ファイアーエムブレム 聖魔の光石

【ふぁいあーえむぶれむ せいまのこうせき】

ジャンル ロールプレイングシミュレーション
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 任天堂
開発元 インテリジェントシステムズ
フラグシップ
発売日 2004年10月7日
定価 4,571円(税別)
プレイ人数 【GBA】1~4人
【3DS/WiiU】1人
セーブデータ 3個(FRAM)
レーティング CERO:全年齢(全年齢対象)
周辺機器 GBA専用通信ケーブル対応
配信 【3DS】アンバサダー・プログラム
【WiiU】バーチャルコンソール:2014年8月6日/702円
判定 なし
ポイント 『外伝』を彷彿とさせるゲームデザイン
初心者にはプレイしやすい難易度とシステム
ボリューム・ストーリーは薄め
前2作からの素材流用が多い
ファイアーエムブレムシリーズ


概要

蒼炎』の初報公開直後、唐突に発表され、その後半年ほどで発売という意表をついたシリーズ8作目。
主人公が男女の2人制、経験値稼ぎが自由、魔物系の敵ユニット、クラスチェンジ分岐など、FCの第2作『外伝』を彷彿とさせるシステムを採用しているのが特徴。
またシリーズでは初めて、他のシリーズ作と関連を持たない(続編が出ておらず、舞台を共有していない)作品でもある。


特徴・前作からの変更点

  • 2人の主人公とルート選択式
    • 本作の主人公はルネスの王女エイリークと王子エフラムという双子の兄妹。序盤はエイリークを操作する展開が続く(エフラムを操作するマップも合間に挟まれる)が、物語中盤の8章クリア後にどちらを主人公にしたルートに進むかを選択することになる。
      • その際、選ばなかった方の主人公以外の味方ユニットも全員使えるようになる。
    • ルートによってストーリーやマップは異なる*1。仲間になるユニットにも変わりはないが、加入の方法やタイミングが異なる。16章クリア後は再びルートは統合され、2人の主人公が合流し終章に進んでいく。
      • 輸送隊の付属や制圧の権利などは選択した主人公のものになる。
  • ワールドマップと魔物の出現
    • 外伝』と似たワールドマップ制を採用しており、章間は自由にマップ上を移動できる。既にクリアした地点では、そのマップにあった武器屋・道具屋で買い物することも可能。
    • 8章クリア以降、マップ上には敵シンボルとして「魔物」が出現することもあり、その地点に移動すると戦闘が始まる。
      • コマンドで「退却」を選ぶと好きなタイミングでマップから離脱でき、魔物も消滅する。
    • また「ヴェルニの塔」「ラグドゥ遺跡」という階層式のダンジョンもマップ上に存在し、入ると魔物との戦闘となる。
      • 一度ダンジョンに入ると、クリアするか退却するまでワールドマップには戻れず記録も不可能。またマップ上の宝箱を開けるとアイテムや資金も入手できる。
    • 魔物は章クリアやダンジョンの出入りで復活し無限に湧くため、他のシリーズ作に比べて非常に自由に経験値を稼ぐことが可能になっている。
  • 分岐クラスチェンジ
    • 下級職から上級職にクラスチェンジする際、クラスチェンジ先を2種類から選択するようになった(ロードを除く)。
      • 例えばソシアルナイトはパラディンかグレートナイト、魔道士は賢者かマージナイトのどちらかにクラスチェンジできる。
  • 見習いクラス
    • 「新人兵士」「かけだし戦士」「魔道士見習い」という見習いクラスが登場。『外伝』の「むらびと」のような最下級職で、レベル10になると自動的に下級職にクラスチェンジする。
      • エイリーク&エフラム編を両方クリアすると隠し要素として、見習い職から「上級の見習い職」へのクラスチェンジも可能。この場合必殺確率に補正がプラスされる。「見習い魔法使い」は必殺補正は無いが光と闇魔法も使えるようになる。
  • スキル
    • 聖戦の系譜』などにあったスキルシステムが一部復活。他のシリーズ作品のようにキャラ自身が習得するのではなく、特定の上級職に専用スキルが紐づけされた仕様になっている。
  • 難易度設定
    • 難易度は「はじめて」「ふつう」「むずかしい」の3段階で、すべて最初から選べる。
      • 「はじめて」は前作『封印』と同様に序盤に丁寧なチュートリアルがあり、マップ上で指示通り操作することで基本システムを学べる。
        「ふつう」にはチュートリアルがなく自由に操作できるがそれ以外の部分は「はじめて」と同じ。要するにこれらは従来でいうところの「ノーマル」に該当する難易度。
        「むずかしい」にもチュートリアルが無く、敵の強化などによって難易度が上がっている。言わずもがなこちらは「ハード」である。
  • 評価の廃止
    • クリア後にターン数や生存ユニット数で評価されるシステムは廃止された。
    • 一方、エキストラマップの「ヴェルニの塔」「ラグドゥ遺跡」を全層クリアした後はそれまでの魔物撃破数やターン数などが記録され、最少出撃数、最少ターン、最速クリアを目指すやり込み要素が生まれた。
  • 輸送隊
    • 輸送隊は特定ユニットとして独立していた『烈火』までの仕様から、『紋章の謎』のように、主人公と主人公に隣接したユニットならいつでもアクセス可能な仕様に戻った。
  • 既存クラスの使用武器や仕様などの多くが変更されている。
    • 前2作では剣・槍・斧が使えたパラディンは斧が使えなくなっている。
      • 追加されたソシアルナイトのもう1つの上級職「グレートナイト」に譲った為だろう。
      • また、ソシアルナイトとパラディン以外の騎馬系クラスの移動力が前作から1減少されている。
    • ジェネラルが剣も使えるようになった。
    • 賢者が光、ドルイドが理魔法も使えるようになった。*2
    • 前2作では理魔法使いだったヴァルキュリアが光魔法使いになった。
      • こちらも追加された「マージナイト」が理魔法使いになっている。
    • 盗賊も海賊と同じ「覇者の証」でCCするようになった。
  • 世界観に合わせた名称の細かな変更
    • 前2作まであったクラス「遊牧民・遊牧騎兵」と武器の「倭刀」は、やや中東寄りの本作の世界観に合わせて「フォレストナイト(上級職のみ)」と「シャムシール」に変更されている。
    • 騎馬系特効の剣「長柄刀」が「斬馬刀」になっている。
    • 前作では「狂戦士」と表記されていたバーサーカーが、バーサーカー表記に戻った。

評価点

  • 初心者に優しいシステム
    • 前述の通り、本作は経験値稼ぎが自由かつ容易に可能なため、「経験値を強いユニットに集中させすぎて他のユニットが育たず、戦力の頭数が足りずに苦しくなる」という初心者にありがちな状況に陥っても解決しやすくなった。
    • 加えてクリア済みマップに存在した店は後から自由に立ち寄ることが可能なため、武器やアイテムを買い忘れて困るという問題も避けやすくなった。
    • ヘルプ機能として「辞書」というコマンドを選ぶと用語やシステムの説明をいつでも見られるようになった。
    • 従来のシビアなシステムが緩和されたことや、後述の難易度の低さから、シリーズ初心者にとってはプレイしやすい作りになっていると言える。「初めて自力でクリア出来たFE」と評されることもしばしば。
  • ユニット性能のバランス
    • 従来のシリーズでは「性能が悪く活躍させるのが難しいユニット」がいることもしばしばあったが、本作はGBA最終作ということもあってか、ユニット毎のバランスはかなりいい。
    • 登場するキャラクターの数は絞られている分、同じクラスのキャラ同士のステータスの差別化が図られている。
    • 自由に経験値稼ぎができるので、低レベルで加入するユニットの育成も大きく楽になった。
    • ユニットの強弱こそはもちろんあるが全体的に成長しやすく、難易度の低さも相まって好きなキャラを使って攻略しやすい。
      • 初期値・成長率などステータス面で純粋に「弱い」と言い切れるのはローグのレナックとファルコンナイトのシレーネくらい。
        それでも前者は他に一人しか持ち主が居ないスキル「鍵開け」と「盗む」を持っており*3、後者も貴重な飛行ユニットであることやトライアングルアタックの存在もあって、特徴を意識して使えば活躍の機会は十分確保されている部類。
  • クリア後のやり込み育成
    • 本編クリア後は「大陸の魔物退治」という名目でマップ上を自由に行き来し、本編と同様に発生する魔物とエンドレスに戦える。
    • 従来の「トライアルマップ」と違い、本編の延長という扱いなのでユニットには経験値が入り、更なるレベルアップが可能。無論、キャラが倒された場合は死亡してしまう。
      • また前述のダンジョンをクリアすることで、本編に登場したボスや戦うことのなかった仲間が自軍に加入しユニットとして使える*4というお楽しみ要素もある。
    • 闘技場以外の施設は継続利用でき、メンバーカードを持っていれば秘密の店で各種ドーピングアイテムや強力な武器なども購入できる。他作品では大抵一品物の「ブーツ」も一部の敵のドロップという形で一応量産出来る為、資金さえ稼げば(理論上は)全ユニットの全ステータスをカンストさせることも可能。
      • 資金もヴェルニの塔やラグドゥ遺跡などで高価なアイテムが理論上無尽蔵に入手可能なので基本的に困らない。
    • 今までの過去作はクリア後に引き継ぎなどはなく、おまけマップ(経験値が入らない・セーブされない)をクリアしたデータで遊べる程度のものだったため、シリーズでは珍しい本作の仕様を歓迎し、育成のやり込みにかけるユーザーも少なくない。
  • クラスチェンジ分岐による幅広い選択肢
    • 同じユニットでもクラスチェンジ先によって性能や使い勝手が変わってくるため、より自由度の高い育成や編成が可能になった。
    • 後の『新・暗黒竜』の兵種変更は自由度が高すぎて賛否両論を産んだが、本作では2種類(見習い職は4種類)から選択する方式であるため、そこまで極端にキャラのイメージ・性能を壊すような仕様ではない。
    • FEシリーズにおいては、ユニットの出撃回数と枠が限られているために育成するユニットの取捨選択を迫られる場合が多々あるのだが、今作はその気になればすべてのユニットを最高レベルに育成することすら可能である。
      • これら育成自由度の高さは、以後の作品においても更にブラッシュアップされた上で取り込まれている。
  • ユニットのスキルシステムが不完全ながら復活した。
    • 他のシリーズと比べると効果は抑え目で、使用武器が限られている上級職へのフォローとしての側面が強い。
    • 中でも司祭の「魔物特効(魔物への攻撃全てに特効が付く)」やサマナーの「召喚(亡霊戦士を1人召喚し、自軍として操れる)」は非常に有用。
  • 見所が多いストーリー
    • 下記するように本編自体は短めだが、余計な回り道を廃してその分を二方面からのストーリー描写に集中することで、ルネスとグラド両国の視点や立場から主人公の双子とその親友であるリオンの描写を濃くする事には成功している。
    • 分岐時もそうだが、合流後もリオンの設定や振る舞い、リオンに接する両者の感情や心理といった描写がどちらのルートを選んだかで結構異なっており、両者分見ておくとより彼ら三人の関係性の深さや複雑な感情を実感できるだろう。
    • 両方のストーリーをプレイするには周回プレイが必須だが、前述の分岐クラスチェンジの存在や一周が短めなこともあり、比較的周回しやすい。
    • ただし、見逃せない粗も多い。詳細は問題点の項目にて。
  • キャラクターの濃い描写
    • 加入するユニット数は少なめだが、支援会話の数自体はGBA他2作と同等。ゆえに、キャラ1人ごとの会話量が多く、性格や生い立ちなどを深く描写できている。
    • 女性ユニットは今までのFEで定番の設定を持つキャラだけではなく、英雄に憧れて魔物退治の旅に出た大胆な性格のわがままお姫様のラーチェルや、「私、優秀ですから」が口癖でイタズラ好きかつ負けず嫌いな学者肌の魔導士ルーテなど、これまでにない個性的なタイプのキャラもいる。
    • 男性ユニットの年齢層は幼い少年からヒゲ面のおっさんまでと幅広い上に一癖ある濃いキャラが多く、支援会話も一風変わったものが多い。特にルネスの隣国フレリア王子・ヒーニアスに関しては話題に挙がりやすい、詳しくは余談の項目にて。
      • 会話部分でネタキャラとして弄られる傾向から彼はあまり強くない…と思われがちだが、彼自身は上級職での加入ながら初期ステータス&成長率がそこそこで支援相手にも恵まれており、それらを加味して育てれば1軍の即戦力として充分戦えるキャラである。
  • 音楽の評価はシリーズ中でも高い。
    • それまでシリーズの音楽に携わっていた辻横由佳氏は、同時制作中であった『蒼炎』との兼ね合いで監修(サウンドスーパーバイザー名義)の立場であり本作へ直接関わってはいないが、それでもGBA最終作だけあって音源をフルに活かしたBGMがゲームに華を添える。
      • 勇ましい曲調でエフラムを体現したかのような5章外伝BGM「Follow me!」や、*59章以降の「不動なる志」、主人公の双子が合流していよいよ話も終盤に差し掛かった時期の自軍フェイズBGM「真実 絶望 そして希望」、そして二人の親友であり騒動の中心人物であるリオン戦での「哀しき皇子」などは特にファンの間でも名前が挙がりやすい。
      • GBA作品でおなじみとなった過去作BGMをアレンジした闘技場曲は、『外伝』の「戦い1」(通常戦闘曲)を採用している。
        上記の通り、本作は非常に『外伝』を意識した要素が多いため納得の曲選といえるだろう。
  • 最初から仲間にいる上級職のパラディン・ゼトは従来のお助けユニットの中では異例の高い成長率を持ち、相手の弱さもあって中盤以降も普通に起用出来るどころか、多少成長させれば「むずかしい」でもエースになれる。「ふつう」に至っては外部書籍のあるきかたシリーズでゼト1人でのクリアが実現した程。
    • いわゆるジェイガンやマーカスのような「初期ステータスは高いが、成長率の低い老騎士」「序盤だけ活躍できるお助けキャラ」的ポジションと違い、完全なエース候補となっており、彼に頼りきりでも多くの局面を乗り切れてしまう。
    • 初心者に対する救済要素でもあるのだが、ややバランスを大味にしている面は否めない。
      • もっともゼトは彼等と違って若い聖騎士であり、若さゆえのヒロイックな展開も魅力的なキャラでストーリー終盤にかけても出番が多く、キャラクターそのものは好評。
    • ゼトを皮切りに、本作以降のシリーズでは「お助けパラディン」は成長率が高めに設定され、終盤まで第一線で使えるユニットであることが多くなった。
  • 一部のステージはそれなりに難易度が高く、ステージ構成に関しては評価されているものもある。
    • 特にエフラム編11章は四方八方から強襲する陸の魔物に空を飛ぶ魔物と対処が難しく、よりによって敵主力の反対側に現れる味方NPC、トドメとばかりに索敵マップ、と稼ぎなしだと作中最も手ごわい高難度マップで、初心者はまず確実に躓くポイントである。
    • 「むずかしい」モードのエイリーク編13章も、防衛マップながら背後から以前の章で対峙し撤退したボス(賢者)が、ステータスを大きく上昇させ私兵を率いて増援として出現する。その高さたるや難易度を考慮しても場違いなレベルであり、オマケに遠距離光魔法のパージも放ってくる為、よほど鍛えていない限り次々とユニットが倒されてしまう。彼が率いるソードキラー持ちのウォーリアもかなりの強敵。
    • 本編での低さの反面、クリア後の「ラグドゥ遺跡」の深層に行くと上級職LV20近くの魔物が多数を占めるようになり、むずかしいモードだと流石にステータスも馬鹿に出来ない値になり、装備もそれなりに強力になるので油断は出来なくなる。
  • クリア後の要素が豊富。
    • 本作では、ゲームをクリアした後も「大陸の魔物退治」という名目で引き続きプレイが可能。また、特定の条件を満たすことで敵対していたユニットやNPCを味方として使用できる。
      • 敵対ユニットを使えるようになる点は前々作『封印』でも見受けられたが、あちらはトライアルマップでしか使えなかったのに対し、こちらはクリア後であればいつでも使用可能になっている。

賛否両論点

  • 敵のパラメーター自体は前作とほぼ変わっていないが、味方の成長率が全体的に上昇傾向にあることもあり、中盤以降になると闘技場やエクストラダンジョンでの経験値稼ぎをしなくてもゴリ押しが通用しやすい。
    • 本作最高難度「むずかしい」でも、終章近くになっても鉄や鋼武器を装備した下級職がまばらに配置されているなど、難易度は基本的に抑えめ。
  • マップ自体も『封印』のように敵の純粋な能力で押して来る訳でも、『烈火』のように増援の量や巧みな敵配置や敵装備の変更等で攻めてくる訳でもない。
    • 前作のヘクトル編ハードのような「手ごわいシミュレーション」を求めるシリーズファンからは物足りなさを訴える声も少なくない。
    • なお、 海外版でテコ入れとして難易度が上がっている。
      一部平地に居るボスが砦に移動している、増援の出現ターンが早まる、動かないボスが動いてくるようになる、直接攻撃しか出来ないボスが間接武器を持っているなど。
  • 上記の通り3つの難易度設定があるが、違いが解りづらい。
    • 「はじめて」と「ふつう」の違いは、前作のリン編のように「チュートリアルを兼ねた内容の会話の有無」のみ。その会話がなくなる時期から敵が強くなるなどの違いはない。
      • 海外版ではこの「ふつう」に相当するモードでは難易度上昇の処置がなされている。
    • ただし、『封印』は「エキストラ」の項目にチュートリアルがあり、初心者が存在に気付きにくく、『烈火』ではリン編ノーマルでチュートリアルが強制されるので、上級者には不評という問題があったという背景は理解すべきだろう。

エフラム絡みの描写について

  • 本編開始時点ではエイリークと別行動を取っており、その中で絶体絶命という状況に陥った中、敵の拠点の1つに「文字通りたった4人で奇襲をかけて制圧する」というとんでもない作戦を決行し、成功させてしまう。
    • もっとも彼はその拠点が手薄で自分たちの奇襲など想定していないだろうと読んでおり、武器や食糧なども尽きていたため多少無茶でも打開策を講じなければどの道敗北は必至で、後のイベントを見るに敵もエフラムたちを誘い出すために敢えて拠点を手薄にしていたことが分かる。彼らの動向を見張るための内通者の存在も後で判明するため、ここまでは展開としてはそこまでおかしな部分でもない。
    • 問題はその章のクリア後。敵の目論見通り、エフラムたちは敵将を含む大軍に完全に包囲された。が、 そんな状況でもそのまま逃げ切ってエイリーク達と合流する。
      • この拠点は周りを湖で囲まれており、仲間には飛行系ユニットもおらず、広範囲を完全に包囲するレベルの大軍相手な為、地の利を活かして逃げ切るにしても無理がある。展開としてはいくら何でも厳しい。
    • しかし、上記のような無謀な策をとるのは絶体絶命な状況になった時だけで、普段は兵の損害の少ない慎重な戦法をとっており、輸送隊を守る後方の兵を前線に回す提案をするゼトを退ける一幕も。とは言え、エフラム本人も有事の自らの作戦の無謀さはある程度自覚はしているようで、従騎士や妹を諭したりもしているのだが。
      • 序盤こそ王子という立場でありながら、槍一本でのし上がる傭兵のような生き方に憧れるなど王族としての自覚に欠けたような描写も目立ったが、終盤の王都奪還後には民衆の声やゼトの忠言などもあって次代の王としての自覚を見せたり、リオンの末路を看取った上でその後のルネスとグラド両国の復興・関係修復に尽力する…というシーンも見受けられる。彼は単純に「突撃バカ」「勢い任せの脳筋」という訳でもない。

問題点

  • 本編が(序章と外伝を含めても)全23章と従来と比べて少なめ。
    • これは、初代のリメイク作である『紋章』と同程度であり、同じGBAで発売された『封印』は外伝を含めると30章、『烈火』に至ってはリン編を含めると40章近くあるため一周あたりのボリュームの差は否めない。
      • 本作はルート分岐の差分があるが、『封印』『烈火』にも同程度の差分は存在する。
      • ただし本作は前述の通りダンジョンが2つ(「ヴェルニの塔」は全8階層、「ラグドゥ遺跡」は全10階層)あるのでその分を足すなら従来並と言える。
    • 章数の減少に合わせてか本編で加入するキャラクターの数も少なく、章数が同程度であるSFCの『紋章』よりもキャラ数が少ない。
    • ストーリーも中盤まではグラド帝国が引き起こした戦争を終結させ、それ以降はその黒幕との決着に奔走する構成なのだが、尺の短さからか「戦争」と「黒幕」のどちらの部分のいまひとつ掘り下げきれていない感が漂っている。
  • ツッコミどころが多く、描写の浅いシナリオ。
    • 評価点にもあるように、主人公の双子とリオン周りについてはそれなりに描写されているが、ストーリーの大筋の展開や細々とした設定が従来に比べるとおざなりになっており、一部主要級キャラクターについても首を傾げざるを得ない点が存在する。
+ シナリオ面での突っ込みどころ(ネタバレ)
  • 序盤で仲間になる剣士、ヨシュアの扱い。
    • 自由気ままに各国を巡る傭兵(クラスは剣士)で、シリーズではおなじみの所謂「寝返りキルソード剣士系キャラ」なのだがその実、シナリオ上重要な国家の王子である。それがそのような背景は本編では勿論、支援会話でもおくびにも出さない為、初見プレイでは推測すら難しい。他の王族キャラとは異なり、こういった要素から登場章以降はストーリー上の会話でほぼ出番も無い。
      • 彼自身、立場上簡単に身分が割れないように振舞っているため「正体を隠す」という面で見ると妥当ではあるが、プレイヤーにさえ察知出来ない程完璧に演じきっている為、却って身分発覚の場面での唐突感に繋がってしまっている。
      • 倒されると他のユニット同様「死亡」するのだが、ストーリーの展開上彼が唯一の王族であり、彼の生死がそのままその王国の存亡に関わっている。聖石と双聖器がある主要国家の王族という事で、本編中出番の多いヒーニアスやラーチェルと同等の立場である。それなのに彼のみ出番が殆ど無く、扱いも汎用ユニットと同じというのは違和感がある。
    • なお、主人公以外にシナリオに関わる王族が何人か加入するが、ヨシュアとターナ以外はシナリオに大きく関わるために倒されても全員「撤退」扱いに留まっている。
      • ちなみに上記の設定に触れるのはエイリーク編のみで、エフラム編ではエピローグ以外で全く触れられない。
        ヨシュアであるボスと戦うと会話が発生するが、エイリーク編では彼が母の仇と知っているために怒りを滾らせるという重い会話なのに対し、エフラム編では傭兵時代の思い出話というありふれた話題になる。勿論、イベントまでにヨシュアが死ぬとその事実を知る由もない。
  • 帝国六将の一人であるグレンは、序盤で幾度か顔を見せ、エイリーク編ではグラド城でクーガーやヴァルターとの会話の中でヴァルターとの因縁が明かされ、後にカルチノでエイリークの人柄に触れてグラド皇帝の異変を本格的に怪しむ…と、敵軍側の善人ポジションとして動くが、主人公たちと出会わないままヴァルターに殺されてしまう。帝国六将の中でも、唯一本編ステージで対峙しない将軍でもあるので、他の六将と比べるといまいち印象が薄い。
    • エフラム編に至っては皇帝とのやり取りの後そのままフェードアウトし、その後ある民家に訪れると情報屋らしき住民から死亡したと言われるのみというあっけない扱い。初回プレイがエフラム編だとあまりに唐突である。
  • 終盤、グラド軍が戦争に敗北した後にも残党と交戦するのだが、これらを率いているのは六将とはいえ邪な神官であるはずのアーヴ1人。旗印とすべき王族のリオンは表向きには姿を晦ましており、なぜ魔物をも率いるアーヴについて戦っているのかという残党側の描写や説明が全くといっていいほど無い。言ってしまうならば、魔物以外の人間の敵の数合わせ要員にしかなっていない。
    • 一応16章の冒頭イベントで残党兵士の会話はあるが、仮にも主であるリオンやオルソンの陰口を叩いたりルネス王城の財宝を頂いたらとっとと逃げると宣うなど正規兵とは思えない粗暴な面々で、とても敗戦国に付き従うようには見えない。
    • 『封印』でも敗戦した国の残党と戦うステージがあるが、冒頭会話で祖国への誇りと残った将軍への忠誠心から集結したという残党側や王女の台詞がある。
  • 過去作と比べ、今作のラスボス「魔王フォデス」の立場が薄い。
    • これまでのラスボスやそれを取り巻く組織にはそれなりに一筋縄ではいかない因縁や背景、行動理念を秘めており、邪悪ではあったが共感が残る部分や台詞が本シリーズの魅力の一つであった。
    • 翻ってフォデスは「かつて世界を征服しようとした魔王」以上に特徴が無く、バックボーンも従来作品ほど語られず、本人が登場するのは実質的に最終マップだけ。
      • 途中まで敵役のリオンに憑依しており、リオンの暗躍≒魔王の暗躍とみて相違ない。そのため魔王こそ黒幕であり元凶であるのは確かだが、シナリオはリオンに憑依した魔王というより憑依されたリオンに焦点を当てているので、彼に見せ場を食われている印象が否めない。
    • ステータス自体は歴代でもトップクラスであり、特にHPは前作同様通常ユニットの最大値の二倍の120を誇っている。
    • だが、シナリオを進めるごとに自動的に入手できるSランク武器の「双聖器」は(問題点の項にもあるとおりグレイプニルを除いて)、全て ラスボスに対して特効を持っている
      加えて 司祭の光魔法、マムクートの竜石でも特効が付く 為、ラスボスに特効を持つ武器が限られる『封印』『烈火』と違って非常に多くのキャラで致命的な大ダメージを容易に与えられてしまう。素早さもさして高くなく容易に追撃できてしまうため、鍛えたユニットなら1コマンドキルがあっさり可能なほど弱く、まったく歯ごたえがない。
      • その上、最初に装備しているラスボスの攻撃は射程1なので、間接攻撃で一方的に倒せてしまう。攻撃範囲については『烈火』で一度解決した筈の問題点である。海外版では最初から間接攻撃可能な武器を装備している。
    • またGBAシリーズのラスボスでは唯一、ターン毎に周囲に取り巻きの魔物を複数召喚するのだが、呼び出す魔物は何故か下級職であり、当然ステータスは場違いに低いため全く脅威にならない。これも海外版では上級職に変更されている。
      • しかし、まれに非常に命中の高い広範囲スリープを使う上に、ラスボスでは珍しく自分から移動してくる特性も備えているため、油断して放置していると甚大な被害を受けることも。夫々の攻撃もまともに喰らうとエース級のユニットでも危険で、初見殺し性はそれなりにある。
      • これ以前のFEもラスボスそのものが強かった例は、前作「烈火」を除いてあまりないため、全体的に難易度の低い本作のラスボスが一際弱いのは仕方ないかもしれない。
      • だが、これを受けてか、次回作の『蒼炎の軌跡』のラスボスは歴代最強と言われるまでに飛躍的に強化された。それ以降も、リメイク版を含めて苦戦を強いられるラスボスが非常に多くなっている。
  • 「過去の英雄」の設定付けもおざなり。
    • 英雄の一人グラドがグラド帝国を建国した事、ラトナが魔王の憑依に打ち勝った稀少な存在でラーチェルが憧れている程度しか語られず、多少とはいえ夫々の人物像や活躍が語られた『封印』『烈火』の「八神将」と違い印象が非常に薄い。
    • その上、彼らが使っていたとされる「双聖器」についても殆ど説明されず、入手も各国の聖石のありかを調べるor回収するついでや、伝令が運んでくる等全てがイベントでの自動入手な上、聖石の傍にあるにもかかわらず敵軍からは総じてガン無視されるぞんざいな扱い。
      魔物特効という本作において幅広い敵に通用する特性こそ持っているが、『烈火』と違ってこれに頼らなければキツい場面も少ない為、武器としての印象も薄い。
      • 『封印』『烈火』での同じポジションでの「神将器」は、二つ以外は全て専用の外伝をクリアしなければ入手できず、全て揃わなければトゥルーエンドに辿り着けない、ストーリー上でも敵国があの手この手で主人公たちに渡らない措置をとっておりストーリーの出来事の根幹に関わっている事が終盤明かされるなどしており、その扱いは雲泥の差。
  • 本作のキーパーソンの1人としてマムクートのミルラが序盤から登場するのだが、その出立の場面やその後のエフラムとの出会いなど重要な描写が殆どされておらず、彼女およびマムクートの立場が浮ついてしまっている。エフラムとの出会いは彼の会話の中で語られるが、回想シーン程度でも当時の場面が見えない以上、唐突な感が拭いきれない。ミルラやサレフの台詞をかいつまんでいくと一応おおよその経緯を理解する事は可能だが。
    • 最終盤、彼女の育ての親であるムルヴァが登場するも、リオンとの僅かな会話イベントでしか出番が無く、人物像や立ち位置がミルラ以上に不鮮明。上記のグレン以上におざなりという意見も。
  • グラフィックやステータスに全2作からの使いまわされているものが多い。
    • 前作のような一部キャラ専用のグラフィック等は用意されておらず、女性アサシン専用グラフィックなども用意されていなかったり、ルーテは魔道士時は短髪(「烈火」のニノの流用)なのに賢者にすると長髪になる(「烈火」のソーニャ・リムステラの流用)というちぐはぐな扱いな為、顔グラフィックとの食い違いが生じてしまっている。
    • 主人公2人の上級職「マスターロード」は戦闘グラフィックが前作のロードナイトを大きく使い回しており、エフラムに至っては攻撃モーションの大半もコンパチ。今までは存在した専用最強武器の専用攻撃モーションも存在しない。一応『烈火』と同じく専用BGMは流れるが。
    • また、何故か双聖器の闇魔法・グレイプニルは魔物特効が存在しない。前作の闇魔法ゲスペンストと性能が一致している事から、流用にあたって特効を設定し忘れたものと思われる。
  • スナイパーのスキルが微妙
    • スナイパーの100%攻撃が当たるようになる「必的」というスキルの必要性が疑問視されがち。
      「スナイパーは素の命中率が高いためスキルが無くても安定した命中を狙える」
      「間接攻撃しか出来ないスナイパーが不確実性の高いスキル発動に頼るというシチュエーションはほぼ無い」
      「仮に発動しても攻撃が命中するだけでそれ以外の付加効果が無い」などの理由からありがたみが薄いという評価が目立つ。むしろ仕様上では敵に発動されると厄介なスキルの部類。
    • ただし育成が極まったユニット同士で戦う通信闘技場では話が別で、回避率が最大でも必ず命中する可能性があることは非常に脅威である。*6
  • 敵思考ルーチンの割り当てがおかしい。
    • 代表的な例としては、15章で対峙するヴァルター。砂漠の移動コストを無視できる飛行系中心という有利な布陣をしているのだが、 一切移動しないため機動力がまったく無意味になっている
      • 自軍を待ち構えていると言う意味合いの台詞を吐くが、その本人の性格が殺戮を繰り返す狂人のため、待ち構えている事にすら違和感を覚えやすい。
    • ステータス自体は十分高く、相手の守備を無視して攻撃力そのままのダメージを与えるスキル「貫通」を持つ。装備は「ぎんのやり(近接)・スレンドスピア(遠近両用)・フィーリの守護(弓特効無効)」と一見隙が無い強敵。
      • だが、初期装備が間接武器でないため、弓などの間接武器があれば「攻撃→救出→攻撃範囲から降ろす」を繰り返すだけで簡単に倒せてしまう。盗賊でフィーリの守護を盗めばもっと悲惨な事になる。
      • ステータス傾向もその場に留まった持久戦より自ら赴く殲滅戦向きであり、完全な待機型であるAIが彼個人とクラスの強みを徹底的に殺してしまっている。後続の作品でも似たような状況で同じような扱われ方をされている敵キャラはいるものの、こちらはこちらで積極的に交戦してくる分マシである。
    • もっとも、彼が他の敵と一緒に砂漠を縦横無尽に動いて襲い掛かってくると難易度が跳ね上がってしまうので(特にエフラム編*7)、不動なのはバランス調整によるものと思われる。
      • また、エイリーク編では「あえてエイリークを待ち構えている」といったセリフがあるのでフォローは出来る。しかし結果的に因縁深いボスでありながら立場に見合わない弱さが目立ってしまった。

前2作から改善されていない点・悪化した点

  • 支援会話の内容がGBAシリーズでも特に羽目を外しすぎな点がある。
    • 前作『烈火』の時点でもやや違和感のある掛け合いがいくつかあったが、本作では「いくらなんでもやりすぎではないか」と印象を受けるやり取りが散見される*8
    • 次回作である『蒼炎』から支援会話が拠点で行われるようになったのは、これら戦場で行われる支援会話形式への批判・疑問を受けてだと思われる。
      • もっとも本作と『蒼炎』の開発・発売間隔はあまり開いていないため、本作単体の影響というよりも、上の通り前作・前々作時点での批判を加味した結果と考えるべきだろう。
  • 『封印』とほぼ同じ仕様のマムクートが仲間として加入する。武器として使用する竜石の使用回数は20回増えて50回になっている。
    • しかしその竜石は一品きりで、武器の使用回数を最大値まで回復するハマーンの杖も使用不可のままなため、戦闘回数が限られており竜石を使い切ってしまうとその後戦闘にまったく参加できなくなってしまうという根本的な問題点がそのまま。
      • さらには本作のクリア後のおまけは『封印』のトライアルマップと違い、武器の使用回数は普通に消費されていくのでなお使いにくい。
    • フリーマップの導入により育成自体はしやすくなっているが、「ヴェルニの塔を使い、経験値の多い敵を1撃で倒してレベルアップする」をやるとカンストまでに19回分消費してしまうのは否めないし、「竜石を持たずに雑魚の攻撃を耐えまくる」は回数こそ消費しないが、1度に経験値1しか手に入らないので、カンストまでに1,900回と途方もない回数を費やす必要がある。
    • ただし本作の竜石は終盤やクリア後に戦う機会が多い魔物に対して特効を持つため、無制限に使えてしまうとゲームバランスを崩すという配慮からの仕様かもしれない。
  • オープニングムービーも前2作と比較するとボリュームが減っている。
    • シナリオの背景にある太古の戦いなどについて専用ムービーなどの演出つきで物語っていた前2作と違い、本作ではメインキャラクターの公式イラストをスライドした後、他のキャラに至っては一瞬ゲーム中の顔グラフィックが次々と表示されるだけで…と手抜き臭が否めない。本編で殆ど語られない魔王と英雄たちの戦いについてモノローグを挟むなりやりようはあった筈だが。
  • 誤字やバグ、おかしな挙動など粗雑な要素が多い。
    • 『烈火』のころから多かった誤字は減っていない。特に支援会話における誤字の多さはかなりのもの。通常プレイで目に付くレベルの誤字もある為、気になる人は気になるところ。
      • 同じく前作で存在していた、「火山から噴き出る溶岩を『トラップを解除した』というメッセージとともに無力化する盗賊」「敵を自由に操れるバグ」などもほとんどそのまま残っており、多少システムに精通している人なら前作の流用に頼って制作しているのが丸分かりである。
    • 15章ではルートとして選ばなかった方の主人公が二人の仲間を連れて参戦するのだが、部隊表に名前がでないなど仲間として認識されていないような挙動が見られる。
    • バグではないが、一部味方キャラ(マリカやドズラ)の成長率や初期値が『封印』『烈火』のキャラと同じだったり、ほんの一部が修正されたにすぎないもののため、そこを知れば手抜き感が窺える。
      • 海外版では味方成長率やステータスも修正されており、ここに製作スケジュールの厳しさをうかがわせる。
  • 『烈火』と同様に限定アイテムが存在する。
    • 2004年の「ジャンプフェスタ」限定配布かつ二者択一という、こちらもアイテムコンプ派を困らせる仕様であった。
      • GBA時代のFEはVジャンプや月刊ジャンプとのコラボを精力的に行っていたが、イベントや懸賞で極々限られた人間しかプレイ出来ないおまけマップやアイテムなどが毎回ある問題を抱えていた。

総評

従来作と比較して掘り下げが弱いストーリー、実験的なシステムに加えて難易度は当時のシリーズ中でも最低レベルの易しさであったため、従来の「手ごわいシミュレーション」に慣れ親しみ、「勧善懲悪では終わらない複雑なストーリー」を期待したファンからは肩透かしを食らったという批判が見られる。
他にも前作からの流用の痕跡が散見されており、短期間で完成させる為とはいえツギハギな突貫工事的な作りこみの甘さも批判の対象となった。

しかし上記のゲーム部分の評価を裏返すように、フリーマップやクラスチェンジ分岐の実験的な内容や敷居の低くとっつきやすい難易度に惹かれたプレイヤーも多いようで、FEシリーズ未プレイのユーザーに勧める経験者も見られる。
その一方で、エクストラマップは非常に難易度が高く、このMAPに限れば他作品と比べて見劣りしない、もしくはずっと難しい。
従来の作品が本編一周そのものに力を入れたゲームなのであれば、本作品はその後のやりこみ要素や周回に力を入れた作品と言えるだろう。


余談

評価の変動

  • 2011年末にアンバサダー・プログラムとして3DSに配信された。前述したように「これが初FE」という人には好評の模様。
    • 2012年発売の『ファイアーエムブレム 覚醒』もフリーマップやクラスチェンジ分岐を採用しており、聖魔の光石が配信されたのはこれの宣伝も兼ねてのことではないかと推測するファンもいる。
      事実、クラブニンテンドーのアンケートでは「聖魔をやって興味を持ち、覚醒を買った」という意見は多かった。
  • 2014年8月6日からWii Uでバーチャルコンソールが配信されている。
    • これによりシリーズに触れた事の無いユーザーがプレイする機会が増えており、そういったユーザーからの好評価も増えつつある。
  • 発売当初は作りこみの甘さや、高難易度を望むファンの意見と反する低めの難易度が災いしてか中古相場は低下していたが、『スマブラ』効果や上記の再評価の流れもあり、現在はそれなりの価格に落ち着いている。

その他

  • 上記の通り本作の中でも、隣国フレリアの王子ヒーニアスはネット上でネタキャラとして抜きん出た人気がある。
    • 一見クールな策略家なのだが、説明文にわざわざ「 実はいい人 」と書かれたり*9、弓兵なのにもかかわらず「私は君を守る」(そしてエイリークに「弓兵ですから私の後ろに」と返される)等、妙に濃い要素が目立つ。
      • 特に上記のエイリークとのやり取りから派生した「弓しか使えないので囲まれると助けを呼ぶしかない」というネタ(通称「 助けて!エイリーク! 」)は一部で有名であり、5ちゃんねるSRPG板の名無し「助けて!名無しさん」の元ネタにもなっている。
        ただし勘違いされやすいが、これはあくまで ネット発の創作スラング なので、本編の内容と混同しないように注意。…そもそも本編でのヒーニアスは上記の通り「助けて」なんて死んでも言わないようなプライドの高い王子である。
  • 本作の舞台であるマギ・ヴァル大陸は、形が似ていることから「愛知県」と呼ばれる事も。
  • 前作『烈火』と通信闘技場による対戦ができてしまう。無論バグだらけでまともに機能していない。
    • これらのバグや通信対戦については、流出した開発中バージョンではほとんどのデータが『烈火』を流用しているため、そこから発生したと思われる。
  • この作品の小説以降、『ファイアーエムブレム 覚醒』までシリーズ作品でFEゲーム単体のメディアミックス作品は久しく発売されなかった。
  • スマブラX』にエフラム、エイリーク、ヨシュア、ミルラのシールが登場している。
    • スマブラSP』にはエフラム、エイリーク、ラーチェル、リオンがスピリッツとして登場している。
  • 『覚醒』のDLCに主人公であるエフラムとエイリークもリファインしてゲスト登場しているが、ここでのエイリークはなんと「花嫁」という新職業で登場。
    • だが結婚式の途中という訳ではなく、どうやら手に入れた秘宝(登場するDLCマップ群をクリアすると花嫁に転職できるアイテムがもらえるので、おそらくそれ)の力で、突然この姿になってしまったらしい。なお綺麗なドレスを着られてまんざらでもない様子。
  • 開発スタッフのインタビュー記事が雑誌、攻略本共に存在しない唯一のシリーズ作でもある。それもあって発売以後、制作背景が明かされていなかった。
    • 2015年11月18日に徳間書店より販売された『メイキング オブ ファイアーエムブレム 開発秘話で綴る25周年、覚醒そしてif』のプロデューサー・成広通氏のインタビューで、その一端が明かされた。それによると今作は『蒼炎の軌跡』の制作を進めていた最中に突如立ち上がった企画で、 カプコンの子会社フラグシップとインテリジェントシステムズの一部スタッフとの合同で制作されたとのこと 。その為、制作スタッフの一部にフラグシップのスタッフが名を連ねている。スペシャルサンクスにフラグシップの名があるのもこれが理由。
      • フラグシップは当時、本業のシナリオ制作以外にゲーム企画・制作も請け負う会社に鞍替えしている最中にあり、その一作目として『星のカービィ 鏡の大迷宮』が作られた。
      • ディレクターの一人として名を連ねているフラグシップの生方太樹氏は『星のカービィ 鏡の大迷宮』のスタッフの一人で、そちらではプランナーを担当している。*10
  • ソーシャルゲーム『ファイアーエムブレムヒーローズ』でもエイリークやエフラムを含む一部キャラクターも実装している。敵だったリオンやヴァルター達も操作も出来るようになった。
    • しかしリリース当時、何故かエフラムがエイリークの兄弟愛に対してか シスコン の性格で登場と前代未聞のキャラ崩壊を起こし、炎上まで発展していた*11。あろう事かディレクターは本作のシナリオ担当者である前田耕平氏である。 支援相手のミルラ? あれは抜きでお願いします。
    • その他、本当に魔性の槍を持ったヴァルター*12やグラド帝国の双聖器で戦うエイリークとエフラムの別Verの存在、いかにも魔王らしい姿として描き起こされたフォデスなど、ファンにとって喜ばしい仕様も多く存在する。
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最終更新:2024年02月23日 12:47
添付ファイル

*1 15章と16章はマップは同じだが、ユニットの配置などが異なる。

*2 「光魔法も操る賢者」そのものは『封印』のトライアルマップ限定の隠しキャラクターが居た。

*3 分岐クラスチェンジや生存状態次第では彼1人になる

*4 似たような加入展開のある『覚醒』とは異なり、セリフやストーリー展開・支援会話等はない。

*5 [『新・暗黒竜』『新・紋章』において、闘技場受付のBGMとしてアレンジされている。

*6 もっとも通信闘技場を熱心にプレイしていたプレイヤーは発売当時もほとんどいなかったが…

*7 エフラム編だとエイリークと数人のユニットが最初から敵陣の間近で孤立している上、初期配置の関係で1ターン目からヴァルターが突撃したらすぐ攻撃出来てしまい、向かってくる多数の敵達とヴァルターを彼女たち数名で捌き切るのは困難となる

*8 戦場で幾度も模擬戦闘をしたり、居眠りをしたり、絵を描いたり、腕相撲を始めたり、賭け事(コイントス)に没頭したり、果てはダンスまで始めたり…

*9 利益を無視して自分を守った傭兵団に頭を下げて契約の続行を願い出たり、苦境の中加勢に来たエイリークに深く感謝したり、道案内を買って出たユアンに表面上は冷たくしながらもその心意気に一定の理解を示したり、実際確かに「いい人」である。

*10 鏡の大迷宮のスタッフクレジット参照

*11 苦情が寄せられた事から後に「兄弟愛を見せろ」で命令されていた補足が付け加えられた。

*12 ストーリーで言及した程度で実際は装備していない。