は「 良作 」。



毛糸のカービィ

【けいとのかーびぃ】

ジャンル アクション
対応機種 Wii
メディア Wii専用12cm光ディスク 1枚
ダウンロード販売
発売元 任天堂
開発元 ハル研究所
グッド・フィール
発売日 2010年10月14日
定価 5,524円(税別)
プレイ人数 1人~2人
セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
配信 【WiiU】2016年8月9日/2,700円
判定 なし
ポイント 全てが毛糸で彩られた世界
「カービィらしさ」は少なめ
非常に低い難易度
星のカービィシリーズリンク

概要

ライトやゲーマー問わず幅広い層に高い人気を持つ『カービィ』シリーズのひとつ。据え置き機での横スクロールアクションは『星のカービィ64』以来10年振り。
Wii初期の発表からずっと音沙汰のなかった『星のカービィ Wii』*1にファンから憤りと不安が噴出していた時期に突如発表された作品であり、結果として期待と不安を一身に受ける形となった作品でもある。


特徴・評価点

  • 全てが毛糸で表現された世界観
    • グラフィックはカービィや敵から背景まで全てが毛糸や布で表現されており、非常にほのぼのとした雰囲気を作り出している。ふんわりとした感じは、とにかく和む。
      • 車になってのダッシュ、パラシュートになってのゆっくり降下や各種メタモル能力など、カービィの変形パターンが豊富。
      • NPCや敵キャラの仕草もかなり細かく作られている。特に本作のワドルディはニセモノ設定とは思わせないほどの愛嬌からシリーズ屈指の好評を得た。
      • 綿の雪なだれといった独特な表現が多く凝っている。
    • 毛糸であることをうまく使った仕掛けやアクションなどもある。
      • チャックをあけて裏側に入ったり毛糸を絡めて足場を引っ張り寄せたりと、仕掛けはどれも遊び心があって楽しめる。
    • 近年のアクションゲームの多くがリアル調のグラフィックであるのに対し、このような可愛らしいグラフィックで表現しようとした意気込みは十分評価されるべきであろう。
  • 数多いやりこみ要素
    • 今作はカービィの部屋を模様替え出来る。単なるおまけ要素ではあるが、家具の数が非常に多い。勿論、完全クリアを目指すなら収集必須。
      • 家具は各ステージに2つずつ隠されている他、集めたビーズで購入できるものもある。
      • 依頼を受けて、希望通りの部屋をコーディネートすると新しい住人がやってくる。
      • また単純に家具を見ているだけでも実にほのぼのとした雰囲気を作り出してくれる。説明文も短文ながら凝っているものがあり、ファンシーさと合わせて童心をくすぐられること請け合い。
    • また町の住人からミッションを受ける事も出来る。指定された条件を満たすとクリア後に特定のご褒美をもらえたりする。
+ 住人とミッションの内容
  • クルリン(かくれんぼ)
    • ステージ中に隠れた5人のクルリンを探し出す。隠れ方はクルリンごとに様々。
    • よく観察していれば大抵はすぐに見つけられるが、ミッションによっては非常に短いタイムの中で探さなければならないものもある。
  • ビータン(ビーズ集め)
    • 規定数のビーズを集める。ビーズは余分に配置されていることが多く、多少取り逃しても問題は無い。
      しかし規定数がフィールド全てのビーズとなると難易度が上がるため、いかにダメージを受けず効率よく回収するかがポイントとなる。
  • コロン(おでかけ)
    • 丸まったコロンを持ち運び、指定された位置にある台座まで運ぶ。
    • 他の毛糸玉と同様、コロンを抱えている時はカービィの出来ることに制約が生じるので、先へ進むには一工夫いる。
    • なお、このミッションに限りブロントバートがコロンを連れ去る行動を取る。少し目を離したらいつの間にか居なくなっている事も……。
  • ガッチン(しゅぎょう)
    • 規定数の敵を倒す。敵は初期位置についているか無限湧きの2パターンに分けられる。
  • フミフミ(きょうそう)
    • フミフミよりも先にゴールのくす玉を引っ張れば勝ち。つまりタイムアタックである。
    • ミッション数の多さは住民の中でも最高。各ランドのステージはだいたい網羅している。
    • 各ミッションの最速タイムがそのままフミフミの速さになるため、繰り返し遊ぶたびに白熱すること請け合い。
  • 世界観とマッチした良質な音楽
    • 音楽は「毛糸」という可愛らしさ溢れる世界観に見事にマッチしており好評。特にピアノに関する評価は高い。
    • ゲーム終盤は舞台の関係もあり、全てのステージに往年のファンには懐かしいアレンジ曲が流れる。エリアエントランス、及び1番手のステージは必聴。
      • 気に入った人の為に音楽を聴けるサウンドテストもしっかり用意されており、ステージ中のCDを集めることで曲が聴けるようになる。
  • ゲームが苦手な人の為に極限まで抑えられた難易度
    • 今作はもう察しの通り「操作して楽しむアクション」ではなく「見て楽しむアクション」である。そのため難易度は幼児でもエンディングまで行ける…とも思えるぐらいに限界まで抑えられている。
    • 主なアイテムは「ビーズ」。ステージ中に設置してあったり、仕掛けを動かすと出てきたりする。敵を倒したりダメージを与えたりすることでも入手できる。
      • カービィがダメージを受けたりすると辺りにビーズをばら撒くが、あくまで収集アイテムなのでビーズが無くなっても死ぬことはない。
      • 穴に落ちたりなどのトラップにかかってもビーズが半減するだけ。死ぬことが無いし、ゲームオーバーになることも一切ない。
        とはいえ従来作と違ってホバリングがなく、毛糸をフックに引っ掛けて穴の上を進むステージが多かったりするので落下ミスは起こりやすくなっている。
      • ステージクリア時のビーズ数に応じて金・銀・銅のメダルが獲得できる。
        クリアは必ず可能なため、基本的にはメダルと家具及びCDを集めることが目標となる。
        金メダルを狙う場合は終盤でのミスが大きく響くことになる。
    • ワドルディなど一部のモブは接触してもはね飛ばされるだけで、ダメージすら受けない。もはや敵と言っていいのかどうかすら怪しい。
  • 毛糸であることを生かした斬新なアクション
    • 今作では敵を「投げる」ことが出来る。従来では「吸い込み」にあたるアクションでもあり、操作に関しても違和感なく作られているおかげですんなりと受け入れられている*2
    • ステージ内のメタモルリングを取ると様々な姿に変身する。内容はカービィを模した巨大戦車「ビッグロボ」をはじめとして、消防車の「ウォーター」やイルカの「ドルフィン」などバリエーション豊か。一部の変身は2Pと一緒にプレイしていると1人に合体し、特殊な行動が可能となる。
      • これは一時的なものでコピーとは違っている。『ヨッシーアイランド』のモーフィングのようなことだと考えて頂ければ分かりやすいかと思われる。
  • 豊富なファンサービス
    • シリーズ恒例の終盤のシューティングは健在。あの戦艦ハルバードもある。かつて生身で乗り込んだあの船へ遂に戦闘機で乗り込めるのである。
    • 本編シリーズでお馴染みの仕掛けが登場しないが、実は……などと言ったものもある。
    • 中にはストーリーデモにおけるデデデ大王の「~ぞい」口調といった、アニメ版の要素も存在する。

賛否両論点

  • 悪く言えば超ヌルゲーな調整
    • 今作最大の賛否を招いている点だとも言える。体力の概念が無く絶対にミスをしないという、そのあまりにも低い難易度は緊張感が感じられないとして従来のファンやゲーマーから特に批判された。
    • 実はボスステージでも死ぬことは無い。このことが低難度化に拍車をかけている。
      • ボス自体も行動パターンが固定化しており、ビーズ集めやチェイン維持を意識しなければ苦もなく倒せてしまう。
      • 一定以上のビーズを所持してボスを倒すことがおまけステージの出現条件となっているため、必然的にビーズ集めを意識することにはなるが、攻撃を受けてビーズを撒き散らしてもすぐに回収可能。ステージに穴の開くことがあるラスボス以外は、簡単に条件を満たせてしまう。
      • ただし金メダルを前提とするなら、道中はそれなりの難易度となる。
        + ラスボスの残念っぷり(ネタバレ注意!
      • 出だしから旧作のボス連戦を思わせる熱い演出が入ったと思いきや、実際に復活したのは2体ほどで、本体もザコを編み出して逃げ回るだけとあまり威厳が感じられない*3
      • そして第2形態はお互いに戦車(カービィはビッグロボ)となってひたすらミサイルを撃ち合う、という文字通りの連打ゲー
        • 恐らく従来の「クライマックスはシューティングバトル」という法則に乗っ取ったのだろうが、今回ばかりは最終決戦の要素として大味と言わざるを得ない*4
        • 第1形態が長いのでこちらはあくまでネタ的な存在なのだろうか?
        • 更にバトルの性質上、ひっきりなしに鳴り響くSEのせいで作曲者が「ぜひ聞いてほしい」と自信をもって語っていたBGMは掻き消され殆ど聞こえなくなってしまう。CDがないせいでサウンドテストにも収録されていないため、ポーズをかけて聴くしか方法が無い。
    • 今作は『SDX』の「メタナイトの逆襲」や『3』のピラミッドや雪崩などといった難関ステージは皆無といっていい。殆どのステージはごり押しでもクリア可能。そういった高難易度な要素はミッションに譲っている。
    • ちなみに「社長が訊く」では(システム面での)面白さよりも楽しさを目指したとの旨が語られた。
  • 「カービィらしさ」の欠如
    • 今作には「吸い込み」や「コピー能力」「ホバリング」といったカービィお馴染みの要素は存在しない。そのため、正当な続編を期待して買ったファンからは「これはカービィではない何か」として見られることとなってしまった。
      • 一応プロローグで「毛糸の体になってしまったので、吸い込もうとしても通り抜けてしまう」という理由付けはされている。『あつめて!カービィ』などのような番外編として見た方が無難かと思われる。
      • ともあれ、今作の「敵を掴む・投げる」というアクションはカービィの「吸い込み→はきだし」のようなものという解釈が出来なくはないし、初代カービィにもコピー能力自体はない。
  • 敵との戦闘を主体にしていない
    • 前述の通り「見て楽しむアクション」である本作は、シリーズでも人気のある「激しいアクション」の『SDX』のような多彩な技を駆使し敵をなぎ払うような作品ではない。そのため、爽快感が少ないともいわれる。
    • その一方で『3』のようにゆったりとした雰囲気を好むファンからは悪く受け止められてはいない。
  • 穏やかな音楽
    • BGMは雰囲気に合ってはいるのだが、聞く人によっては地味で印象に残らない音楽とも取られるということである。従来のような起伏のあるBGMを期待すると肩透かしを食らいかねない。
    • 先に挙げたラスボス戦だけはかなり毛色が異なっている。どちらかと言えば従来のカービィサウンドに近い曲調で、かつ最終決戦らしい激しさを感じさせる仕上がり。

問題点

  • 一部のミッションがイライラ仕様
    • 今作は完全にライト向けばかりにシフトしているわけでもなく、上述どおりゲーマー向けの高難易度ミッションも用意されている。しかし、本編以上に正確な操作が要求されたり、やたらと難易度が上がっているものが多い。
      • 特にビーズ集めのミッションの1つである「せんかんハルバード」は鬼門。スクロール速度2倍という補正のせいでザコ敵の処理が非常に忙しくなり、おまけにその1種であるユーフォーは撃ち出すレーザーが自機狙いに変更されているため、僅かな撃ち漏らしがクリア率の低下に繋がりかねない。
    • そのため完全クリアを目指すなら何度も同じステージをプレイさせられる事になる。当然ながら何度もやると必然的にだれてしまう。
  • 金メダルを狙う際の難易度にややばらつきがある。
    • 「ドッカンせんだん」「ヨーヒエールのうみ」等の「戻れない強制スクロール」のステージは何度もやり直すことになる。
    • 穴に落ちればビーズを失うことになるし、ビーズをばら撒いたときにも周囲の穴の有無で回収できるかが大きく左右されるため、穴の多いステージは無いステージに比べてかなり難しい。
    • 一方で、シューティングステージなどはばら撒いたビーズを一瞬で再回収できるため非常に楽である。
  • ロード時間がやや長く常時オートセーブつきでテンポがやや悪め。
    • 普通にやる分には全く気にならないものの、上記の高難易度ミッションをクリアするためにやり直す際にも何度もオートセーブの間が入るため若干ストレスがたまる。

総評

単体のアクション…というよりは雰囲気ゲーとして十分な内容。毛糸で表現された非常に美しいグラフィックや、遊び心の感じられる仕掛けは見る価値がある。

しかし吸い込みなどといった従来のシリーズ特有のアクションは無く、難易度も極限まで抑えられているためアクションゲームに慣れたゲーマーやそれまでのシリーズのファンが素直に満足できる内容とは言いがたい。
そのため、良くも悪くも『星のカービィ』シリーズとはひと味違う作品だといえる。
「誰でも楽しめる」と「誰でもクリアできる」というのは、似ているようで全く違うという事を体現しているとも言える。
純粋なHAL研内製のカービィが少ない時期故に、出来が芳しくなく不評を買ってしまった『参上!ドロッチェ団』の二の舞を危惧されつつそれなりに良い評価は得られたが、もしカービィの名を借りていなかったらもっと高かったのでは……と言われる事も多い。


その後

  • GC末期発表の『カービィGC(仮)』から、なかなか登場しなかった横スクロールアクションカービィの正当後継作。それは本作発売後に『カービィ Wii(仮)』として再発表され、翌年に無事『星のカービィ Wii』として発売に至った。
    岩田氏は一連の事情を把握していたのか、Wii作品として発表した段階から「年内に発売する」と断言してファンの希望をつないだという。
    • こちらは「カービィの新作」に往年のファンが期待するラインを十分すぎるほど満足させる評価を得たが、皮肉にもそれは、ゲームとしてのベクトルが異なる本作の肩身を更に狭めてしまう事となった。
  • 本作に登場する変身の1つ「ビックロボ」が『あつめて!カービィ』で再登場した。地味にソロ、2P用のグラフィックも用意されているなど芸が細かい。
  • 「毛糸でできた世界を冒険する」というコンセプトの任天堂&グッド・フィール作品として、のちに『ヨッシー ウールワールド』(仮タイトル『毛糸のヨッシー』)が登場した。
    • 毛糸ならではのギミックや雰囲気の可愛らしさといった点は共通するものの、こちらは本作での不評を反省してなのか難易度が比較的高めであり、なおかつヨッシーらしさを活かした作品に仕上がっている。
  • 2019年3月7日にニンテンドー3DSにて本作の移植版『毛糸のカービィ プラス』が販売された。本作品が任天堂最後の3DS用ソフトである*5。詳しくは下記を参照。

余談

  • 本作はもともと主人公がカービィではなくフラッフが主人公の『毛糸のフラッフ』として発売される予定だったが、企画が迷走しカービィの採用を機にようやく完成に至った作品である。本作の2Pキャラとなるフラッフはそれの名残である。
  • また、本作より大分昔の『夢の泉の物語』のTVCMにて毛糸で表現されたカービィや敵キャラが登場するCMが放送されていた。……予言か?
  • ほんわかしたゲームであるが、英国のゲーム雑誌Edgeにて「最も容赦ない暴力賞」を受賞した。確かに敵は容赦なく体をバラバラにされたり丸めて痛めつけられたりしているので間違ってはいないが。
  • エリア名は『64』に近い命名方式で、全て「~ランド」として統一されている。一見普通のネーミングだが、最後のランドを訪れた時には思わず納得すること請け合い。
  • ちなみにカービィシリーズで「社長が訊く」のインタビューを受けるのが今回が初となる。
  • 開発元のグッドフィールは、コナミの『がんばれゴエモンシリーズ』の開発チーム「がんばれゴエモン制作委員会」の中心スタッフ達がコナミを退職後に設立した会社である。

毛糸のカービィ プラス

【けいとのかーびぃ ぷらす】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドー3DS
メディア 3DS専用カード
ダウンロード販売
発売元 任天堂
開発元 グッド・フィール
発売日 2019年3月7日
定価 4,980円(税別)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
周辺機器 amiibo対応
判定 良作
ポイント 平成及び任天堂最後の3DSソフト
難易度はいつものカービィシリーズに戻った
操作性は少し劣化
星のカービィシリーズリンク

概要(プラス)

『毛糸のカービィ』のリメイク作品。星のカービィシリーズ初の「番外編のリメイク」であり、平成最後に発売された。


特徴(プラス)

  • ボスステージを含む全てのステージに「デビルモード」が導入された。
    • これはカービィに体力のシステムが追加され、それに加えて3種のデビルがカービィに攻撃してくるというもの。体力がなくなればゲームオーバーになる。 デビルの詳細は以下の通り。
      • オレ・デビールは棘鉄球を落としてくる。
      • ワイ・デビールはとがった頭を向けて体当たりで攻撃してくる。
      • ウチ・デビールはとがった尻尾を発射してくる。
  • さいほう能力
    • カービィが「さいほうのもと」を身に着けると使える能力。6種ある。
      あみぼう いつでも毛糸球を作れる。
      これを見につけた状態で敵やブロックを巻き取ると毛糸球が大きくなる。
      ナイロン 高速回転して攻撃が出来る他、ビーズを吸い寄せる。
      ボビン ボビンを投げて攻撃できる。
      ハリガネ 針金でできた剣を振って攻撃できる。
      マチバリ 針を投げて攻撃できる。
      ボタン 爆弾を投げて攻撃できる。
  • 本作で追加されたミニゲーム
    • メタナイトスラッシュ
      • メタナイトを操作してアイロンビーズを集めていく。
      • アイロンビーズはステージに落ちているものの他、敵を倒すことで手に入る。
      • ゲージを貯めると放電で画面全体を攻撃できる。 あつめたビーズ、ルミナス、倒した敵が多いほどランクが高くなる。
  • デデデでドドド
    • ステージを駆け抜けるデデデを加速、ジャンプ、攻撃、ヘッドスライディングを使い分けて進む。
    • あつめたビーズ、ルミナス、ゴールにかかった時間でランクが決まる。
  • 両社とも高いランクを得るとアイロンビーズのプレートが増えていき、集めたビーズやルミナスでアイロンビーズを作れる。
  • カービィの部屋のインテリアを3つまで登録できるようになった。

評価点(プラス)

  • デビルモードの導入により、難易度面が改善された。
    • 前作はゲームオーバーがないだけでなく、敵の攻撃があまり激しくないため難易度が物足りなかったが、本作では大きく改善された。
    • ステージごとに「ゴールした時の最高体力」が記録される。それに合わせてスタンプがもらえ、スタンプを集めるとカテゴリが「ユニーク」に分類されるインテリアが手に入る。
    • リメイク前と同じ「デビルが出ない」「ゲームオーバーにならない」モードも「ノーマルモード」として導入されている。
      • ノーマルモードとデビルモードは各ステージ開始時に選択する形式。「たからもの」はノーマルモードで集めてスタンプはデビルモードで集める、といったことも可能。
  • amiiboで特殊なさいほう能力を入手できる。
  • さいほう能力によってカービィらしさが補填された。
    • 従来作のコピー能力に相当する能力といえるため、カービィらしさが出ている。
    • ナイロンはトルネイド、ボビンはヨーヨー、ハリガネはソード、マチバリはニンジャ、ボタンはボムを髣髴とさせる。
  • アイロンビーズや「ユニーク」に分類されるインテリアが増え、インテリアの数が増えた。

問題点(プラス)

  • メタモル能力『エスエル』の操作性が悪くなった。
    • リメイク前はリモコンによるポイントで線路を引いていたが、本作はスライドパッド/十字ボタンでカーソルを動かして線路を引くようになったため、かなり操作性が悪くなった。下手したらカービィの走行についていけなくなる可能性もある。
      • リメイク前ではポイント操作に対応していた点は全てタッチ操作に対応させるべきだっただろう。
  • 敵にひっかけアクションをする場合はさいほう能力を解除する必要があるが、さいほうのもとは外した後もステージをはね回る為、間違って再び拾ってしまいやすく、少々鬱陶しい。
    • 従来作のコピー能力も解除した後は能力の星がステージを跳ね回るが、あちらは吸い込んで吐き出すことで消してしまうことができるのに対し、さいほうのもとは時間経過で消えるのを待つことしかできない。消えるまでの時間も割と長め。
    • さいほう能力の有無をオプションで選ぶことはできない。
  • 本編のステージ数・内容がリメイク前とほぼ同じ。
    • 各ステージにはさいほうのもとが配置されているが、ステージの仕掛けはリメイク前と同じなのでさいほう能力を使用することが想定されていない。したがって、想定された解き方を完全に無視できてしまうような場所も多い。
      • やりこみによるテクニックなどではなく、初見でも目の前の仕掛けに普通にさいほう能力を使うだけで無視できてしまうような箇所もある。
    • さいほう能力に合わせたステージもないため、使う楽しみもやや弱い。
      • 従来作では新しく手に入れたコピー能力を使うと気持ちよく進めるようなステージや、特定のコピー能力が必要な仕掛けが用意されていた。
  • デビルモードもステージの変化は「デビルの妨害」と「フラッフが回復アイテムを渡しに来る」だけ。
    • ボス戦もボス自体の変化はない。アミーボ・ロボに至ってはデビルが出ないため、一切変化がない。
      • もっとも、アミーボ・アモーレはデビルモードの場合はそれなりに難度が高くなるため、強化したらしたで「デビルモードは過度に難易度が高い」となったかもしれない。
  • デビルモードではデビルが出現している間はBGMが変化するが、それが一曲しかない。
    • 歯ごたえを求める場合やアイテムコンプリートを目指す場合、最初のステージから最後のステージまで*6延々と同じ曲を聞くことになる。
      • デビルに攻撃を当てて追い払えばBGMは戻るが、しばらくすると再び出現するのでステージBGMは途切れ途切れになってしまう。
  • デビルモードは回復手段がかなり少ない
    • ステージ中盤で全回復のアイテムを渡されるだけ。コンプリートには体力が満タンの状態でゴールする必要がある為、ステージによってはやや過剰に難度が高い。
      • 強制スクロール+ダメージを受けるギミックが多い+挙動に癖があり攻撃手段が限られる『U.F.O.』を強制される『ペラペラのもり』などはかなりの鬼門。
      • チェックポイントなどはないため、失敗するとステージの最初からやり直すしかない。
      • もっとも、「クリアするだけならやさしい、コンプリートを目指すと歯ごたえがある」はカービィシリーズの常ではあるのだが。
  • 2人協力プレイが廃止され、1人プレイ専用となった。
    • 2Pキャラだったフラッフは完全にサポートに徹するようになった。
    • 『ビッグロボ』『バギー』等の2人プレイ時に追加の能力を得ていたメタモル能力も本作では見ることができない。

総評(プラス)

Wii版で指摘したカービィ要素の少なさと難易度低下をデビルモードやさいほう能力によって「難易度の改善」と「カービィ要素の増加」といった点をしっかり補った。
操作性がWii版より劣化してしまった事で難しくなる部分や新ステージ追加無し、2人プレイの廃止等の不満はそれなりにあるが、リメイク作品らしく問題だったところは直し、3DS最後のソフトとして「有終の美を飾った」と言える。


余談(プラス)

  • 2023年現在における今作
    • 今作は発売が3DS末期に発売されたソフトでもあるのだが、ハードの末期に発売されたソフトらしく現在はパッケージ版の値段が定価以上に跳ね上がっていて、ニンテンドーeショップの閉店によってDL版の新規ダウンロードが不能になった現在では同ハードにおけるプレミアソフトの一つとして位置づけられる様になった。
    • これらの事から、今作は現行ハード移植への願望も上がりつつある。
  • 「角川つばさ文庫」で本作を元にした小説「星のカービィ 毛糸の世界で大事件!」が発行された。

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  • HAL研究所

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最終更新:2023年12月05日 02:36

*1 大元は『カービィGC』(仮称)だったので、正確にはGC時代にまで遡ることになる。

*2 投げるアクション自体は過去作にあったもので言えば、「スロウ」のコピー能力や『64』のリフトアップに近い。

*3 ゲーム中での描写から戦闘向きのキャラではないという捉え方もできなくはないが……。『3』のアドもしくは『64』のアドレーヌと似たようなものだが、こちらはエリアボスや中ボスの位置にいる。

*4 どちらも機動力の関係上、実質動かない砲台に等しい。そのため回避を考えずにただ撃って押し切るだけでクリアできるようになっている。2Pプレイだとビッグロボの出来る行動が増えるのでますます一方的な勝負と化す。

*5 2019年6月以降発売予定ソフトが0本となり、3DSは事実上歴史を終えた。

*6 ボスステージは元の曲のまま