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ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-
【う゛ぁるきりーぷろふぁいるつー しるめりあ】
ジャンル
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アクションRPG
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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スクウェア・エニックス
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開発元
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トライエース
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発売日
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2006年6月22日
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定価
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8,190円(税込)
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判定
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なし
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ポイント
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シナリオ面は前作ファンにとってクソゲーor黒歴史 システム=完成度が高い×かなり複雑→賛否両論 映像や音楽は概ね高評価
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ヴァルキリーシリーズ プロファイル / プロファイル2 / 咎を背負う者 / エリュシオン
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概要
北欧神話をモチーフとしたアクションRPG『ヴァルキリープロファイル』の続編。略称は「VP2」「VPシルメリア」。
サブタイトルの通り、前作では名前のみの登場だった三女神の末妹「シルメリア」に焦点を当てたストーリーとなる。
但し、本編はシルメリア本人ではなく、肉体にシルメリアの魂を同居させる少女「アリーシャ」を主人公としている。
『2』とあるが、時系列は前作の遥か過去の時代となっており、前作でダンジョン「亡失都市ディパン」として登場したディパン公国を巡って物語が展開する。
前日譚という訳ではなく、物語が進むと前作の物語とのリンクが明らかになる。しかし…(後述)。
ストーリー
ヴァルキリー三姉妹の三女であるシルメリアは戦乙女としてオーディンの命に忠実に従っていたが、とある命令に疑問を抱き、それ以降オーディンに対し不服従の姿勢をとるようになった。
その事態を重く見たオーディンは「王呼の秘法」でシルメリアを強制的に転生させ、長女であるアーリィを代わりに召喚する。しかし「王呼の秘法」の発動は不完全であり、シルメリアの魂はある少女の中で密かに目覚めていた。
ディパン公国の王女・アリーシャは、体内にシルメリアの精神を有していることから公国を放逐され古城にて生活を送っていたが、シルメリアの覚醒に気づいた神界によってアーリィを差し向けられ、襲撃を受ける。
アリーシャはシルメリアの助けによって城を脱出し、難を逃れるが、シルメリアは自分をおびき出すためにディパンが攻撃されるだろうと予測、2人は国の危機を知らせるためにディパンを目指す。
しかしディパン王・バルバロッサの説得に失敗し、アリーシャとシルメリアは神々とディパンの戦争を阻止するため、秘宝ドラゴンオーブを求める旅へと出発する。
その過程で彼女らはルーファス、ディラン、レザード、レオーネ、アリューゼといった旅の仲間を得ていくが、しかし彼らは仲間に対してそれぞれ秘密を隠しており、異なる思惑を胸に秘めていた。
冒険を通して彼らは仲間としての交流を深めていくが、彼らの真の利害は一致せず、物語はディパン公国の滅亡という悲劇へと進んでいく。
家族、故郷、仲間といった全てを失ったアリーシャは、ただ一人残った仲間であるルーファスと共に神界を目指し神々との戦いへと赴くが、最終的に彼女らは、争乱の陰には神々すら把握していなかった、数百年後の未来に起こるラグナロクの後の世界が関わっていることを知ることになる。
(Wikipediaより引用)
特徴
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前作が戦乙女「ヴァルキリー」を操作し、世界中を飛び回って死者の魂(エインフェリア)を導き、神界戦争の勝利を目指す…というシミュレーション的な戦略要素を含んでいたのに対し、本作は一本道のストーリーに沿って進むオーソドックスなアクションRPGとなっている。
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ダンジョンは前作同様の横スクロール方式となっており、ジャンプで崖を飛び越えたり、敵シンボルに斬り付けることで有利に戦闘を開始出来るといったアクション要素を楽しめる。
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死者の魂をエインフェリアとして仲間にするシステムは健在だが、前作とは大きく異なっている。
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各地のダンジョン内にあるエインフェリアの遺品を調べると、場所ごとに定められた1~3人のエインフェリアの中からランダムで1人が選ばれ、仲間に加わるといった仕組みになっている。
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ある程度成長させたエインフェリアは人間として蘇らせることができる。解放されたエインフェリアはパーティーから離脱するが、代わりに能力値上昇アイテムが手に入る。前作の神界転送に代わるシステムと言えるが、今回は評価値は無いので解放しなくてもデメリットは無い。
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解放後のエインフェリアは街などで普通の生活をはじめ、彼らに話しかけるとアイテムを入手できる場合もある。
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前作と違ってエインフェリアのドラマは特に描かれる事はなく、彼らがストーリーに絡む事も無い。
評価点
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ハードルはやや高いものの、戦術性と爽快感を両立させた戦闘システム。
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本作の戦闘システムはSLG的な味付けがなされており、パーティを移動させたりアイテムを使ったりする「移動パート」と、前作同様のシステムで敵に連携攻撃する「攻撃パート」から構成されている。
シンボルエンカウント方式で、敵と接触するとバトルフィールドに味方と敵が配置される。敵には必ずリーダーがおり、そのリーダーを倒せば他の敵を倒さなくても勝利できる。AP(行動できるポイント)の配分やフィールドの地形、リーダーの位置を考え、狙った敵へ効率よく移動することを常に考える必要がある。
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相手の攻撃範囲と行動予測を立てて、「ダッシュ」や「パーティー分散」などを駆使して敵の死角へ回り込み、より有利な位置から攻撃を畳み掛ける移動パートはなかなか頭を使わせる。また上手く移動し攻撃が成功したときの攻撃パートの爽快感は独特で面白い。
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敵に部位の概念がある。一定部位を集中攻撃すると破壊可能で、敵の持っている武器を落とさせたり、甲殻を剥ぎ取ったりして戦闘を有利に進められる上、戦闘後には壊した部位に応じて良質なアイテムが得られる。
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また、部位破壊を繰り返すと確率で「ブレイクモード」が発生し、数秒ながらAPを全く消費せず攻撃を叩き込める。ブレイクモード中に部位破壊する事で、最大4連続で発生させることも可能。
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そのため、システムに慣れれば前作に負けず劣らずの中毒性がある。敵の倒し方によってドロップアイテムが変わるため、単調にならずアイテム集めが楽しめる。
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部位破壊に慣れると敵を文字通りバラバラに出来る。ちょっとグロいが目に見えてコンボの上達がわかるため気持ちがいい。
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「スキル」や「封印石」の組み合わせで多彩な戦術が取れる。
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「スキル」は個々のアイテムに設定されたルーンの紋様と色を特定の組み合わせで装備すると発動する。この状態で何度か戦闘をこなすとスキルを習得し、装備する事が出来る。スキルを発動させて覚える際には、同時に攻撃力・防御力といった性能や属性耐性などの装備品の能力をも考慮して装備を決めなければならない。
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スキルは戦闘の面白さを引き出す重要な要素である。複雑であるゆえなれないうちは苦戦もするが、スキルがそろってくると多彩な戦術を考える事が出来る。
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封印石とは各ダンジョンに置かれているギミックで、これを「特定の場所に置く」「キャラクターが所持する」ことで、そのダンジョン内にいる間敵や味方・ダンジョンの仕掛けに特殊な効果を及ぼすものである。例としては「HP回復量を二倍にする」「攻撃に毒状態を付加する」「氷属性のダメージを半減する」など。
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封印石にはコストが設定されており、戦闘中に手に入れる魔晶石というアイテムを消費して「泉」とよばれる保管場所に持っていけば他のダンジョンにも持ち込むことができる。
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このためダンジョン攻略にパズル的要素が含まれ、複数の封印石の組み合わせによっては戦闘難度を飛躍的に下げる事が出来る。また簡単に無双ができる、あえて不利になるような組み合わせにするなど難易度調整が意図的にできる。
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上記の二つが組み合わさった今作の戦闘スタイルは自由度が高く、前作を凌ぐほどの幅広いプレイが可能。
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新要素「光子アクション」
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前作の晶石アクションを発展させたもので、前作同様に敵の動きを止めて足場にしたり出来る他、動きを止めた敵と場所を入れ替わるといった新要素の導入により、ダンジョン攻略の面白さが増した。
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グラフィック
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当時のFFシリーズに匹敵するレベルの美麗さ。フレームレートもほぼ常に60fpsを保っている。
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数少ないハイビジョン「1080i」対応のPS2ゲームで、隠しコマンドで1080iにできる。
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音楽もトライエース作品おなじみの桜庭統氏が作曲。
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前作は激しいロック的曲調でゲームを盛り上げるものが多かったのに対して、今作は静かなクラシック的曲調で方向性の差別化がはかられた。
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それゆえ通常戦闘などは、作風のギャップゆえ否定的意見もみられたが、全体的に完成度は良質であり、スルメ曲とする評価がなされている。
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前作と同じく、各キャラクター声優の好演。
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特にルーファスを演じた中村悠一氏は本作で初めてメイン級のキャラクターを演じる事となり、翌年以降のアニメでのブレイクと合わせて人気男性声優となった。
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また、矢島晶子氏演じるアリーシャの、終盤のある場面での音声が矢島氏の代表役である某有名幼稚園児に聞こえるとネタ的にも愛されている。
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ロード時間はほぼなく非常にスムーズなゲームプレイが可能。
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決め技の演出がカット可能となり、戦闘をスピーディに進められるようになった。これはまさしく前作ユーザーの「てめえの技も見飽きたぜ!」という声に答えるものだったと言える。
賛否両論点
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システムの複雑化。
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これは前作の時点で戦闘システムがほぼ完成していたゆえの賛否である。
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前作の戦闘システムはPSの○□△×の四つのボタンだけで次々とキャラを攻撃させられるという、感覚的かつ簡単な操作法でありとっつきやすく、戦術的なことを考えるのが苦手なプレイヤーでも気軽にできるものだったこともあり、複雑化してしまったことはやや賛否が分かれた。
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装備や封印石も同じくいろいろなことを考えねばならないため、慣れない人からは不満の声もあった。
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お金や経験値が稼ぎにくい。
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素の状態でお金や経験が稼ぎにくいのは、上記の封印石システムによる補助効果との兼ね合いでバランスをとっているからと思われる。
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封印石の中には入手金額が0になる代わりに取得経験を2倍にする、取得経験が0になる代わりに入手金額を3倍にするといったものもあり、これらは中盤に入手できるため、これらを駆使すればお金や経験がかなり稼ぎやすくなる。
問題点
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後半のストーリー展開
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発売前の雑誌では前作の過去であることが強調して紹介されており、前作のキャラクター「シルメリア」がなぜ捕らわれていたのかといった謎が明かされるという触れ込みであった。実際中盤まではそういった形で物語は進行していく。
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しかし途中からあるキャラクターの正体や目的が明かされ、その真実があまりの練りこみ不足で超展開。なおかつ前作とも設定が密接に絡んでおり、前作ファンからは「ぶち壊し」などかなり評価が低くなってしまった。
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一応、前作ラストの独白パートの伏線回収ではあるのだが、このような形になるとは誰も思わなかっただろう。
また、独白は2人分あったのだが片方は回収されないまま終わった。
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詳しくはこちら(前作ファンは要注意!)。
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また前作の設定上今回いると思われた前作キャラが数人登場しない。
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本作の超展開シナリオは、過去の『スターオーシャン Till the End of Time』や『ラジアータ ストーリーズ』と合わせてトライエースファンの間では語り草となっている。
現在では同メーカーのゲームのシナリオは予断を許さないということはファンにとって最早常識とされている。
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ちなみに本作のシナリオは前作の則本真樹氏ではなく、『ラジアータ ストーリーズ』に続いて株式会社エッジワークスが担当している。
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封印石のコスト
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封印石の持ち越しコストの一部が厳し過ぎる。
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魔晶石というアイテムを消費する必要があるというのは上で説明しているが、魔晶石は一回の戦闘につき最高で80個しか貯められず、それに対して必要なコストは一番低いもので100、最高で30000である。根気良く戦闘を重ねてもかなり遠い数字である。全封印石の半分近くは1000以上する。普通にプレイしていて集まるのはせいぜい10000程度である。
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魔法の重要度の低下
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前作は戦闘においては魔法が非常に重要だった。コンボの起点として有用で、必殺技に相当する大魔法が非常に強力だったからである。しかし、前作であまりにも強力過ぎた反動からか、この作品では魔法が弱体化しており、魔術師はお払い箱になる。
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大魔法はキャラクター毎に個別の決め技扱いになり、属性やヒット数などに違いはあるものの威力は低く
最終的なダメージは全て同じ
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この魔法弱体化は敵にも言えることで、一部大魔法を必殺技とするボスは「お前より前のボスの方が強かった」状態になっている場合が多い。
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上記のように前作では魔法が強すぎ、特に大魔法を使うボスはオーバーキル級の全体ダメージを毎ターン連発するようなゲームバランスだったため、その反動によって極端に弱くし過ぎてしまったと見られる。
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キャラクターとしての面で見ても、魔術師が男性しかいないのは人によっては面白みに欠けるところだろう。前作では女性がメインだったが、その反動としてはいささかやりすぎと感じることに。
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武器合成システムの複雑さ
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今作は敵の部位を破壊し、素材を手に入れ、特定の素材を店に売却すると強力な装備を購入できるというシステムがある。
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問題は敵の部位の多さ。敵によっては頭、体(前側)、コア(前側)、コア(後側)、右腕(先端)、右腕(根元)、左上(先端)、左腕(根元)、体(後側)、足、右尾ビレ、左尾ビレと一体で12もの部位を持つ。そして破壊したとしても確実にドロップするわけではないので必要素材を落とす敵が基本的に分からない。
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一応店に素材名とドロップする敵が書いている物もあるが、敵名だけで出現地などは書かれていないのであまり役に立たない。魔物図鑑なども存在しないので、攻略サイトを見ないと厳しい作りである。
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「クリティカルが出ると必ず部位破壊を起こす」というスキルが存在し、また、「攻撃が必ずクリティカルになる」という弓が存在する。
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この組み合わせで即死耐性が無い敵はどんな敵だろうが一瞬でバラバラに飛び散ってしまう。
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それでも、さすがにボス相手に即死は効かない。
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シルメリアの扱い
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タイトルにあるシルメリアが加入するのが最後の最後、ラストダンジョンの途中と異様に遅い。しかもラストバトル直前に離脱してしまう。「アリーシャの肉体を借りている」という設定もあるため致し方ない部分ではあるが……。
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というか戦乙女三姉妹自体、ラストバトル前に全員ごっそり離脱してしまう。遂に三姉妹全員使える!と期待した直後にこれである。正式に三姉妹を使いたい場合は、裏ダンジョンのボスを何人か倒す必要がある。
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性能面でもかなり不遇と言える。通常技は一つを除いて全てエインフェリアの使い回しで構成されており、決め技も弓を構えるのに他のヴァルキリー同様剣技になり、タイトルキャラなのに他キャラとの差別化が全くされていない。
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エインフェリアの扱い
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前作ではエインフェリア一人一人にドラマがあったのも好評だったが、今作ではエインフェリアはただのモブキャラ+アイテム要員にすぎない扱いとなってしまった。
また、一部のキャラは二者(場合によっては三者)択一になっているのだが、誰が仲間になるかはランダムであるため、目的のキャラを仲間にするならリセットを繰り返す必要がある。また二者択一のときに限って、強いエインフェリアと弱いエインフェリアの格差がある場合がある。
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ボイスが男女各4種しかなく、仲間になる人数も多いので使いまわしが目立つ。デザインもメインキャラと比べると地味。
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異なるエインフェリア同士でも声優が同じなら、戦闘中のセリフは基本的にまったく変わらない。そのため、本来の性格とは大きく異なるセリフ回しで戦闘するエインフェリアがいる場合も。
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一応、演じるエインフェリアごとに専用のセリフがあったり、後述するように戦闘開始時に特定のエインフェリア同士の会話が入ったりはする。
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メインキャラを育てていると、あるタイミングで非常に強力な装備が入手できるため、尚更エインフェリアを使う必要性がなくなっている。
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決め技(必殺技)については、軽戦士、重戦士、弓闘士はそれぞれ職業別に1種だけの使いまわし。魔術師も固定1種(キャラ別で計4パターンある)+特定アイテム装備で使用できる2種の計3種のみとなっている。前作は物理系職業のキャラにはそれぞれ独自の決め技が、魔術師は装備魔法によって決め技が12種に変化していた。
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特定のエインフェリアの組み合わせだと戦闘開始時に特殊な掛け合いセリフがある。しかしランダム加入システムのせいで、事前情報無しでそれを聞くのは困難。
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固定メンバーはアリーシャとルーファスだけ(エインフェリア除く)で、それ以外のメンバーは頻繁に抜けたり入ったりするので初プレイだと誰を育てればいいのか戸惑ってしまう。
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主人公であるアリーシャでさえも最後の最後で離脱してしまい、別キャラになってしまう。その際に引き継ぐのはスキルだけで、ステータスは固定であり、ステータスアップアイテムを主人公だから大丈夫だろうと注ぎ込んでいると拍子抜けする事になる。。
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エインフェリアの個性が豊かだったからこそ前作は人気が出たといっても過言ではなく、アンソロジーコミックの4コマ漫画などは大半がエインフェリアネタであることからもそれが窺える。
総評
前作がトライエース作品の中ではシナリオ面の評価が高く、エインフェリアをはじめとしたキャラクター人気の高い作品であった。
今作は前作のシナリオとも密接に絡むシナリオではあるが、練りこみが足りず超展開で、さらにエインフェリアを空気化させてしまったことで前作ファンを落胆させてしまうことになった。またシステムも前作のようにとっつきやすいものではないため賛否分かれてしまった部分もある。
しかしそれ以外の要素は平均以上の出来で、グラフィックは当時の最先端、トライエース作品だけあって複雑化した戦闘もハードルさえ乗り越えればのめりこめるものである。またバグの少なさやロードの短さはプレイの快適性につながっていて長く遊べる作品である。
結局のところRPGの肝であるシナリオが惨憺たるものであったこと、そして前作が不動の名作であったことがこの作品の明暗を分けてしまったのだろう。この作品発売直前に前作のPSP版リメイクが発売されたのもその一因になってしまったのは皮肉としか言いようがない。
余談
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改造コードに対する対策がすさまじい。コードを使用するとセーブデータにコード使用フラグが立つようで、そのまま進めるとフリーズするようになっている。
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裏ダンジョン「セラフィックゲート」の謎解きが最早廃人レベルの難易度。相変わらずネタもボスも無茶苦茶なまでの凝り様。
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コボルト劇場なるショートコントもあるが無駄に数が多く、ネタも似たようなのばかり。
上記の改造コード対策と合わせて、そんなところに力を入れるならシナリオに力を入れろという声もあるが……。
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前述にもあるとおり、ヴァルキリー三姉妹を使いたいならこのダンジョンを攻略しないといけない。
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初回限定版はシルメリアのフィギュアが収録されていたのだが、造型の酷さから邪神シルメリアという蔑称がつけられた。
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その後、ハードをDSに移した3作目『ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者』が発売。雰囲気はシリーズの中でもっとも重く人を選ぶ面もあるが、シナリオやゲーム自体は丁寧なつくりでファンからも評価されている。
最終更新:2024年01月27日 00:04