クラッシュ・バンディクー アドバンス わくわく友ダチ大作戦!
【くらっしゅ ばんでぃくー あどばんす わくわくともだちだいさくせん】
スパイロ アドバンス わくわく友ダチ大作戦!
【すぱいろ あどばんす わくわくともだちだいさくせん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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メディア
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128Mbit ROMカートリッジ
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発売元
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ビベンディ・ユニバーサル・ゲームズ
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開発元
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バイカリアス・ビジョンズ
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発売日
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2004年12月9日
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定価
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各4,800円 クリスマススペシャルパッケージ(2本セット):7,980円(全て税別)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:全年齢対象
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判定
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クソゲー
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シリーズファンから不評
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ポイント
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単調すぎるミニゲーム 薄すぎるクロスオーバー要素 友ダチとの通信がメイン?
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クラッシュ・バンディクーシリーズリンク
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スパイロシリーズリンク
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概要
以前から共演していた「クラッシュ」と「スパイロ」の正式なクロスオーバー作品。
これまでのGBAでは『クラッシュ・バンディクー アドバンス』や『スパイロ アドバンス』としてアクションゲームがリリースされていたが、
本作ではジャンルこそアクションと銘打たれているもののミニゲーム集がメインとなっている。
バージョン違いが2本同時発売され、それぞれのタイトル通りの主人公を操作するものとなっており、パッケージにも書かれているとおり相手側の主人公はゲストとして扱われている。
ストーリー
クラッシュの宿敵コルテックスとスパイロの宿敵リプトーは、互いに手を組み世界征服を企てた。二人はクラッシュとスパイロが手を組まないように仕向けようとする。クラッシュとスパイロは謎の怪物がうろついている異変に気づき、それぞれ冒険に出かける。
特徴
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各エリアのステージを周ってクリアしボスに挑む、両シリーズの流れを組んでいる
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ステージ間を移動するエリア内でもダメージを受けたりする点はスパイロシリーズに近い。
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アクションパートでステージの入口まで行くのだが、最大の違いは各ステージがミニゲームになっていることである。
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クラッシュ版ではステージにクリアすると「むらさきパワーストーン」が手に入る。箱があるステージでは「とうめいダイヤ」もある。
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開放したステージはパーティモードで遊ぶことができる。ここでは難易度「むずかしい」も用意されている。
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一部のボーナスステージはミニゲームでなくアクション。
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クラッシュ版は、落ちながら箱を壊す「らっかせい」と時間内に箱を壊す「ハコつぶし(ふんじゃった)」の2種類。
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クラッシュ版とスパイロ版で、進むエリアの順番が異なる。
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『クラッシュ』のリンゴと『スパイロ』のダイヤは通貨となっており、ステージの開放やカードの購入に使う。
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今作の大きな特徴として、トレーディングカードという収集要素がある。
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各エリアにあるボーナスステージて手に入るものや、お店で売ってるもの、落ちているもの、ミニゲームで手に入るものがある。
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カードを集めていくと、パーティモードのボーナスエリアが開放されていく。
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クラッシュ版とスパイロ版で手に入るカードが違う。よって、コンプするには通信が必須。
問題点
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ミニゲームが単調すぎる
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どのミニゲームもオリジナリティに欠けており、単調で飽きやすい。
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そのくせ一部のミニゲームの操作性は悪い。例えばクラッシュ版にある戦車は『カーニバル』のタンクとは違い上下で前進後退、左右で向きを変えるラジコン操作になっている。
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強制スクロールのミニゲームは初見殺し要素が強く、高難易度ではほぼ死んで覚えるゲームと化している。
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新たなエリア解放によって新しいミニゲームが登場するわけではなく、ただ単に難易度が上がったものであるためバリエーション自体も少ない。
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携帯機であるため一人で遊べる内容にしていると思われるが、それを考慮しても出来が悪く盛り上がりに欠ける。
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一応通信対戦可能なミニゲームもあるのだが、一人用のミニゲームを対人向けにしただけ。
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ボス戦もミニゲーム形式で対戦する。ラスボスは「コルテックスとリプトーを倒すためにクラッシュとスパイロが協力する」というクロスオーバーらしい熱い展開なのだが、ただの制限時間付きのシューティングとなっており、あまり盛り上がりにくい。
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クロスオーバーとしての問題
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クロスオーバーでありながら主人公同士が協力する場面がほとんど無い。
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両バージョンでボスとなるニーナは本作が初登場であるためクロスオーバーである本作に出す必要性が感じられない。
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ストーリーも、コルテックスとリプトーが何をきっかけに手を組んだのか描写されていない。
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アクションパート
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今回はステージ間の移動と、一部のボーナスステージのみ。
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エリアで死亡してもペナルティは少ない。クラッシュ版ではリンゴを、スパイロ版はダイヤを落とすだけ。ステージの入口がセーブポイントになっているため、同じステージに入り浸っていれば延々と稼ぐことが可能。よってほぼノーペナルティと言っていい。
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エリアは『レーシング』のワープエリアのように環状になっておらず一直線なため、移動がかなり面倒。
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エリアは下ルートと上ルートに分かれているところがほとんど。なので下に落ちると面倒である。
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クラッシュ版はダブルジャンプとスピンアタックしかアクションできず、アクアクを3枚とっても無敵にならない。
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スパイロ版では敵にぶつかる→跳ね飛ばされる→落下、ということが起こりやすい。
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アクションパートの存在意義が問われるがワープルーム方式を採用すると、単調なミニゲームの繰り返しになってしまうため、申し訳程度のアクションパートでごまかしているとしか思えない。
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カードに関する問題点
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コンプを目指すには別版とのトレードが必須。
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トレードをすると、もちろん交換したカードは手元から無くなってしまう。なので、また集め直す必要がある。
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トレードの際、一部のカードはマルチプレイヤーのキャラ使用条件に関わっているので気をつける必要がある。
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1度しか入手できないカードが存在するので、クラッシュ版とスパイロ版の両方をコンプさせようとするにはお互いにカード出資用のセーブデータを作成しておかなければ不可能である。幸いセーブデータは3つあるのでソフトを複数購入する必要は無い。
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トレード後には交換に使ったカードの再入手をしていかなければならないが、お店で出されるカードはランダムなため、ひたすらリンゴやダイヤを貢ぐ面倒な作業ゲーになる。
評価点
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一応存在するクロスオーバー要素
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問題点にある通り、クロスオーバー要素が薄いのだが、両バージョンにおいて戦う最初のボスが相手側の主人公だったり、クラッシュがリプトーとスパイロがコルテックスと戦うといったクロスオーバーらしい展開は用意されている。逆に言うとミニゲームではそれ位しかないのだが。
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エリアには別版のキャラが登場し、会話することも出来る。
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セーブはオートセーブ式で、ミニゲームから出たりエリアが変わったときに行われるので便利。
総評
両作とも元のジャンルがアクションゲームであり、これまでのGBA版ではハードの差はあれど据置機でリリースされていた本編タイトルのゲーム性に沿ったタイトルがリリースされていたのだが、
今作はまさかのミニゲーム集だったため本作に期待したユーザーを大きく裏切ってしまった作品となった。
ミニゲームもアクションも収集要素も何もかも中途半端な出来。ゲームのタイトル通り別版のソフトを持っている友達がいないと、トレーディングカードやミニゲームの魅力はゼロである。
そしてせっかくのクロスオーバー作品にもかかわらず、クロスオーバー要素が薄すぎるという残念な結果になってしまった。
もしどうしてもGBAでクラッシュやスパイロを遊びたいのなら他のシリーズタイトルを選んだほうが良いだろう。
余談
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日本では『クラッシュ5』と同日発売だが、海外ではこちらが先に発売している。そのため本作はニーナが『5』に先駆けて登場した。また終盤でスパイロが登場する場面がある。
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日本でのセット販売はソフト自体を2本同梱しているものだったが、海外では1本のソフトに両タイトルをまとめた2in1形式でも発売された。
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しかし前述の通信要素によるコンプを考えると各ソフトがバラである必要があるため、本作に限っては2in1形式ではあまり嬉しくない。
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起動時にLとRを押すとスパイロ版ではGBA版『ニトロカート』と同様、『クラッシュパーティー』を、クラッシュ版では『スパイロパーティー』という音楽ゲームを遊ぶことができる。内容はキャラが違うだけである。
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コナミの『beatmania』のように、流れてくる音符を押すと音楽が鳴る仕組みになっているが、特許権侵害になってるような…。
(※『ニトロカート』の日本版発売はコナミだったが、本作の発売時点で既にコナミはクラッシュ&スパイロシリーズの販売元ではなくなっている)
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デベロッパーであるバイカリアス・ビジョンズは本作発売後の翌年1月にアクティビジョンの買収により傘下会社となり、現在に至る。
最終更新:2024年03月06日 22:35