クラッシュ・バンディクー がっちゃんこワールド

【くらっしゅ ばんでぃくー がっちゃんこわーるど】

ジャンル アクション+バトルレース

対応機種 プレイステーション2
プレイステーション・ポータブル
ニンテンドーゲームキューブ
メディア PS2 DVD-ROM
PSP UMD
GC 8cm光ディスク
発売元 ビベンティユニバーサルゲームズ
開発元 ラディカル・エンターテインメント
発売日 2005年12月1日
定価 PS2/GC 7,140円
PSP 5,184円
プレイ人数 PS2 1~2人
GC 1~4人
PSP 1~8人
レーティング CERO:全年齢対象
判定 なし
ポイント シリーズ異色作
探索型アクション
ライバルの車と合体
相変わらずロードが長い
あまりにも洋ゲーチック
クラッシュ・バンディクーシリーズリンク


概要

  • 舞台はヘンテコなテーマパーク。
  • タイトルの「がっちゃんこ」は合体するときの擬声語であり、アクションとレースの融合や、レースにおいて車同士が合体することを意味している。
  • 原題は『Crash Tag Team Racing』と明らかにレース要素があることがわかるタイトルである。
  • 開発は『Mario Is Missing!』のNES版、『Beavis and Butt-Head』のGENESIS版や『グリッドランナー』(SS/PS)、ザ・シンプソンズのゲーム化作品の1つである『The Simpsons:Road Rage』等を手掛けた、カナダのバンクーバーに拠点を持つVivendi Games傘下(当時)のRadical Entertainmentが担当している

ストーリー

今日もドライブにおでかけして、ノリノリのクラッシュ・バンディクーたち。しかし、世界征服をたくらんでいるネオ・コルテックス博士がクラッシュを倒そうと、すごい勢いでおっかけてきた!激しいカーチェイスのすえ、とうとうヘンテコなアトラクションいっぱいのテーマパーク「ボン・クラッチ モーターワールド」までやってきちゃいました!!
そのころ「ボン・クラッチ モーターワールド」では事件が発生…。パークのオーナー、ボン・クラッチの命の源"ブラック・パワーダイヤ"が盗まれ、さらにパークのエネルギー源である"パワーダイヤ"も無くなってしまったのです。はやく探し出さないとボン・クラッチは死んでしまう…。ボン・クラッチは、パークの権利をかけた争奪戦を開催して、"ブラック・パワーダイヤ"を探し出すことを計画しました。
そこに飛び込んできたクラッシュとコルテックスたち。わけもわからぬまま、争奪戦に参加させられるはめに…。でも、コルテックス博士は「パークの権利が手に入れば世界征服の役に立つのでは!?」とニンマリ。
さぁ、パークの権利をかけた争奪戦が始まります!!


特徴

アクションもレースも、過去のシリーズ作品とは大きく異なる。
以下のボタン表記はPS2版に準ずる。

モーターワールドにはいる

  • 本作のメインとなるアクションパート。ステージのゴールを目指すのではなく、エリアの探索をするゲーム性に変化。
  • モーターワールドを探索し、パワーストーンを集めてパワーダイヤを手に入れ、エリアを解放してストーリーを進めていく、というのが大筋。
    • パワーストーンはエリアに落ちているもの、レースで1位をとったりその他ゲームでゴールドランクをとって手に入るもの、ミッションで手に入るもの、従業員が売っているものなどがある。
    • 園内にはコインやコインの入った木箱が落ちており、集めてミッションや従業員との取引に使う。リンゴじるを取ればしばらくの間獲得量が2倍になる。
    • 各エリアにあるコースの入口に近づくとコースが解禁される。
    • センターエリアにいる鍵アイコンをつけたキャラから出されるミッションをクリアすることで、車の解禁や武器のパワーアップを行うことができる。
    • 各エリアにはコスチュームを売ってる従業員もいる。一部ミッションでは特定のコスチュームが必要になる。
      • コスチュームの変更はキャラ選択画面で行う。
    • 風船アイコンの従業員に話しかけるとミニゲームをプレイすることができる。ゴールドランクでパワーストーンゲット。
      • ミニゲームはちょっと変わったボウリングや射撃系である。
    • 各エリアには特定のコースのショートカットを設けられる仕掛けが1つずつある。ショートカットにはパワーストーンが落ちている。
  • その他の楽しみ方
    • 特定の位置で△or□ボタンを押したり、落ちたりすると「やられざまシアター」や「おもしろムービー」を見ることができる。
      • 前者はマップに表示されるが、後者は自力で探す必要がある。
      • 一度見たムービーはギャラリーから見ることが出来る。
    • 各エリアにいるニワトリに話しかけると「ニワトリあつめ」というミニゲームをすることができる。
      • エリア内に撒かれたニワトリを時間内に全て集めるというもので、成功するとそのエリアのコイン、木箱、リンゴじるが再配置される。
  • アクション
    • ダブルジャンプ、スピンアタック、ボディープレスの3つのみと『1』に次ぐシンプルさになっている。
      • スピンアタックはボタンを連打し続ければ無限に出すことができる。ただし、竜巻スピンアタックにはならないため滞空はできない。
      • ボディプレスは基本的に地面のスイッチを押すのに使う。かつてのスーパーボディプレスのように波紋は出ない。
    • また、ハシゴを登ったり、崖に捕まって左右に動くこともできる。
    • 視点変更やカメラ操作ももちろん可能。
    • センターエリアにいるキャラや一般客、従業員とは会話可能、踏みつけたりスピンをぶつけたりとちょっかいを出すこともできる。
  • 池や谷底に落下したり、トラップに触れるとミスになるが、すぐ近くから復活できる。
    • 残機が無いのでゲームオーバーにはならない。
  • 敵キャラは「ニンジャペンギン」のみ。
    • 滑って体当たりをしてくるが、当たってもミスにはならず自分のコインを落とすだけ。倒すとコインを出す。
    • 後半のエリアでは数がかなり多くなる。

コースをはしる

  • コインやパワーストーンを集めるための1つの手段であり、本ゲームのサブ要素。
  • レース
    • 『レーシング』や『ニトロカート』のようなドリフトターボやジャンプターボは無い。スタートダッシュも無い。
      • ドリフトは、ハンドルを切りながらブレーキを押すとできる。
      • ドリフトをし続けると画面下のぶっとびブースターメーターが溜まり、満タンになればぶっとびブースターが使え、超加速できる。
    • コース上にはアイテムアイコンがあり、触れるとアイテムを取ることができる。
    • ライフゲージがあり、アイテム等の攻撃を受けるとゲージが減って車から煙が出る。ゼロになると破壊&爆発。
      • ライバルの車を破壊すると、その分賞金が加算される。
    • 車の性能差は無いが、キャラごとに「がっちゃんこ」時の武器が異なる。
  • がっちゃんこ
    • △ボタンを押すとカートが青白に光り、ライバルに近づくと合体することができる。
    • がっちゃんこした側はガンナー、された側はドライバーとなる。交代とがっちゃんこ解除はいつでも可能。
    • ガンナーは2人分のキャラ特有の武器を使用して、攻撃することができる。弾には制限がある。
      • ガンナー専用のアイテムは非常に強力。
      • ライバルの車を破壊したり、コース中にある的や作業している従業員を打ち落とすとぶっとびブースターメーターが溜まる。
  • 他の遊び方
    • あたってくだけて
      • コース上に設置された的に体当たりで破壊できた数を競う。
    • みだれうち1080
      • ガンナーとなり、ライバルの車を破壊した数を競う。
    • いちばんのりノリ
      • 1人で1周のタイムアタック。ドリフトが重要。
    • ガンガンタクシー
      • ガンナーとなり、浮いている的の破壊数を競う。
    • バトルアリーナ
      • がっちゃんこ状態でライバルを倒す、4チームのバトルロイヤル。KO数が一番多かったチームが勝ち。
      • 全員デフォルトでは「リンゴガン」だが、武器マークのアイコンを拾えば弾数制限有りで別の武器に変えることができる。
    • スタントアリーナ
      • ジャンプ中にスタントを決め、得点を稼ぐゲーム。
      • 着地をミスると得点が入らない。

その他

  • マルチプレイ
    • 上記のレースやアリーナに加えて、総合成績を競うグランプリがある。
  • BGM
    • ミニゲーム以外のBGMは『5』同様アカペラ。一部には『5』のBGMも使われている。
      • 海外映画のパロディやクラシック曲のアレンジが目立つ。
    • レース中のBGMは順位によって曲調が変わるようになっている。
  • PSP版
    • PSP版は容量削減のためか一部背景が簡略化されている。特にセンターエリアの一般客がかなり少ない。
      • 一部大事な部分も削減されてしまっている。(後述)
    • PS2/GC版とは一部キャラの車のデザインとバトルアリーナが異なる。
    • PS2版とPSP版はUSBケーブルで接続可能。接続すると。お互いに無かった車やアリーナが追加され、PS2版ではマルチプレイに常時がっちゃんこ状態になる「きょうりょくモード」が追加される。
  • フォントは丸ゴシックが使われている。

評価点

  • ボリュームは十分
    • アクションとレースの2部構成の上、その他にも様々な遊び方があるため、ボリュームはあり飽きさせにくい。
    • アクションはしっかり箱庭状のマップを探索できるようになっており、ミッションを次々にクリアしていくのも楽しい。
    • レースでは他人の車の破壊するのはなかなか爽快。
      • 逆に破壊されても硬直時間はそこまで長くないため、ストレスは溜まりにくい。
  • キャラのセリフが多い。
    • ゲーム開始時などではキャラが操作法などを解説をしてくれる。
    • テーマパークということで、エリア紹介もいい感じ。
    • センターエリアにいるキャラだけでなく、売り物をしている作業員との会話も面白い。
    • レース中のセリフは何パターンもあり、中々盛り上げてくれる。

賛否両論点

  • 今までと大きく異なるゲーム性
    • クラッシュの操作感
      • 『4』や『5』とはまた違った操作感になったが、あまりもっさりした感じではない。
      • 無限にスピンアタックできる点だが、とりあえずスピンしまくればなんとかなるという場所は無いため、ゲームバランスに影響は無い。むしろ大量に置かれている木箱をすぐ壊しまくれる。
    • 残機が存在しない。
      • つまりゲームオーバーの概念が無いため、あまり緊張感が無いと感じる人もいるかも。
      • そもそも行けないところに立つと死ぬようになっているので、かえって残機があると理不尽に感じることも考えられる。
    • ボス戦が全く無い。
      • アクションにしろレースにしろ過去シリーズには必ずボス戦は存在した。
      • 犯人は逃げることしか考えていなかったため直接対決するという展開も無く、全てムービーで完結されてしまっている。
    • ゲーム中での死亡シーンが乏しい。
      • どんなトラップに触れてもその場で倒れるのみ。また、落下しても特にリアクションは無い。
      • そういうのは「やられざまシアター」でカバーされているといった感じか。
    • 敵が1種類のみ
      • 舞台が遊園地のため敵があんまりいるのも変な話だが、もう少しバリエーションがあってもよかったかもしれない。
    • レースのゲーム性
      • コースアウトの概念が無く*1、破壊からの復帰も比較的早いため、ぶっとびブースターでいかに加速できるかが勝敗を分けることになる。
      • つまりレースに勝つためにはドライバー時に長くドリフトするか、防御不可のガンナーの攻撃でぶっ壊しまくるかが重要で、駆け引きがあまり必要ない。
      • 逆に言えばドリフトのテクが無くてもレースに勝つことは難しくないため、対人戦での実力差は開きにくい。
      • CPUは破壊時の硬直がプレイヤーよりも長く、ぶっとびブースターをあまり使わないなどそこまで強くないため、シングルプレイで1位をとる難易度は低い。
    • 車がただの収集要素
      • PSP版連動をしない場合各キャラ3台ずつ車を持つことになるが、どれも性能差は無くただデザインを楽しむものだけになっている*2
      • 車ごとにタイヤ、イナズマ、盾(?)のマークがつけられているが、どういう意味があるかは謎である。
      • CPUは全員、自分が選んだ車と同じミッションレベルのものを選んでくる。
  • ミニゲームのほとんどが射撃ゲーム。
    • 射撃ゲームにも様々パターンがあるものの、もう少し別のジャンルのゲームがあってもよかっただろう。
      • 射撃ゲーム以外はボウリングのみである。
  • かなりの洋ゲー臭さ
    • デザインや一部キャラのノリが今まで以上に洋ゲー臭くなっており、好みがかなり分かれるところ。
      • 「やられざまシアター」や「おもしろムービー」はもはや海外アニメそのもの。BGMの使い方もかなりそれっぽい。

問題点

  • ロードが長い
    • 近頃の据置版のシリーズ同様であり、一向に改善されない点。
    • エリア移動時やレース開始時などに入ってくるため、テンポを悪くさせている。
    • 特にPSPでのロードの長さはあまりにも深刻。
  • ストーリーの描写不足
    • ブラック・パワーダイヤを盗んだ犯人の動機が一切不明。
    • ちなみに犯人はラストで捕まった時、自供をする間もなくすぐ始末されてしまう。
  • キャラクターの扱い
    • エヌ・ジン
      • 血色が悪い見た目になり、言動も乱暴になるなど大幅なキャラ変更をされている。
      • また、コルテックスをご主人様呼びするなど設定もおかしくなっている。
      • キャストはかつてニトラス・ブリオを担当していた小形満氏。
    • クラッシュ
      • ゲーム中はパッケージで見るデザインに日本向けにローカライズされている…のだが、ストーリーのムービーは海外版のデザインままで統一感が無い。
      • ゲーム中でも他のキャラと比べてもデザインが全然違うためかえって浮いている。
      • やられざまシアターの一部では、何かに潰された後に元のデザインに戻っているなどやや粗が見られる。
      • また、奇声のようなしゃべり方をしたり、「おもしろムービー」で何の罪も無い従業員を笑って殺すなど度を超えた悪ふざけを好む性格にされている。正義のヒーローとは一体。
      • 外国版のみの要素だがクラッシュくんの動作が今までのシリーズのコメディー色が強いものから獣臭いものになっている。
      • 例を挙げるなら足で体のノミを取っていたり、自分の靴を噛んでいたりする。そのためキャラクターのモデルを変更したのも致し方ないのか。
    • アクアク
      • 今までクラッシュのサポート役として支えてきたのに関わらず、本作ではセリフも無くとあるコースの的として登場するだけ。どうしてこうなった。
    • ココ、クランチ
      • キャスト変更されてしまった。なんとココは3回目*3
    • ニーナ
      • 『5』からキャスト変更され*4、『わくわく友ダチ大作戦』同様普通に話すキャラにされているが、一人称が「アタイ」になりあまり子供っぽくない性格になった。登場から日が浅いキャラなため、批判はほとんど無い。
  • やられざまシアターのバリエーションが少なく、クラッシュくんが食べられたり、落下物に潰されたり、爆発に巻き込まれるというパターンが大半。
  • 武器の性能差
    • エヌ・ジンなどの攻撃力が強い武器は弾が少ない、連射しにくい、照準が合わせ難いなどの調整をされているのだが、基本的にそういった武器の方が有利。がっちゃんこし直せば弾数を気にする必要もなくなる。
    • レース以外でも、広範囲に攻撃できるボン・クラッチやコルテックスは「みだれうち1080」、連射がかなり速いクランチは「ガンガンタクシー」が非常に有利なため、高スコアを狙うならほぼ限定されてしまう。
  • マルチプレイでの解禁がやや面倒
    • マルチプレイではシングルプレイとは別にコースやコスチュームを解禁させる必要がある。
    • なぜかシングルプレイのコインと連動しておらず、わざわざマルチプレイでコインを貯めて解禁させていく必要がある*5
    • ソロでもプレイできるのがまだ救いか。
  • CPUの挙動
    • 難易度「むずかしい」にすると、がっちゃんこをしてる場合にファイナルラップのゴール手前で解除し1位を独占しようとしてくることが多い。同率1位でも単独1位でも何も変わらないが、どういう理由なのだろうか?
    • 結果、がっちゃんこせずに単独で独走した方が安定して1位を取りやすく、根本的なゲームシステムを否定する形になってしまっている。
  • 達成率100%にしても何も追加要素が無い。
  • PSP版特有の問題
    • 車から出る火のエフェクトが表示されず、車のダメージ状況が全く分からないという。
    • バックミラーが無く、後方を確認できない。
  • PSP版との連動
    • 果たして別ハードとはいえ同じ内容のソフトを買う人がそう多くいるだろうか?

総評

アクションもレースも大きく路線変更を施され、雰囲気も大きく変えられたが、ゲーム自体はボリュームもあり割と面白い出来。
ただし、プレイ時にはロード等のもどかしさやシステムの細かい粗が目立つ。
また、ストーリーの描写不足や一部のキャラの扱いには疑問が残る。


余談

  • 海外でのみXbox版が発売。
    • また、Sensory Sweep Studios開発によるニンテンドーDS版も企画されたが、実現には至らなかった。
  • アストロランドの紹介時、ラストに海外版のセリフが突然流れるというミスがある。
  • 動物の虐待ともとれる描写が多いためか、クレジットの最後に「ペンギンたちは、このゲームによってなんのひがいも、うけておりません」という注釈が出る。
    • 文章がどうにも不自然だが、それもそのはず、これは誤訳。海外版の文章を忠実に訳すと「このゲームのかいはつによって、ひがいをうけたペンギンはおりません」の方が正しい。
      • 原文は"NO PENGUINS WERE HARMED IN THE CREATION OF THIS GAME."。NOが掛かる単語を間違えた上にCREATION OFが欠けている、二重のミスが行われている。
      • 洋画ではクレジットの最後に「No animals were harmed.」という断り文句を流すのが慣例となっており、それに則ったメッセージと思われる。参考(英語)
  • 「やられざまシアター」と「おもしろムービー」で日本版と海外版で微妙に内容が異なっているものがある。
    • それと日本版では「やられざまシアター」の一つが削除されている。
  • ロード画面が日本版と海外版で異なっている。
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最終更新:2024年03月09日 09:07

*1 コースからの落下はある。

*2 ただし、スタントアリーナでは微妙に性能差がある。

*3 ちなみに今ではかなり有名な新井里美氏である。

*4 『5』では一瞬声を上げるくらいだった。

*5 クラッシュのコスチュームで本編にあったものが一つ無い。