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ウルティマオンライン

【うるてぃまおんらいん】

ジャンル MMORPG
対応機種 Windows
メディア ダウンロード
発売元 エレクトロニック・アーツ
開発・運営元 エレクトロニック・アーツ
Origin Systems
Mythic Studio
Broadsword Online Game*1
発売日 1997年7月24日
定価 基本無料
判定 賛否両論
ポイント MMORPGの始祖、大規模ネットゲームの偉大なる先駆者
自由度の高さは古今東西において唯一無二
長い歴史故に良点も欠点も多い
Ultimaシリーズ


概要

オリジンのリチャード・ギャリオットによって、同氏が手掛けたウルティマシリーズの世界観を題材にした多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム、通称「UO」。
MMORPGというジャンルの先駆者と呼ばれ、後の同ジャンル作品には多大な影響を与えた。
同じジャンルの中でも比類ない程に高い自由度が特徴となっている。
世界的にヒットしたが日本プレイヤーも多く、その事もあって日本を題材にした大型アップデートも行われたほど。
「ネットに存在するもう一つの現実」とまで喩えられた本作の評価は如何に…。


あらすじ

古の魔法によって生まれた大地ソーサリア。邪悪な魔術師モンデインは不滅の宝珠の力によってソーサリアを閉じ込め支配した。
しかし、異世界より召喚された冒険者によって魔術師は倒され、不死の宝珠も砕かれその企みも潰えたかの様に見えた。
だが宝珠の力に掛けられた呪いは強大でその欠片はいくつものシャード(本作ではサーバーを意味する)となりソーサリアは複数に分かたれた。
時は流れ、個々のシャード内で各々の歴史を刻んだソーサリアはブリタニアと呼ばれるようになった。
そこには多くの異邦者(プレイヤー)たちが降り立ち、冒険に生活に…朽ち果てるまでその数だけの人生を送るのだ。


UOの略史

+ 運営

運営側の沿革表

年日 沿革 概要
1996年5月13日 プレαテスト開始
1997年6月12日 βテスト開始 βサーバーの終了時に世界はデーモン侵攻による世界崩壊という衝撃的な結末を迎える。
1997年10月4日 正式サービス開始 「the Shattered Legacy」という副題がつく。
1998年9月28日 日本向けサーバー稼働開始 初の日本向けサーバ「Yamato」「Asuka」が "ワインが届く頃 "、稼働開始する。
2014年2月 開発・運営元変更 開発・運営を行ってきたEAの子会社であるMythicスタジオが解散。それに伴い、開発・運営は Broadsword Online Gameに移った。
+ 拡張パッケージ一覧表

拡張パッケージ

年日 名称 略称 概要
1998年10月28日 ザ・セカンド エイジ T2A ロストランドと呼ばれる未開の土地が現れる。
2000年04月28日 ルネッサンス R 大型拡張。戦乱が続くフェルッカからトランメルへの移住が始まる。
2001年03年21日 第三の夜明け TD 3Dクライアントがリリース。3D専用のフィールドのイルシュナーが発見される。後に2Dでも遊べるようになる。
2002年02年21日 ブラックソンの復讐 LBR ブラックソーンとその軍勢によってブリタニアが大規模な侵略を受ける。
2003年02年19日 正邪の大陸 AOS 移住可能な世界マラスが現れる。そして、パラディンとネクロマンサーのスキルが追加。カスタマイズが可能な家が建築可能になる。
2004年11月02日 武刀の天地 SE 日本及びアジア圏をモチーフにしたファセットの徳之諸島が追加され、異国の武器防具、侍や忍者に関連するスキルがもたらされる。
2005年09月11日 宝珠の守人 ML 新たなる種族エルフと彼らの住まうハートウッドの町、それに新たなアイテム、魔法スキルが加わる。
2007年06月28日 甦りし王国 KR リファインされた3Dクライアントがリリース。
2009年09月09日 ステイジアン アビス SA 新たなる種族ガーゴイルの参入。新たなアイテム、戦闘・生産系スキルに彼らの故郷のテルマーが追加された。
2010年10月12日 未踏の航路 HS 海をテーマとしたコンテンツが多数追加。船舶や釣りなどにも追加要素が入った。
2015年10月8日 伝説の刻 TL 運営変更後初の拡張。魔女ミナックスが住まう要塞のあるイオドーンの谷が追加。
2018年4月11日 エンドレスジャーニー EJ 機能制限付きながら基本無料化。制限は課金で解除可能。
+ シャード一覧表

地域別(国別)シャード一覧表
※開設年代順(一部を除く)

名称 開設年日 備考
国名 名称
日本
Asuka 1998年9月28日 日本国内最古シャード。
Yamato 1998年9月28日 アスカと数時間差で開設されたシャード。
Wakoku 1998年10月31日
Hokuto 1999年1月22日 運営会社の米国担当者が公式サイトにおいて「Hokotu」と2回も誤記。ユーザー間では「ホコツ」と呼ばれる事もある。
Izumo 1999年10月1日 日本シャードでは最も早く新パブリッシュが適用される。
Mizuho 2001年4月30日
Mugen 2001年10月16日 上級者ルールの適用される、ハードコア・シャード。
Sakura 2002年10月21日 日本で一番新しいシャード。バックストーリーではWakoku、Izumo、Mizuhoが誕生に関わっている。
アジア・オセアニア
韓国 Arirang
Balhae
台湾 Formosa
豪国 Oceania
ヨーロッパ
独国 Drachenfels
英国 Europa プレイヤー独自のRPイベントが活発で、そのストーリーラインは数カ月に及ぶこともある
アメリカ
Atlantic βテストシャードを除く最古参シャード群の一つ。歴史も長くUOで最大のギルド同盟の本拠地が存在した。2019年現在、大規模な取引シャードと化しており、一攫千金を目論む貿易商人たちがスーパーレアアイテムを求めて集結している。
Pacific 最古参シャード群の一つ。名前の由来である太平洋の通り日本シャードが開設されるまでは、SonomaやBajaなど他の西海岸シャードに日本人が居を構えていた。
Great Lakes
Lake Superior かつては活発だったRPコミュニティと、PvPにおいて優れたスキルと悪辣さで名を馳せていた。
Baja
Chesapeake 活発なPvPと長い歴史を持つRPコミニティが存在する。隔年で Chesapeake Olympicsというお祭りが開かれる等イベントも活発。
Napa Valley
Sonoma
Catskill 一見物騒な名前だがキャッツキル山脈に由来を持つ北米東部サーバ。名前から猫好きのプレイヤーが多いとか。
Lake Austin ウルティマオンラインの5周年に開設されたシャード
Legends 当初 AOL Legends というAOL会員限定シャードだったが、現在は一般利用者にも開放されている。
Siege Perilous 上級者ルールの適用される、ハードコア・シャード。通称「シゲピー」
Origin 下記のTest Sosariaに代わり、変更・修正が全世界に先駆けて行われ、その調節がテストされる。プレイヤーも自由にログインすることができ、ステータスやアイテムの正史絵などのコマンドを自由に使え、新要素の検証も等にも使えるが、不定期でサーバーの中身がワイプされる点に注意。
現在閉鎖済
Test Sosaria 常設されていたテストシャード。開発陣によって色々な仕様がテストされていたが、Origin開設に伴い廃止。また、これとは別に臨時のシャードが設置され、テストが行われる事がある
Abyss 1998年のハロウィンに設置された期間限定のイベントシャード。プレイヤーはモンスターに扮し、他のプレイヤーや一般NPCをAbyssに叩き込ませるという、この分野では初の「楽しい」シャード。
Farmageddon 1998年の感謝祭に設置された期間限定のイベントシャード。Farm(農場)+armageddon(ハルマゲドン)の合成語で、内容もその題名に準じて農夫と家畜たちが大戦争を繰り広げる、「愉快な」シャード。
Santa's Slay 1998年のクリスマスに設置された期間限定のイベントシャード。上記Farmageddonに触発されて作られたシャード。プレイヤーはサンタ等に扮し、人々をSlayしていくという、これまた「微笑ましい」シャード。
Shard of the Dead 2005年のハロウィンに設置された期間限定のイベントシャード。
韓国 Baekdu ハードコア・シャード。2002年6月閉鎖。

システム

冒険の地ファセット
  • ファッセットとは同一のサーバーに存在する世界を意味する。プレイヤーはこのファセットを行き来し、冒険や生活、場所によっては定住することができる。
  • 現在は8つの世界にわかれており、一部入るにはアカウントを対応する拡張パッケージにアップグレードしなければ入れない。
    • トランメル:キャラクター作成時にプレイヤーが最初に降り立つファセット。平和で秩序が保たれており犯罪者や殺人者のプレイヤーは基本的に行き来することはできない。モンスターとの闘いが主でありほぼPvEのみのファセット。多くのプレイヤーがここを拠点としていることが多い。
      • フェルッカとは対になる世界であり、基本的な地形は大体同じだが、風景は荒れておらず、細かい地形等の違いもある。
      • フェルッカを除く他のファセットは、大体がトランメルとほぼ同じルールで運用されている(特殊ルールシャードを除く)。
    • フェルッカ:混沌と戦乱に満ちたファセット。木は枯れ果て街道には墓石や無残に朽ちた死体などが骸を晒している等、荒れ果てた風景が広がる。PvPに関して制限は無く、PK(プレイヤーキラー)や窃盗などがまかり通っている。特殊ルールシャードを除くとPKや犯罪者はここのファセットでしか活動できない。
      • 独自の対人コンテンツが実装されており、町の支配権をめぐった派閥間の闘争が行われている。
      • リスクは高いものの、モンスタードロップの品質が他のファセットに比べて良く資源の産出量が多く(2倍)、フェルッカのみでしか手に入らない貴重なアイテムがあるなどリスクはあるがリターンも大きい。
    • イルシュナー:移動魔法に制限が掛かっており、探索は徒歩が基本となっているファセット。ブリタニアを裏切った王ロード・ブラックソーンの居城がある。稀にパラゴンと呼ばれる強化モンスターが通常沸きするシステムがあり、危険ながらも倒せれば大きな見返りが期待できる。
    • マラス:星海に浮かぶ大陸。探索よりも(当時不足していた)家屋用の建設地としての意味合いが強いファセット。パラディンやネクロマンサーが修練を行う町がある。
      • 唯一存在するダンジョンには最奥部に強敵が控えているが、打ち倒すことができればアーティファクトと呼ばれる強力な装備を入手できる。
    • 徳之諸島:日本を題材にしたファセット。フィールドには九尾の狐等の妖怪の他にも忍者や浪人と言った敵が登場する。フィールドにも全体的に危険度の高い敵が多く探索は慎重を要する。
      • 和風とはいうものの、西欧圏の人間がイメージするステレオタイプなアジア観・エスニック的な表現も多い。
      • ダンジョンやフィールドには強敵が多く、探索には十分な準備が欠かせない。一部の土地は移住も可能。
    • テルマー:ガーゴイルの故郷で虚空に存在する異世界。UOSAで追加された「練成」スキルに必要な練成素材などが手に入るので人気は高い。
    • イオドーンの谷:モンデインの弟子にして愛人の魔女ミナックスの居城があるジャングルに囲まれた峡谷。恐竜のようなモンスターが闊歩する古代の様な世界。外伝作品の「恐竜帝国」がモチーフになっている。
スキルシステム
  • 通常のRPGでは成長の度合いを「経験値とレベルアップ制」で表しているが、UOでは各行動に関連する技能(スキル)が上昇する「スキル制」を取っている。
  • 戦闘であるなら剣であれば「剣術」、メイスなら「鈍器」と言った対応した武器スキル値を磨くことでダメージ、命中率、回避率を上げる事ができる。
    • 魔法は習熟度に応じた難易度の魔法を使用することで上昇させられる。習熟度に見合わない魔法を使おうとしようとすると失敗する確率は高くなる。後述する生産系スキル等にも難易度制をとっているスキルは多い。
  • スキルは戦闘以外にも資源を採取に関わる「採掘」「伐採」「釣り」、素材からアイテムをつくりだす「料理」「鍛冶」「大工」「裁縫」と言った物から「調教」「物乞い」「スリ」「検死」の様な変わったものまでバラエティ豊かなものが多い。
  • そのスキル単品ではあまり有用な効果が無くても、特定のスキルを併用した際にシナジー効果を持つものがある。
    • 武器スキルを使う時に「解剖学」「戦術」というスキルがあるとダメージを底上げができ、魔法の場合は先述と同様魔法ダメージに関わる「知性評価」や魔法使用時に使うマナの回復速度決める「瞑想」等がある。
    • シナジ―効果があるスキルは直接使わなくても関連スキルを使う事でも上げられるので、育成の手間もそれ程煩雑ではない。
  • なお、プレイヤーキャラには各スキル値と合計スキル値に上限が設定されている。そのため、キャラビルドによってスキル構成を吟味する必要がある。
    • いわゆる「素」の状態で各スキル値の上限は100%、合計スキル値の上限は700%。前者は「パワースクロール」と呼ばれるアイテムで、後者はアカウントのプレイ期間による報奨などで上限を上げることができる。
    • 合計スキル値が上限に達した状態であるスキル値が上昇した場合、辻褄を合わせるため他のスキル値が低下する。これを防ぐため、各スキル値に「上昇」・「ロック」・「低下」というプロパティを設定できる。
    • あるスキルに値を回すために、他のスキルを中途半端な習熟度で「ロック」するのもアリ。例えば魔法の場合、常用する魔法が100%成功する値までスキルを上げ、その後スキル値を固定させるビルドを取ることが可能。
      • 更に任意のスキルを出し入れし、自分の他キャラクターと融通できるアイテムもある。これによって、討伐するモンスターに最適なスキルを組み合わせて参加することが可能になった。
    • また、装備品にはスキル値を上乗せする効果を持ったものがあり、これを重ねて使えばスキル値を大幅に上げることが可能なのだが…これについては問題点で後述する。
ステータスシステム
  • スキルは文字通りキャラクターの「技能」であり、一方通常のRPGの「力」や「素早さ」、「賢さ」に該当するステータスがUOには存在する。
  • ステータスは三種類。物理攻撃の威力やヒットポイントに影響する「STR」、攻撃スピードやスタミナに影響する「DEX」、魔法攻撃の威力やマナに影響する「INT」。
  • 各ステータスはそれに対応した行動を取ることで上昇する。
    • 例えば戦闘で武器を振る→STR上昇、アイテム作成を行なう → DEX上昇、魔法を使う → INT上昇、など。
  • 各ステータス値と合計ステータス値の上限や「上昇」・「ロック」・「低下」のプロパティ・上昇アイテムの存在などはスキルと同様。
    • ただ、STRによって装備できる武器の種類、武器の種類とDEXによって攻撃スピード、INTによって最大マナやマナ回復速度(=魔法を連打できる回数)が決定されるため、スキルとはまた違ったビルドを練る必要がある。
生産活動
  • UOにおいて他のMMOに比べると生産活動は重要位置を占める。ゲーム内における武器・防具・補助用アイテム等の実用品に限らず日用雑貨から装飾品に至るまで豊富なアイテムを作成することができる。
    • 料理や細工と言った半ばRPに近いスキルにもそれらの職人でしか作れない実用アイテムもあったりする。
    • 鍛冶や裁縫等の生産系スキルでは、スキル値(ブーストアイテム込みも可)で100.0以上の状態でアイテムを作成した際、高品質な物を作ると自分のを入れることができる。生産系ロールプレイを志すプレイヤーにとってはこれが一つの目標となっている。
    • アイテムには耐久性が設定されており、武器や防具などは摩耗するのでプレイヤーの生産者が修理や魔力のチャージなどを行う。
    • そもそもNPCの店売りアイテムは質や品揃えが頭打ちでそれ程優秀ではないので、戦闘職にとってはより上質または安定した供給の装備・アイテムを求めるなら熟練したプレイヤーの職人が作った武器や防具やポーションを買う必要がある。
      • アイテムはそれなりに安定していたが、装備に関してはAOS以降におけるアップデートでプレイヤーの生産品の価値が乱降下してしまい、SAで復権するのだが…それについては問題点で後述する。
    • 生産や採集に使うツルハシや釣り竿の様な道具も同様に、プレイヤーの作った高品質品があるとより良い結果を出しやすくなる。
  • スキルを利用しない生産活動も存在し、植物を育てる「ガーデニング」、水生生物を繁殖させる「アクアリウム」がある。前者は装飾用の植物や有用なアイテムを得られ、後者は装飾アイテムや宝の地図を得たりすることができる。
  • また、一部の生産系スキルにおいてある程度の腕前を持っていれば、バルクオーダーと呼ばれるNPCの店員から受けられるクエストが存在する。発注された品物を指定された素材・品質・数量で納品する事で名声とアイテムが手に入る。
    • 難易度の高いバルクオーダーを達成すると、スキルをブーストするアイテムや製作物に魔法効果を付与するアイテム等が手に入る。
ペーパードール
  • 装備はペーパードールと呼ばれる自身のアバターの全身像が掛かれたUIにドラッグ&ドロップすることで着脱できる。
    • 装備できる服は無数にあり、一部ステータス制限などをクリアしていれば何でも着られるので、ファッションも盛ん。魔法使いなのに鉄の鎧を着るなど自由にコーディネイト可能。
名声とネームカラー
  • ネームカラーはそのキャラクターの属性を名前の色で示すシステム。
    • デフォルトだと通常のプレイヤーは青色、犯罪者や相手に一方的に攻撃を加えようとするものは灰色、殺人者は赤色で表示される。プレイヤーに限らずNPCでも適用される。
  • 灰ネーム は盗みや他のプレイヤーへの攻撃行為、他の犯罪者・殺人者への有益な行為をした場合に変化する。ある程度の時間待てば青ネームには復帰できるが、その間はファセット移動不可、町のNPC衛兵を呼ばれると殺される等の数々の制限を受ける。
    • 他のプレイヤーへの盗みを行った場合は、そのプレイヤー間では半永久的に灰ネームとして表示される。
  • 赤ネーム は、殺人カウント(他のプレイヤーを殺害した場合に上昇)が一定数以上になった場合に変化する。
    • 赤ネーム時の制限は非常に厳しく、いかなる場所でも他のプレイヤーからネームカラー問わず攻撃を受ける可能性がある。また他のファセットに移動できない、問答無用でNPC衛兵に殺されるので一部の街を除いて入る事ができない等の諸処のペナルティを受ける。
      • 町に入れないということは、町のNPC達によるサービスを受けられないということであり、また物資調達などでも苦労する。ある程度、自給手段や生活基盤を築いていないと赤ネームで生活するのは難しいと言える。
      • 青ネームに戻るには灰ネーム以上の時間を要する。
  • 名声とはプレイヤーキャラの行いによって上下するその世界における評判の様な物。それに加えてカルマというステータスが存在する。こちらは、プレイヤーキャラの善悪の属性を表したもの。
    • 名声は自分より名声の高いモンスターを倒したり、クエストやバルクオーダーを成功させると上がる。物乞いをしたり、死んだりすると下がる。また、何もしてないと自然減少する。
    • カルマは善行を詰んだり、自分よりカルマの低いモンスター、プレイヤーを仕留めるなどすれば上がるが、犯罪や不当な殺人・ネクロマンサーの秘術を使うなどの等のネガティブな行為をすると下がる。
    • これらはプレイヤーのステータスに称号として表示される。これらの要素はロールプレイにおける指標に過ぎないので実際のプレイヤー間の評判等とは異なる。 一概に言えないが称号でプレイヤーがどんな行動をとっているかおおよそ推察できる。対人可能なエリアでこれが悪いものであったら犯罪者か殺人者である可能性も疑われる。
称号
  • 前述の名声・カルマの称号だけではなく、無数の称号が存在し設定画面からキャラクターに表示させることができる。 称号の種類は、スキル値、特定のモンスターを倒す、ボスエリアのクリア、クエストのクリア(及びその回数)、ギルドリーダーから与えられたもの、プレイ月数など多数ある。そのため、称号を見ればそのプレイヤーの経歴がある程度わかるようになっている。
    • ただ、称号は証書になっているものもあり、他プレイヤーから譲ってもらうこともできる。
    • 討伐系称号は、常時討伐していないとランクが下がり、やがて消滅するものもあるので、アクティブに参加しているのかが分かる。
    • 期間限定で手に入る称号があり、現在では入手不可能なものもある。
  • 特定の街に貢献すると、その街から「爵位」を貰うことができる。市民から始まり、最上位の公爵まであるが、街への忠誠度を上げる(金銭・資材の提供、奉仕活動など)必要があり、授爵料も必要になる。上位の爵位になると授爵料も莫大になる。
  • ただ、一度に表示できる称号は限られているので、表示する称号の選択にも個性が出る。
死と蘇生
  • 死亡した場合、プレイヤーは幽霊となる。前述の名声と後述するアイテムロスト以外にペナルティは無いが、一部の対人コンテンツに参加しているプレイヤーは死亡時に一定時間スキルロスが発生する。
  • 幽霊になった場合、移動以外はほぼ何もできなくなる。体勢を戦闘モードにしない限り他人には姿が見えず、会話しようにも相手が「霊話」スキルを持っていないと全て伏字「OooOOo Ooo」になってしまう。
    • 幽霊状態から抜け出すには、他のプレイヤーから治療か蘇生魔法を施してもらうか、自力で神殿やNPCのヒーラーのもとに赴いて蘇生してもらうことになる。献身の徳を治めたプレイヤーに関しては自己蘇生も可能。
    • なお幽霊時の所持品は(自動的に得られる)灰色のローブなどごく一部で、他の所持品は自分の死体と共に置き去りにされる。蘇生しても自動回収はされず、自ら再び回収に向かわなければならない。モンスターによっては死体内の装備をルートしてしまう。
      • 現在はアイテムに個別に保険をかけ、蘇生後も手元に残せるようになった。
      • 更に保険金さえも必要なく、永久にロストすることがない「ブレス」が行える証書も存在する。
ハウジング
  • プレイヤーは建築が可能なエリアであれば1アカウントにつき全シャードのいずれかに家を1軒建てることができる。家の敷地内ではオーナーとアクセス権を付与されたプレイヤーならば安全にログアウトができる。
    • 建築可能なエリアであれば、家の土台が収まるだけの広さの空き地があれば、全世界ほぼどこにでも建てられるようになっている。
      • 2軒以上建てようとすると古い方の家は猶予期間を経た後に消滅し、敷地内にあったアイテムは軒先にドロップしてしまう。
    • 家には同じアカウントの自キャラは誰でも使え、他のプレイヤーなどはアクセス権を付与することで共有者や同居人として扱う事もできる。
  • 家は個人の居住スペースとしても使えるが、パブリックスペースとして他のユーザーが自由に侵入できるように解放して使うこともできる。
    • 店舗として利用している家では、専用NPCを雇用契約することで販売したいアイテムを持たせて店員として機能させることができる。
  • 家に関しては固有アセットの物もあるが、プレイヤーが内装を変更できるカスタムハウスを建築することもできる。
    • カスタム専用の土台を土地にセットして壁や柱等を配置する必要があるが、それらのカスタムには資金が必要となる。

評価点

低スペックでもプレイが快適(2Dクライアント)
  • 3Dゲームと比べると絵柄などに古臭さは感じるが日本シャードであればラグは感じず非常に快適。PCスペックがさほど高くなくても快適に遊べる点が大きい。
バラエティ豊かなフィールド
  • ファセットの探索には騎馬できる生物に騎乗したとしても1日では回り切れないほど広さがある。
    • 探索には時に船などを使わなけば侵入できない島があったり、移動魔法などを使わず探索しようとするだけでも結構な冒険となる。
  • 高品質で温かみのあるドットで絵が描かれたフィールドは美麗であり、今のゲームと比べても見劣りすることは無い*2
  • ハイファンタジーがベースだが、時にはスチームパンクの様な世界だったり、日本風の世界だったりとごった煮風味。
多種多様なスキル
  • スキル制のため、固有の職業(ジョブ)と言ったものは無い。どのスキルに精通しているかでキャラのロールを定める形をとっている。その為、他の作品でも余りない自由度の高いキャラビルドを実現している。
  • 例えば武器で戦う“戦士”ひとつとっても、武器攻撃に特化した専業戦士、魔法も使える魔法戦士、武士道の技法を使う侍戦士、パラディンとネクロマンサーのスキルを両方使いこなす者(通称ネクパラ)など、スキル構成は自由自在。
    • また、後からスキル構成を変える事も自由にできる。例えば専業戦士から、魔法戦士や専業魔法使いや生産職に鞍替えすることも可能。もっとも、新たに覚えたスキルを鍛える時間は必要だが。
    • 戦いの日々に疲れて、「釣り」にいそしむ事で生計を建てている元戦士の漁師みたいなロールプレイをする事もできる。
  • 鉱石の「採掘」にしても、ろくに戦闘能力が無い坑夫になるもよし、自分で鍛冶まで行える鍛冶師になるもよし、特殊なツルハシで現れる鉱石モンスターとも渡り合えるような鉱石ハンターになるもよし。
  • 変わった物になると動物の「調教」に精通することで牛追いだった牧夫がドラゴンを従えるモンスターテイマーになったり、「音楽」を究めることで演奏で魔物を大人しくさせたり同士討ちさせる吟遊詩人になったり、「窃盗」を極めることでNPCのみならずプレイヤーのアイテムをかすめ取るシーフとして暗躍したり、「地図解読」「開錠」を駆使して隠されたお宝を探り当てるトレジャーハンターにだってなれる。
  • 但し、スキル単体の上限とは別に、一人のキャラクターが習得できるスキルの総量にも限度がある(アイテムなどで多少増加させることは可能)。このため、どれもこれも習得したいわゆる“勇者、万能キャラ”は、全てが中途半端な器用貧乏になってしまいがち。
    • スキルの総量が上限に達している場合は、何かのスキルが上がる際に、あまり使っていない他のスキルが自動的に下がる。変動させたくないスキルは個別にロック可能で、好みのビルドを構築していくことができる。
稀に見る自由度と生活感
  • 本作を言い表すとするなら「ネット上に存在する、もう一つの現実」という言葉が当てはまる。如何なるプレイスタイルでも取れる余地を持つ。戦わないスタンスもプレイスタイルの一つして成立し、それを成すことができる舞台が整っている。
  • MMORPGの大半が戦闘に比重を置くのに対し、UOは非戦闘のコンテンツに関しても多大なボリュームを持つ。
    • 大半のMMORPGだと生産素材の入手法がモンスターからのドロップであることが多く、戦わずして生産活動を行う事は困難であることが多い。しかしUOでは多くの素材を採集や製造などで自給できてしまうので、生産職プレイ一本で自活する事も不可能ではない。
  • 本作の生活のおけるインフラやサービスの供給はプレイヤー無くして成り立たない。上記で述べたように実用的なアイテムはプレイヤーの製作物でないと品質や供給量に劣るためである。その為、ユーザー間での経済活動が活発である。
    • 錬金術師が生産したポーション等でないとNPCの店売り品は回復力や薬効の実用性に劣り、武器や防具が劣化した場合にはプレイヤーの鍛冶屋が修理しなくては耐久性が回復せず、移動魔法に必要な巻物の生産は写植士でないと安定して供給できず、馬以外の珍しい騎乗用の生物を捕獲するのはアニマルテイマー以外にできない。
    • 狩りから戻った戦士が鍛冶屋に立ち寄り、鉄を叩いている他のプレイヤーの鍛冶師に傷んだ防具の修理を依頼する光景はありふれたものだった。
  • 通常のMMORPGでは敬遠される悪人ロールプレイも、UOにおいては規約に外れる様な事でなければ許容されている。
    • シーフ系スキルを活かしたプレイヤーからの窃盗プレイもできる。フェルッカにおいては街中でのスリは初期の頃によく見られた光景だった。無論、NPCやモンスターからの盗みも可能である。
    • 他のプレイヤーキャラクターを殺すプレイヤーキラー(PK)も可能。カモになる相手を見つければ速攻で殺しに来る者もいれば、律儀に名乗り上げ有り金と希少品を差し出せば命を見逃してやるという追剥の様なロールプレイをする者などもいる。
      • そうしたPKに対し、PKを倒すことを目的とする自警団的なPKKとしてプレイする者も現れた。
    • 馬を売ると称して魔法で作り出した時限で消える物を売りつけたり、言葉巧みに居住用の土地を売ると言って金をだまし取ったりする詐欺師などもいる。ただ、詐欺ロールプレイに関してはゲーム仕様の不備などを利用したもので無い限り規約違反ではないが、賛否が分かれる。
  • プレイヤーによって開催されるイベントも活発で、結婚式であったり、対人のデュエルトーナメントであったり、バザーであったり、ゲーム内の固有システムに依存しないユーザーイベントが数多く行われている。
    • アイテムやオブジェクトを町などのパブリックなフィールドにも一時的に置いたりすることができるので、ロールプレイのし易さがそれを促しているともいえる。
    • 運営はプレイヤーイベントに対して協力的で、プレイヤーの企画したイベントのために正式に依頼を通せばGM(ゲームマスター)が会場設営などを手伝ってくれたりする等、プレイヤーと運営側の距離感も近いのは他のMMORPGでも余り見られないのが特徴。
    • ユーザーが考案したイベントを公式が逆にゲームに取り入れるといった事も行われている。
      • バグボール:プレイヤーキャラの持てる限界重量以上の荷物を詰めたコンテナをドラッグ&ドロップでドリブルしながらゴールに入れる。後にバグボール専用ボールがアイテム屋で売られるようになったり、スタジアムがフィールドに設置されるようになった。
      • 汝は人狼なりや?:いわゆる人狼ゲーム。公式で著作者との合意を得て公式サポート化した。ヘイブンと呼ばれる街に人狼専用アセットが設置されるようになった。
  • MMO、非MMO問わず他の自由度が高いと謳われているRPGであっても大抵はメインクエストが存在し、戦闘がメインで非クエスト進行派は後れを取りがちだったり心理的に負い目を感じやすかった。
    • だが今作ではメインストーリー上でプレイヤーが打倒しなければならない勢力やラスボスと言ったものが存在しない上に仮想ファンタジー上における「生活」がゲームのメインなので非戦闘、非クエスト派のキャラが引け目を感じる事が無く、キャラクターとして受け入れられやすい様になっている。
ハウジング関連の奥深さ
  • 本作における家は単純な居住スペースや荷物置き場にとどまらず、カスタマイズすれば生産活動の拠点や、ギルドハウスになったり、ユーザー店舗にして商売をしたりと使い方が幅広い。
    • 店として利用する場合、プレイヤーが持てる物であれば大体の物は販売可能なので、発想次第で様々な商売ができる。ダンジョンで手に入れたアイテムを売りさばいたり、自分で採集した資源や制作した武器防具を売ったりすることも可能。中には小説を書いて販売しているプレイヤーもいる。
      • 中には情報収集を怠っているプレイヤー向けにボッタクリ価格をつけている店もあるが、価格設定間違いと区別しづらいため取り締まりも難しい。
      • プレイヤーが購入しやすい、便利な立地の店は割高なこともある。観光地価格のようなもの。
    • 実用用途に限らず、公園の様にして地域のコミュニティスペースにしたり、移動魔法用の座標を設置したポータルステーション、自慢の戦利品や内装を公開する博物館として利用したりと使い方に際限がない。
  • 戦闘やその他の要素を差し置いて家の内装やインテリアコーディネートにハマってしまう人が多い。アセットの変更が他のゲーム以上に自由度が高いのも要因。
    • まずは基礎となる固定アセットの家そのものが、小さな一軒家から大きな城まで様々に取り揃えられている。
    • カスタムハウスの内装パーツも非常に豊富。内装のカスタマイズ機能は同じEAが出しているシムピープルの建築機能に近いものがある。
    • また、ゲーム内のアイテムを自由に設置することもできる(持ち去られないようにロック可能)。実用品ではない装飾用アイテムも非常に豊富で、インテリアコーディネートも活発に行われている。
      • 公式・非公式とわず内装インテリアのイベントが行われたり、オフィシャルガイドブックが出版されたり、ユーザーのデザイン紹介やテクニック集の様なサイトも多く公開されていた。
      • 斜め見下ろし固定視点という事を逆手にとって、アイテムを積み重ねることで目の錯覚を利用した疑似的に装飾品を作り上げるスタックオブジェと呼ばれるテクニックも盛んである。
    • カスタマイズハウスは各々のシャードで二つとして同じものは無く、絶えず変化し続ける世界を構成する風景の一部となっている。
MMORPGジャンルの開拓者としての業績
  • 後のMMORPGの基礎・手本となるようなシステムを(βテスト時代を考慮すれば)1996年に築き上げ、実現させていたのも素晴らしい点である。
    • 当時はせいぜい『Diablo』がオンライン多人数同時プレイの楽しさを認識させていたぐらいでしかなく、それも16人同時プレイまでが堰の山。それが本作によっていきなり2000人同時プレイという規模にまで引き上げられ、しかも先述の通り現在で見ても類まれな自由度・発展性を持った世界を作り上げていたのである。
    • 本作が「MMORPGの先駆者」として果たした役割は物凄く大きく、「ゲーム史というものがあるなら、必ずそこで語られるべき」作品と言っても過言ではない。
      • その影響は凄まじく、特に日本(と、おひざ元のアメリカ)では受けが良かったため、様々な足跡を残した。黎明期、UOを求めて秋葉原のPCショップに長い行列ができたり、「UOをドラマ内の演出の小道具として」用いたドラマが出たりもした。

賛否両論点

スキル上げ
  • 本作ではそれぞれの技能の効果を最大限に発揮するにはスキル値を磨く必要があり、成長してゆくことでできることや活躍の幅が大幅に増えるが、その反面スキルを一気に成長させる手段がほぼないので熟達にはかなりの時間を要するのでモチベーションや資金・資材といった事が不満として上げられることがある。
    • 意識せずとも戦ったり、日常的に使用するので勝手に上がる戦闘・魔法系スキルはともかく、それ以外のスキルでは上げづらいことがしばしばある。
    • 生産系はかなり上げるのが大変で、鍛冶師などはスキル値が90台以上になると何十の鉄の甲冑を作ってもスキルが0.1すら中々上がらない。素材集めもバカにならず、ひたすらルーチンになるので中々に辛い。
      • 生産職にとってスキル値が100.0(ゲーム内では称号でGrandMasterと呼ばれる。略称でGMと呼ばれるがゲームマスターの意味ではない。)であることはほぼ当たり前であり、低いスキル値でも買って貰える生産物はごくわずかに限られる。せめてNPCの店に売れるものであればいいが、中にはそうでない物もある。
  • とは言え、仕様変更などでどのスキルも上昇保障などの仕様などが追加され最初期に比べれば上げ易いとはいえる。
    • 初期のUOはスキル上げが比較にならないほど難しく、戦闘系等ではないスキルで100.0も上がるプレイヤーも少なく、生産職など上げにくいスキルでGrandMasterの称号を持つプレイヤーは畏敬の念を持たれるほど。
ファセットに関する問題
  • 初期のUOはフェルッカが基準の世界だったが、当時は街中の銀行前はスリがうろつき、町を出てNPC衛兵の巡回範囲外の街道や、狩場であるダンジョンではPKが襲い掛かる油断も隙もない「時はまさに世紀末」の様な状態で、MMORPG黎明期という事もあり不具合によるバグやそれを利用した悪質な行為も多く、「まともな奴ほどfeel so bad」な有様だった。
    • バグはかなり深刻であり、仕様の不備によって意図せず無実のプレイヤーが犯罪者フラグを立てられてしまったり、自分の家にしまい込んだ財産を不正侵入されて根こそぎ盗まれたり等のことがあり幾度も修正が行れていたが当時はチーターとのイタチごっこだった。
    • 始めたばかりの初心者にも、ベテランのスリやPKは身包みを剥いだり、問答無用で殺しにかかるなど容赦なくフェルッカの洗礼を浴びせていた。それはそうとして混沌にあふれながらも自由で活気にあふれていたその時代を懐かしむ層はいる。
  • 対人を好まなない層や初心者でも安心してプレイができる様にと、UO:Rにおいて、プレイヤー間でのネガティブ行為に制限がかけられたファセットのトランメルが実装され、多くのプレイヤーがそちらに移住した。
    • 同時に初心者対策として、一定期間はネガティブ行為などから保護を受けられるヤング制度などが導入されている。
    • しかし、以降はUOにおけるイベントなどの起点の殆どがトランメルに移ってしまい、フェルッカは対人を好む人間くらいしか残らず過疎化してしまった。イベントをPKなどに邪魔されても困ると言えば困るのだが。
      • βテスト中だがリチャード・ギャリオットの扮するキャラクターがイベントで演説中、不正行為をしたユーザーにPKされるという事件が起きた事もある。
    • R以降に追加されたファセットの大半はトランメル基準のルールであるため、特殊ルールサーバ以外は、フェルッカでしか活動できないキャラクターはそれらのコンテンツに触れることができないという格差が存在する。
  • 家の建築は原則としてNPC衛兵の巡回範囲外でしかできないので、安全なトランメルの土地が不足し、AOSでのマラスのリリースに至っている。逆を言えばリスクを許容できるならフェルッカでも探せば住める土地はそれなりにある。
  • ML以降のアップデートでフェルッカでの資源量産出増加や特殊ダンジョンルールの実装において多少の賑わいは取り戻したが、それでもトランメル在住の人々を引き戻すには至っていない。
  • この様にはビギナーやPvPを好まない層やライトユーザーを隔離するというやり方は大半のユーザーにとっては恩恵があったものの、人口の偏在と自由度という面において大きな制約ともなっている一面を持っている。
アイテムの消耗に関する問題
  • UOにおいて武器や防具など殆どの装備品は消耗品であり、如何に強力な魔法武器でも使い続ければ壊れる物である。鍛冶師やその他職人のプレイヤーが修理をすることで耐久値を回復させることはできるが、ランダムで最大の耐久値が下がることがある。
    • 簡単に壊れる訳では無いものの上記の事は避けようの無い事である。しかし、その事でプレイヤーの職人の作る武器を普段の狩りに使い、対人や強敵相手には秘蔵の魔法武器を使うという駆引きやプレイヤー制作アイテムが売れる事で経済が回るという循環に繋がっていた。
    • しかし、バルクオーダー実装において装備の最大耐久値を回復させるアイテムが出てしまった事で、アイテムが事実上消耗しなくなってしまい、駆け出しの職人の作る鉄武器など予備にすら見向きにも去れなくなってしまった。
  • 所持品に保険を掛けておくことで死亡時にアイテムが手元の残るアイテム保険に関しても、事実上死亡によるアイテムロストが無くなってしまう事から賛否両論がある。
  • アイテムと言うには違うが、プレイヤーがペットとして騎乗したり使役できるモンスターや動物は初期の頃は死んだら蘇生が不可能で、再度調教するか譲渡・購入する必要があった。しかし、親愛化の実装により蘇生できるようになってしまった。
    • 愛着のあるペットを蘇生できる様になったのは嬉しい事だが、アニマルテイマーが馬などの騎乗生物を行商する光景は姿を消してしまっている。
  • 上記の点を踏まえるとユーザーにとっては便利にはなっているが、ゲーム性を重視することでロールプレイとしての空気や生活感が薄れてしまっているとも言える。

問題点

自由度の高さゆえの問題点
  • 通常プレイする分にはストーリーの様な強制進行等がほとんど無く、自由度の高さもあいまって情報も多く、ビギナーには何をすればいいのか迷いやすい。
    • 初期は操作ガイドやチュートリアル的な要素も少なめなので、ヘルプや情報サイトを参考にすることが推奨される。
      • アップデートで初心者のための町「ヘイブン」やチュートリアルクエスト等を実装したり、コンパニオンプレイヤー(初心者の相談を受け付けるボランティア。2011年に終了)を募る等して、初期よりはそれなりに遊びやすくはなっている。
    • スキル制も選択肢の多さゆえに方針が曖昧になり易いので、自分なりの育成方針が必要となる。
      • そのため、ベテランプレイヤーに「弟子入り」して、スキル構成や武器・防具選択、立ち回りを覚えるプレイヤーもいる。
インフレが加速した戦闘バランス
  • UOの戦闘における最初のインフレは、LBRで登場したスキル上限値を上げる「パワースクロール」とステータス上限値を上げる「ステータススクロール」の実装だといえる。
    • LBR以前まで、すべてのプレイヤーはスキル上限とステータス上限の面で平等であった。この平等性を崩しインフレの発端となったのがこれらのアイテムである。
    • これらのアイテム単体での恩恵は当時から微々たるものであるが、プレイヤーはこぞってこれらのアイテムを求めた。プレイヤーがインフレを求めた最初のターニングポイントである。
      • 塵も積もれば何とやら、現在でも標準装備が常識である。
    • ちなみに、これらのアイテムが入手できる戦闘イベントは(プレイヤー間の取引を除いて)前述したフェルッカのみで、当時の戦闘バランスでは複数人でなければイベント消化はできなかった。
      • イベント消化のためにやってきたプレイヤーとそれを狙ったPKやスリで、当時のゴールデンタイムのイベント会場は良くも悪くも賑わいを見せた。
  • AOS以前まではステータスやダメージは控えめで、それらの数値は隠蔽されており、モンスターを倒す事で得られるアイテムに付与される効果も概ね簡素であった。しかし、AOS以降は敵やダンジョンなどから獲得できる魔法装備に付与される効果の種類増大や新スキルのアビリティにより、敵味方双方のダメージのインフレが非常に進んでしまっている。
    • AOSで追加されたスキルの一つであるパラディンの魔法はキャラクターのカルマが善の傾向でないと効力が出ず、金銭を奉納と称して消費する必要があるが、回復や移動魔法が魔法職に比べて不自由だった戦士系キャラの従来の弱点が解消され、それまで伸び悩んでいた火力を異常なほどに上げている。
    • 同時期に実装された対となるネクロマンサーの呪文を組み合わせることで火力は他の戦闘職を喰うまでに上がる。設定上ネクロマンシーは邪法のため、カルマが下がるのでパラディンとは相性は悪いはずだが、強敵を倒し続ければいやでもカルマは上がるので余りデメリットにはなっていない。一応スキルなどの見直しは入ったもののネクパラは戦士テンプレの主流である。
  • 一方で戦士系以外のロールを持つ魔法使い系はやや不遇気味である。魔法は使用に魔力に当たるマナと媒介となる秘薬と呼ばれる消耗品が必要、詠唱に時間がかる、属性耐性などの追加などで昨今の環境において、純粋な魔法使いスキルビルドは稀となり、大半が戦士系スキルとのハイブリッドが多い。
    • 他に戦闘系職で不遇なのは、猛威を奮っていた最初期以降は日陰へ追いやられている上にブレードウェーバーと呼ばれる上位互換スキルのおかげで役目がない弓戦士や、かつては花形の一つだったが、必要スキルの制約が大きくて、諸処の事情でパーティだとあまり歓迎されないほぼソロ・雑魚狩り専門となっているモンスターテイマー等が挙げられる。
  • AOS以前では熟練者でも油断すれば危なかった既存モンスター(ドラゴンなど)が、ソロでもあっというまに倒せてしまうまでになってしまった。その一方で、新規追加モンスターは、ステータス異常攻撃などのオンパレードで凶悪化が加速してしまっている。
  • 魔法武器防具に付与される追加効果も一気に増えたため、実用に値する防具などの選定や調達はAOS以前より難しくなってしまった。
    • 逆に優秀な追加効果を持つ装備を揃えれば、ボスや拡張などで新規追加されたものなどを除くモンスター相手は前述のようにヌルゲー化してしまう。
  • また、AF(アーティファクト)と呼ばれる一部のダンジョンにいる非常に手強いボスなどを倒すことで手に入るレア装備の実装は、その効果が余りにも実用的すぎるせいか既存のマジックアイテムやプレイヤーの装備を生産する装備の価値を暴落させてしまった。AFは拡張パッケージの追加度に実装されてインフレを加速させていった。
  • このままAFによるインフレが続いていくのか…と思われたがSEで実装された「練成」スキルによってその環境は一変する。このスキルを使う事でプレイヤーが装備に任意の能力を付与できてしまうという物だった。今まで運任せだった特殊効果つきの装備の入手法が、錬成可能な魔法武器と素材を集めさえすれば比較的簡単に優秀な実用品に変えられてしまうのである。
    • ただ、元から付与されている特殊効果が多い装備ほど練成成功率が下がる、一部の元からある特殊効果が消えてしまう、先述した最大耐久値を増加させるアイテムが使えなくなる等のデメリットはある。
    • AFは練成できないため*3、今度は一部を除く多くのAFの価値が暴落してしまい、産出するダンジョンが過疎化する現象が起きた。
  • 戦闘がスピーディでわかりやすくなったとの意見もあるが、ロールプレイしての戦闘の面白みが減ってしまったとも言われている。
UIやクライアント関連の問題点
  • 2D版のUIは英語クライアント版が基準になっているので、日本語化されてない部分が多い。3D版はローカライズがちゃんとされているので扱いやすい。
  • UIに関しても後続のMMORPGと比べるとに比べるとやや煩雑に感じる。
    • アイテムの使用方法などがやや特殊で、コンフィグなどでマクロなどを組まないと戦闘では使いづらいので初心者にやや敷居が高い。特に2Dはその傾向がある。
    • 一応マクロツールなどの補助を得て使いやすくカスタマイズできなくはないが、公認ツールはシェアウェアである。非公認ツールもあるが発覚すればBANになる可能性もある。最新の3Dクライアントではその点もやや改善はしている。
  • 3DクライアントはPCの性能が必要な事やラグなどを嫌う層が多く、使用率は2Dクライアントより少ない。
    • また2D・3Dクライアントで出来ること出来ないことに差がありすぎるので別物と言っていい。
    • ドット絵のキャラに比べるとバタ臭いというか、日本人の感覚では受け入れられ辛い。
    • 改善されたユーザーカスタムUIが導入され使い勝手は良くなっている。上記のUIの面もある程度は緩和される。
      • 2Dに比べると文字入力などの制限が緩い、マクロを組みやすいといった利点はある。

総評

ダンジョン探索や派閥の争いなどの戦いの日々に明け暮れるもよし、一流の職人として熟練の技を磨き業物の制作にいそしむもよし、悪名高い犯罪者としてその名をとどろかすもよし。
それどころか街中で行商をしようが、裸にバシネットを被って徒党を組もうが、自分たちで突発イベントを起こすこともロールプレイの一環として許される。
製作者であるリチャード・ギャリオットが述べた「ブリタニアの民よ、エンターテイナーたれ」という言葉が本作のコンセプトを体現していると言っても過言ではない。
遊び方に一切の筋書きも厳しい制約と言ったものが殆どない自由度の高さは、バトルが苦手なプレイヤーの心すら掴んだ。

ただ、運営の体制変更や数多のアップデートの中、多くのゲームシステムが変わっていった事でゲーム性の変質になじめないプレイヤーが離れていってしまったことも事実である。
サービス開始から15年以上も経過していながら未だに現役のMMORPGは他に例がないので、参入時期やプレイ期間によってその評価はプレイヤーによって大いに異なる。
それ故に過去の名作なのかアップデートで舵取りを誤った作品になってしまったのかは、意見も分かれ単純に判断し難いと言わざるを得ない。
しかし、MMORPGのみならずオンラインゲームというジャンルに良い面も悪い面でも多大な影響を与え、歴史に大きな足跡を刻んだ偉大な先達であることに変わりはない。
ウルティマオンラインの精神的な後継となりえる作品は未だに出てないとも言われており、唯一無二の作品として今後も語り継がれるのは間違いない。
今後も心にブリタニア(またはソーサリア)を故郷とする者がいる限りウルティマオンラインは歴史を刻み続けていくであろう。


その後の展開

  • 2014年2月に開発・運営を行ってきたエレクトロニック・アーツの子会社であるMythicスタジオの解散が告知された。
    • それに伴い、開発・運営は Broadsword Online Gameに移った。同スタジオが携わった『Dark Age of Camelot』等も同様の経緯を経ている。
  • 続編及び後継作として『Ultima Online 2』と『Ultima X Odyssey』の開発が進められていたが、双方とも頓挫している。しかし、前者の成果物はLBRのコンテンツに流用されている。
    • その後も開発元を離脱したリチャード・ギャリオットの他に元製作スタッフや、その他インディーズ開発者などが精神的後継作の開発プロジェクトを立てている。
  • 2018年4月にアップデートが行われ、基本料金無料一部機能制限*4有りのアカウント「Endless Journey」が導入され、課金しなくてもUOをプレイできる様になった。
    • これにより老舗のMMORPGをやってみたいけど課金はちょっと…と言ったユーザーにもとっつきやすくなった。

余談

  • 本作はウルティマシリーズの番外編ではあるが、ウルティマ本編の出来事をモチーフしたイベントや地形など、数多くのウルティマシリーズの要素が世界に散りばめられている。ウルティマのファンなら、思わずニヤリとしてしまう要素が多々。
    • 謙譲の徳を信奉する町マジンシアだが、『ウルティマIV』では住人の傲慢さゆえに一度壊滅し復興を遂げている。本作でも、2007年にデーモンの侵攻を受けて壊滅したが現在は復興している。
    • イルシュナーにはウルティマシリーズに登場するキャラクターのグエノの墓がある。グエノのモチーフとなったキャスリーン・ジョーンズ氏(ゲーム内でもよく聞く、作中の国民的歌謡「Stones」の作者)の死をスタッフが悼んで設置されている。
    • BGMについても、ウルティマの原作から音色をアレンジして使用しているものが多く、懐かしさに浸れる。特にログイン画面で流れる、先述の「Stones」は名アレンジとして評価が高い。
  • ライトノベル作家の川原礫氏は本作の元プレイヤーである。「ソードアート・オンライン」の作中の設定や用語にも本作の要素に近い物が多い。
    • 例えば作中のVRMMOゲーム内において、犯罪フラグを立てたプレイヤーの名前は表示色がオレンジになるのだが、そうなった者は「オレンジプレイヤー」と称されていたり、その中でも明確に殺人を行うプレイヤーが「レッドプレイヤー」を自称する*5など、本作と類似した要素が散見される。
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最終更新:2023年11月15日 08:52

*1 2014年2月より

*2 3D版でもキャラクターを除けば背景やオブジェクトはほぼ2Dドットである。

*3 一時はできていたが修正が入っているので、当時練成されたAFは非常に貴重

*4 プレイヤーハウスの購入及び利用、アイテムを預けられる銀行等の利用制限

*5 作中のVRMMOゲームはいわゆる「デスゲーム」となっており、ゲーム上の死=本当の死となっているのだが、レッドプレイヤーはそれを承知の上で本物の殺人行為をしている。