P-47
【ぴーふぉーてぃせぶん】
ジャンル
|
シューティング
|
|
対応機種
|
アーケード(メガシステム1)
|
発売元
|
ジャレコ
|
開発元
|
NMK
|
稼動開始日
|
1988年3月
|
プレイ人数
|
1~2人(同時プレイ可)
|
レーティング
|
CERO:A (全年齢対象) ※アーケードアーカイブス版より付与
|
配信
|
アーケードアーカイブス 【Switch/PS4】2020年7月2日/Switch・838円 PS4・837円(税込)
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
名戦闘機が自機のシューティング ひたすらに地味だが丁寧な作り
|
概要
-
1988年にジャレコ発売、NMK製作にてリリースされた横シューティングゲーム。
-
実在の米軍戦闘機「P-47」を操り、第二次世界大戦を彷彿とさせる戦場を舞台に戦いを繰り広げる。
-
1~2人同時プレイ可能、全8ステージ構成。
-
最終ボスであるドイツ軍艦ビスマルクを撃沈させればゲームクリアとなるが、エンディングに相当する演出等は一切無く、そのまま2周目が始まる。
主なルール
-
レバー+2ボタンで自機を操作。ボタンは各自、メインショットとサブウエポンボタンに使用する。メインとサブの双方とも一切の使用制限はなく、連射しても特にデメリットはない、いわばダライアス方式。
-
メインショットは前方に直進的なショットを撃つ攻撃。メインには一切のパワーアップ要因はなく、終始同じショットでプレイする事となる。
-
サブウエポンはゲーム開始時には一切撃てないが、ときおり登場するオートジャイロ(ヘリ型の敵)を破壊すると出現する専用のアイテムを取得する事により撃てるようになる。サブウエポンは4種類あり、取得アイテムによって切り替わる仕掛けとなっている。また、取得アイテムを連続で取ると最大三段階までパワーアップができる(所持しているサブとは別のサブアイテムを取得してもパワーアップする)。
-
敵弾・敵機ならびに障害物・地形(海面も含む)に接触すると1ミスとなり、サブウエポンとスピードのランクが1つ下がりその場で復活する、またコンティニューした場合もその場復活である。
+
|
アイテム詳細
|
T(ターレット) 8方向に射撃可能な回転式機銃。 レバーを入れた方向に発射し、レバーニュートラル時では自機の前斜め下に弾を放つ。見た目に相反し威力が高めだが、武器の特性上、発射方向に自機も移動するので、敵弾の密度が高い場所では使用しにくい。
|
M(ミサイル) 自機の前方に発射されるミサイルを放つ。 パワーアップすることで最大8発まで発射でき、画面のほぼ全体をカバーできるが威力は並で連射性に乏しい。またミサイルとミサイルの間隔が広く、その隙間を敵がすり抜ける場合がある。
|
B(ボンバー) 自機の前斜め下部を放物線状に落下するボンバーを放つ。 パワーアップさせることで連射性が増し、自機下の敵に対して絶大な威力を発揮する。画面左にへばりついた状態で、レバーを左に入れると垂直投下が可能。
|
E(エクスプロージョン) 自機の前方で炸裂する弾丸を放つ。 パワーアップする毎に炸裂する方向が増え、最大8方向に炸裂。連射が効きにくいのが難だが、炸裂前の弾丸の攻撃力はサブウエポン中トップクラスの威力を誇る。
|
S(スピードアップ)…3段階まで自機のスピードを上げる。 1UP…自機が一機増える、スコアエクステンドもある。
|
|
-
ステージによっては、旗のついた敵戦車(偵察機)が走行している場面があり、倒さずに画面外に逃がしてしまうと、一時的に敵の猛攻が激しくなるというペナルティがある。
-
奇数面開始前にデモ画面が挿入され(各ステージボス参照)、ステージ終了後に、取得したアイテム数とミスの有無によってボーナス得点が得られる。
評価点
-
シューティングとしては普通に遊べる、適度に調整されたゲームバランス。
-
ゲームバランスが不安定な作品で人を選ぶ趣旨の強いNMK開発としては比較的難易度が大人しい部類で、ちょっとやり込めば1コインクリアも不可能ではない適度な調整であった。
-
その為、ごく一部ではあるが、本作を「地味な良作」と評するプレイヤーも存在する模様。本wikiの他の執筆でいえば『大旋風』と同じ系統のゲームというべきか。
-
4つあるサブウエポンの性能も一長一短があり、どのサブを使い分けるかという面白さが堪能できる。
-
どのサブにも極端な外れウエポンがなく、使い方次第で有効に使用できるのが嬉しいところ。
-
グラフィック・BGM面に関しては良好な出来。
-
グラフィックは地味ではあるが繊細に描かれており、BGMの評価も隠れた名曲として評価されている。
問題点
-
ステージによっては背景と敵弾が同化して判別し辛い場面がある。
-
いざという場面の緊急回避となるような行動がとれないので、戦況によってはミスが避けられない状況に陥りやすい事が多々ある。
総評
当時のアーケード作の中でも存在が非常に地味で、一般的な知名度は低く、特別に評されている声も聞かれない。逆に評判が悪いという声もほとんどなく、良くも悪くも空気にされがちな一作であろう。
特にこれといったネタがあるわけでもない割と平凡なシューティングではあるが出来はしっかりしている、それ以上でもそれ以下でもない無難なる佳作といった存在。NMK製としては特にバランス不安定と取れるような問題点も見当たらない。
余談
-
1995年にはアーケード向けの続編として『P-47 ACES』をリリースしている。ただし作風・システム共に様変わりしており、本作の面影はやや薄い。
-
こちらは超絶的なバランス不安定作であり、悪い意味で地味では済まされない問題作となってしまった。やっぱりNMKの作るゲームは難易度調整が不安定な方向にあるようだ。
家庭用移植
マイナーながら家庭用移植は実はされており、一応は需要(?)があった模様。…といっても、移植先が初期のPCエンジンであり、その存在感はアーケード同様マイナーである。
対応機種
|
PCエンジン
|
|
|
メディア
|
2MbitHuカード
|
発売元
|
エイコム
|
開発元
|
NMK
|
発売日
|
1989年3月20日
|
価格
|
5,200円
|
プレイ人数
|
1人
|
判定
|
なし
|
-
業務用を発売したジャレコがPCエンジンに未参入だったことからエイコム(後の夢工房。現在は消滅)より発売。同社のPCエンジン参入ソフト第一弾となっており、以後武田信玄・天聖龍といったジャレコ発売の業務用タイトルは同社によってPCエンジン向けのアレンジがなされた。
-
周回プレイであった業務用と異なり、1周エンドとなっており、最終面をクリアするとエンディングが流れゲーム終了となる。
-
AC版のデモ画面やクリアボーナス・2人同時プレイの削除、ステージ構造の変化など、当時の事情的に致し方ない程度の劣化はあるが、武器の使い勝手を良くするなど若干難度を落として移植された他、プログラムで2重スクロールを実現させるなど、シューティングとしての出来は良く、AC版の雰囲気は十分に再現できている。
+
|
画像
|
炸裂する瞬間に方向キーを入れることで、E(エクスプロージョン)の炸裂方向が操作可能となっている。
変更されたPCE版ボス。左から1.5.6.7面(6面は中型機ラッシュ)
|
-
2020年7月2日に、アーケードアーカイブスからSwitchとPS4に移植された。
-
海外では1990年にAmiga、コモドール64、IBM-PC、ATARI-ST、更にアムストラッドCPCやZXスペクトラムと言った旧世代のホビーパソコンにまで移植されている。
最終更新:2024年01月06日 05:46