遊遊人生
【ゆうゆうじんせい】
ジャンル
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ボードゲーム
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対応機種
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PCエンジン
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メディア
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2MbitHuカード
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発売元
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ハドソン
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発売日
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1988年4月22日
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定価
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4,500円
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判定
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なし
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ポイント
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人生ゲーム初の家庭用ゲームソフト 良くも悪くも原作忠実
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人生ゲームシリーズ
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概要
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ハドソンから発売されたPCエンジン初期タイトルの1つで、同ハード初のボードゲームでもある。ゲーム中のタイトルは「Victory Life 遊遊人生」と表記されている。
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ゲームタイトルこそ違うが、本作はれっきとした「人生ゲーム」の公認作であり、クレジットにもタカラ(現:タカラトミー)のライセンス表記がされている。
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タカラ自身が家庭用ゲーム機の人生ゲームをリリースするのは本作の3年後の『人生ゲーム伝説』(ゲームボーイ)であり、スーパーファミコン等で本格的なシリーズ化がされていくのは更に後の事である。
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すなわち本作は事実上の人生ゲーム初の家庭用ゲームソフトデビュー作であり、人生ゲームシリーズにおけるルーツ的な存在に位置する。
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1~5人までの対戦プレイが可能。
主なルール
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1983年にて発売されたボードゲーム版人生ゲーム(通算3代目と呼ばれる存在)がベースとなっている。
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ゲーム開始前にプレイ人数(2~5人)と、プレイヤー・CPU担当の振り分けを選択する。
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例えば「プレイヤー1人とCPU4人の5人プレイ」や「プレイヤー3人だけの3人プレイ」といった設定が可能。
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2人プレイ以上では、コントローラー1つをターン毎にプレイヤー間で持ち回しするプレイも可能だが、マルチタップとプレイ人数のコントローラーを接続すれば、各プレイヤーに専属のコントローラーを持たせてプレイできる。
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その後はプレイヤーの顔と車(コマ)の色の選択を行いゲームスタートとなる。
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自分のターンのマス移動や特定イベントが発生した場合などに、1~10まであるルーレットを回しボタン押しで止め、ゲームを進行していく。
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ゲームの勝利条件は最終的に多くの金を所持している事なのは従来の人生ゲーム通りだが、全員がゴールにたどり着くまでゲームは続行される(一位がゴールしても終わらない)。
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ゴール済みのプレイヤーは自分のターンが廻ってくる度に、年金受給としてルーレットの目に応じた金が自動的に貰える。
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他の詳細ルールは従来の人生ゲームのまんまなので、このページでは割愛する。
評価点
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「人生ゲーム」としての楽しさ。
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原作版人生ゲームの面白さがそのまま再現されたゲームなので、もちろん(当時の基準で見れば)パーティソフトとしての楽しさは折り紙つきだった。
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PCEも含め、当時はこういったボードゲーム自体が家庭用ゲームでプレイできる機会がほぼ無かったので、本作の存在価値はかなり高かった。
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実際、当時の中古ソフト市場で本作の価格がなかなか値下げされなかったのが、人気の高さを物語っていた。
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軽快なテンポ感。
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余計な演出はほとんど無く進行テンポが良質で、とにかくさくさくゲームが進む。
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もちろん、ゲームならではのマスイベント演出はちゃんと完備されており、決して淡々と進むだけの味気無いゲームではない。
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経済的に優しい仕様。
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マルチタップに対応しているが、コントローラー1つでも難なく複数人プレイが可能なのが嬉しい。
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複数同時プレイを余儀なくされるゲームならともかく、本作の様な交互にプレイする形のゲームでは必ずしも複数コントローラーは必要としない点を活かした操作系統といえる。
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グラフィック・BGM周りに関しても優秀。
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当時としてはグラフィックは綺麗で見やすく、BGMもその場の雰囲気マッチした良曲揃いである。
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おまけゲームも収録されている。
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裏技にて、かつてハドソンがパソコンにてリリースしていたものを本作用にアレンジしたミニゲーム『キャノンボール』がプレイできる。
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簡易なミニゲームではあるが意外と侮れない完成度で、中毒性が高かったりするので馬鹿にできない。
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但し、ミニゲームは1人プレイ専用なので、対人戦プレイでこれを遊ぶのは控えるべきである。プレイするなら対人戦が関わらない環境で遊ぶのがベターといえる。
賛否両論点
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運要素の強さ
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人生ゲームの特性上、自身が戦略に関与できる場面は少なく、勝つも負けるも行き当たりばったりな状況になりやすい。
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もちろん、それが人生ゲームの面白いところであり、何が起こるかわからない楽しみを堪能するには問題ないのだが……。
また、論理的な戦略を考えられない初心者でも逆転の余地があり、格差が生まれにくいメリットもある。
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悪くいえば勝敗がほぼ運次第な大味なゲームであり、戦略性を好むプレイヤーからすれば純粋に楽しめる作品とはいえないだろう。
問題点
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ボリューム感に乏しい。
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1988年リリースの旧世代機ソフトであるが故に、プレイバリエーションという意味での物足りなさは否めない。
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MAP数は1つしかなく、マスイベントもあまり多くない為、流石に今の感覚で見ると底が浅い面も否定できないところ。
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とはいえ、安かろう薄かろうな人生ゲームの汚点と比べれば十分なボリュームではあるが…。
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原則として人生ゲームのボードゲーム部分だけをプレイする事に特化している内容である。
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「パーティ向けのミニゲーム」「クリア後の成績結果の保存」「周回プレイなどのやり込み要素」などの、今時の家庭用人生ゲームにあるべき要素は搭載されていない。
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一部のマスイベントが妙にカオス。
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今のご時勢では色々とまずいと思われる、過激なマスイベントが少々ある。
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一例としては「未知なる生物が飛来し、何故か金を落としてくれた」「プレイヤーが悪に目覚め、他プレイヤーの家に侵入して大金窃盗」などが挙げられる。
総評
まだまだソフトに恵まれなかったPCEに貢献したソフトとして当初から評価されていた、楽しいパーティーゲームの一作である。
後に『スーパー桃太郎電鉄(1と2)』がリリースされるまでは、PCE定番のボードゲームとして支持されていた。
その後の展開
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その後、家庭用ゲームソフトとしての人生ゲームは、本家タカラから売れ筋ソフトとして本格的にシリーズ化されていく事となるのは概要でも述べた通り。
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SFC・PS時代にリリースされた新作ソフトは評判が良く「シリーズにおける黄金期」と呼ばれていたが、ゲームの評価は年々下がり、Wii時代にはゴミみたいな扱いのソフトが生み出されていく事となる…。
最終更新:2022年04月01日 17:49