jubeat prop

【ゆびーと ぷろっぷ】

ジャンル 音楽ゲーム
対応機種 アーケード
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
稼動開始日 2015年2月20日
判定 賛否両論
ポイント ホールド譜面登場
あまりに新規に厳しすぎる仕様
既存の上級者からの評価は良好?
jubeatシリーズ


概要

音楽シミュレーションゲーム『jubeat』の第7作目。前作から1年を待たずに稼働した。
根本的なシステムは好評だった前作後期の物をそのままに、新たな取り組みを数多く盛り込んだ意欲作。

特徴

  • 前作のダークなデザインから、白い背景を基調に丸みを帯びた色とりどりの雫が行き交う明るいデザインに変わった。
    当初ロケテスト時は男性システムボイスを使用していたが、ユーザーから「今作のポップなデザインには似合わない」という意見があった為、製品版では女性システムボイスに変更されたというエピソードがある。
  • これまで腕前の指標として採用されてきた「jubility」は廃止。新たな指標として「Step」と「Class」がある。後述。
  • 料金体制は評判が良かった前作後期の仕様を踏襲している。プレー料金については工場出荷時の設定料金の半額を記載する。ほとんどの店舗はこの設定だと思ってよい。
  • NORMAL
    • 100円。コインのプレーで好きな曲を3曲遊べる。前作とほぼ同じ。
  • NORMAL MORE
    • PASELIかコインでのプレー。NORMALに比べると割高だが様々な特典が付いてくる。
    • コインの場合は100円で2曲、もしくは200円で5曲。
    • PASELIの場合はsaucer以来久々に1~5曲からプレー回数を選べるようになった。1曲に付き40P。
  • COURSE
    • 2015/09/01追加
    • PASELI150P、もしくは200円
    • ルールは前作とほとんど同じなのでそちらを参照。
    • 今作では新たにヒットチャート上位の楽曲がプレーできる「HIT CHART COURSE」が追加。
  • ARENA
    • 2015/09/07追加の完全新規モード。
    • PASELI96P、もしくは100円。*1
    • 毎週変化する課題曲に3曲連続で挑戦するモード。
    • その成績によりAmateur、Reguler、Master、Legendの4段階のClass分けがなされる。後ろの方が高ランク。このうちLegend以外の3つについては更に1~5の細かいClass分けがされる。よって計16Classとなる。
    • Classはマッチング相手にも表示される。
    • ClassはARENAモードをプレーした結果で毎週変動し、1ランク上がったり下がったりキープしたりする。ただし、ARENAモードを2週間分プレーしないでいるとClassが自動的に1つ下がる仕様になっている。
  • 前作で好評だったBONUS TUNEは続投。BONUS TUNE POINTを貯めることで1曲多くプレーできる。NORMAL MOREモードかARENAモードだと貯まりやすい。
  • 新要素「ホールドマーカー」
    • 他音ゲーでもお馴染みの「長押し」が初めてjubeatに実装された。
    • 開発スタッフによると「以前から導入したい要素だったが、良い表現がなかなか見つからなかった」との事だが、本作で満を持して実装された。
    • その表現方法は他音ゲーと比較してもかなり特殊。まず以下のように通常のマーカーと同時に「リリースマーカー」が他のパネルに跨いで登場する。
      ■が通常のマーカー、▽がリリースマーカー。リリースマーカーにタッチの判定は無い。
      □▽□□
      □|□□
      □|□□
      □■□□
  • ■を押し続けている間、▽が線に沿って■に近づいて行き、完全に重なり切るまで押し続ければPERFECT判定。
    早めに指を離してしまうとGREATやGOOD判定になり点数が減る。
  • 終点に合わせて指を離す必要は無く、押しっぱなしで良い。
  • 上の例ではリリースマーカーは上から下に降りて行くが、実際には上下左右全ての向きのものが存在する。
    また線の長さ、リリースマーカーの移動速度(=パネルを押す長さ)もまちまちとなっている。
  • Step
    • 楽曲をプレーする度に「経験値」を、指定された何らかのノルマをクリアする事で「ビーズ」を獲得できる。
    • 一定の経験値を所持していれば、ビーズを1つ消費してStepを1つ上げる事が出来る。経験値とビーズがある程度貯まっていれば1クレジットでStepを一気に上げる事も可能。
    • 末尾が9のStepごとに「UNLOCK CHALLENGE」が登場しStepの上昇は一旦ストップ。指定された楽曲を3連続プレーしてクリアすれば突破出来る。中にはスコア条件を課せられる事もある。
    • Stepを上げていくと途中で楽曲を解禁出来る。本作からの新曲の他、一部の旧曲もここで解禁可能。
    • UNLOCK CHALLENGEはStep99を最後に登場しなくなり、それ以降はプレーすればプレーするだけStepアップしていく。
  • EMBLEM
    • これまでマッチング時に「jubility」のアイコンが表示されていた位置に代わりに登場。
    • メイン・背景・エフェクト・オーナメント・ふきだしの5個のパーツを組み合わせて自分だけのEMBLEMを作り、マッチングしたプレーヤー同士で見せ合いができる。
      • パーツには★1~★5のレアリティが存在し、数字が上がるほど入手しにくくなる。
      • パーツは数プレーごとにオープン出来る「jbox」から手に入る。ゲームをプレーすると「jbox」をオープンするのに必要なポイントを獲得出来る。NORMAL MOREモードだとやや貯まりやすい。
      • 比較的少ないポイントで開けられる「NORMAL jbox」と沢山プレーしないと開けられない「PREMIUM jbox」の二種類があり、「NORMAL」は★1~★3、「PREMIUM」は★3~★5のパーツが獲得できる。
    • この「jbox」はeAMUSEMENTのサイトでPASELIを支払うことでもオープン出来る。もちろん「PREMIUM」の方が高額。早い話が課金要素である。
      • eAMUSEMENTサイト上では特定のパーツが出やすくなる「期間限定jbox」というものも登場した。

評価点

  • 本作書き下ろしのオリジナル曲のクオリティは相変わらず高い。
    • Beatnation RHYZEよりSOUND VOLTEX等で人気を博しているかめりあ、RoughSketchが単独として初参戦。楽曲の方もそれぞれの個性が強く出た曲となっている。
    • 謎の新人SHAMDELによる「Towards the TOWER」はファンタジックな世界観や美しいボーカルが相まって、今作屈指の人気曲となった。
      • 本作ではSHAMDELの他にも「アガット」のBazoleと「Ausretious#1-まどろみ、或いは嘆色の夢-」のEOOZと3人もの謎のアーティストの登場が話題にもなった。
    • また、参戦済みアーティストの方も、あの某伝説の山と対になる楽曲「glacia」を提供したDJ TOTTOや、pop'nでお馴染みのPower Of Nature名義での和風プログレッシブ楽曲「霖が哭く」を提供したPON、「Diargos」という単語を冠した楽曲を2曲提供した泉陸奥彦、pop'n musicラピストリアの「Realize Maze」でデビューしたmoimoi率いる新ユニットmovies(moimoi × Xceon × Dai.)の「Too Late Snow」と話題曲も多い。
  • Stepによる新曲の解禁は前作よりは軽め。
    ただし、UNLOCK CHALLENGEを問題なくクリアできればの話だが。
  • 前作で獲得した称号・称号パーツは本作でも引き続き使用可能。
  • 定期的な楽曲追加は前作より継続。
    ゲーセンにより多く脚を運ぶきっかけをしっかり作っている。
  • saucerから実装されていた「きょうのフルコンチャレンジ」が「きょうのオススメ楽曲」に変更。
    • copious以前の「きょうのチャレンジ」のように解禁していない楽曲でも1日に何度でもプレー可能になった。
    • PASELIによる追加のフルコンチャレンジやきまぐれフルコンチャレンジは健在であり、成功させることで経験値を多く獲得できる。
  • EMBLEMのカスタマイズについて
    • 味気なかったマッチング画面が華やかになった。
      • jubeatに登場するジャケットや他BEMANI機種の人気キャラクターなどが数多く登場しファンならニヤリと出来ること請け合い。
      • 「ふきだし」はjubeatスタッフ特有のシュールなセンスが存分に発揮されており、これだけで一気に面白いエンブレムを作れてしまう事も。
    • 称号・名前・EMBLEMの全てをフル活用してネタに走るプレーヤーや全パーツをコンプリートするまで課金し続ける猛者まで現れ、おまけ要素とはいえ本作の盛り上げに一役買ったことは間違いない。
    • jboxを開ける為のポイントは通常プレーではなかなか貯まらず、本気で面白いEMBLEMを作るのであれば課金はほぼ必須となる。しかしあくまでおまけ要素である為、レアなEMBLEMをセットしたプレーヤーが特別優遇されたりする訳では無い*2
    • こだわりがなければ課金しなくてもゲームへの支障が無いのは良心的と言える。
  • ARENAモードについて
    • 開始から10週間に渡り毎週新曲が登場。1回プレーするだけで解禁可能。わずか1クレジットで楽曲が解禁できる手軽さ、マッチング率の高さなどが好評。
    • しかしその後は……(後述)。
  • スマートフォンアプリ『消滅都市』とのコラボレーションを実施。
    • jubeat側では消滅都市の楽曲4曲を期間限定で遊ぶことが出来た。
    • 消滅都市側ではjubeatのマスコットキャラクター、スミス氏が登場。前作の「スミスの思いで」イベントの続きのストーリーが展開される。

賛否両論点

  • 本作から実装されたホールドマーカーだが、これに関しては賛否の声が大きい。
    • これまでjubeatは目に見えたマーカーを押すだけで良いというゲーム性のシンプルさが評価されてきたが、ホールドマーカー実装により「押す」と「押し続ける」の二択に迫られるようになり、ゲーム性がやや複雑化。文面で書くと大した違いは無いように見えるが、慣れないうちはかなり判別しにくい。
      • REFLEC BEATの3TOPやSOUND VOLTEXのアナログデバイスなどの様に出現を予告するサインが表示される事も無い。判断に与えられる時間はごく短い。
      • 元々jubeatは画面が手で隠れやすい点を指摘されていたが、徐々にそういうゲームとして割り切る風潮になっていた。しかしこの存在により問題が再噴出。複数のパネルにまたがるホールドマーカーの視認性はあまり良くなく、特に押し続けているパネルはほとんど手が被さる状態になる為、ホールドが終わった事にしばらく気付かない事もしばしば。
      • リリースマーカーに隠れて出てくるマーカーが存在するのも視認性の悪さに拍車をかけている。ごちゃごちゃとしてしまうため、単純に見栄えも悪くなりがち。
      • 明らかにホールドの終点を見極めていないと捌けないような譜面が目立つ。片手で左半分のノーツを捌きつつ右半分はホールド終了と同時に他のノーツを捌くなど、片方の手でフォローできないような配置が多く、直感性に著しく欠けるゲームとなってしまった。
    • 片手で押し続けながらその周りで少々のノーツを裁かなければならない状況も増え、片手にかかる負担も大きくなってしまった。
    • 新曲の「glacia」という楽曲にはホールドマーカーの有無で2種類の譜面が用意されていた為、今後もホールドマーカー有り無しで2種類の譜面が用意されていくのか?と予想されていた。
      • しかし最終解禁曲の「アガット」をはじめ、後のアップデートでホールド譜面オンリーの楽曲が多数追加。ホールド有り無しの2種類の譜面があればホールド譜面はやらなくてもいいだけの話になっていた所だが、そうとも言えなくなってしまった。
      • なお、ホールド有り無しの2種類の譜面が用意された新曲は最終的に3曲しか登場しなかった*3
  • ホールドマーカーの実装によってマンネリ化を打破したのもまた事実である。これまでjubeatと相性があまり良くなかった伸ばす音を多用する楽曲にも無理なく譜面が付けられるようになり、収録曲の幅が広がった。
  • ちなみにゲーム開始時点だとホールド譜面は版権曲も含め全て隠し曲となっており、Step20になる事で一気に開放される*4
  • 版権曲の収録傾向について
    • 以前から減少傾向にあったJ-POP楽曲が本作で多数削除された*5
    • 代わりに追加された版権曲はアニソン・ボカロが多数を占めており、収録バランスが大きく変化している。
    • 2015/04/30にはjubeat史上初となる『東方Project』アレンジ曲が収録。
      • 最初はBEMANI多機種合同イベント「BEMANI×東方Project」による書き下ろしアレンジ曲のみの収録だったが、後に既存のアレンジ曲も少数ながら追加された。
    • これらアニソン・ボカロ・東方アレンジ曲がヒットチャートで上位を占める事は少なくない為、ユーザーのニーズには応えられていると言える。しかし版権曲の絶妙なチョイスに定評があったjubeatにおいて、これらの要因により版権曲の傾向が他機種と大差無くなってしまったのは惜しまれる所。
      • アニソンに関しても、どちらかと言えばいわゆる「深夜アニメ」の割合が多いため、万人受けという観点では若干ながら難はある。
  • 本作では難易度のインフレがかなり抑えられている。
    • Lv10の曲自体は多くその中でも難しめの曲は存在するのだが、前作の「ドーパミン」や前々作の「Stand Alone Beat Masta」といった最難関クラスに匹敵する程の曲は最後まで登場しなかった。これを評価点と取るか問題点と取るかはまさにプレーヤー次第だろう。
      • ただし、ホールドという新要素で難易度を上げている節があり、それに慣れているかどうかで大きく個人差がでる。
  • 楽曲解禁については基本的に一本道
    • 今作は主にstepを中心として楽曲を解禁していくのだが、全てのモードの終了時にstepが表示される形になっているので、今作における楽曲解禁は一本道に近い形式に統合された。
    • 楽曲解禁を一本道にしたことによって、解禁までの道中は非常に分かりやすくなったのだが、プレーの最後にプレーヤーの種類問わず同じ条件のstepの内容が挟まれる関係から、どうしても「積み」も発生しやすい。結果「step進行をやらされている」と錯覚したプレーヤーも少なくなかった。
    • この点は前作でも同様だったのだが、条件が緩くクレジットを積んでいけば確実に楽曲を解禁出来た前作から比較して「指定譜面を特定条件でクリアする」といった様な要素が追加されたことから顕著に見られてしまった。

問題点

難がありすぎる旧曲解禁

  • 旧曲の解禁が非常にキツい。
    • ごく一部の曲のみStepを上げる事で解禁できるが、それにより解禁できる楽曲はほんの一握り、30曲のみである。
      ではそれ以外の旧曲はどう解禁するのかというと……。
    • 稼働開始から3ヶ月間解禁方法は一切存在しなかった。まさかの新規プレーヤー完全お断り状態である。
      • 挙句の果てにシリーズで好評だった伝導システムが完全廃止。公式サイトでオリジナルコミックを作ってまで宣伝していたのにあんまりな仕様。
      • その状態でSOUND VOLTEXとの連動イベント「POLICY BREAK」が行われ、当時jubeatでは新規解禁不能だった曲がSOUND VOLTEXへ移植されるという謎な事態も起こってしまった。
  • 2015/05/28にようやく解禁手段が実装。その手段とは、「BONUS TUNEに突入するとランダムに出現する未解禁曲をプレーする」事*6
    • 「BONUS TUNE」に突入するには1曲プレーごとに獲得できる「BONUS TUNE POINT」を1000pt貯める必要がある。
    • このBONUS TUNE POINTだが、NORMAL MOREモードでプレーするとほどよく貯まるが、NORMALモードでプレーすると全くと言っていいほど貯まらない。
    • 具体的には、NORMAL MOREでのプレーだと1曲につき最低80ptは獲得出来るが、NORMALではわずか10pt。その他のポイント獲得条件も、NORMAL MOREでは数10pt獲得出来てもNORMALでは軒並み10ptとなっており、必然的にNORMAL MOREでのプレーを強要される形となる。
    • ARENAモードでもNORMAL MORE相当のポイントを獲得出来るが、こちらは遊べる曲が毎回固定されてしまうという欠点がある。
    • 更に1週間プレーしないでいるとBONUS TUNE POINTがゼロにリセットされてしまうという鬼畜仕様も相変わらず。コツコツ貯める事は許されない。
    • NORMAL MOREモードであればBONUS TUNEへの突入は比較的しやすく、プレー内容にもよるが2~3クレジットで1回くらいはできる。しかし隠し曲の数自体が相当に多い為、全解禁に必要な総クレジット数は途方も無い物となるだろう……。
  • その上選出される曲がランダムであるため、目当ての曲から解禁することもできない。
  • ダメ押しに1週間に解禁できる楽曲は5曲までという制限付き。金に物を言わせようにも時間がそれを許してくれない。全解禁に果たして何か月かかるのか。
  • 普通、他機種ではバージョンをまたぐごとに過去の隠し曲は無条件解禁ないし条件緩和されるものだが、逆に解禁難易度を上げるような真似をしているのはjubeatだけである。
  • 期間限定で旧曲解禁イベント「Trick or jubeat!」と「jubeat Christmas!」が開催された。その名の通り前者は10月末に、後者は12月末に開催された。
    • 内容はどちらも一緒で3曲プレーする毎に未解禁の旧曲を1曲解禁出来るというものでなかなか好評だったのだが、開催期間はかなり短かった。普段からこれくらいの軽さに出来なかったのだろうか。
    • ただ、こちらも選出される曲がランダムであり、相変わらず目当ての曲から解禁できない。
  • この問題に関しては次回作で大幅な改善がなされただけに、本作から始めたプレーヤーが割を食う結果となってしまった。

Step関連

  • Stepに一部極めて難易度の高いノルマが存在する
    • Step29
      • 3曲目に立ちはだかる「凛として咲く花の如く~ひなビタ♪ edition~」が2曲目候補の「天ノ弱」「つぼみ」と比べて圧倒的高難度(Lv10に片足を突っ込んでいると評価されることもあったほど)。
      • 3曲目クリアの時点で詰まる「凛ひな難民」も……!?
  • Step39
    • ここまでのUNLOCK CHALLENGEでは課題曲をただクリアするだけで良かったのだが、このチャレンジで初めて「RATING A以上」というスコア条件が付加される。
    • ここで3曲目に立ちはだかる「Braid & Blade」という楽曲がかなりの曲者。
    • 難易度はLv9で、クリアボーダーの70万点に到達するだけなら同レベル帯の中でもそれほど難しくないが、極めて癖が強くRATING Aの85万点に到達するのが難しい譜面の為、スコアが届かずここで手詰まりになるプレーヤーが散見された。何より重めのスコア条件がこんな序盤に出てしまったのがマズかった。
    • Step39から先に進めないプレーヤーはその曲名から「ブレブレ難民」と呼ばれたとか。
  • Step79
    • UNLOCK CHALLENGEの3曲目に悪名高き「隅田川夏恋歌」のEXTREME譜面が出現。
    • しかも「RATING B以上*7」というスコア条件付き。
    • クリアだけでも恐ろしく難しい譜面*8である為、ここでも多くのプレーヤーが濁流に飲み込まれ叩き落とされた。
  • Step99
    • ビーズ獲得にEXCELLENT*9を1回出す事が必須となる。
    • どんなに簡単な譜面でも良いのだがそれでもEXCELLENTという事でそれなりの腕前が求められる。
    • 抜け穴は一応ある。EDIT譜面でもOKの為、どうしても達成出来なければ適当に1ノーツしか配置されていないEDIT譜面を選んでプレーすれば良い。
  • と、このように高難易度のノルマが存在する為に、新曲を解禁したくても解禁出来ないという状況に陥るプレーヤーが生まれてしまった。
  • しかし少しjubeatをやり込んだプレーヤーならはっきり言って余裕でクリア出来るレベルではあるので、手詰まりになったプレーヤーは全体から見れば決して多くない。完全に新規プレーヤーのみを殺す要素となってしまった。
  • また開発スタッフによると「あの人はあのStepだからあの曲をクリアしたんだ、のような表現ができる」という事でStepを新たな腕前の指標として推していたが、Step99以降はやればやるだけ上がっていくのみなのでそれ以上の指標としては全く機能しない。
    • そもそも、早々と99をクリアしてしまった人にとっては、見直しでもしない限りは各unlock challengeの内容なんて大体覚えていないため、やはり指標としてはかなり薄いものになってしまった。

その他の問題点

  • 変わらない難易度
    • 本作も、難易度の調整が一切行われていない。それなのに新曲で難易度設定がおかしいとされる曲が今作でも相当数登場しており、詐称逆詐称は増える一方である。
      • Lv7としては難しすぎると言われた「あいのうた(EXTREME)」や、初期からずっとLv9としては詐称と言われ続けている「隅田川夏恋歌(EXTREME)」もそのままである。
    • 新曲群では全体的にBASIC譜面の難易度調整に粗が散見された。
      • 特に「prop the world (BASIC)」が強烈で、本作で最初に解禁出来る隠し曲でありながら明らかに同難易度帯(Lv4)を逸脱した難譜面となっている。
      • 他にも「Bad Apple!! feat. nomico (BASIC)」「チルノのパーフェクトさんすう教室 (BASIC)」等の新規プレーヤーが選びそうな曲にも地雷が埋まっている。
      • 次回作でADVANCED譜面が本性を表した「漆黒のスペシャルプリンセスサンデー」も、BASIC譜面(Lv3)ですら自重していない。
    • この有様でありながら、4作(4作前の調整も1曲のみだった為ほぼ5作)連続で調整が全くない。 以上三点の問題点により、本作は極めて新規プレーヤーに優しくない作品に仕上がってしまったと言える。
      しかしこの三点は、既にjubeatをやりこんでいるプレーヤーにとっては問題点とはならないという側面もある。
  • チュートリアルでホールドマーカーの説明が一切無い。
    • ゲーム内では一切説明が入らず、練習もさせてもらえない。公式サイトのQ&Aのコーナーで触れられている程度である。
    • 今作の目玉とも言える新要素なのに、説明が疎かなのは如何なものか。
  • 大会報酬の受取期限
    • 本作以降、大会報酬の受取期限が設定され月曜朝のメンテナンス時に未受取分が消滅するようになった。
      これにより終了タイミングの設定によっては報酬の受け取りが不可能になるレベルの事態が頻発するようになった。
      • 日曜日24時に設定するとほぼ確実に受け取り不能。
  • ARENAモードの問題点
    • 前述の通り開始から10週間に渡り毎週新曲が登場、11週目にはIIDXからの移植曲「龍と少女とデコヒーレンス」が登場。
      12~14週目ではこれまで登場したBONUS TUNE専用の3曲がそれぞれ常駐出来るようになった。
    • ここまでは良かったのだがその後は急激に失速。既存の楽曲をただ3曲並べただけの手抜きとなり、一気に空気化してしまう。
    • 前述の通りNORMALモードに比べると安価で遊べるが、その代わりにプレーできる曲は固定の3曲のみ。よほどClassを維持したいプレーヤーで無ければ遊ぶメリットはほとんど無くなってしまった。
    • こうなると前述の「ARENAモードを2週間分プレーしないでいるとClassが自動的に1つ下がる仕様」によりClassが腕前の指標として機能しなくなってしまった。明らかに腕前に対してClassが低いプレーヤーが散見されるようになる。
    • 未解禁の旧曲を解禁出来るわけでも無し。もう少し移植曲やホールド譜面追加等でお茶を濁したりすることは出来なかったのだろうか。
    • その上、このモードはADVANCEDでも平均難易度は7以上と、やはり初心者お断りのモード。
  • 本機種必須の連動イベント「スミスのきまぐれジェントル
    • 2015/12/28に開始された、本機種プレー必須の連動イベント。だが、楽曲追加も滞り1年放置されて終了というさんざんな内容となった。詳細はリンク先にて。

総評

元々jubeatは音楽ゲーム初体験プレーヤーにも優しいゲームであるのだが、それを阻害する数々の初心者お断りの仕様がそれを台無しにしている。『saucer fulfill』で散々問題となった点をそれ以上に悪化させている部分さえ見られるなど、完全にエントリーモデルというシリーズの立ち位置を見失っている。

既に全曲解禁済みだったりUNLOCK CHALLENGEなど軽くクリアできる腕前を持つ既存プレーヤーであればこれらの問題点は直接的な問題点となりえない為、その他のシステム回りの快適さから本作を高く評価するプレーヤーも少なからずいる。
しかし、それらはあくまで上級者至上主義の範疇にあった事は疑う余地がない。初心者に厳しくする事は新規プレーヤーの減少及びインカムの低下に繋がってしまう為、そういった意味では上級者達の首をも絞めることとなり得る。

ホールドマーカーの実装や新モードの追加といった大きな変革もあり、jubeatシリーズの一つのターニングポイントともいえる作品である。特にホールドマーカーは、当初からデバイス面での限界を囁かれていた本作において、それを打ち破ったという特筆に値する点である。とはいえ、それがシリーズ本来の魅力を損なう恐れがある事を考慮すると、やはりまだまだ粗は多い。

今一度本シリーズが「音楽ゲームのエントリーモデル」であることを再認識し、これらの可能性を潰す事なく今後どのように成長させられるかがカギと言えよう。

その後の展開

  • 2016/03/30に次回作『jubeat Qubell』が稼働。それに伴いpropは稼働終了となる。
    • 同作のメイン解禁要素となる「Emerald Qube」の内容自体は今作のstepとほぼ同様で賛否が分かれる物になっている。しかし、同作では途中で別のQubeに移行しての解禁作業が出来る様になったり、BONUS TUNEを経由せずとも大半の旧曲が解禁可能、楽曲伝導の復活といった様なシステムが多数実装した事により、以降のシリーズにおける基本システムがほぼ完成する形になった。その様な意味でも今作の最終的な立ち位置は「Qubellのプロトタイプ」と言えなくもない。

余談

  • 完全なる無理押し配置のある譜面が2つも配信されてしまった。
    • どうやらただのミスだったようで、どちらもアップデートで修正されている。
  • Stepの最終解禁曲である「アガット」は当初Jerico名義であったが、後のアップデートでBazole名義に変更となった。*10
    • jubeatにおいてアップデートでアーティスト名が変更された例は今回が初である。
  • これまでのjubeatシリーズのサントラCDは稼働後まもなく発売されることが多かったのだが、本作では一切情報が出ないままQubellが稼働してしまい、多くのプレーヤーが落胆した。
    • しかしあまりにもサントラ化希望の声が大きかった為、2017年1月11日にQubellサントラと同時発売された。
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最終更新:2023年12月15日 23:32

*1 開始した当初はコースと同じ200円だった。後にアップデートで100円になった。

*2 一応「★3以上のパーツをセットすると貰える経験値が増える」というメリットはあるのだが、初回プレーで必ず★3以上のパーツを一個貰えるようになっている為問題はない。

*3 1つは「アナと雪の女王」主題歌でお馴染みの「レット・イット・ゴー~ありのままで~」。もう1つはコナミオリジナル曲の「Too late snow」。ロケテストに登場し一旦お蔵入りになっていた譜面でprop稼働末期に正式に遊べるようになった。

*4 ただし後のアップデートでデフォルト解禁されているホールド譜面も登場している。

*5 あまりに削除されすぎて稼働開始時より全体曲数が少なくなっていた時期があったくらいである。

*6 これはひと月前に行われていた「BEMANI×東方Project」イベントでの解禁手順の流用である。

*7 曲終了時のスコアが80万点以上

*8 濁流と呼ばれるサビ地帯や所々にある16分乱打でミスを連発しやすい上、ノーツ数の関係でシャッターボーナス(曲終了時に加算されるスコア)を稼ぎづらいため、クリア条件の70万点を満たすのが困難。

*9 全てのノーツをPERFECT判定で取る事

*10 SOUND VOLTEXに楽曲を提供したJerico氏とは別人であることが判明しており、名義重複を避けたものと見られる。